「ゆくゆくはショートフィルムの監督の中から1億円プレイヤーが誕生する」――。それは別所哲也が自ら代表となって国際短編映画祭を創設して以来、十数年にわたって言い続けてきたことである。10年前、いや5年前でも人はそんな言葉を夢想と笑ったかもしれない、だがいまや、それは決して夢物語ではなく、近い将来に十分に実現可能な目標と言える。それくらい、ここ数年でショートフィルムを取り巻く環境は激変した。スマートフォンや携帯型タブレットが普及し、どこでもインターネットに接続できる環境も整備され、ショートフィルムのみならず、海外ドラマや映画、TV番組に、スマホで撮影されたちょっとした面白映像まで、人々の生活と映像が深く結びついた。別所さんが創設以来、文字通り我が子のように育て上げてきた映画祭は「ショートショートフィルムフェスティバル & アジア(SSFF & ASIA)」として年々、盛り上がりを増している。こうした変化に伴い多くの企業が、自社のブランディングの方法として、これまでの15秒、30秒の短いCMとは異なるショートフィルムの製作に力を入れるようになった。「Lexus Short Films」はそんな試みの先駆的存在。「LEXUS(レクサス)」と米独立系スタジオの大手「ワインスタインカンパニー」が協同で有望な若手監督のショートフィルム製作を支援しており、レクサスが掲げる“Life is Amazing”をテーマに今年も「Market Hours」(ジョン・ゴールドマン監督)、「Operation Barn Owl」(大川五月監督/落合賢脚本)の2作品が制作された。今年はSSFF & ASIAにおいてワールドプレミア上映も行われたが、この十数年のショートフィルムの興隆を見守ってきた、いや、自ら先頭に立ってその発展に寄与してきた別所さんに「Lexus Short Films 2014」の魅力からショートフィルムの変化、そして今後についてじっくりと話を聞いた。アメリカでショートフィルムに出会い、1999年に映画祭を始めたが「名刺にちょうどメールアドレスが入り始めた頃かな?」と別所さん。もちろん、映画をインターネットで見ることなどまだなかったが、それでもIT技術がこの業界に大きな影響を与えるという“予兆”は感じていたという。「その少し前、97年ごろかな…ハリウッドで、音声コンテンツの次は動画コンテンツだ!ネットという新たなウィンドウで映像をどう扱うべきか?そこでどうコンバートしていくか?ということを映画のプロデューサーも、テクノロジー側も、ファイナンス側も真剣に議論していた。ロバート・レッドフォードが主催するサンダンス映画祭に、シリコンバレーの資金がついて、IT関係の人間が大挙してやって来ていて、そうした予兆は何となく感じてはいましたね」。「映画も産業やテクノロジーと表裏一体。21世紀に入って映画もその在り方を自問自答してきたし、企業も広告とはどうあるべきかを自答し続けてきた」と語るが、その中で「Lexus Short Films」のような企画が生まれることは「必然だった」とも。「自動車であれ、他の産業であれ“ものづくり”というのはそこにデザインやアート、普遍性というのを必ず追い求めていくものです。映画もまた時代を“真空パック”する存在ですが、その意味で、洗練されたラグジュアリーブランドである『レクサス』が新たな才能やクリエイターを引っ張り上げ、新しい表現を模索し、新たな時代の“映像未来予想図”を示していくというのは必然でしょう。まず一義的に、レクサスは若いクリエイターを支援するけど、そこで生まれるデザインや創造性の力が、最終的にレクサスが追い求めるライフスタイル――Life is Amazing―――を実現する原動力となる。単なる芸術振興を超えた新たなパラダイムを提示していると思います」。16年前を思えば、隔世の感があるが、別所さん自身は「想像していた以上に変わった部分もあるし、もっと進むと思っていたところもある」と語る。時代と共にショートフィルムの世界も「いまなお模索中」であるという。「既に長編映画とショートフィルムという“二極化”ではなく、“多様化”の時代になってます。編成にとらわれない中編も増えていくでしょう。時間とコストの関係性も変わっていき、10分の映像に1億を投じることもあれば、2時間の作品をよりリーズナブルに製作し、それが大ヒットするということも増えると思います。ショートフィルムに関しては、1億円プレイヤーの実現もそうですが、4コマ漫画の連載で生活する漫画家がいるのと同じように、ショートフィルムというものがよりジャンル化され、当たり前の価値として存在するようになって欲しいと思います」。映画を「作る」デバイスと「見る」デバイスの革新に加え、SNSの普及など、その間の部分に関しても「“流通革命”と言うべき大きな変化が起きている」とうなずくが、その中で映画祭の果たす役割も大きく変わってきた。「映画祭というのは、究極の“価値づけの装置”、ランキングプラットフォームだと思う」と言葉に力を込める。「映画、映像が持つ価値をいかにストーリーテリングし、観客に伝えるか?観客に新たな価値との出会いを提供すること、それが映画祭の役割。とはいえ、20世紀型の映画祭ではもうダメ。リアルなイベントと結びつきながら、21世紀のネットワーク型映像映画祭としてネット上で大きくなっていくと思います。その中で、『いいね!』といった評価をシェアしたり、オーディエンスアワードのような観客の支持で良いものを選んでいく“共感メディア”として存在することも求められるし、一方で、キュレーターの時代と言われる現代だからこそ、専門的な目で批評することも映画祭の存在する意味だと思います。なかなかいまの日本では、映画にせよ本にせよ、本気でクリティック(批評)するという文化が少ないと思いますが、そこで戦い、議論し、考え方や価値観、地域性などをあぶり出していくという役割も果たせたらと思います」。とここまで“映画祭代表”として、ビジネスマンとして、ショートフィルムについて語ってもらったが「Lexus Short Films 2014」で発表された「Market Hours」と「Operation Barn Owl」の2作に話が及ぶと、急に別所さんは俳優、いや、ひとりの映画ファンの顔になり、愛情あふれる言葉が口をつく。「どちらもほのかなラブストーリーで、片想いを描いてますが、『Market Hours』が心の中の声を表象化していくのに対し、『Operation Barn Owl』は日本、アジア的な間を大事にして心の声を表情や佇まいで見せてくれます。両作品とも、良い作品が持つセリフや映像、構成上のダブルミーニング、トリプルミーニングを巧みに使っていて、本当にクオリティの高い作品に仕上がっていると思います。何度も観ることで細部にわたるミルフィーユのような重層的な構想や意味づけがジュワっと味わい深く出てくるので、じっくりと堪能していただきたいです」。(text:cinemacafe.net)
2014年11月06日――いま、ショートフィルムが面白い。かつては実験的な作品や長編へのステップアップのための低予算作品が多かったが、様々な技術の革新と共に、ショートフィルムの世界にも大きな変革が押し寄せている。同時に、企業の取り組みも大きく変わってきた。CMではなく、より長い映像――すなわちショートフィルムでブランドの理念やコンセプトを伝えようとする試みも急増している。「LEXUS(レクサス)」はその先駆けとして、2013年より「Lexus Short Films」を開始。「LEXUS」が掲げる「Life is Amazing」をテーマにしたショートフィルムの製作を通じ、若手クリエイターの才能を支援している。今年も、米独立系スタジオ大手「ワインスタイン・カンパニー」との協同によるジョン・ゴールドマン監督の『MARKET HOURS』、大川五月(監督)&落合賢(脚本)という日本人コンビによる『OPERATION BARN OWL』が発表された。「いまがショートフィルムの歴史上、最も盛り上がっている時代と言えるでしょうね」。今年で27回目を迎えた「東京国際映画祭」でコンペティション部門の作品選定を務める矢田部吉彦(プログラミング・ディレクター)もショートフィルムの“熱気”の高まりを実感しているひとりだ。同映画祭に出品される作品は基本的に長編映画のみだが「短編映画を出品することはできないのか?」という問い合わせが事務局にひっきりなしに来るという。ショートフィルムを取り巻く何が変化し、今後どこへ向かうのか?矢田部さんに話を伺った。矢田部さんはまず「IT革命が決定的に短編映画の存在を変えた」と語る。身近な現象として、スマートフォンや携帯用タブレットを使い、電車の中やカフェなどで海外ドラマを見たり、YouTubeにアクセスする光景はごく当たり前になった。「僕自身、数年前までパソコンで映画を観るということに抵抗がありましたが、さすがにいまでは慣れてしまいましたね。僕が慣れるくらいなので、若い人にとってはとっくに…いや、“慣れる”以前に、彼らにとっては最初から当たり前の存在なんですね(笑)。その意味で、観る側にとって映像により気軽にアクセスできる時代になったというのは大きな変化だと思います」。いまや、パソコンからではなくスマホやタブレットでインターネットにアクセスする人々が多数派になったとも言われる。その際、文章であれ映像であれ、長く膨大なものではなく、より短く見やすいものが好まれる。短編映画というフォーマットがこうした傾向にフィットしていることは確かだ。「東京国際映画祭の企画で“学生応援団”によるネット上の番組の収録があったんですが、その時、YouTubeの方も『連続して見てもらえるのは長くて3分』ということを仰ってました。短い時間でフックのある展開を見せて、いかに視聴者の興味を掴むか?いかに簡潔にまとめるか?それはまさしく短編映画を作る上でのポイントでもある。そこは時代と短編映画の特性がマッチした良い面と言えるでしょうね」。一方で懸念もある。人々がスマホの小さな画面で映像を見ることに慣れてしまうことは、劇場公開の長編映画を含めた映画界全体にとってプラスと言えるのか?「そこは非常に難しいところですね。いまなお短編映画は過渡期にあり、激動の中にあると思うんです。短編映画の盛り上がりが、最終的に長編映画を(劇場に)近づけてくれるのか?それとも人々を劇場から遠ざけてしまうのか?期待と不安の中で揺れているというのが正直な思いです」。ただ、ビジネスの側面から見ると「Lexus Short Films」然り、企業がショートフィルム製作に前向きになることで、新たな映画ビジネスの流れが生まれたと言える。作り手は企業のバックアップを得て作品を作る場を与えられ、企業は従来のTVや新聞ではなく、ショートフィルムで自社ブランドのコンセプトを拡散することができ、視聴者は人気俳優が出演する質の高いショートフィルムをネット上で無料で見ることが出来る。「15秒、30秒といった短いCMと長編映画の中間に位置する、5分、10分の短編を作る環境が出来たというのは作り手にとって非常に大きいですね。ワインスタインのような大きなスタジオが関わり、予算と時間を掛けて作品を作り、多くの人に観てもらうことができる。これまでもミュージックビデオから長編にステップアップする監督はいましたが、より映画的な要素、物語性の強いショートフィルムからどんどん新たな才能が育ってくることが期待できます。今後、若い人ばかりでなく中堅、ベテラン監督も短編映画に参戦するような状況になれば面白いですね」。見る側だけでなく、映画を作る側のデバイスも大きな技術革新を遂げたことで、スマホひとつで誰もが映画を作れる時代になった。実際、ネット上には、手の込んだ短編映画から偶然の瞬間を捉えたペットの動画まで映像があふれかえっている。「ものすごい量の中から、いかに面白い作品に出会うか?見る側にとっては逆に難しい時代と言えるかもしれません。そこでやはり、キュレーター的な存在が非常に大切になってくるのではないかと思います。日本には幸い『Short Shorts Film Festival & Asia』というショートフィルムを扱う素晴らしい映画祭があります。既にそうした企画は一部で始まっていますが、映画祭との連携の中で、人々の口コミをうまく活用して、良い作品と出会える場を整えていくことが大切だと思います。ひとりひとりの観客が出来ることとしては、まずは『面白い!』と思える作品に出会ったら、とにかく一人でも多くの人に勧めてほしいですね」。(text:cinemacafe.net)
2014年10月31日「LEXUS」が、『愛を読むひと』『イングロリアス・バスターズ』などで知られるインディペンデント系映画会社ザ・ワインスタイン・カンパニー(以下:ワインスタイン社)と協同し、将来有望なクリエイターを支援する「LEXUS SHORT FILMS」シリーズ第2弾として新作ショートフィルム2本を制作。このほど、その本編映像が公開された。この「LEXUS SHORT FILMS」は、従来の“高級”とは異なる価値として“Progressive Luxury”を追求するという「LEXUS」のブランドビジョンのもと、グローバルなスケールでそのプレミアム・ブランドとしてのイメージ強化・確立に向けた様々な取り組みの一環として行われている活動だ。このプロジェクトでは、ハリウッドを代表する著名な監督がメンター(監修)としてサポート。これらの支援のもと、「LEXUS」の掲げるテーマである“Life is Amazing”をそれぞれの感性で読み解き、表現していくというものだ。今回のシリーズ第2弾では、新進気鋭の2組の若手監督(監督:ジョン・ゴールドマン/監督:大川五月と脚本:落合賢)を起用。ゴールドマン監督は、寡黙で想像力豊かなマーケットの警備員・ランダルを主人公に、平凡な日常に突如起きた不思議な奇跡を描いた『Market Hours』を。大川監督と落合氏(脚本)の日本の2人は、少女コミックをイメージしたという、ヒロインの切なくも愛らしいプロポーズ大作戦で巻き起こる心情を描いた『Operation Barn Owl』を制作。この2作品は、今年5月に東京で行われた米国アカデミー賞公認・アジア最大級の国際短編映画祭「ショートショートフィルムフェスティバル」(以下:SSFF & ASIA)の初日に本シリーズのプレミア試写会が開催され、さらに6月にはニューヨーク、7月にはロサンゼルスでも試写会が開催された。「LEXUS SHORT FILMS」公式サイトでは、この各国の映画祭への出展状況などに加え、制作時のメイキング映像なども公開されている。さらに、東京・青山にある「INTERSECT BY LEXUS - TOKYO」では、「LEXUS SHORT FILMS」を始め、動画配信アプリ「UULA」、ネスレ日本株式会社と共に、選りすぐった上質な作品をキュレーションし、上映するショートフィルムシアターを開設。11月5日(水)~12月1日(月)の期間中、大川監督の『Operation Barn Owl』を始め6作品が上映される。さらに、11月7日(金)には「SSFF & ASIA」代表の別所哲也や広瀬アリスを招き、ショートフィルムの現在、そして未来の形をテーマにトークセッションも行われる予定だ。(text:cinemacafe.net)
2014年10月30日意外にも(?)似た者同士の2人なのかもしれない。インタビュールームに入ってきた深水元基と落合モトキは共にどこかマイペースな柔らかい空気を身にまとっていて、彼らが沖縄ロケで意気投合したというのも分かる気がした。正確に言えば、まもなく公開の映画『ハイザイ ~神さまの言うとおり~』は3作目の共演作となるのだが、実は本作を含め(!)実際に映画の中でガッチリと絡んだ経験は未だにほとんどない。じゃあ、なぜこんなに仲が良いのか…?そのあたりの経緯を含め、2人に話を聞いてみた。撮影中「毎日のように2人で飲み歩いてた」沖縄を舞台にした本作。ユタ(占いをする巫女)と間違えて拉致された女性とその犯人の年下ヤクザ男、観光で当地を訪れた軽いカップル、コックリさんで余命10年と宣告された女子高生らの全く異なる人生を歩む彼らの運命が少しずつ絡まり合っていく。2人が出演するのは別々のエピソードということで、重なるシーンは終盤のわずか1シーンのみ。だが、ほぼ丸々1週間、全員が沖縄入りして一気に撮影が行われたことが、2人の距離を縮めるきっかけになったようだ。落合さんは懐かしそうにふり返る。「現場に行くと、すでに深水さんたちのチームは始まってたりして、撮影はバラバラなんだけど、物語の関係上、日没で撮影が終わるんです。それでいつも『じゃあ飯でも行こうか』となって、毎日のように2人で飲み歩いてました」。タイトルの“ハイザイ”には、沖縄方言で挨拶代わりに使われる「はいさい」、運命を左右する「采配」、そしてミラクルというサプリを届けたいという「配剤」の意味が込められているそうだが、深水さんと落合さんの共演には“天の配剤”とも言うべき見えない力が…!落合さんが2人のこんな奇縁を明かす。「僕が初めてひとりで観に行った映画が、(深水さんが出演している)『HAZARDハザード』なんですよ。中3か高1のときだったかな?渋谷でしかやってなかったけど観たくて行ったんです。その作品に出られた方とこうして一緒にできるのは嬉しいです。そもそも同じ“モトキ”に会えたのも初めてだったし、『おぉ、リンダマン(※『クローズ ZERO』での深水さんの役)だ!』というのもあって、最初からすごくテンション高かったんですが(笑)」。「あの映画を中3で観るって相当だね」とカラカラと笑っていた深水さんだったが、2人の年齢差がちょうど10歳であると知らされると「えっ?そんなに…!?」と絶句。「『HAZARDハザード』の撮影は僕が俳優になってわりとすぐ、22歳くらいだから、ちょうどいまの落合くんくらいの頃。それを聞くと歳の差感じるね(苦笑)。でも僕は22歳のときはこんなに落ち着いて大人っぽくなかったです。何も覚えてないくらい…何を考えてたんだろう(笑)」。沖縄の飲み屋の続きのような2人の会話に流されてしまったが、改めて作品について聞いてみよう。落合さんが演じた原沢は潔癖症のヤクザ。ともさかりえ演じるアラサー女・深谷との車の中でのやり取りがメインである。「台本にヤクザとあったのでスーツでも着るかと思ったら、あんな軽い格好で足元は便所サンダルですからね(笑)。車の中でのシーンでは長いセリフを一気に、しかもテストもなしで一発本番で撮ったんで緊張感がありました。ともさかさんに引っ張っていただいた感じです。事前にどうするかといった話も全くなかったんですが、自由に自然にやらせていただけました。完成した作品を観たら長ゼリフのところがブチブチと切ったり繋がれたりしてるんですが、リズムが良くてすごく斬新なシーンになってました」。一方の深水さんは、チャラ男を地で行くような橋元に妙な共感を覚えながら演じていたと明かす。「いわゆる、男ならよくある話なのかなと。あれこれ振り回されたり、下ネタを言い過ぎて彼女に引かれたり(笑)、僕も似たような経験はありますよ。監督も代理店の方なので、これは監督とその近くにいる人たちの“あるあるネタ”なのかもしれないなんて思いながら楽しくやってました」。2人が語る“俳優”という職業そして話はそれぞれが考える“俳優”という仕事、その面白さに。子供の頃から芸能界に身を置き、子役として活躍してきた落合さんは自分が俳優を職業として意識したきっかけについてこう明かす。「10代の半ばに廣木隆一監督の下で『4TEEN』(原作・石田衣良)というドラマに出演して、同世代の柄本時生たちとも共演したんです。学校でも塾でもない空間で同世代の人と一緒にいることがすごく心地よかったんですが、出来上がりを観たら、僕らが普通にワイワイ喋ってるようなところも実は撮られていたりして『すごいな』と思ったんです。この仕事はそういう経験の延長上にあるのかなと思って『俳優を続けていこう』って思ったんです。高校を卒業したのも一つの大きな転機でしたね。そこで俳優を『本業です』と勢いで言っちゃったところもあるし(笑)、でも好きじゃなきゃそうは言えないと思うし」。深水さんはモデルから俳優に転身し、園監督の一連の作品を始め個性的な監督の下で数々の印象的な役柄を演じてきたが、30歳を過ぎてここ数年で俳優としての自分に確かなある変化を感じているという。「あれこれ考えなくなりましたね。余計なことを…なのかな?『30歳までに売れなかったら辞める』とか『あいつには負けたくない』、『この人と絶対に仕事をする』とか20代はいろいろ考えてたけどそういう気持ちは薄くなった。自分のペースで仕事をして、監督が作る世界観にどっぷりと浸かって『オレ、こんな風になるんだ』というのがすごく楽しいです」。『愛のむきだし』、『るろうに剣心』、そして本作と3度も共演しながら、ほとんど2人で絡むシーンがないのも寂しい。次回作こそ居酒屋トークのようなワイワイと盛り上がった様子をスクリーンで見せて欲しいが…。「2人でアルバイトしている役とかいいかもしれないですね」(落合さん)「先輩と言うこと聞かない後輩とかね。オレは一生懸命やってるのに、落合くんはマイペースで全然やってくれないで振り回されるのね(笑)」(深水さん)。制服で並ぶ2人の姿が目に浮かぶ。2人の“モトキ”の再共演を楽しみに待ちたい。(photo/text:Naoki Kurozu)■関連作品:ハイザイ ~神さまの言うとおり~ 2012年9月1日よりキネカ大森ほか全国にて公開© 2012「ハイザイ~神さまの言うとおり~」製作委員会
2012年08月30日今年も大盛況のうちに幕を閉じたアジア最大級の国際短編映画祭「ショートショートフィルムフェスティバル & アジア」(以下SSFF & ASIA)。6月末に閉幕してから1か月と経っていないが、映画祭15周年という記念すべき年になる2013年に向けて、早くもビッグプロジェクトが動き出している。そのうちの一つが「フットボールプログラム」である。「スポーツの持つ力を映像を使ってより多くの人々に伝える」という共通した理念のもと、公益社団法人日本プロサッカーリーグ(以下Jリーグ)と数々のコラボレーション・プログラムを行ってきた「SSFF & ASIA」だが、今回新たな取り組みとして、Jリーグ開幕20周年を迎える2013年に向けて特別ショートフィルムを製作することが決定している。その記念すべき作品の監督に大抜擢されたのは、コロンビア大学大学院映画学科の卒業制作作品『タイディ・アップ(Tidy Up)』が本映画祭や「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」、数々の海外映画祭で上映され、ハリウッドの映画祭では最優秀短編映画賞を受賞した、“MADE IN JAPAN”の国際派監督として注目を集める大川五月監督。過去に同映画祭で入選、受賞した監督を中心に公募で寄せられた企画の中から、Jリーグとショートショート実行委員会による厳しい選考を通過し、見事大抜擢となった。作品の詳細はまだ明かされていないが、Jリーグ20周年を象徴する「ホームタウン」、「身近にスポーツがあるライフスタイル」そして「海外」というテーマが課せられている中でどのような作品を作り上げるのか?早くも完成が待たれる。もう一つのビッグプロジェクトは、「SSFF & ASIA」と日本最大級の3D専門チャンネルを展開する「スカパー!」がタッグを組み、オリジナル作品として製作する“3Dショートフィルム”である。本映画祭では数年前から「3D部門」を立ち上げ、昨年の特別審査員には『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』などで知られる巨匠・押井守監督が名を連ねるなど、映像業界からも大きな注目を集めており、2010年に3D専門チャンネル「スカチャン3D」を立ち上げたスカパー! はこの取り組みに賛同、2年にわたり本映画祭で上映された3Dショートフィルムを放送してきた。この2大組織が満を持して贈るビッグプロジェクトの切符を手にしたのは、「SSFF & ASIA 2009」でジャパン部門の優秀賞を受賞し、ウエンツ瑛士主演の映画『タイガーマスク』の公開を控える29歳の新鋭、落合賢監督。3Dならではの世界観をどう作品に生かすのか?世界へ羽ばたくチャンスを手にした若手監督たちの活躍が目覚しい「SSFF & ASIA」。8月1日(水)からは来年度の上映作品の公募もスタートするという。世界をアッと言わせる新しい才能に期待しつつ、2013年の6月の開催を楽しみに待つとしよう。特集「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア2012」特集「シネカフェくんのふらっと映画祭」■関連作品:ショートショート フィルムフェスティバル & アジア2012 [映画祭] 2012年6月15日から19日までラフォーレミュージアム原宿で、6月22日から24日まで表参道ヒルズ スペース オーほかにて開催タイガーマスク 2012年公開予定
2012年07月04日挙式はご両親の結婚記念にちなんで11月。元女子バレーボール日本代表の落合真理さんが、2012年5月16日に会社員の男性と入籍することになったと発表があった。自身のブログでも「ご報告☆」と題して入籍予定の旨を報告している。挙式や披露宴は、落合さんと相手の男性のご両親の結婚記念日でもある11月の予定。仲のいい二人の写真もブログに掲載されている。幸せいっぱいのコメントも。バレーボールを引退後も、モデルやタレントとして新しく活躍している落合さん。入籍後も、仕事は続けていく方針のようだ。彼はとっても優しくて、誠実で、スポーツマンで、いつも私を笑わせてくれながら、包み込んでどんな時でも守ってくれる、生涯最高のパートナーです。と、幸せなコメントがブログで語られていた。元の記事を読む
2012年05月08日