毎年、「最低」映画賞を表彰しているゴールデンラズベリー賞(通称ラジー賞)が、23日にノミネーションを発表した。最低主演女優賞に12歳の子役ライアン・キーラ・アームストロング(『炎の少女チャーリー』)をノミネートしたことから、批判が殺到。11歳の子役ジュリアン・ヒリアード(「ワンダヴィジョン」)は「ラジー賞はそもそも意地悪く低俗なものだが、子どもをノミネートするのはひどく不快だし間違っている」とSNSに投稿。ジョー・ルッソ監督は「11歳の女の子を候補に挙げたことで、ラジー賞はまたしても評判を下げた。私はあの子の演技を高く評価したよ。人々のがんばりをけなし続ける(するべきではないが)のであれば、ターゲットは大人であるべきだ」などと映画人も怒りの声を上げ、同賞創設者のジョン・ウィルソンがライアンの候補入りを取り消して謝罪する騒動となった。多くの批判を受け、「自分たちがどれだけ無神経であったか」を気づかされたというウィルソンは、ライアンへの謝罪声明を発表。今後、18歳未満の俳優や映画製作者を選考対象外とすることも約束した。ラジー賞は、これまでにも『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』のジェイク・ロイドやマコーレー・カルキンなど、10代前半の子役をノミネートしていた。(賀来比呂美)■関連作品:炎の少女チャーリー 2022年6月17日より全国にて公開© 2022 UNIVERSAL STUDIOS. ALL Rights Reserved.
2023年01月26日「第46回日本アカデミー賞」の正賞15部門各優秀賞および新人俳優賞が1月23日(月)に発表された。なお、司会は羽鳥慎一と有村架純が務める。優秀作品賞を受賞したのは、『ある男』、『シン・ウルトラマン』、『月の満ち欠け』、『ハケンアニメ!』、『流浪の月』の5本となった。島谷能成会長は、「2022年は観客動員数が(前年と比べて)約30%増、お客さんが映画館に戻ってくれている1年でした。興行収入100億円を超える作品が5本も出て、そんなのは初めて。豊作の1年だった」とふり返った。なお、第46回日本アカデミー賞は、2022年1月1日~12月31日までに東京地区において有料で初公開された、40分以上の劇場用劇映画及びアニメーション作品、ならびに劇場公開を目的に製作された新作で、東京地区の同一劇場で1日3回、かつ2週間以上、映画館のみで連続して上映された作品が対象になっている。今回で連続4回目の司会となった羽鳥さんは、「毎年緊張してやっております」と話す。「今回は、(コロナ禍以降)初めてお客さんが100%入るということで、楽しみたいと思いつつまた緊張感が上がるなと。けど、通常に戻ってきたうれしさもあります」と声を弾ませた。同じく司会を行うのは、第45回同賞で『花束みたいな恋をした』にて最優秀主演女優賞を受賞した有村さん。有村さんは、「まさかこのような日がくるとは思っておらず、大きな式典の司会を務めるなんてと感慨深く思います。会場にいらっしゃる登壇者の方々、お客様の皆さんと一緒に、素敵な夜を過ごせるよう自分自身も楽しみながらまっとうできればと思います」と心を込めた。アカデミー賞授賞式の場について、有村さんは「どの作品においても、自分が参加していない作品でも、同じ志を持った方たち、戦友のような・仲間のような方たちが集まって、ひとおもいに心を込めてご自身の言葉でスピーチされる時間を共有できることが、私はとてもこの空間において幸せだなと感じました。当日、皆さんにとっても、そのような思いのあふれる1日になれたらいいなと思います」と語っていた。授賞式は3月10日(金)にグランドプリンスホテル新高輪の国際館パミールで行われ、各部門の最優秀賞が発表される。(cinamacafe.net)
2023年01月23日英国アカデミー賞(BAFTA)のノミネーションが発表された。長編映画部門に候補入りしたのは、『西部戦線異状なし』、『イニシェリン島の精霊』、『エルヴィス』、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』、『TAR/ター』。監督部門の候補はエドワード・ベルガー(『西部戦線異状なし』、)マーティン・マクドナー(『イニシェリン島の精霊』)、パク・チャヌク(『別れる決心』)、ダニエル・シャイナート&ダニエル・クワン(『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』)、トッド・フィールド(『TAR/ター』)、ジーナ・プリンス=バイスウッド(『The Woman King』)。主演男優部門の候補は、オースティン・バトラー(『エルヴィス』)、コリン・ファレル(『イニシェリン島の精霊』)、ブレンダン・フレイザー(『ザ・ホエール』)、ダリル・マコーマック(『グッドラック・トゥ・ユー、レオ・グランデ』)、ポール・メスカル(『Aftersun』)、ビル・ナイ(『生きる LIVING』)。主演女優部門の候補は、ケイト・ブランシェット(『TAR/ター』)、ヴィオラ・デイヴィス(『The Woman King』)、ダニエル・デッドワイラー(『Till』)、アナ・デ・アルマス(『ブロンド』)、エマ・トンプソン(『グッドラック・トゥ・ユー、レオ・グランデ』)、ミシェル・ヨー(『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』)だった。授賞式は2月19日。文=猿渡由紀
2023年01月20日英国アカデミー賞(BAFTA賞)のノミネーションが発表された。ドイツ映画の『西部戦線異状なし』が最多14ノミネート、『イニシェリン島の精霊』『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』が10ノミネートと続く。英国アカデミー賞授賞式は2月19日、ロンドンのサウスバンク・センター内ロイヤル・フェスティバル・ホールで開催される。司会はリチャード・E・グラント。主なノミネーションは以下の通り。■作品賞『西部戦線異状なし』『イニシェリン島の精霊』『エルヴィス』『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』『TAR/ター』■主演女優賞ダニエル・デッドワイラー『Till』エマ・トンプソン『Good Luck to You, Leo Grande』ケイト・ブランシェット『TAR/ター』ヴィオラ・デイヴィス『The Woman King』アナ・デ・アルマス『ブロンド』ミシェル・ヨー『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』■主演男優賞コリン・ファレル『イニシェリン島の精霊』ダリル・マコーマック『Good Luck to You, Leo Grande』ポール・メスカル『Aftersun』オースティン・バトラー『エルヴィス』ブレンダン・フレイザー『ザ・ホエール』ビル・ナイ『生きる LIVING』■助演女優賞ホン・チャウ『ザ・ホエール』アンジェラ・バセット『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』ケリー・コンドン『イニシェリン島の精霊』ジェイミー・リー・カーティス『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』ドリー・デ・レオン『逆転のトライアングル』キャリー・マリガン『SHE SAID/シー・セッド その名を暴け』■助演男優賞アルブレヒト・シュッフ『西部戦線異状なし』マイケル・ウォード『エンパイア・オブ・ライト』ブレンダン・グリーソン『イニシェリン島の精霊』バリー・コーガン『イニシェリン島の精霊』キー・ホイ・クァン『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』エディ・レッドメイン『グッド・ナース』■監督賞エドワード・ベルガー『西部戦線異状なし』パク・チャヌク『別れる決心』トッド・フィールド『TAR/ター』ジーナ・プリンス=バイスウッド『The Woman King』ダニエル・クワン&ダニエル・シャイナート『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』マーティン・マクドナー『イニシェリン島の精霊』■脚本賞『イニシェリン島の精霊』『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』『フェイブルマンズ』『TAR/ター』『逆転のトライアングル』■脚色賞『西部戦線異状なし』『生きる LIVING』『The Quiet Girl』『SHE SAID/シー・セッド その名を暴け』『ザ・ホエール』■アニメ賞『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』『Marcel the Shell With Shoes On』『長ぐつをはいたネコと9つの命』『私ときどきレッサーパンダ』(賀来比呂美)
2023年01月20日「第77回毎日映画コンクール」にて『ケイコ 目を澄ませて』が日本映画大賞ほか最多5冠を達成。女優主演賞は同作の岸井ゆきの、男優主演賞には『土を喰らう十二ヵ月』沢田研二が選ばれ、日本映画優秀賞は『夜明けまでバス停で』が受賞した。そのほか、男優助演賞は『ある男』の窪田正孝、女優助演賞は『さがす』の伊東蒼が受賞。また、スポニチグランプリ新人賞は『サバカン SABAKAN』の番家一路、『マイスモールランド』の嵐莉菜に贈られる。『ある男』『ケイコ 目を澄ませて』は日本映画大賞、女優主演賞、監督賞、撮影賞、録音賞を受賞して最多5冠を獲得。岸井さんからは「日々の私を見守ることで懸命に支えてくださり、映画ができていく瞬間を共にした大切な仲間です。このような賞を一緒に受賞できたことを心から嬉しく思います」とのコメントが到着。また、三宅唱監督は「岸井さんの受賞、そして月永さんと川井さんの受賞がとても嬉しいです。作品賞については、個別の部門が設定されてはいない各部のプロフェッショナルな仕事のすべてが結実したものとして勝手に受け止めさせていただき(総スケ賞、弁当賞、雨降賞etc.)、素晴らしい役者たち、スタッフたちとともに働くことができたことを誇りに思います」と喜びのコメントを寄せた。映画ファンが選ぶTSUTAYA DISCAS映画ファン賞・日本映画部門は、『チェリまほ THE MOVIE ~30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい~』(風間太樹監督)、外国映画部門は『トップガン マーヴェリック』(ジョセフ・コシンスキー監督)が受賞する。『チェリまほ THE MOVIE ~30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい~』なお、表彰式は、めぐろパーシモンホールで2月14日に開催が予定されている。第77回毎日映画コンクール受賞結果日本映画大賞:『ケイコ 目を澄ませて』(三宅唱監督)日本映画優秀賞:『夜明けまでバス停で』(高橋伴明監督)外国映画ベストワン賞:『ベルファスト』(ケネス・ブラナー監督)男優主演賞:沢田研二『土を喰らう十二ヵ月』女優主演賞:岸井ゆきの『ケイコ 目を澄ませて』男優助演賞:窪田正孝『ある男』女優助演賞:伊東蒼『さがす』スポニチグランプリ新人賞(男性):番家一路『サバカン SABAKAN』スポニチグランプル新人賞(女性):嵐莉菜『マイスモールランド』監督賞:三宅唱『ケイコ 目を澄ませて』脚本賞:早川千絵『PLAN75』撮影賞:月永雄太『ケイコ 目を澄ませて』美術賞:今村力、新田隆之『死刑にいたる病』音楽賞:青葉市子『こちらあみ子』録音賞:川井崇満『ケイコ 目を澄ませて』アニメーション映画賞:『高野交差点』(伊藤瑞希監督)大藤信郎賞:『犬王』(湯浅政明監督)ドキュメンタリー映画賞:『スープとイデオロギー』(ヤン・ヨンヒ監督)TSUTAYA DISCAS映画ファン賞・日本映画部門:『チェリまほ THE MOVIE ~30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』TSUTAYA DISCAS映画ファン賞・外国映画部門:『トップガン マーヴェリック』田中絹代賞:寺島しのぶ特別賞:中島貞夫(映画監督)『ケイコ 目を澄ませて』はテアトル新宿ほかにて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:トップガン マーヴェリック 2022年5月27日より全国にて公開©2019 PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.犬王 2022年5月28日より全国にて公開©“INU-OH” Film Partnersある男 2022年11月18日より全国にて公開©2022「ある男」製作委員会さがす 2022年1月21日よりテアトル新宿ほか全国にて公開©2022『さがす』製作委員会チェリまほ THE MOVIE ~30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい~ 2022年4月8日より全国にて公開©豊田悠/SQUARE ENIX・「チェリまほ THE MOVIE」製作委員会ベルファスト 2022年3月25日よりTOHOシネマズシャンテ、渋谷シネクイントほか全国にて公開© 2021 Focus Features, LLC.ケイコ 目を澄ませて 2022年12月16日よりテアトル新宿ほか全国にて公開©2022 映画「ケイコ 目を澄ませて」製作委員会/COMME DES CINÉMASPLAN75 2022年6月17日より新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2022『PLAN75』製作委員会 / Urban Factory / Fuseeスープとイデオロギー 2022年6月11日よりユーロスペース、ポレポレ東中野、シネマート心斎橋、第七藝術劇場ほか全国にて公開© PLACE TO BE, Yang Yonghi土を喰らう十二ヵ月 2022年11月11日より新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座ほか全国にて公開©2022『土を喰らう十二ヵ月』製作委員会
2023年01月19日近年、熱狂的な人気を誇り、映画界でも勢いを増しているインド映画。ひしめき合う話題作のなかから今回ご紹介するのは、本年度のアカデミー賞で国際長編映画賞のインド代表に選出された注目の1本です。『エンドロールのつづき』【映画、ときどき私】 vol. 550インドのグジャラート州にある田舎町で、学校に通いながら父のチャイ店を手伝っていた9歳のサマイ。映画を低劣なものだと思っている厳格な父だったが、ある日特別に家族を映画館へと連れていく。人で溢れ返ったギャラクシー座で、サマイは初めて観る映画にすっかり魅了される。後日、サマイは再びギャラクシー座に忍び込もうとするが、チケット代が払えずにつまみ出されてしまう。それを見た映写技師のファザルから、ある提案をされる。なんと料理上手なサマイの母が作る弁当と引換えに、映写室から映画を見せてくれるというのだ。映写窓から観るさまざまな映画に圧倒されたサマイは、いつしか「映画を作りたい」という夢を抱きはじめるのだが……。インド映画のなかでも、日本で一般公開される初のグジャラート語映画となる本作。世界各国の映画祭で絶賛されている魅力について、こちらの方にお話をうかがってきました。パン・ナリン監督映画制作のみならず、BBCやディスカバリーチャンネルのドキュメンタリーを手掛けてキャリアを積んできたナリン監督。2022年には、グジャラート州出身者として初めて米アカデミー会員にも選ばれ、いまや国際的な監督となっています。そこで、自身の経験を反映させた本作に込めた思いや映画界に抱いている危機感、そして日本映画の印象などについて、語っていただきました。―本作はほぼ監督の自伝ということですが、物語はどのようにして構成していったのでしょうか。監督すべてではないですが、今回は実際に僕に起きた出来事をベースに作りました。なので、お弁当と交換に映画を見せてもらっていたことも、父親がチャイの露店をしていたこともすべて事実。家族や友人から昔の話を聞いて、ネタを集めていきました。映画のフィルムを盗んで捕まり、少年院に拘留されてしまったエピソードも本当のことですが、インドの大スターであるアミターブ・バッチャンが出演していた作品だったこともあって、近隣の街では当時大騒ぎになったんですよ(笑)。―まさに映画のような出来事ですね。実話とフィクションの両方を描くうえで、意識したこともありましたか?監督観客に披露するまでは、「ちゃんとバランスが取れているんだろか?」と自分のなかでも、ものすごい不安がありました。ニューヨークのトライベッカ映画祭での上映が最初でしたが、観客のみなさんが立ち上がって喜んでくださり、観客賞まで受賞したのでよかったですが、それまでは本当に怖かったです。意識したことを挙げるとすれば、実話ということもあって僕自身の視点で描かれている作品ではあるものの、友人でもある映写技師の視点も大事にしたこと。とはいえ、ドキュメンタリーではないので、ある程度の自由を持って作っていますし、僕が大好きな映画作家に捧げるオマージュも今回はかなり入れています。夢のような感覚は、映画館でしか味わえない―監督が子ども時代だった頃と現在では、社会における映画や映画館の存在も変化していると思いますが、危機感のようなものはありますか?監督世界の映画館の25~30%が二度と営業を再開しないという形で閉鎖しているという話を聞いたばかりなので、それは懸念すべきこと感じています。ただ、映画のなかでも言っているように、映画にはつねに未来があるという事実は変わらないかなと。とはいえ、どうやって物語が作られ、それがどのように受け止められるのかということに関しては、激変しているのではないでしょうか。たとえば、昔だったら映画は映画館でしか体験できないものでしたが、いまでは配信などでどこでも観られる時代。しかもデジタルによって自由を手にしているので、誰でも映像を作ることができ、SNSなどで発信することもできるようになりましたよね。ときにはそれが大作の映画よりもバズることもあるので、映画の存在が薄くなっているようなところはあるのかなと。ただ、ゲームやYouTubeなどから新しいものがどんどん入ってきている状況なので、僕も興味を持っていますし、どうなっていくのかは見届けていきたいです。―映画館の減少とともに、動画配信が主流となっていくなか、サマイのように映画館で感動する体験が失われつつあります。監督が思う映画館ならではの魅力とは?監督暗くなった映画館に座ってからは、スマホを見ることもほかの用事をすることもなく、早回しも巻き戻しもできない状況で映画を観ることになります。でも、それは自宅では味わえない経験ではないでしょうか。さらに、見知らぬ人たちと一緒に映画を観るという環境も、心理的には大きな違いですよね。おそらく大人でも子どもでも、同じことが言えると思っています。これは哲学者や心理学者の方々と話をしたときに聞いたことですが、人が夢を見ている場合、夢の長さはだいたい90分から120分くらい。映画もそれと同じくらいの尺の作品が多いので、専門家たちの間では夢と映画には関連性があるのではないかと言われているそうです。だからこそ、映画を観ると夢に近いような体験ができるのですが、それはパソコンの画面では味わえないものではないかなと。もちろん、情報や物語を受け止めることはできますが、夢心地のような感覚とインパクトは映画館に行かないと体感できないものだと考えています。日本映画から影響を受けていない地域はないと感じる―なるほど、確かにそうですね。監督は自他ともに認める映画マニアでもありますが、日本映画に対してはどのような印象をお持ちですか?監督日本の映画文化は革新的なところがありますし、日本では本当に数多くの映画が作られているので、それは素晴らしいことだと思っています。実際、アメリカをはじめ、フランスやイタリアなど世界中の監督と話していると、日本映画から影響を受けていない地域はないんじゃないかと感じるほどです。日本の作品が海外でリメイクされることも多いので、それは新しい形のストーリーテリングを生み出せている証拠ではないでしょうか。少し前だと、中田秀夫監督をはじめとするJホラーの作品もジャンル映画にはさまざまな影響を与えていますし、日本にはユニークな映画言語があると感じています。あとは、宮崎駿監督のような存在も映画界には必要ですよね。ほかにも、日本の映画文化に関してあまり欧米では知られていなくて残念なこともあるんですよ。世界は日本の映画界における女性の活躍をもっと知るべき―それは、どのようなことでしょうか。監督映画界において、“女性活躍のパイオニア”は日本だったのではないかと僕は考えています。実際、日本初の女性映画監督である坂根田鶴子監督は、サイレント映画の終わりころの時代に男性社会である映画界で働くために男性のように髪を短く切って仕事をしていたとか。それほど前から、実は日本の映画界では女性が活躍し続けているのです。ほかにもオードリー・ヘプバーンと同じくらい海外でもっと知られるべきと感じているのは、田中絹代さん。日本映画だと溝口健二、小津安二郎、黒澤明といった名前ばかりが上がりがちですが、田中さんは女優として250本あまりの映画に出演し、映画監督にもなった女性です。僕個人としては、彼女たちのような女性たちが活躍していたことをもっと多くの人に知ってほしいなと。こんなに初期から女性監督が映画界に関わっていたという例は少ないので、日本は先を行っていたほうだと思います。僕自身は日本映画をきっかけに日本を好きになり、いまでは日本の精神性や武術、茶道、歌舞伎など、さまざまな日本文化に魅了されてきました。過去には日本と共同製作した作品の撮影で何度も日本を訪れていますが、ガッカリしたことは一度もありません。すべてがとても素敵な記憶として残っています。いろんな側面を持つ故郷グジャラートを見てほしい―そう言っていただき、うれしい限りです。映画を通して日本に関心を持ってくださった監督のように、本作は日本で一般公開される初のグジャラート語映画ということで日本の観客には興味深いところも多いかと。注目してほしいポイントなどがあれば、教えてください。監督グジャラートという地域に関しては、実はインド国内でもそこまで知られている場所ではありません。ただ、何世紀も前からいろんな旅人が滞在してきた歴史を持つユニークな地域で、多種多様な人種が生活しています。それは劇中の子どもたちを見ていただくだけでも、いろんな人種のバックグラウンドの違いを感じていただけるはずです。また、自然が豊かな場所でもあるので、塩でできている砂漠や山脈などもありますし、アジアのなかではライオンの最後の生息地とも言われています。あとは、これが一番有名かもしれませんが、ガンジーの生まれ故郷でもあるんですよ。そんなふうに、いろんな側面を持つグジャラートという地域をぜひご覧ください。人生においては、誰もが自分が主人公!生まれ育った故郷と家族、そして映画に対する溢れんばかりの愛に包まれた本作。好きなものを純粋に追いかけるサマイの姿に、夢に向かって突き進む情熱こそが人生に光を与えてくれるものだと思い出させてくれるはずです。取材、文・志村昌美輝きに満ちた予告編はこちら!作品情報『エンドロールのつづき』1月20日(金)より、新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、シネ・リーブル池袋ほか全国公開配給:松竹️ALL RIGHTS RESERVED ©2022. CHHELLO SHOW LLP
2023年01月18日今年の映画俳優組合賞(SAG)功労賞が、サリー・フィールドに贈られることになった。フィールドは1967年に映画デビュー。『ノーマ・レイ』と『プレイス・イン・ザ・ハート』でオスカー主演女優賞を受賞、『リンカーン』で助演女優部門にノミネートされた。最新作は来月アメリカ公開予定のコメディ映画『80 for Brady』。共演はジェーン・フォンダ、リタ・モレノ、リリー・トムリンら。授賞式は2月26日、ロサンゼルスのフェアモント・センチュリープラザホテルで行われる。授賞式は、昨年まで、アメリカではケーブルチャンネルのTBSとTNTが放映していたが、今年はNetflixがYouTubeを通じて全世界配信。来年からは正式にNetflixのプラットホームで配信される。文=猿渡由紀
2023年01月18日“アニメーションのアカデミー賞”とも呼ばれる第50回アニー賞のノミネートが、日本時間1月18日深夜に発表。湯浅政明監督の『犬王』が長編インディペンデント作品賞と脚本賞(野木亜紀子)にノミネートされた。本作は、「平家物語 犬王の巻」(著:古川日出男)を原作に、室町時代に人々を熱狂させた実在の能楽師・犬王と、そのバディである琵琶法師・友魚との強烈な友情と“能楽”の世界を鮮烈な視点で描いた作品。湯浅監督×野木亜紀子(脚本)×松本大洋(キャラクター原案)×大友良英(音楽)らクリエイター陣にくわえ、犬王役には、「女王蜂」として音楽活動をはじめ止まらない躍進を遂げるアヴちゃん。友魚役は、カテゴリーに縛られない表現者として卓越した演技力・歌唱力を持つ森山未來が演じている。2022年5月28日に全国121館で封切られ、観客動員数24万人、興行収入3.5億を突破。公開から7か月を超えるいまもロングラン上映を続けている。また、アニー賞は1972年、国際アニメーションフィルム協会(International Animated Film Association)によって設立。年に一度、世界中の優れたアニメーション作品・スタッフ・キャストに贈られる賞で、“アニメーション界のアカデミー賞”とも呼ばれる。湯浅監督作品が同・長編インディペンデント作品賞にノミネートされるのは『きみと、波にのれたら』(2021)以来2度目。「アドベンチャー・タイム」でのTV部門監督賞へのノミネートも併せると3度目となる。受賞した場合、日本製作の作品としては2018年の『未来のミライ』(細田守監督/スタジオ地図)に次ぐ快挙に。脚本賞は宮崎駿監督/スタジオジブリ『千と千尋の神隠し』(2002)、『風立ちぬ』(2013)以来のノミネート。長編インディペンデント作品賞には、A24が北米配給したストップモーションアニメ『Marcel the Shell with Shoes On』(原題)やNetflixアニメ映画『エルマーのぼうけん』などがノミネートされている。受賞作品は日本時間2月26日(日)、現地時間2月25日(土)にロサンゼルスで予定されている授賞式で発表。主なノミネートは以下の通り。『私ときどきレッサーパンダ』第50回アニー賞主要ノミネート作品賞『私ときどきレッサーパンダ』『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』『長ぐつをはいたネコと9つの命』『ジェイコブと海の怪物』『ウェンデルとワイルド』長編インディペンデント作品賞『Charlotte』(原題)『犬王』『Little Nicholas, Happy As Can Be』(原題)『Marcel the Shell with Shoes On』(原題)『エルマーのぼうけん』監督賞(長編)ドミー・シー『私ときどきレッサーパンダ』ギレルモ・デル・トロ、マーク・グスタフソン『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』ディーン・フライシャー・キャンプ他『Marcel the Shell with Shoes On』(原題)ノラ・トゥーミー『エルマーのぼうけん』ヘンリー・セリック『ウェンデルとワイルド』脚本賞(長編)ドミー・シー、ジュリア・チョー『私ときどきレッサーパンダ』ジェイソン・ロフタス『ETERNAL SPRING(長春)』野木亜紀子『犬王』ディーン・フライシャー・キャンプ、ジョニー・スレイト他『Marcel the Shell with Shoes On』(原題)(text:cinemacafe.net)■関連作品:【Netflix映画】ブライト 2017年12月22日よりNetflixにて全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】マッドバウンド 哀しき友情 2017年11月17日よりNetflixにて全世界同時配信【Netflixオリジナルドラマ】オルタード・カーボン 2018年2月2日より全世界同時オンラインストリーミング2月2日(金)より全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】レボリューション -米国議会に挑んだ女性たち-犬王 2022年5月28日より全国にて公開©“INU-OH” Film Partners私ときどきレッサーパンダ 3月11日よりディズニープラスにて見放題で独占配信開始©2021 Disney/Pixar. All Rights Reserved.長ぐつをはいたネコと9つの命 2023年3月17日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2022 DREAMWORKS ANIMATION LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
2023年01月18日“アニメーションのアカデミー賞”とも呼ばれる第50回アニー賞にて、湯浅政明監督による劇場アニメーション『犬王』が長編インディペンデント作品賞に、野木亜紀子が脚本賞にノミネートされた。本作は『平家物語 犬王の巻』(著:古川日出男)を原作にした変幻自在のミュージカル・アニメーション。室町時代に人々を熱狂させた実在の能楽師・犬王と、そのバディである琵琶法師・友魚との強烈な友情と“能楽”の世界が鮮烈な視点で描かれ、公開から7か月を越える今もロングラン上映を続ける話題作だ。メガホンを取ったのは『夜は短し歩けよ乙女』の湯浅政明監督。さらに脚本をドラマ『MIU404』などの野木亜紀子、キャラクター原案を松本大洋、音楽を大友良英が手がけるなど豪華クリエイター陣が集結している。声の出演は、女王蜂のアヴちゃんが犬王を、森山未來が友魚を演じており、共に圧倒的な存在感で作品を彩っている。『犬王』©2021 “INU-OH” Film Partners日本時間1月18日(水)深夜1時頃、第50回アニー賞で『犬王』が長編インディペンデント作品賞に、野木亜紀子が脚本賞にノミネートされたことが発表された。湯浅監督作品が長編インディペンデント作品賞にノミネートされるのは『きみと、波にのれたら』(2021)以来2度目。TVアニメ『アドベンチャー・タイム』でのTV部門監督賞へのノミネートも併せると3度目となる。受賞した場合、日本製作の作品としては、2018年の『未来のミライ』(細田守監督/スタジオ地図)に次ぐ快挙となる。脚本賞は宮崎駿監督によるスタジオジブリ作品『千と千尋の神隠し』(2002)、『風立ちぬ』(2013)以来となる。受賞作品は日本時間2月26日(日)(現地時間2月25日)にロサンゼルスで予定されている授賞式で発表予定だ。劇場アニメーション『犬王』DVD&Blu-ray発売中/公開中配給:アニプレックス、アスミック・エース
2023年01月18日放送映画批評家協会賞(Critics Choice Awards)が発表された。作品部門に輝いたのは、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』。今作は、監督、脚本、助演男優部門でも受賞した。主演男優賞は、『ザ・ホエール』のブレンダン・フレイザー、主演女優賞は『TAR/ター』のケイト・ブランシェット。助演女優賞は『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』のアンジェラ・バセット。長編アニメーション賞は『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』、外国語映画賞と歌曲賞は『RRR』、脚色賞は『ウーマン・トーキング 私たちの選択』が受賞した。『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』3月3日(金)公開文=猿渡由紀
2023年01月17日Apple TV+の「Pachinko パチンコ」(アメリカ・韓国・カナダ合作)が、第28回放送映画批評家協会賞(クリティクス・チョイス・アワード)にて外国語ドラマシリーズ賞を受賞。同賞には「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」もノミネートされていたなか、前回の「イカゲーム」に続く快挙となった。Apple TV+「Pachinko パチンコ」映画部門では、最多14ノミネートの『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』が作品賞・監督賞・脚本賞・助演男優賞(キー・ホイ・クァン)・編集賞の計5冠を達成。『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』外国語映画賞には、韓国パク・チャヌク監督の『別れる決心』をはじめ、ゴールデン・グローブ賞を受賞した『アルゼンチン1985 ~歴史を変えた裁判~』などがノミネートされていたが、インド映画の『RRR』が主題歌賞と合わせて受賞した。『RRR』なお、エンターテイメントにおいてステレオタイプを打ち破るリアルな女性像を体現した女性に贈られるSeeHer賞は、LBGTQIA+コミュニティの活動家であり『ナイブズ・アウト:グラス・オニオン』で助演女優賞にノミネートされていたジャネール・モネイに授与された。放送映画批評家協会賞は、北米の放送や映画に関わる批評家協会によって選出。アカデミー賞の前哨戦として例年その結果の行方が注目されている。今年は現地時間1月15日、ロサンゼルスにて開催された。主な受賞結果は以下の通り。映画部門作品賞『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』監督賞ダニエル・シャイナート&ダニエル・クワン『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』主演女優賞ケイト・ブランシェット『TÁR』主演男優賞ブレンダン・フレイザー『ザ・ホエール』助演女優賞アンジェラ・バセット『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』助演男優賞キー・ホイ・クァン『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』コメディ映画作品賞『ナイブズ・アウト:グラス・オニオン』アンサンブル演技賞『ナイブズ・アウト:グラス・オニオン』脚本賞ダニエル・シャイナート&ダニエル・クワン『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』脚色賞サラ・ポーリー『ウーマン・トーキング 私たちの選択』外国語映画賞『RRR』主題歌賞「Naatu Naatu」『RRR』アニメ賞『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』テレビ部門外国語ドラマシリーズ「Pachinko パチンコ」ドラマシリーズ・作品賞「ベター・コール・ソウル」ドラマシリーズ・主演女優賞ゼンデイヤ「EUPHORIA/ユーフォリア」ドラマシリーズ・主演男優賞ボブ・オデンカーク「ベター・コール・ソウル」コメディシリーズ・作品賞「アボット エレメンタリー」コメディシリーズ・主演女優賞ジーン・スマート「Hacks」(原題)コメディシリーズ・主演男優賞ジェレミー・アレン・ホワイト「一流シェフのファミリーレストラン」(上原礼子)■関連作品:RRR 2022年10月21日より全国にて公開警官の血 2022年10月28日より新宿バルト9ほか全国にて公開© 2022 ACEMAKER MOVIEWORKS & LEEYANG FILM. All Rights Reserved.エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス 2023年3月3日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2022 A24 Distribution, LLC. All Rights Reserved.
2023年01月16日全米プロデューサー組合賞(PGA)のノミネーションが発表になった。長編映画部門に候補入りしたのは、『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』、『イニシェリン島の精霊』、『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』、『エルヴィス』、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』、『フェイブルマンズ』、『ナイブズ・アウト:グラス・オニオン』、『TAR/ター』、『トップガン マーヴェリック』、『ザ・ホエール』の10本。PGAの結果は伝統的にオスカー作品賞と一致することが多く、オスカー予測上の重要な指針とされる。近年はアカデミーの投票者数が増え、層も変わってきたことから、以前ほどには当てにできなくなったものの、昨年はどちらも『コーダ あいのうた』を選出した。授賞式は2月25日。文=猿渡由紀
2023年01月13日全米監督組合賞(DGA)のノミネーションが発表になった。長編映画部門に候補入りしたのは、トッド・フィールド(『TAR/ター』(5月公開))、ジョセフ・コシンスキー(『トップガン マーヴェリック』)、ダニエル・クワン&ダニエル・シャイナート(『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(3月3日公開))、マーティン・マクドナー(『イニシェリン島の精霊』(1月27日公開))、スティーヴン・スピルバーグ(『フェイブルマンズ』(3月3日公開))。これまでの賞で監督部門に食い込んできた『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』のジェームズ・キャメロンは、入らなかった。また、有力視されていたサラ・ポーリー(『ウーマン・トーキング 私たちの選択』)も落ちたことで、候補者全員が男性になってしまったが、初監督部門は、5人のうち4人が女性だった。授賞式は2月18日。文=猿渡由紀
2023年01月12日ティモシー・シャラメとルカ・グァダニーノ監督が再びタッグを組んだ『ボーンズ アンド オール』。本作でヴェネチア国際映画祭新人俳優賞(マルチェロ・マストロヤンニ賞)を受賞した注目のテイラー・ラッセル演じるヒロイン、マレンに迫る特別映像が解禁となった。今回、解禁となった映像は、テイラー・ラッセルが演じる主人公マレンにフォーカスした《人喰いマレン編》。映画界を席巻するスタジオ「A24」製作の『WAVES/ウェイブス』(2019)でのエモーショナルな演技で注目されたテイラーは、生まれながらに人喰いの衝動をもった宿命を背負い、逃避行を続けるマレンを演じている。映像は、本能の赴くままに同級生に噛みついてしまったマレンがカセットテープの父の声を聴くシーンから始まる。「もう助けられない。お前のせいじゃない。生まれつきだ」と父に見放された彼女は、たったひとりで孤独な旅を始めることに。「本能に従って演技をすると、不思議な境地にたどり着く」「こんな脚本は読んだことがなかった」というテイラーは、「マレンはとてもユニーク。彼女は人と繋がりたいけど、うまくいかない」と、禁断の宿命を背負った彼女は社会のアウトサイダーで孤独な存在だと指摘。初のアメリカでの撮影に臨んだグァダニーノ監督は「マレンは18歳くらいの女性だ。10代真っ只中だけど、失ったものに対して強い気持ちがある」と説明する。自分探しの旅を続けるマレンは、自分と同じ宿命を背負う青年リーと出会う。「仕方がない。俺たちはこの生き方だ」と言うリーを演じるのは、今作で映画プロデュースに初挑戦したティモシー・シャラメ。リーとの旅を続けるマレンは「俺を悪い人だと思わない?」と問われ、「ただ、あなたを愛している」と切なる胸の内を吐露するが…。ティモシーは、「テイラーとの共演はとても楽しかった。彼女はとてもオープンで、撮影では新しいことに挑戦していた」と彼女との共演を絶賛!「テイラーしかいない」と思ったという監督も「マレン役にぴったりだった」と太鼓判を押す。さらに、突然現れる謎の“人喰い”、サリーを演じた名優マーク・ライランスは、「リアルな演技ができる俳優だ。カメラを通して、彼女の考えていることがわかる」と褒め称えている。映像のラストでは、テイラーが「本能に従って演技をすると、不思議な境地にたどり着くことが多い。何かに逆らった演技ではないので、良いことだと思う。人生の不思議さにただ身を委ねている感じ」と、役者としての新たな領域に進化できたことを明かしている。『ボーンズ アンド オール』は2月17日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ボーンズ アンド オール 2023年2月17日より全国にて公開© 2022 Metro-Goldwyn-Mayer Pictures Inc. All rights reserved.
2023年01月11日アカデミー賞で韓国代表作品として国際長編映画賞ショートリスト入りを果たしたパク・チャヌク監督『別れる決心』。本作で韓国国内映画賞で主演男優賞を軒並み受賞、繊細な演技で世界中を魅了し、セリフは少なくともその存在感で“静寂のカリスマ”といわれるパク・ヘイルに注目した。2000年から俳優としての活動を始めたパク・ヘイル。2001年のファン・ジョンミン主演『ワイキキ・ブラザーズ』で映画デビューを果たし、『嫉妬は私の力』(02)で韓国映画評論家協会賞をはじめ各賞で新人賞を受賞し注目を集め、様々なジャンルの作品で多様なキャラクターを演じ分け、多くのヒット作に出演してきた。2003年には、『パラサイト 半地下の家族』でもお馴染みのポン・ジュノ監督の大ヒット作『殺人の追憶』に出演。80年代後半に実際に韓国国内で発生した未解決事件を描いた作品で、パク・ヘイルは容疑をかけられる青年を演じ、言葉少ないながらも強烈なインパクトを残し、一躍広く知られる存在に。2006年には再びポン・ジュノ監督とタッグを組んだ『グエムル-漢江の怪物-』はソン・ガンホやペ・ドゥナと兄妹役を演じ、1300万人という当時、韓国映画史上最高の観客動員数を記録する大ヒットに貢献。さらに、韓国映画史上最高動員『バトル・オーシャン』(14/1760万人)のキム・ハンミン監督が手掛けた『神弓 KAMIYUMI』(11)でも主演を務め、その年のナンバーワンヒットを獲得した。そして今年は、2月17日(金)公開のパク・チャヌク監督最新作『別れる決心』、3月17日(金)公開のキム・ハンミン監督最新作『ハンサン-龍の出現-』と話題作が相次ぎ、現在も韓国映画界を牽引し続けている。『ハンサンー龍の出現ー』より『別れる決心』で韓国国内映画賞の主演男優賞を軒並み受賞!“今年最もロマンティックな作品”との呼び名も高い『別れる決心』では、パク・ヘイルは刑事のヘジュンを演じている。ある事件を追って被害者の妻ソレ(タン・ウェイ)と出会い、刑事と容疑者という立場ながらも、互いに惹かれあっていくという役どころだ。パク・ヘイルは持ち前の繊細な演技力で、どこか刑事らしからぬ気品に溢れたヘジュンを巧みに演じて魅せ、彼の視線に込められたミステリアスな色気には観客までも魅了され、世界中が虜となっている。本作は韓国国内で社会現象ともいえるブームを巻き起こしており、数々の映画賞を獲得しているが、パク・ヘイルも青龍賞・大鐘賞・釜日映画賞と韓国国内の映画賞で主演男優賞を軒並み受賞。さらにはアジア記者協会(AJA)の「AJAアワード2022」も贈られ、先日はアジア全域版のアカデミー賞とされる「第16回アジア・フィルム・アワード」(AFA)でも主演男優賞にノミネート、国内外から熱い注目を集めている。キャリア初の刑事役に挑戦「パク・ヘイル以外に思い浮かびませんでした」と監督意外にもパク・チャヌク監督作品への出演も、刑事役も本作が初。2022年の釜山国際映画祭にて、パク・ヘイルはある日突然監督から電話がかかってきたことを明かし、驚きのあまり電話に出るなり「何か失礼なことをしてしまいましたか?」と尋ねてしまったという。それほどに監督作品への出演は意外だったというが、パク・チャヌク監督は「パク・ヘイルとは長い付き合いなので、1本か2本は一緒に撮影したと思い込んでいたのですが、ある日彼とは映画を撮ったことがないことに気づきました。映画の中のへジュンは、とびきり優しく、端正で礼儀正しく、風変わりなユーモア感覚のある人間です。そのキャラクターは、パク・ヘイル以外に思い浮かびませんでした」と語り、脚本家のチョン・ソギョンとパク・ヘイルをイメージして脚本作業を行い、キャラクターを構築していったほど。そして、パク・ヘイルが出演を決めたのも脚本が出来上がる前だったというが、最初の打ち合わせ時に監督が30分ほどかけてストーリーを全て説明してくれたそうだ。彼によれば、出演を快諾したのには3つの理由があるという。1つ目は“『パク・チャヌク映画』というジャンルへの興味”。2つ目は“初の刑事役であり、典型的な刑事像とも異なる魅力のあるキャラクターであったこと”。そして3つ目は“タン・ウェイと共演できること”があったと明かし、「こんなに素晴らしいオファーを断る理由がありませんでした」と出演を決定した際をふり返っている。初の刑事役挑戦となったことについては、「今まで演じたことのないような役だったので、僕にできるだろうか」と感じたともいう。若手俳優にとって刑事役というのは登竜門でもあるが、パク・ヘイルは『殺人の追憶』の容疑者のイメージが強すぎたのかもしれないとしながらも、「ようやく僕も刑事を演じられるようになったか、とも思いました」と明かす。「それにこれまでの刑事物とは全然違うテイストで新鮮でした。従来の映画での刑事役は、だらしなくて暴力的に描かれることも多かったけれど、へジュンはとても清潔感があって、あまり暴力を振るわず、慎重に捜査を進めていく。そういう刑事だってきっといると思いますし、今までにない新しい刑事を演じてみたいと思いました」と自身初の刑事役への挑戦についての思いも語っている。『別れる決心』は2月17日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:別れる決心 2023年2月17日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2022 CJ ENM Co., Ltd., MOHO FILM. ALL RIGHTS RESERVED
2023年01月10日第79回ヴェネツィア国際映画祭で《監督賞》《新人俳優賞》の2冠に輝いた映画『ボーンズ アンド オール』が、2023年2月17日(金) に公開される。本作は、作品賞や主演男優賞をはじめアカデミー賞で4部門にノミネートされ、脚色賞に輝いた『君の名前で僕を呼んで』(17) を手掛けたルカ・グァダニーノ監督の最新作で、ヴェネツィア国際映画祭で初披露されるやその衝撃の描写に絶賛と驚愕のレビューが続出した禁断の純愛ホラーだ。社会の片隅で生きるマレンとリーが抱える秘密。それは生きるため本能的に人を喰べてしまうことだった。主演を務めるのは、本日12月27日(火) が27歳の誕生日であるティモシー・シャラメ。芸能一家に生まれた彼は、子役として2014年にクリストファー・ノーラン監督作『インターステラー』へ出演したことで世界が注目。そして2017年、グァダニーノ監督と初タッグを組んだ映画『君の名前で僕を呼んで』の演技が高く評価され、第90回アカデミー賞主演男優賞にノミネートされた。その後も話題作に出演しており、2023年には『チャーリーとチョコレート工場』(05) の若き日のウィリー・ウォンカを演じる『Wonka』(原題)、SF大作の続編『Dune : Part Two』(原題)などの公開が控えている。『WONKA』(原題)2023年公開(C) 2022 Warner Bros. Ent. All Rights Reservedティモシーが演じるのは、生きるため本能的に人を喰べる衝動を抑えられない青年リー。同じ秘密を抱える少女マレン(テイラー・ラッセル)と出会い、逃避行の旅を続ける。「孤独を乗り越えようともがくふたりの人物というアイデアは、多くの人々がさまざまな理由で疎外感を感じているこの時代に、とくに心に響きました」と、現代を生きる人々に共感されるテーマだとティモシーは指摘する。また、監督と共に脚本開発から映画製作にも初挑戦したティモシーは、「ルカの初となるアメリカ映画に出演して、彼が快適に仕事ができる環境を飛びだし、その強烈な感性を世界に示していくのを目撃できてとても光栄に思う」と、初の撮影地となるアメリカ各地を精力的にロケーションして撮影に臨んだルカ・グァダニーノ監督に敬意を表した。<作品情報>『ボーンズ アンド オール』2023年2月17日(金) 公開監督:ルカ・グァダニーノ『君の名前で僕を呼んで』『サスペリア』■出演ティモシー・シャラメ『DUNE/デューン 砂の惑星』『君の名前で僕を呼んで』/テイラー・ラッセル『WAVES/ウェイブス』/マーク・ライランス『ブリッジ・オブ・スパイ』『ダンケルク』公式サイト:
2022年12月27日全国無料放送のBS12 トゥエルビ(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:須磨直樹)は12月31日(土)よる7時より映画「ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出」(2015年・英)を放送します。© GNO Productions Limited1.映画「ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出」今年96才で崩御されたエリザベス女王の、ヨーロッパ戦勝記念日に妹マーガレット王女と外出し臣民とともに勝利を祝った、という『ローマの休日』もここから生まれたのではないかとも言われるエピソードに着想を得たフィクションドラマ。プリンセスが生涯初めての自由を謳歌した、ときめきと感動の一夜を描く。主演の王女エリザベス役に『コズモポリス』のサラ・ガドン、国王ジョージ6世役に英国俳優ブームの先駆けとなったルパート・エヴェレット、王妃エリザベス役にアカデミー賞に2度のノミネートを誇るエミリー・ワトソン。監督は、『キンキーブーツ』のジュリアン・ジャロルドが務める。■監督:ジュリアン・ジャロルド■出演:サラ・ガドン、ベル・パウリー、エミリー・ワトソン、ルパート・エヴェレット、ジャック・レイナー ほか■コピーライト:© GNO Productions Limited■番組HP: 2.ストーリー6 年間続いた戦争が正式に終わる国を挙げてのお祝いの夜。エリザベス王女と妹のマーガレットは生まれて初めてお忍びでバッキンガム宮殿をあとにする。付き添いが目を離した隙に、シャンパンに勢いづいてバスに飛びのったマーガレットを追いかけ、街に出たエリザベス。そして、人生を変える一夜が幕を開ける。© GNO Productions Limited© GNO Productions Limited© GNO Productions Limited3.年末年始 BS12映画祭BS12では、年末年始の12月26日(月)~1月8日(日)14日間にわたり、「トップガン」「荒野の七人」「網走番外地」など見たかった名作映画23本を一挙放送!年末年始のおうち時間を楽しく!放送ラインナップは番組HPでチェック!番組HP: 年末年始BS12映画祭 | BS無料放送ならBS12(トゥエルビ) : ■BS12 トゥエルビについて■三井物産(株)100%出資の24時間全国無料のBS放送局です。スポーツ中継や大人の趣味教養など、上質なエンタテインメント番組を総合編成でお送りしています。視聴方法は、BS+12ボタン、または3桁番号222チャンネルです。BS12 | BS無料放送ならBS12 トゥエルビ : 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年12月26日第47回報知映画賞の表彰式が16日に都内で行われ、各賞の受賞者が登場した。表彰式では報知新聞社 代表取締役社長 依田裕彦氏、東宝 代表取締役社長 松岡宏泰氏からの挨拶も。スケジュールの都合で登壇できなかった片山慎三監督、横浜流星からはVTRでのコメントも寄せられた。助演女優賞に輝いた尾野真千子は「こんなにたくさんのお芝居をさせていただけて、本当に幸せだなと日々感じて、それなのにこんなに素晴らしい賞をいただけて、もっともっと幸せな気分になりました」と喜びを表す。「こうやって賞をいただくと、『もっと頑張れ』と言われているような気持ちになります。だからまだもう少しお芝居を続けていいのかなと思ってます。もうちょっとこの世界に頑張ってみようと思います。ですので、皆さん応援よろしくお願いたします」と頭を下げた。また、「ガリレオ」シリーズの最新作『沈黙のパレード』で主演男優賞に輝いた福山雅治は、「ガリレオという作品にはおよそ15年ほどかかっています。15年かかってこの場に立たせていただけてるんだなと思っています」としみじみ。「天才物理学者」というキャラクターを表すために話し合った日々を振り返り、「僕らはおそらく口にこそ出さなかったんですけど『発明をしてやるんだ』と思っていた」と明かす。さらに福山は「生みの親である東野(圭吾)先生も『湯川学というキャラクターが人間として認められたようで、とても嬉しく思っています』と嬉しいコメントを出してくださってました。とても深くとても嬉しく僕も受け止めておりまして、東野先生が生み出した発明、我々がスタッフと共に作り上げた発明が15年かけて認められたのかなという思いです」と語る。「えてしてこういったことは時間がかかるものですが、この場で結実できたこと、とても嬉しく思っています」と喜んだ。福山は「自分にとって賞をいただくということは予想もしていないことで、僕は53歳なんですが、17歳の時に父を亡くし、その時の父が53歳でした」と明かす。「18歳で東京に出て来て、『何者かになってやるんだ』という思いだったのは間違いありません。その時は何も持ってなかったに等しいですけど、出会うものや人、こと、全てを自分の体に血肉化して何者かになってやるんだという思いで東京に来て、今日その“何者かになる”という一つの目標がこの場所で1度叶えられたような気がしています」と今回の受賞には並々ならぬ思いを持っている様子。最後に福山は「あまり謙遜しすぎるのも共にものを作っている人や、僕のことをつぶさによく見てくださっている方に対して失礼に当たるので、謙虚でありたいと思いながらも、謙遜しすぎずに、この賞を誇りに思いながら受け止め、なかなかもらえるものではないと思っていますが、またこの場に呼んでいただけるようこれからも精進していきたいと思います」とスピーチを締め括った。○第47回報知映画賞 受賞・登壇者一覧作品賞・邦画部門:『ある男』石川慶監督花束ゲスト:坂元愛登作品賞・海外部門:『トップガンマーヴェリック』東宝東和 代表取締役社長 山崎敏アニメ作品賞:『劇場版四畳半タイムマシンブルース』夏目真悟監督主演男優賞:福山雅治『沈黙のパレード』花束ゲスト:西谷弘監督主演女優賞:有村架純『前科者』花束ゲスト:田畑志真助演男優賞:横浜流星『流浪の月』代理:李相日監督助演女優賞:尾野真千子『20歳のソウル』『千夜、一夜』『サバカンSABAKAN』 花束ゲスト:金沢知樹監督監督賞:片山慎三『さがす』代理:山野晃プロデューサー新人賞:嵐莉菜 『マイスモールランド』花束ゲスト:アラシ・カーフィザデー、リリ・カーフィザデー、リオン・カーフィザデー新人賞:白鳥晴都『ぜんぶ、ボクのせい』花束ゲスト:松本優作監督
2022年12月22日第47回報知映画賞の表彰式が22日に都内で行われ、各賞の受賞者が登場した。映画『流浪の月』で助演男優賞を受賞した横浜流星。会場には来られなかったもののVTRメッセージを寄せ「悩みもがきながらも監督を信じて必死に生きようとして来ました。監督、広瀬(すず)さん、松坂(桃李)さん、そしてその他のキャストの皆様、スタッフの皆様がいたから、人間らしくもがいている亮が出来上がったと思います。皆さんには感謝の気持ちでいっぱいです」と言葉を伝える。さらに「これからも『流浪の月』で得たものを次の作品、次の作品に活かして、ひとつひとつ積み重ねて皆さんに心に響く作品をお届けできるよう精進します」と意気込んだ。李相日監督は「横浜くん、ゆくゆくはトム・クルーズのように……はならないと思いますけれど、ストイックさは引けをとっていない」と表す。「横浜くんは空手をずっとやっておりまして、極めて厳しいストイックな性格。今回演じた亮という男は強くあらねばならないという生き方をしてきたと思うんですけど、女性に暴力をふるってしまうような非常に繊細で心の弱い男の内面なので、自分と違う生き方をしてきた男をどう掴むか、撮影中も撮影以外も常に悩んでストイックに探している姿が印象的でした」と振り返る。さらに李監督は横浜に対し「努力の賜物であると思うんですけど、戦友である広瀬すずとの関わりが非常に大きかったと思いますし、我々スタッフも全員で彼を支えて来た成果として受け止めて、非常に嬉しく思っております」と祝福。「賞をいただくということは、非常にこの先厳しく、なかなか褒めてもらえないゾーンに入ると思うので、より高みに向かってストイックに続けてくれる姿を見守っていきたいと思います」とエールを送った。○第47回報知映画賞 受賞・登壇者一覧作品賞・邦画部門:『ある男』石川慶監督作品賞・海外部門:『トップガンマーヴェリック』東宝東和 代表取締役社長 山崎敏アニメ作品賞:『劇場版四畳半タイムマシンブルース』夏目真悟監督主演男優賞:福山雅治『沈黙のパレード』主演女優賞:有村架純『前科者』助演男優賞:横浜流星 『流浪の月』助演女優賞:尾野真千子 『20歳のソウル』『千夜、一夜』『サバカンSABAKAN』監督賞:片山慎三『さがす』新人賞:嵐莉菜 『マイスモールランド』新人賞:白鳥晴都『ぜんぶ、ボクのせい』
2022年12月22日企画上映「アカデミー・フィルム・アーカイブ 映画コレクション」が2023年1月4日(水)から2月5日(日)まで、東京・国立映画アーカイブ 小ホールにて開催される。その後、福岡、京都を巡回する。アカデミー・フィルム・アーカイブのコレクション&復元映画を紹介する上映イベント企画上映「アカデミー・フィルム・アーカイブ 映画コレクション」は、35本(23プログラム)の上映を通して、アカデミー賞で有名な米国映画芸術科学アカデミーの映画保存機関のアカデミー・フィルム・アーカイブのコレクションや、近年の復元成果などを紹介する上映イベント。アカデミー賞受賞作はもちろん、同館が復元した日本未公開のアメリカのインディペンデント映画や、鑑賞機会の希少なキューバ映画やインド映画も上映される。また、アカデミー・フィルム・アーカイブでは、様々なカルチャーを背景にもつ映画作品の保存・復元を手掛けていることから、レズビアンの映画作家として実験映画やドキュメンタリーを多く監督したバーバラ・ハマーの初期作品集や、アンディ・ウォーホルのミューズとして紹介されてきたトランスジェンダー女性のホリー・ウッドローン主演『きゅうり畑のかかし』などの作品も公開する。アカデミー・フィルム・アーカイブが保存するアカデミー受賞作を上映過去のアカデミー受賞作を観れるのも本特集のポイント。ヴィンセント・ミネリ監督による、パリのロケ撮影や豪華なセットが美しいアカデミー賞9部門受賞のミュージカル映画『恋の手ほどき』、ろうそくの火だけで撮影したシーンなどフィルムの質感を存分に楽しめるスタンリー・キューブリック監督作の『バリー・リンドン』などの名作を、アカデミー・フィルム・アーカイブが近年作製した35mmフィルムで鑑賞できる。日本関連作品もさらに、アカデミー賞短篇ドキュメンタリー映画賞受賞『ザ・パーソナルズ 黄昏のロマンス』や、短篇アニメーション映画賞受賞『つみきのいえ』など日本人監督の受賞作品も登場する。【詳細】企画上映「アカデミー・フィルム・アーカイブ 映画コレクション」開催期間:2023年1月4日(水)~2月5日(日)会期中の休館日:月曜日会場:国立映画アーカイブ 小ホール(地下1階)住所:東京都中央区京橋3-7-6■チケット情報発売日:2022年12月27日(火)以降、翌週(火~日)上映回の電子チケットを公式サイトより公式チケットサイトにて各回の開映15分前までオンライン販売。※1月10日(火)~15日(日)上映回は12月27日(火)にチケットを発売。12月27日(火)に1月4日(水)~15日(日)の2週間分のチケットを一斉発売。料金:一般 1,000円、高校・大学生・65歳以上 700円、小・中学生・障害者(付添者は原則1名まで)・国立映画アーカイブのキャンパスメンバーズ・未就学児 500円■トークイベント・『日本の映画作り』(1935年)/『AFA所蔵ホームムービー集』対象回:1/28(土)16:00の回、2/2(木)15:00の回登壇者:ジョセフ・リンドナー氏(アカデミー・フィルム・アーカイブ 映画部長)・『きゅうり畑のかかし』(1972年)対象回:2/4(土)16:00の回登壇者:ハンク・アルパート氏(本作プロデューサー)・《バーバラ・ハマー初期作品集》対象回:1/7(土)16:00の回登壇者:菅野優香氏(同志社大学大学院准教授)※トークイベントのみの参加は不可。■巡回情報・福岡会期:2023年2月1日(水)~26日(日)会場:福岡市総合図書館 映像ホール・シネラ住所:福岡市早良区百道浜3-7-1・京都会期:2023年2月18日(土)~3月1日(水)会場:京都文化博物館フィルムシアター住所:京都府京都市中京区三条高倉※上映作品などの詳細は、各館のホームページにて後日発表。【問い合わせ先】TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)
2022年12月15日放送映画批評家協会賞(Critics Choice Awards)のノミネーションが発表された。作品部門の候補は、『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』『バビロン』『イニシェリン島の精霊』『エルヴィス』『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』『フェイブルマンズ』『ナイブズ・アウト:グラス・オニオン』『RRR』『TAR(原題)』『トップガン マーヴェリック』『ウーマン・トーキング 私たちの選択』の11本。通常は10本だが、今年はタイがあったため11本になった。このうち女性監督の作品は1本。監督部門の候補は、今年は10人で、ジェームズ・キャメロン(『アバター…』)、デイミアン・チャゼル(『バビロン』)、トッド・フィールド(『TAR(原題)』)、バズ・ラーマン(『エルヴィス』)、ダニエル・クワン&ダニエル・シャイナート(『エブリシング・エブリウェア〜』)、マーティン・マクドナー(『イニシェリン島…』)、サラ・ポーリー(『ウーマン・トーキング…』)、ジーナ・プリンス=バイスウッド(『ウーマン・トーキング…』)、S・S・ラージャマウリ(『RRR』)、スティーブン・スピルバーグ(『フェイブルマンズ』)。女性の候補者は2名。放送映画批評家協会賞には、およそ600人の批評家とジャーナリストが投票する。授賞式は1月15日。『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』12月16日(金)公開『バビロン』2023年2月10日(金) 全国公開『イニシェリン島の精霊』2023年1月27日(金) TOHOシネマズ シャンテほかロードショー『エルヴィス』デジタルレンタル/ブルーレイ&DVDレンタル中ダウンロード/ブルーレイ&DVD発売中発売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント販売元:NBC ユニバーサル・エンターテイメント『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』2023年3月3日(金) TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー『フェイブルマンズ』2023年3月3日(金) 全国公開Netflix映画『ナイブズ・アウト:グラス・オニオン』12月23日(金)より独占配信『RRR』公開中『TAR(原題)』2023年5月公開『トップガン マーヴェリック』4K Ultra HD、ブルーレイ&DVD 発売中発売・販売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント『ウーマン・トーキング 私たちの選択』2023年初夏 TOHOシネマズ シャンテ、渋谷 ホワイトシネクイントほか公開予定文=猿渡由紀
2022年12月15日第28回放送映画批評家協会賞のノミネーションが発表された。今年、製作・配給会社「A24」史上最大のヒットとなった『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』が、作品賞、主演女優賞(ミシェル・ヨー)、助演女優賞(ジェイミー・リー・カーティス、ステファニー・シュー)、助演男優賞(キー・ホイ・クァン)、監督賞、脚本賞(ダニエル・クワン&ダニエル・シャイナート)など最多14ノミネート。スティーヴン・スピルバーグ監督の『フェイブルマンズ』が11、デイミアン・チャゼル監督の『バビロン』が10、マーティン・マクドナー監督の『イニシェリン島の精霊』が9と続く。『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』のファンは、「すごい。主要部門、ほぼ全部だ!」「この作品が賞レースで全ての賞を独占するのを我慢強く待っている」「その評価にふさわしい!」と期待と喜びの声を上げている。放送映画批評家協会のCEOジョーイ・バーリンは、ノミネーションについて、「この評価は、毎日、一年中、何百万人もの人々と映画やテレビに関して意見を交わしている600人以上の批評家や芸能レポーターからなる多様なグループによって行われています」と語っている。第28回放送映画批評家協会賞授賞式は2023年1月15日に開催。(賀来比呂美)■関連作品:エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス 2023年3月3日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2022 A24 Distribution, LLC. All Rights Reserved.
2022年12月15日ロサンゼルス映画批評家協会賞作品賞受賞、ゴールデングローブ賞3部門ノミネートの話題作『TÁR』(原題)が2023年5月に公開されることが決定した。ドイツの有名オーケストラで、女性としてはじめて首席指揮者に任命された指揮者リディア・ター(ケイト・ブランシェット)は、天才的能力と、たぐいまれなるプロデュース力で、自身を1つのブランドとして作り上げてきた。しかし、のしかかる重圧、過剰な自尊心、仕掛けられた陰謀により、彼女の心の闇は少しずつ広がっていく…。本年度ヴェネチア国際映画祭でケイト・ブランシェットが主演女優賞受賞を皮切りに数々のアカデミー賞前哨戦に名を連ねている本作。第80回ゴールデングローブ賞でも作品賞(ドラマ部門)、脚本賞、主演女優賞(ドラマ部門)の3部門にノミネートされ注目を集めている。ケイト・ブランシェット Photo by Andreas Rentz/Getty Images監督と脚本を手掛けたのは『イン・ザ・ベッドルーム』『リトル・チルドレン』でアカデミー賞脚色賞に連続ノミネートされたトッド・フィールド。16年ぶり待望の新作となる本作は、今年のヴェネチア国際映画祭で上映されるや6分間のスタンディングオベーションを受け、最優秀主演女優賞を受賞。早くも「アカデミー賞有力!」と絶賛を浴びた。2度のアカデミー賞受賞経験を持つ主演のケイト・ブランシェットは、今回で主演・助演あわせて10回目のゴールデングローブ賞ノミネートとなる。受賞発表は米国時間23年1月10日を予定。1月24日のアカデミー賞ノミネート発表にも期待したい。今後の続報にも注目だ。『TÁR』(原題)は2023年5月より公開。(text:cinemacafe.net)
2022年12月13日第80回ゴールデン・グローブ賞のノミネーションが発表され、日本のアニメ『犬王』(湯浅政明監督)がアニメ映画賞にノミネートされた。作品賞(ドラマ部門)に、ジェームズ・キャメロン監督の渾身作『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』や大ヒット作『トップガン マーヴェリック』といったエンターテイメント超大作がノミネート。キャメロン監督は監督賞にもノミネートされたが、同賞には女性監督のノミネートはなかった。『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』最多は『スリー・ビルボード』マーティン・マクドナー監督の最新作『イニシェリン島の精霊』が8部門で、A24作品の『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』が6部門で続いた。『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』非英語映画賞には、カンヌ国際映画祭監督賞を受賞した韓国パク・チャヌク監督の『別れる決心』や、『バーフバリ』S・S・ラージャマウリ監督による『RRR』も選出された。『別れる決心』受賞者・受賞作品は2023年1月10日に開催される授賞式にて発表。昨年は、主催する「ハリウッド外国プレス協会」ことHFPA(=Hollywood Foreign Press Association)の人種差別や特権体質が問題視され、トム・クルーズら俳優やAmazon、Netflix、ワーナー・メディアがボイコットを表明。授賞式は無観客開催で米NBCがテレビ中継を取りやめたが、今回は同局にて授賞式の放送が決定している。※主なノミネートは以下のとおり【映画部門】作品賞(ドラマ部門)『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』『エルヴィス』『フェイブルマンズ』『TÁR』『トップガン マーヴェリック』作品賞(ミュージカル・コメディ部門)『バビロン』『イニシェリン島の精霊』『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』『ナイブズ・アウト:グラス・オニオン』『逆転のトライアングル』監督賞ジェームズ・キャメロン『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』ダニエル・クワン&ダニエル・シャイナート『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』バズ・ラーマン『エルヴィス』マーティン・マクドナー『イニシェリン島の精霊』スティーヴン・スピルバーグ『フェイブルマンズ』脚本賞『TÁR』『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』『イニシェリン島の精霊』『ウーマン・トーキング 私たちの選択』『フェイブルマンズ』主演男優賞(ドラマ部門)オースティン・バトラー 『エルヴィス』ブレンダン・フレイザー『ザ・ホエール』ヒュー・ジャックマン 『The Son/息子』ビル・ナイ 『生きる LIVING』ジェレミー・ポープ『The Inspection』(原題)主演女優賞(ドラマ部門)ケイト・ブランシェット『TÁR』オリヴィア・コールマン 『エンパイア・オブ・ライト』ヴィオラ・デイヴィス『The Woman King』(原題)アナ・デ・アルマス 『ブロンド』ミシェル・ウィリアムズ 『フェイブルマンズ』主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)レスリー・マンヴィル 『ミセス・ハリス、パリへ行く』マーゴット・ロビー 『バビロン』アニャ・テイラー=ジョイ 『ザ・メニュー』エマ・トンプソン『Good Luck to You, Leo Grande』(原題)ミシェル・ヨー 『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』主演男優賞(ミュージカル・コメディ部門)ディエゴ・カルバ『バビロン』ダニエル・クレイグ 『ナイブズ・アウト:グラス・オニオン』アダム・ドライバー『ホワイト・ノイズ』コリン・ファレル『イニシェリン島の精霊』レイフ・ファインズ 『ザ・メニュー』助演男優賞ブレンダン・グリーソン『イニシェリン島の精霊』バリー・コーガン『イニシェリン島の精霊』ブラッド・ピット『バビロン』キー・ホイ・クァン『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』エディ・レッドメイン『グッド・ナース』助演女優賞アンジェラ・バセット『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』ケリー・コンドン『イニシェリン島の精霊』ジェイミー・リー・カーティス 『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』ドリー・デ・レオン『逆転のトライアングル』キャリー・マリガン『SHE SAID/シー・セッドその名を暴け』アニメ映画賞『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』『犬王』『Marcel the Shell with Shoes On』(原題)『長ぐつをはいたネコと9つの命』『私ときどきレッサーパンダ』非英語映画賞『西部戦線異状なし』(ドイツ)『アルゼンチン1985 ~歴史を変えた裁判~』(アルゼンチン)『CLOSE/クロース』(ベルギー・フランス・オランダ)『別れる決心』(韓国)『RRR』(インド)主題歌賞「Carolina」『ザリガニの鳴くところ』「Ciao Papa」『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』「Hold My Hand」『トップガン マーヴェリック』「Lift Me Up」『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』「Naatu Naatu」『RRR』【テレビ部門】作品賞(ミュージカル・コメディ部門)「アボット エレメンタリー」「一流シェフのファミリーレストラン」「Hacks」(原題)「マーダーズ・イン・ビルディング」「ウェンズデー」作品賞(ドラマ部門)「ベター・コール・ソウル」「ザ・クラウン」「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン」「オザークヘようこそ」「セヴェランス」主演男優賞(ドラマ部門)ジェフ・ブリッジス「ザ・オールド・マン~元CIAの葛藤」ケヴィン・コスナー「イエローストーン」ディエゴ・ルナ「キャシアン・アンドー」ボブ・オデンカーク「ベター・コール・ソウル」アダム・スコット「セヴェランス」主演女優賞(ドラマ部門)エマ・ダーシー「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン」ローラ・リニー「オザークヘようこそ」イメルダ・スタウントン「ザ・クラウン」ヒラリー・スワンク「アラスカ・デイリー」ゼンデイヤ「EUPHORIA/ユーフォリア」主演男優賞(ミュージカル・コメディ部門)ドナルド・グローヴァー「アトランタ」ビル・ヘイダー「バリー」スティーヴ・マーティン「マーダーズ・イン・ビルディング」マーティン・ショート「マーダーズ・イン・ビルディング」ジェレミー・アレン・ホワイト「一流シェフのファミリーレストラン」主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)キンタ・ブランソン「アボット エレメンタリー」ケイリー・クオコ「フライト・アテンダント」セレーナ・ゴメス「マーダーズ・イン・ビルディング」ジェナ・オルテガ「ウェンズデー」ジーン・スマート「Hacks」(原題)助演男優賞ジョン・リスゴー「ザ・オールド・マン~元CIAの葛藤」ジョナサン・プライス「ザ・クラウン」ジョン・タトゥーロ「セヴェランス」テイラー・ジェームズ・ウィリアムズ「アボット エレメンタリー」ヘンリー・ウィンクラー「バリー」助演女優賞エリザベス・デビッキ「ザ・クラウン」ハンナ・アインビンデル「Hacks」(原題)ジュリア・ガーナー「オザークヘようこそ」ジャネール・ジェームズ「アボット エレメンタリー」シェリル・リー・ラルフ「アボット エレメンタリー」作品賞(ミニシリーズ・テレビ映画部門)「ブラック・バード」「ダーマーモンスター:ジェフリー・ダーマーの物語」「ドロップアウト~シリコンバレーを騙した女」「パム&トミー」「ホワイト・ロータス/諸事情だらけのリゾートホテル」主演男優賞(ミニシリーズ・テレビ映画部門)タロン・エジャトン「ブラック・バード」コリン・ファース「ザ・ステアケース -偽りだらけの真実-」アンドリュー・ガーフィールド「アンダー・ザ・ヘブン 信仰の真実」エヴァン・ピータース「ダーマーモンスター:ジェフリー・ダーマーの物語」セバスチャン・スタン「パム&トミー」主演女優賞(ミニシリーズ・テレビ映画部門)ジェシカ・チャステイン「George & Tammy」(原題)ジュリア・ガーナー「令嬢アンナの真実」リリー・ジェームズ「パム&トミー」ジュリア・ロバーツ「ガスリッド 陰謀と真実」アマンダ・セイフライド「ドロップアウト~シリコンバレーを騙した女」(text:cinemacafe.net)■関連作品:トップガン マーヴェリック 2022年5月27日より全国にて公開©2019 PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.犬王 2022年5月28日より全国にて公開©“INU-OH” Film Partnersエルヴィス 2022年7月1日より全国にて公開© 2022 Warner Bros. Ent. All Rights Reservedアバター:ウェイ・オブ・ウォーター 2022年12月16日より全国にて公開© 2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.RRR 2022年10月21日より全国にて公開警官の血 2022年10月28日より新宿バルト9ほか全国にて公開© 2022 ACEMAKER MOVIEWORKS & LEEYANG FILM. All Rights Reserved.イニシェリン島の精霊 2023年1月27日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開©2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.バビロン(2022) 2023年、全国にて公開© 2022 Paramount Pictures. All Rights Reserved.エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス 2023年3月3日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2022 A24 Distribution, LLC. All Rights Reserved.フェイブルマンズ 2023年3月3日より全国にて公開© 2022 Universal Pictures. ALL RIGHTS RESERVED.別れる決心 2023年2月17日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2022 CJ ENM Co., Ltd., MOHO FILM. ALL RIGHTS RESERVED
2022年12月13日ロサンゼルス映画批評家協会賞が発表された。今年の作品賞はミシェル・ヨー主演『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』と、ケイト・ブランシェット主演『TAR』の2作品が受賞した。1975年から48回行われているロサンゼルス映画批評家協会賞で、これまで作品賞が2作品選ばれたのは1975年の『カッコーの巣の上で』と『狼たちの午後』、1976年の『ネットワーク』と『ロッキー』、2013年の『ゼロ・グラビティ』と『her/世界でひとつの彼女』と3度あり、今回で4度目。ロサンゼルス映画批評家協会賞はアカデミー賞の前哨戦の一つであり、注目は集めているものの、作品賞がアカデミー賞の作品賞と重なることはあまりない。昨年作品賞を受賞した『ドライブ・マイ・カー』(濱口竜介監督)は、アカデミー賞では国際映画長編賞を受賞した。主な受賞者、受賞作品は以下の通り。作品賞『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』『TAR』監督賞トッド・フィールド『TAR』主演俳優賞ケイト・ブランシェット『TAR』ビル・ナイ『生きる Living』助演俳優賞ドリー・デ・レオン『Triangle of Sadness』キー・ホイ・クァン『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』脚本賞トッド・フィールド『TAR』アニメ賞『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』(賀来比呂美)■関連作品:エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス 2023年3月3日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2022 A24 Distribution, LLC. All Rights Reserved.
2022年12月12日L.A.映画批評家賞が発表された。作品賞に輝いたのは、『TAR(原題)』と『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』。主演賞は『TAR(原題)』のケイト・ブランシェットと、黒澤明の『生きる』のリメイク『生きる LIVING』のビル・ナイ。助演賞は『エブリシング…』のジョナサン・キー・クァンと『Triangle of Sadness』のドリー・デ・レオン。監督賞と脚本賞は『TAR(原題)』のトッド・フィールド。外国語映画賞は『EO』、アニメーション賞は『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』、美術賞は『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』だった。文=猿渡由紀
2022年12月12日第95回アカデミー賞の長編アニメ映画賞の選考対象となる作品が発表された。『私ときどきレッサーパンダ』『バッドガイズ』『長ぐつをはいたネコ:ザ・ラスト・ウィッシュ』『バズ・ライトイヤー』『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』『DCがんばれ!スーパーペット』『ストレンジ・ワールド/もうひとつの世界』『ミニオンズ フィーバー』『ジェイコブと海の怪物』など今年話題になった作品がずらり。日本作品は石田祐康監督の『雨を告げる漂流団地』、湯浅政明監督の『犬王』、いしづかあつこ監督の『グッバイ、ドン・グリーズ!』がエントリー。全27作品から、アカデミー会員の投票により5作品に絞られる。国際長編映画賞の各国の代表作品も発表された。国際長編映画の定義は、「アメリカ国外で製作された上映時間が40分以上、セリフの50%以上が英語以外の言語である映画」。日本代表は、9月に決定していた早川千絵監督の『PLAN 75』。15作品のショートリスト(ノミネート前の候補リスト)は今月21日に発表される。最終的なノミネーションは2023年1月24日に発表。第95回アカデミー賞は同年3月12日に開催される。(賀来比呂美)■関連作品:犬王 2022年5月28日より全国にて公開©“INU-OH” Film Partnersグッバイ、ドン・グリーズ! 2022年2月18日より全国にて公開©Goodbye,DonGlees Partners雨を告げる漂流団地 2022年9月16日よりNetflixにて全世界独占配信&日本全国にて公開©コロリド・ツインエンジンパートナーズ
2022年12月07日毎年ニューヨークで開催されているインディペンデント映画の祭典、ゴッサム賞授賞式が開催された。A24史上最高のヒット作となった『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』が最高賞の作品賞、同作に出演したキー・ホイ・クァンが助演賞を受賞した。キーは受賞スピーチで、「セカンドチャンスをくれた」として監督のダニエル・クワン&ダニエル・シャイナートに感謝を伝えた。「去年の今頃は、ただ仕事がほしいと思っていました。これ以上、最高なことはないだろうと思っていたら、ありましたね」と、役を得られた上に受賞できたことを大喜び。「インディペンデント映画では、他ではチャンスを得られない俳優たちが、チャンスを見つけるということがよくあります。私がまさにそうでした。本当に久しぶりに、セカンドチャンスをもらえたのです」と語った。作品賞の受賞スピーチでは、クワン監督が「(最近では)オリジナルのストーリーを伝えることが難しくなっており、インディペンデント映画ではなおさらです。インディペンデントのオリジナルストーリーが観客を集め、知ってもらうというのはまさに奇跡です。だから、この会場にいるみなさんは不可能に近いような、でも必要とされている仕事をしている人たちだと思いますよ」とインディ業界の同士を称えた。『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』にはミシェル・ヨー、ジェイミー・リー・カーティスらが出演。日本公開は2023年3月3日。(賀来比呂美)■関連作品:エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス 2023年3月3日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2022 A24 Distribution, LLC. All Rights Reserved.
2022年12月01日映画賞レースのトップを飾る第47回報知映画賞の各賞が発表され、『沈黙のパレード』で難解な事件を解決する天才的物理学者を演じた福山雅治が主演男優賞を初受賞、主演女優賞は『前科者』の演技が評価された有村架純が初受賞。作品賞・邦画部門は石川慶監督、妻夫木聡主演の『ある男』が受賞した。主演女優賞:『前科者』有村架純報知映画賞はスポーツ新聞が単独開催する初の映画賞として、1976年に誕生。読者参加型の映画賞が大きな特色であり、各映画賞や映画祭の先陣を切って発表されるため、その年の受賞者・受賞作品を占う意味でも大きな注目を集めている。助演男優賞:横浜流星「流浪の月」なお、作品賞(海外)は130億円超えのメガヒットとなった『トップガン マーヴェリック』が受賞した。第47回報知映画賞各賞作品賞・邦画『ある男』監督賞片山慎三『さがす』主演男優賞福山雅治『沈黙のパレード』主演女優賞有村架純『前科者』助演男優賞横浜流星『流浪の月』助演女優賞尾野真千子『20歳のソウル』『千夜、一夜』『サバカン SABAKAN』新人賞嵐莉菜『マイスモールランド』/白鳥晴都『ぜんぶ、ボクのせい』作品賞・海外『トップガン マーヴェリック』アニメ作品賞『劇場版 四畳半タイムマシンブルース』(text:cinemacafe.net)■関連作品:トップガン マーヴェリック 2022年5月27日より全国にて公開©2019 PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.20歳のソウル 2022年5月27日より全国にて公開©2022「20歳のソウル」製作委員会前科者 2022年1月28日公開© 2021香川まさひと・月島冬二・小学館/映画「前科者」製作委員会流浪の月 2022年5月13日より全国にて公開(c)2022「流浪の月」製作委員会沈黙のパレード 2022年9月16日より全国にて公開©2022「沈黙のパレード」製作委員会ある男 2022年11月18日より全国にて公開©2022「ある男」製作委員会さがす 2022年1月21日よりテアトル新宿ほか全国にて公開©2022『さがす』製作委員会マイスモールランド 2022年5月6日より新宿ピカデリーほか全国にて公開予定©2022「マイスモールランド」製作委員会サバカン SABAKAN 2022年8月19日より全国にて公開©2022「SABAKAN」Film Partners四畳半タイムマシンブルース 2022年9月30日より全国にて3週間限定公開©2022 森見登美彦・上田誠・KADOKAWA/「四畳半タイムマシンブルース」製作委員会ぜんぶ、ボクのせい 2022年8月11日より新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開© 2022『ぜんぶ、ボクのせい』製作委員会千夜、一夜 2022年10月7日よりテアトル新宿、シネスイッチ銀座ほか全国にて公開(C)2022 映画『千夜、一夜』製作委員会
2022年11月30日第14回TAMA映画賞の授賞式が26日に東京・パルテノン多摩にて行われ、受賞者が揃った。映画『PLAN 75』で最優秀女優賞に輝いた倍賞は、「最初に読み始めた時にあまりにも衝撃的で、途中でやめまして、どうしようかなってしばらく台本を、テーブルの上に1日置いてから、もう1度頭から読み直してぜひ監督さんに、お会いしなきゃいけないなと思って、お受けしました」と明かす。今後の抱負を聞かれると「自分の体をきちんと管理して、病気にならないように転ばないように気をつけ、そして何よりも心をいつも豊かにして、その2つを一応自分の中に準備しながら。今年はちょっと忙しかったので、少しゆっくりしながら、その準備を生かせるような作品と出会えたらいいなと思っています」と語った。倍賞の前にスピーチを行った、最優秀男優賞の佐藤二朗は「私、日本映画で多分1番たくさん何回も見てる映画は『幸せの黄色いハンカチ』なんですよ。『男はつらいよ』の記念すべき第1作の公開は昭和44年、1969年。僕が生まれた年なんです。だから今日まあ、この後おいでになる倍賞さんと同じ式に居られるということは、僕にとって、大きな喜びです」と興奮気味に語り、倍賞も受け取ったトロフィーについて「大好きな"黄色"で、結構重たいです」とコメントするなど、粋なやりとりも。自身のスピーチを終えた倍賞は受賞者が壇上で待機する場所へ行き、佐藤と握手も。最後には受賞者全員が集まってフォトセッションを行い、倍賞は花束を掲げて退場すると言ったかっこいい姿を見せていた。○受賞一覧■最優秀作品賞『LOVE LIFE』(深田晃司監督、及びスタッフ・キャスト一同)『ハケンアニメ!』(吉野耕平監督、及びスタッフ・キャスト一同)■特別賞芦田愛菜・宮本信子、及びスタッフ・キャスト一同 (『メタモルフォーゼの縁側』)小林啓一監督、及びスタッフ・キャスト一同 (『恋は光』)■最優秀男優賞佐藤二朗 (『さがす』『truth 姦しき弔いの果て』『バイオレンスアクション』)松坂桃李 (『流浪の月』)■最優秀女優賞倍賞千恵子 (『PLAN 75』)広瀬すず (『流浪の月』)■最優秀新進監督賞片山慎三監督 (『さがす』)森井勇佑監督 (『こちらあみ子』)■最優秀新進男優賞磯村勇斗 (『ビリーバーズ』『PLAN 75』『異動辞令は音楽隊!』『さかなのこ』『前科者』『彼女が好きなものは』ほか)横浜流星 (『流浪の月』『アキラとあきら』『嘘喰い』『あなたの番です 劇場版』『DIVOC-12』)■最優秀新進女優賞河合優実 (『PLAN 75』『愛なのに』『ちょっと思い出しただけ』『女子高生に殺されたい』『百花』『冬薔薇』ほか)伊東蒼 (『さがす』『恋は光』『MIRRORLIAR FILMS Season4』)
2022年11月27日