一度閉店し、復活した下町の喫茶店谷中町の入り口にある、『カヤバ珈琲』。町のシンボルとして、昭和から多くの人に親しまれてきた「喫茶店」です。実は、一度閉店をしましたが、周囲の協力により2009年に当時の面影や人気メニューを残しつつ、新たなデザインを加え、復活したエピソードをご存知でしょうか?お店の「カヤバ珈琲」という名前は、榧場伊之助さんという創業者の名前が由来となっています。昭和13年に創業して約70年近く営業し、お亡くなりになるまで、ずっと近所の人々の憩いの場所になっていました。店主が亡くなり閉店状態が続いていたところを、台東区の歴史のある建物を残していく活動をしている「NPO法人たいとう歴史都市研究会」や、銭湯を改装したギャラリー「SCAI THE BATHHOUSE」の有志によって、お店の復活を目指し、2009年9月にリニューアルオープン。大正5年に建てられた木造の家屋は老朽化した箇所のみ修繕し、看板やイスなど往時の設えを残したこの喫茶店に愛着を持つ地域内外の人の支援を得て、「カヤバ珈琲」が復活しました。往年の味を忠実に再現した名物のたまごサンド名物「たまごサンド」(500円)に挟んであるのは、ゆでたまごではなくフワフワのたまご焼き。パンとたまご焼きのみのシンプルな構成ながら、からしマヨネーズや塩の効かせ方が絶妙なやさしい味わい。かじりついた瞬間に、ついほころんでしまう、往年の味を忠実に再現した名物メニュー! 食事と一緒に楽しみたいドリンクも『カヤバ珈琲』オリジナルのメニューが充実しています。創業当時から人気を博している「ルシアン」(500円)はコーヒーとココアが半分ずつミックスされていて、コーヒーが苦手な人もおいしく味わうことができます。昭和喫茶の思い出が残る、椅子、カウンター、食器等を眺めながら、時代を超越したレトロモダンな空間で、心豊かな憩いのひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか?取材・文/中島和美店舗情報店名:カヤバ珈琲TEL・予約:03-3823-3545住所:東京都台東区谷中6-1-29アクセス:JR山手線日暮里駅から徒歩10分東京メトロ 千代田線根津駅から徒歩10分営業時間:月―土8:00~23:00日8:00~18:00定休日:年中無休
2016年07月23日昔ながらの暮らしの道具、荒物雑貨。懐かしく、そして新しい、そんな荒物雑貨を商う松野屋が、『暮らしの道具松野屋荒物雑貨展』が、馬喰町ART+EATで7月15日から30日の期間開催される。今年で5回目となる同イベントは、毎年新たなイベントを盛り込み、多くの人たちを楽しませている。今年注目のイベントについて、店主・松野弘さんは「松野屋のカゴやザルに夏の花をアレンジするという、Bouquet de soleil(ブケ ド ソレイユ)主宰の井出綾さんのワークショップです。これは谷中の松野屋で時々開催しているのですが大人気なんですよ」と話す。プランツスタイリスト井出さんが手掛ける自然と暮らしをつなぐフラワーアレンジにはファンが多く、すでに16日開催のワークショップには予約がはいりはじめているとか。また23日はサブイベントデーとして、店主ご夫人・松野きぬ子さんの「雑巾ワークショップ」からスタート。20年ほど前までは、不要な布を雑巾にするという習慣があったのに、今や雑巾といえば買うものとして考えている人たちが少なくない。「声高にリデュース、リユース、リサイクルとうたうのではなく、古くなったタオルや手拭でチクチク雑巾をつくる。そんなことが日々の暮らしを少しでもみつめなおす時間やきっかけになれば」と松野さん。また店主・松野さんが店で扱うカゴやザル、箒やバケツの職人や制作現場を撮影した映像とともに語る『荒物雑貨トークショー』も開催する。荒物雑貨の物語を聞くことで、モノの見え方や選び方が変わってくるかもしれない。今、注目している道具や作り手は?「最近、お付き合いしている茨城の職人さんが作る真竹のカゴですね。カゴやザルなどを6種類ほど作っていただいています。仕事はきれいで丁寧だし、ちょっとしたセンスがすごくいい。作っているのは、80歳になるおじいさんなんですけどね。カゴ好きには、ぜひ見て欲しいですね」と松野さん。展示会では、カゴやザル、箒やバケツ、アルマイトの器、塗りの弁当箱、オリジナルトートバック、など暮らしの道具がずらりとお出迎え。年々、おもしろくなっているイースト東京で荒物ワールドを堪能したい。【イベント情報】「暮らしの道具松野屋荒物雑貨展」会場:馬喰町ART+EAT住所:東京都千代田区東神田1-2-11 アガタ竹澤ビル201会期:2016年7月15日~7月30日時間:11:00~19:00(火~木)、11:00~22:30(金・土のみバータイムあり)電話:松野屋/03-3661-8718馬喰町ART+EAT/03-6413-8049【サブイベント】■7月16日井出綾「夏の実りをかごに生ける」*予約制。イベント詳細や予約は馬喰町ART+EATか松野屋まで■7月23日松野きぬ子雑巾ワークショップ14:00~16:00(無料)松野弘荒物雑貨トークショー16:30~18:00(無料)LIVE TIME19:00~22:00*雑巾ワークショップとトークショーは馬喰町ART+EATか松野屋で予約。
2016年07月09日下町情緒が宿る東東京エリアを散歩するなら、どんな装いで、誰と一緒がいいだろう?麗らかな春の日差しに照らされながら、ゆっくりとした時間が流れる街並みを縫っていると、「赤い花の道を二人がいつだって手と手を取り合って並んで歩くのよ」と歌った安藤裕子さんの柔らかな声を思い出す。思えば、この「のうぜんかつら」を収録したアルバム『Merry Andrew』の発売から、はや10年の年月が流れているが、彼女のイノセントな雰囲気は色褪せていない。それどころか年を重ねるほどに透明感に磨きがかかっているようにさえ感じられるのは、音と戯れ、己と向き合うことによって、より自由に羽ばたくことを覚えたからかもしれない。艶やかな着物をまとい、やさしい笑顔をみせる彼女と共に、東東京を彩る名店巡り、いざスタート。■谷中に店を構える「松野屋」の暮らしを彩る日用品まず足を運んだのは、町工場や農村の職人が作る素朴な日用品をそろえる「暮らしの道具松野屋」。松野屋は、1945年の創業以来、手ごろな値段かつ日常で使いやすい、「ベストでもベターでもない、ナイスなものづくり」から生まれる“暮らしの道具”の、卸しから製造まで行っている荒物問屋だ。谷中にある「暮らしの道具松野屋」谷中の地に小売店を構えたのは2010年のこと。このところの谷根千人気の高まりもあって、週末は若い客も多いそうで、「年配の人にとっては懐かしい品物も、若い人の目には新鮮に映るみたい」と店主が教えてくれた。店内には、セルロイド製の懐かしくも品のある小物入れからオリジナル帆布のバッグや、和ぼうきにいたるまでバラエティ豊かなアイテムが並ぶ。その中でまず木製のお弁当箱を手に取った安藤さんは、「これ、すてきですね」と惚れ惚れした様子。聞けば4歳になるお子さんのお弁当を毎朝作っているとのことで、「今はソフィア(ディズニーのキャラクター)のお弁当箱を持たせています」と母の顔。木製のお弁当箱が気になるという安藤裕子さんかと思いきや、アルマイトのトレイセットを見付けると、「給食の食器だ!懐かしい」と子どものような表情に。ちなみに、店内にそろうアルマイト製の台所用品や食器はどれも2,000円前後とリーズナブルで使いやすいものばかりなので、キッチンの雰囲気を格上げするために大人買いするのもありかもしれない。給食の思い出がよみがえるアルマイトのトレイ【お店情報】暮らしの道具谷中松野屋東京都荒川区西日暮里3-14-1403(3823)7441営業時間:月、水~金/11:00~19:00 土日祝/10:00~19:00定休日:火曜日(祝日は営業)■1号店はナイジェリア!谷中の裏路地でスムージーを楽しむ「imena」続いて向かったのは、松野屋裏の路地を下ってすぐのスムージー専門店「imena(イメナ)」。谷中店は2号店で、なんと1号店はナイジェリアにあるという。imenaのスムージーは、セネガル産バオバブをはじめ、ネパールの蜂蜜、ナイジェリアのジンジャーなど、開発途上国から仕入れた原材料を用いている。谷中の裏路地にあるスムージー専門店「Imena」中高の同級生3人で始めたというImenaだが、うち一人が、学生時代から途上国の貧困問題に関心を抱いていたことがきっかけとなり、このようなスムージー専門店のオープンに至ったという。「おいしくて身体にもいいということで、毎日飲み続けてくれる人が増えたら、その分、食材を提供してくださった途上国にも収入がうまれるはず」と胸の内を明かしてくれた。ホウレン草やニンジンなどの栄養豊富な野菜をたっぷり摂れる「グリーンパワー」(550円)、“飲む点滴”と呼ばれる甘酒を果実や牛乳とミックスした「糀スプリング」(640円/春限定)など気になるメニューがたくさん。ホウレン草やニンジンなどの野菜をたっぷり摂れる「グリーンパワー」(550円)と、“飲む点滴”と呼ばれる甘酒を果実や牛乳とミックスした「糀スプリング」(640円/春限定)マンゴーやパイナップルなどの南国フルーツに、ココナッツミルクやアロエを加えた「マンゴーココナッツトコナッツ」(660円)をチョイスした安藤さんは、「このスムージーは、層になっているからいろんな食感が楽しめる」とストローの場所によって異なる味を堪能。さらに、「東東京ってこれまでゆっくり歩いたことがなかったんですけど、昔ながらのものを扱う店があるかと思うとこういう洒落た店もあるから、散策にはもってこいですね。周りを見渡すと外国人観光客も多くいるけど、日本の文化を感じつつ、普段の生活の中で使えるものを購入することができて嬉しいんじゃないかな」と街の雰囲気そのものも気に入った模様。優しい光が差し込むImenaの店内【お店情報】Imena東京都荒川区西日暮里3-14-603(3486)5496営業時間:11:30~17:30定休日:月曜日(祝日の場合は火曜日)--「肉を愛する安藤裕子が下町・東向島でステーキを頂き、馬喰町でアンティークボタンに出合う【東東京タイムトラベルvol.3】」へ
2016年05月04日東京・馬喰町の問屋街にある、荒物問屋「松野屋」店主の松野弘さん。人好き・街好き・おもしろいこと好きな松野さんが、旧知のスタイリスト伊藤まさこさんとともに、お馴染みの浅草や馬喰町へ。イーストトーキョーをめぐる後編。■開放的な空間で美人店主とおしゃべり。ギャラリー&ショップ「組む 東京」松野さんホームタウンの馬喰町めぐりは続く。日常を豊かにする暮らしまわりのモノや道具を扱うギャラリー&ショップ「組む 東京」へ。祖父が経営していた会社の古い倉庫ビルをみずからリノベーションし、2015年に店をはじめた店主の小沼のりこさん。大学で美術史を学び、イギリスに留学してキュレーションを学んだ小沼さん。そんな経歴もあって、周囲には自然とモノ作りをする仲間が集まり、そんな彼らと“組み”作り上げたのがギャラリー&ショップ「組む 東京」だ。大きなガラス窓の開放的な空間は、松野さんでなくてもちょっとのぞいてみたくなる。松野弘さん(以下、M):「組む東京」は、いつも興味深い個展や企画展をやっているんだけど、去年秋に展示していた多肉植物のインスタレーションがまだ飾ってあるから屋上に行きましょう。伊藤まさこさん(以下、I):うわあ、すごい!ビルの屋上にいきなりあるのがいいですね。この建物、とてもすてきですね。作家の個展をはじめ、さまざまな企画展を手掛ける「組む東京」。昨年の秋に開催したATELIER TOKIIROの多肉植物をテーマにした企画展も大好評だったそう。ビル屋上に残る「無人島」という名のインスタレーションは、春のご陽気にあわせぐんぐんと成長中M:店主のお祖父さんが経営していた会社の倉庫だったそうで、ひいお爺さんの時代には、大八車を作っていたとか。だからすごく天井が高い。よく行くお店の途中なので、毎日のように店主やスタッフとおしゃべり、ではなく、情報交換をしています(笑)。大治将典さんがデザインを手掛けているFUTAGAMIの真鍮シリーズは人気だとか。店主の夫、小沼智靖さんが作った木の器もいいよ。I:私は、このレースや布をつかった山崎淳子さん(JEUJYEI)のアクセサリーが気になります。独特なお店の雰囲気もいいですね。馬喰町に、こんなギャラリー&ショップがあったんですね。M:「組む 東京」にように外に開かれた場ができることで、新しい人がまた街にきてくれる。そうやって人が人をよび、結果的に街が盛り上がることが大事だと思う。大治将典さんがデザインをした真鍮や器、山崎淳子さん(JEUJYEI)のアクセサリー、トートバックやストール、ポルトガルのモビール、お米農家やまざきの米まで、“組む”とつながっている作り手たちが手掛けた品々が並ぶ【お店情報】組む東京東京都千代田区東神田1-13-1603(5825)4233営業時間や休日は企画展などによって異なるため確認を。■ランチからライブまで!?馬喰町のブルックリン「北出食堂」さらに馬喰町を東へと進むと、センスのある看板がかかった「北出食堂」へ。長くブルックリンに暮らした北出茂雄さん2013年に開いたダイナー。ブルックリンのロフトをイメージしたというコンクリート打ちっぱなしの店内には、手作りのテーブルや棚、アンティークの椅子が置かれ、温かみのある雰囲気を醸し出している。自家製生地のタコスをはじめ、岩手産短角牛のハンバーグステーキ、牛すじ煮込み黒カレー、そばサラダなど和洋問わず多彩な料理を展開。ランチや一杯飲みにとちょくちょく「北出食堂」に顔を出す松野さん、ご自身のブルーグラスのバンドライブも開催したとか!M:いいでしょう、北出食堂!店主の北出君は、知人を介した知り合いで開店の際に、松野屋にまで挨拶にきてくれた。NYのブルックリン帰りってどんな奴だ(笑)と思っていたけど、会うといい青年でさ。これは応援しなきゃと通っていたら、いい店だからどんどんお客さんが増えてきて、夜はなかなか予約がとれないらしい。I:ブルックリンにこんな店ありますね。大きな窓や天井が高いので気持ちがいい。このあたりはあまり来ることがないんだけど、そういえば事務所の壁に塗るペンキを買いに来ましたね。吹き抜けの高い天井が心地よい1階フロアはテーブル席メイン。奥にはカウンターがあるので、ひとり飲みが楽しめるM:ペンキを買いに?確かに、この近辺には色々な資材を扱う店が多いからね。材料はもちろん、サンプルを作る職人はいるし、小単位から生産を引き受けてくれる工場だってある。I:モノ作りするには、色々と便利な街ですね。M:そこに気がついたモノ作り系の若者が集まってきた。そして彼らが根づいたことで、次は個性的なカフェやバーができはじめる。すると街に暮らす人だけではなく、そんな店を目指して遠方から人がやってくるように。それが無意識のうちに“まちおこし”になっている。街は、ハコではなくヒトありきですよ。I:本当にそうですね。浅草から馬喰町まで、街の歴史や店のなりたちを教えていただいたことで、なんだかこのエリアが違ってみえてきました。今日は、ありがとうございました。ところで、私は赤ワインにしますけど?M:早くいってよ~、もちろん飲むよ。ハイボール貰おうっと!「パルマ産生ハム」、アボガドと豆腐のサラダ「坊主豆腐」は、お酒のおつまみにぴったり【お店情報】北出食堂東京都千代田区岩本町1丁目13-503(6240)9920営業時間:月~金曜/11:30~15:00(L.O.14:30) 、17:00~23:00(L.O.22:00) 土曜/11:30~23:00(L.O.22:00)、日曜・祝日/11:30~22:00(L.O.21:00)休日毎週木曜【街案内人】松野弘さん荒物雑貨・松野屋の店主。著書に「あらもの図鑑」(新潮社)がある。現在、六本木の21_21DESIGN SIGHTでの企画展「雑貨展」(~6/5まで)に作品を出展中。明治期の荒物雑貨売りの写真をもとにして、「松野屋」の籠や笊や箒や鞄などを大八車に積みこんだインスタレーションは一見の価値あり。伊藤まさこさん文化服装学院でデザインと洋装を学んだ後、料理や雑貨など暮らしまわりのスタイリストに。洋服や料理はもちろん旅や街歩きまで、さまざまなジャンルの本を出版。近著に、お弁当を作る楽しさ、食べる嬉しさを1冊にまとめた『おべんと帖 百』(マガジンハウス)、いろんなパターンの白いシャツをハンドメイドする『白いシャツを一枚、縫ってみませんか』(筑摩書房)がある。江戸文化香る浅草から、問屋街・馬喰町の珈琲専門店へ。松野弘×伊藤まさこ ぶらりゆるりな街めぐり--前編【東東京タイムトラベルvol.2はこちらから。78
2016年03月23日東京・馬喰町の問屋街にある、荒物問屋「松野屋」店主の松野弘さん。松野屋の荒物雑貨は、日本国内のみならずNY、パリ、台湾のおしゃれなセレクトショップでも大人気。荒物雑貨の目利きであり、人好き・街好き・おしゃべり好きな松野さんが、馴染みの街・浅草や馬喰町をご案内。ボッチ歩きは寂しいと、旧知のスタイリスト伊藤まさこさんを道連れに、ゆるりイーストトーキョーを巡る前後編。■食通が愛した老舗天ぷら屋、浅草「中清」へ江戸時代、芝居小屋や遊郭などの遊び場がつくられ、江戸文化の象徴だった地、浅草。暦ごとに市や祭りがある浅草寺、明け六つから歌舞伎がはじまる猿楽町、大門をくぐれば桃源郷の吉原と、朝に夕にと浅草詣でに興じた江戸市民のように、今でも多くの観光客で年中賑わいをみせる。江戸情緒が漂うこの地に、六代続く老舗天ぷら屋「中清」がある。作家の永井荷風や池波正太郎らが愛した中清は、松野さんにとって特別な日のお店だ。江戸前の天ぷらに舌鼓をうちながら、ふたりの話がはじまる。明治3(1870)年創業の天ぷら屋「中清」。駿河の武士だった初代が、屋台の天ぷら屋を浅草広小路へ出したのは幕末のころ。店を建てた際に、息子(2代目)中川清五郎の名をとり中清と命名。松野弘さん(以下、M):祖父母に手をひかれて浅草寺詣で、中学時代には花やしきや名画座でデートをしたりと浅草にはいろんな思い出がある。今でも誰かと食事する時は浅草。まさこさんは、浅草にはどんなイメージがある?伊藤まさこさん(以下、I)東京は、どこに行っても同じような店ばかりの印象で、街がなんだか味気なくなってきていますよね。でも、浅草には代々続く老舗や個人経営の個性ある魅力的な店や人が多いな、と感じます。M:江戸時代からそうだけど、浅草は芸能文化の発祥の地。寄席に名画座、ストリップ小屋のフランス座があったことで、自然と落語家や作家やタレントなどのおもしろい人が集まり、東京のカルチャースポットだった。その雰囲気が今もここには漂っている。また観光地のように思っている人も多いかもしれないけれど、地元に根ざしたいい店が多いよ。前菜から水菓子まで、3種類のコースメニュー(7,500円~)が用意されている。ふたりがいただいたのは「神輿」コース中清の天だねは、車海老、キス、穴子など築地で仕入れた新鮮な魚介のみ。コースの締めは、小かき揚げの天丼か天茶、小かき揚げとご飯を選べる。伊藤さんは天茶、松野さんは小かき揚げとご飯で締めるI:中清さんの前菜や天ぷらは、どれも上品な味ですごくおいしい。胡麻油の効いた濃厚な味かと思っていましたが、軽くてあっさりしていますね。天ぷらのお塩は、初代の故郷である駿河産のものだとか。こちらは松野さんにとって、どういうお店ですか?M:家族の行事や大事なお客さまを迎える、特別なお店ですね。離れの個室だと寛げるし、庭の鯉もいいでしょう。女将さんが名を呼ぶと寄って来るんだよ(笑)。年に数回訪れる特別な店、普段は釜めし屋や洋食ヨシカミとかね。あと神谷バーは、僕にとって、いい意味でのファミレス。特に子どもから年寄りまで世代問わず楽しめる2階は、子どもを連れてよく行った。世代問わず楽しめる町なんだよ、浅草って。I:私も洋食ヨシカミは好きです。あと喫茶店のアンヂェラス、食パンが有名なペリカンも!どのお店も長く愛されていて、いつもいろんな人たちで賑わっていますね。松野さんに教えていただいた釜めしむつみもよかった。M:普段使いの店から特別な店まで、浅草って間口が広くていいでしょう(笑)。では、池の鯉にお別れして次の町へ向かいますか。数寄屋造りの離れ座敷を囲む中庭をみながら、昔から変わらぬ江戸前の天ぷらを楽しみたい【お店情報】中清東京都台東区浅草1-39-1303(3841)4015営業時間:月~金曜/11:30~14:00、17:00~22:00土日曜、祝日/11:00~20:00休日:毎週火曜および第2・4月曜■ホームタウン“馬喰町”では、新旧の個性あふれた店をぶらぶら仕事場や住まいがある、松野さんのホームタウン馬喰町へ。問屋街として名を馳せる馬喰町だが、バブル崩壊後に商売をたたむ会社が増え、そのビルや倉庫は長く放置されていた。そんななか地域のリノベーションがはじまり、堅牢なビルやだだっ広い倉庫に目をつけた若き職人やクリエイターが集まってきて、馬喰町に工房や事務所を構えはじめたのが10年ほど前のこと。今では、手仕事を集めたギャラリー、多彩なイベントを開催するカフェ、海外にいるかのようなレストラン、おしゃれなボタン屋さんなど、個性あふれた店で賑わうエリアに。松野さんが昔から通う珈琲専門店、新たに顔馴染みになったギャラリーや飲食店へと、ぶらぶら、てくてく。■松野さんが長年通う珈琲専門店。カウンターでいつもの一杯を堪能馬喰町、問屋街のはずれにある珈琲専門店の「駱駝」。店主の森口源雄さんが1978年に開いた店だ。豆選び、焙煎、ブレンド、淹れ方、すべてに研究や工夫を重ねて毎日飲みたい味へと仕上げた「らくだブレンド」は、松野さんのお気に入り。一番手間ひまかけて一番安いメニューだと笑う店主森口さん。店を手伝う息子の賢一さんが、松野さんのいつものメニュー(らくだ珈琲&シナモントースト)を持ってきてくれた。東京という砂漠をゆっくりと歩き続ける駱駝のように、そんな思いでつけた店名。ご常連からいただく駱駝グッズは、年々増える一方だとかM:昼ごはんを食べたあとは決まって「駱駝」。その習慣は、もう10年以上になるかな。こんな小さな店だけど、ここで焙煎もしている。まさこさんは、珈琲は好き?I:好きです。日によって、ブラックで飲んだり、ミルクを入れたり。一日一杯は必ず。「らくだブレンド」、おいしいですね。いいなぁ、こんなお店が近くにあるなんて。M:シナモントーストも食べてみて。バター、砂糖、シナモン、そこに生クリームだから、おいしくないわけない(笑)。ところで伊藤さんは街歩きの本をたくさんだしているから、いろんな街を見ているでしょう。どんな街や場所が好きなの?コロンビア系の豆をブレンドした「らくだブレンド」(430円)は、甘いけど甘すぎない「シナモントースト」(450円)と相性ぴったりI:スタイリストという仕事柄、車で行動することが多くて、だから歩くとちょっとした小道や気がつかなかった店などの発見があって楽しいです。いいところを見つけるのが得意なので(笑)、あまり街の好き嫌いはないですね。とはいえ、東京のキラキラしたところには、あまり行かない(笑)。M:僕も東京の西側はあまり行きませんね~。新しいお店ってどうやって見つけているの?I:新たなお店をのぞくことも好きですが、いいと思ったお店に通い詰めるタイプ。だから新たな店は、センスや味覚が似ている友人の情報などを参考に。M:僕は、ちょっといいかなと思ったらどんどん入っちゃう。だからヒドイ失敗も多いけどね。まあお店探しは当たって砕けろ(笑)。ここでは言えない店もいっぱい行きました。カウンターの向かいにある燻されて珈琲色に染まった小さな焙煎室では、翌週に使う豆を週末に焙煎するそう【お店情報】駱駝東京都中央区東日本橋2-2-1503(3864)4938営業時間:7:30~19:00休日:土日曜、祝日馬喰町はブルックリン?倉庫をリノベしたギャラリーから、ライブも出来る食堂まで。松野弘×伊藤まさこ ゆるりぶらりな街めぐり--後編【東東京タイムトラベル vol.2】はこちらから。
2016年03月22日松野頼久代表の次女・未佳さん頂点1月25日、東京で「第48回ミス日本コンテスト2106」の最終選考が開催され、維新の党・松野頼久代表の次女で慶応大2年の松野未佳さん(20)が48代目のミス日本グランプリに輝き、応募者2804人の頂点に立った。「期待に応えられるように一生懸命、頑張る」ミス日本グランプリに輝いた未佳さんは、「選んでいただいた皆さんが1年後、後悔してしまわないように、期待に応えられるように一生懸命、頑張りたいと思います」(スポニチアネックスより)と声を震わせながら抱負をコメントした。過去に将来の夢を政治家と語っている未佳さんは、小学生からずっと慶応の一貫校で、外の世界を知らないことに不安を抱き、応募したという。ミス日本は、過去に女優の山本富士子(84)藤原紀香(44)などを輩出している伝統のコンテストだ。未佳さんの今後の活躍に期待したい。「水の天使」には須藤櫻子さん(21)「海の日」には杉浦琴乃さん(22)「みどりの女神」には飯塚帆南さん(22)「ミス着物」には織茂璃穏さん(24)準ミス日本には谷本英理子さん(22)が選ばれた。(スポニチアネックスより)(画像はミス日本公式サイトより)【参考】・ミス日本公式サイト
2016年01月27日下町情緒あふれる街並で知られる東京の「谷根千」(谷中・根津・千駄木)。そのひとつ、谷中の商店街「谷中ぎんざ」は昭和時代がそのままに残されてきたかに思える、まさに映画「三丁目の夕日」のような通りとなっている。しかもここは、猫と食べ歩きの宝庫としても有名。果たして、どんな猫とグルメが待っているのだろうか。○寺町の古き良き・谷中ぎんざ"東京下町レトロ"。そう呼びたくなるのは今回紹介する「谷中銀座商店街」(通称「谷中ぎんざ」)だけに限ったことではない。この一帯は古くから寺町として栄え、現在もその風情はそこかしこに見てとれる。JR日暮里駅を降りて商店街へと歩いていくだけでもそれは感じられるだろう。昭和20年頃から商店街として発展してきたという谷中ぎんざは、松嶋菜々子さん主演の連続テレビ小説「ひまわり」に登場して以来、メディアに多く取り上げられている。バラエティー番組などで見たことがある人も多いのではないだろうか。しかし、意外にもその長さは170mとこぢんまりとしたもの。魚屋や総菜屋などが多く、観光名所として知名度が高くなった今も地元の台所としての役割は変わらないようだ。○商店街は猫だらけ昔なつかしい商店街というのは、とかく猫が多いもの。しかもなぜか、どこのお寺にも猫は多い。その両方がある谷中ぎんざは「猫が多い! 」という噂が絶えない。ネット検索をしても猫が5~6匹写っている写真を容易に見つけることができる。しかし、今回の取材で、リアル猫は野放しの猫1匹と店番猫1匹を辛うじて見ただけだった。過去にも何度か来たことがあるが、その時も"猫運"に見放されていたのだろうか、多くて3匹くらいにしか出会ったことがない。しかし、本当はどこかに隠れているのだろう。地域の人々にはとても大事にされているらしい。商店街の中にはあちこちに猫の置物があり、猫モチーフのグッズやお菓子がたくさん。猫には非常に住みやすい環境だと思われる。想像以上に短い商店街のため、おしゃべりしながら歩いていたら、それこそあっという間に出口にたどり着いてしまう。行ったり来たり、何度も往復してしまうだろう。そんな時は上を見上げて歩いてみたい。○1,000円片手に食べ歩き数ある商店街でも、谷中ぎんざほど食べ歩きが楽しいところはないだろう。定番の揚げ物や、おやつも豊富。そして食べ歩きはいずれも200円前後という超お手頃価格なのだ。外せない定番はやはりメンチカツ。この小さな商店街の中に揚げ物を扱うお店はざっと見ても4~5軒ある。そのひとつ「肉のすずき」の「元気いっぱい! 元気メンチカツ」は1枚230円。油っこくなく比較的あっさりした味なため、いろいろと食べ歩きたい人にも最適だろう。こちらは魚貝類「丸初福島商店」の北海道産「焼きほたて」で280円。こちらもタレはさっぱり系。ホタテ本来の味が楽しめる。そして見逃せないのは猫モチーフのお菓子。そのひとつは「やなか しっぽや」の、猫のしっぽ型・焼ドーナツ。模様も味も違うしっぽが14~15種類があり、いずれも100円台なのがうれしい。食べ歩きには焼きたてを出してくれる。同じく猫モチーフの「招き屋」の「福にゃん焼き」は180円。十勝あんやチョコクリームなどが入った猫型のたい焼きだ。招き猫だけに、店員さんが「いいことがありますように!」と言ってくれるため、非常に楽しい気分になる。また、酒屋の「越後屋本店」では店先でビールを1杯400円で販売している。飲みながらほろ酔い気分で散策ができるというわけだ。これは1,000円の食べ歩き予算+αで楽しみたい。そのほか、食べ歩きはできないものの気になったのが「ちょんまげいも たまる」の「ちょんまげいも」(白ごま・黒ごま各210円、抹茶380円)。スイートポテトを胡麻でコーティングしたお菓子で、店内でのみいただける。飲み物とセットで注文しよう。この界隈はテレビや雑誌に取り上げられることも多く、ほとんどの食べ物屋の店先には芸能人来訪時の写真が大量に貼られている。筆者はいつも、取りあえずメディアでの人気は脇に置いておいて、実際に行ってお店の人と話をしたり食べてみたりして、「これは! 」というものだけを紹介したいと思っている(ただし、そのハードルはかなり低いのだけど)。とは言え、今回紹介できなかったお店の中には隠れた名店があるかもしれない。自分なりのお気に入りを探しての谷中ぎんざ散策も楽しそうだ。※記事中の価格・情報価格は2015年11月取材時のもの。価格は全て税込○筆者プロフィール: 木口 マリ執筆、編集、翻訳も手がけるフォトグラファー。旅に出る度になぜかいろいろな国の友人が増え、街を歩けばお年寄りが寄ってくる体質を持つ。現在は旅・街・いきものを中心として活動。自身のがん治療体験を時にマジメに、時にユーモラスに綴ったブログ「ハッピーな療養生活のススメ」も絶賛公開中。
2015年12月09日東京、谷中にある銭湯を改築し1993年にオープンしたギャラリー「スカイザバスハウス(SCAI THE BATHHOUSE)」で、名和晃平の個展「FORCE」が開催される。期間は3月7日から4月18日まで。名和晃平はプリズムシートや発泡ポリウレタン、ガラスビーズなどを用いた作品で知られる現代アーティスト。最先端の3Dテクノロジーや化学的なアプローチを駆使したオブジェは、表層のテクスチャーにおける情報量を増幅させるとともに、その素材特性を最大限に引き出している。観察者の知覚体験によって現代彫刻の新たな可能性を示すとともに、その一方で希薄化していくオブジェの実体を対比させ、デジタル社会における存在のリアリティーを問いかけてきた。今回の展示会では三つの新作が発表される。そのうちの一つ、インスタレーション「Force」では黒いシリコンオイルが雨のように降り、床の所々に黒い池を構成。一定方向に高速で流れ続けるオイルは、独特の粘性と重力によって空間に配置され、液状化した彫刻作品を完成させる。一方、平面作品「Direction」シリーズは、垂直に張ったキャンバスの上端から顔料を滴らせたもの。モノクロームの反復、自律的な階調が強いコントラストを生む。また、「Moment」では顔料入りのタンクを振り子にして、インクの軌跡を円心状に錯綜させながら、画布を動かすことで局所的なカオスを発生させた。【イベント情報】FORCE会場:SCAI THE BATHHOUSE住所:東京都台東区谷中6-1-23 柏湯跡会期:3月7日から4月18日時間:12:00から18:00休館日:日・月曜日(3月21日は開館)
2015年03月03日東京都・谷中のSCAI THE BATHHUOSEでは、デフォルメしたポートレート作品などで知られるアーティスト、ジュリアン・オピーの新作個展「Street Portraits」を開催している。開催期間は12月20日まで(日月祝は休廊)、開場時間は12:00~18:00。入場無料。「Street Portraits」と題された同展は、オピーが暮らすロンドンの雑踏の光景に加え、東京の賑わうストリートで無作為に撮影された人々の顔を題材にした新たなポートレイトのシリーズを、絵画、彫刻、映像作品として展開している。今回の新作についてオピーは、「制作スタジオから外界を見渡して、いま世界がいったいどんな気分なのかを描写する現代の言語を探しています。これらの作品は、ロンドンと東京、二都市の街頭で集めたイメージを、LEDやビニール、アクリルをなど商業的なメインストリートでみられる画像生成技術と組み合わせて作りました。それは、原始時代から行われてきた人間の描写方法(顔のイメージを一瞬とめて記録するポートレイト)を、刻石やモザイク画、油彩ではなく現在の素材をつかって、そして象形文字からオールド・マスター、浮世絵、マンガまでに至るアート言語から抽出したかたちなのです」と説明している。なお、ジュリアン・オピーは1958年ロンドン生まれのアーティスト。1980年代初期に芸術活動をスタートし、ユーモアと批評性をあわせもった彫刻作品でイギリスのアートシーンの寵児として注目されるようになる。90年代以降に制作された、BLURのメンバーの顔を単純化したアートワークや、街角で目にするサインやピクトグラムを想起させる人物像のシリーズなどで知られている。また、広重の風景画や歌麿の人物像を敬愛するオピーは日本にも関わりが深く、日本の風景を描いた作品が東京国立近代美術館に収蔵されているほか、電通本社の「歩く人」の彫刻、2008年の水戸芸術館での大規模個展などを通して、日本にもファンが多い。
2014年11月27日神田小川町のオリンパスプラザ東京で、須賀一写真展「谷中寺町、猫の町」が催される。期間は、10月2日~10月15日。○ステキな縁結びを谷中は、猫を名物にして町興しをしているが、その一方でマンションが乱立し、猫の数が激減しつつある。野良猫への餌やり禁止も、この現象に拍車をかけている。急激に変化する現在の谷中を、須賀一が写し出す。会場となるオリンパスプラザ東京は、都営新宿線 小川町駅、東京メトロ 淡路町駅、各線 新御茶ノ水駅よりすぐ。営業時間は、10時から18時まで(最終日は15時まで)。入場料は無料。
2014年09月29日焼ドーナツ専門店とカフェを併設した「谷中満天ドーナツ」を運営する「エムダブリュ」は、12月8日より、焼きドーナツを使った高さ25cmの満天ドーナツ特製「タワーケーキ」の販売を、1日10食限定で開始した。価格は2,000円。同商品は、同店特製の焼ドーナツを4段に積み重ね、イチゴやベリー、バナナやアーモンドなどをたっぷり使い、その隙間に生クリームを流し込んでいる。この焼きドーナツは、卵を卵黄と卵白(メレンゲ)に分けて調理することで、「ホロホロ」とした食感になっているという。なお、同ケーキは、土曜日、日曜日、祝日限定で販売。店舗に併設するカフェでのみ提供するとのこと。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年12月05日東京は猫の聖地・谷中。細い路地にはいつも猫たちの姿があります。古くからの寺町である谷中は猫の街としても有名。駄菓子屋さんやお総菜屋さんなど、昔ながらの商店が懐かしい面影を残す一方で、アートな雑貨屋さんや作家さんの個人ショップも数多いアートな街です。紅葉色づく秋を迎えた谷中で、芸術に食欲に、そして猫にふれて過ごすお散歩に出掛けてみました。JR日暮里駅を降りると、猫の街である谷中の風景が広がっています。陽光あたたかな休日。秋の日差しに誘われて顔を出したハチワレの猫と、黒猫に早速出会います。猫たちも日なたぼっこをして過ごしていました。少しだけおなかをなでさせてもらうと、とても柔らかくて温かな感触でした。猫たちと遊んでいたら、すっかりおなかが減ってしまいました。訪れたのは、昨年のオープンから人気を呼んでいる谷中のパン屋「Bonjour mojo2」。昼の間だけ歩行者天国になっている道を進むと、サッカーを楽しむ子どもたちの姿が目につきます。その通りから少し細い路地に入ると、対面販売のパン屋さんが。「こんにちは」とごあいさつすると、お店の人が出てきてくれました。注文したのは猫のさつまいもパン(160円)。さつまいものあんがたっぷりで食べごたえ十分。ほどよい甘みがパン生地とよく合います。うさぎのクリームパン(160円)は耳の部分がカリッとしていて香ばしく、顔の部分はふんわりとした食感です。谷中のぶらり旅で、小腹が空いたら訪れてみてはいかがでしょうか。■店舗情報店名:Bonjour mojo2 (ボンジュールモジョモジョ)場所:東京都文京区根津2-33-2営業時間:9:00から売り切れまで。月曜・第2、第4火曜休。不定休。腹ごしらえを済ませ、次はギャラリーを訪れました。訪れたのはその名も「ギャラリー猫町」。猫専門のアートギャラリーです。石造りの階段の入口で迎えてくれたのは、造形作家小澤康麿氏の作品である真っ白な等身大の猫オブジェ。少し長めの階段をのぼっていくと、赤く葉を染めた葉の間から陽光が差してきます。一軒家のギャラリーには靴を脱いで上がります。2階には展示スペースとして開放されている畳のお部屋があり、のんびり作品を楽しむことができます。この日は、漫画家である「ますむらひろし」氏の作品展「ATAGOAL×HOKUSAI 2013」が開催されていました。展示会は11月11日まで行われるとのこと。同展示会は、ますむら氏が葛飾北斎の絵画を独自にアレンジした作品を楽しむことができる原画展。アレンジされた作品の中には猫が数多く登場しており、その柔らかで繊細なタッチをお楽しみいただけます。11月10日にはますむら氏のサイン会を開催。「2013年カレンダー」または「手ぬぐい」をお買い求めの方が対象で、時間は14:00~15:00とのこと。同ギャラリーでは、猫に関する企画展が随時開催されています。休日に、猫の作品で心を癒やしたい方におすすめの場所です。■店舗情報店名:ギャラリー猫町場所:東京都台東区谷中2-6-24営業時間:11:00から18:00、月~水曜休。絵画で猫を楽しんでいたら、やはり本物の猫も恋しくなってしまいました。谷中にあるカフェ「ねんねこ家」に向かいます。猫たちが店内でのんびり暮らしているお店です。谷中にある霊園へと続く坂道は、少し勾配のある上り坂。その坂の途中に、ユニークな猫グッズが並ぶお店があります。古い民家風のたたずまいの「ねんねこ家」は、1階は畳、2階はバリ風の内装です。冬にはこたつの並ぶ1階のお部屋には、アンティークの猫作品や、アートなオブジェが空間を彩ります。店内に入り、ロールケーキセットを注文しました。ケーキには猫の顔が描かれており、食べるのがもったいないほど。生地はふんわりと仕上がっていて、甘すぎないしっとりしたクリームを楽しむことができます。カフェの中にはチョビちゃんという名前の猫ちゃんが。ねんねこ家の営業を担当する猫ちゃんだそうです。年齢は8歳で、頬や額をなでてもらうのが大好き。この日もお客さんになでられて上機嫌でした。「ねんねこ家」では、畳敷きの和室で、猫をめでながらスイーツなどを楽しむことができます。通いつめれば、猫自ら膝に乗ってきてくれるかもしれませんね。■店舗情報店名:ねんねこ家場所:東京都台東区谷中2-1-4営業時間:11:30から18:00、月~水曜休。猫の街谷中には、地域型の商店街があり、「谷中銀座」と呼ばれています。その商店街の端に、猫雑貨店である「ねこあくしょん」があります。オリジナルの猫グッズなどを買うことができ、特に若い女性に人気のお店です。店内には所狭しと猫グッズが並んでいます。猫の爪とぎの形をしたストラップや、猫のサブレ、イヤホンジャック付きのキーホルダーや、猫のイラストが描かれたメガネ拭きなどが販売されており、そのデザインに目を奪われます。贈り物などにも適した猫グッズが満載でした。谷中を訪れた際には、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。■店舗情報店名:ねこあくしょん場所:東京都荒川区西日暮里3-10-5営業時間:11:00から18:00、月曜休み。他にも猫のグッズを扱うお店や、猫のいるカフェや看板猫のいるお店がいっぱいの谷中。どうぞ秋の一日を猫とともにお過ごしください。<著者プロフィール>一色千里ハンドメイドや動物、街歩きや旅をテーマに撮影と執筆を手がける。著書に「東京手づくり市マップ」「東京ねこ街案内」(角川グループパブリッシング刊)などがある。新著「カワイイ動物カフェへようこそ!」が日本工業新聞社より2012年11月2日に発売!猫情報を配信するちまたの猫暮らしを運営するほか、物語で街と人をつなぐ「本のカケラ」など街イベントも積極的に企画。ホームページ、ツイッターも運営中。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年11月08日最近ブームの「谷根千」、その谷中にある天台宗寺院・浄名院があります。毎年十五夜に咳や喘息の効験を願う、ヘチマの加持祈祷で有名ですが、実は、都内で「最も恋愛に効く御寺」、アンリのイチオシなのです。1666年に向かいの寛永寺三十六坊の一つとして創建され、4代将軍徳川家綱の菩提所となって今の浄名院と改名しました。お地蔵様だらけのちょっと不思議なお寺、なんとその数は84,000体と膨大!なぜこの数か?と言うと、仏教用語で84,000とは「数が多いこと」を表すからだそうです。いろいろ恋愛に効くパワースポットは巡ってみたけど、全く効果なし!と言う方、諦める前に是非、行ってみて下さい。まずは本殿に参拝を済ませ、お地蔵様に恋愛祈願をするだけで、お地蔵様たちがあなたの「ご縁」を探しに出かけて下さるのです。ここでまず、ポイントなのがお参りの仕方です。アンリ流秘技がありますから伝授しますね。20日間に3回、必ずお参りをするのです。なぜ3回かと言うと、風水では「3」が願いを早く叶えてくれる数字だからです。切羽詰った人は、立て続けに行くほうが良いのですが、一度言って運を頂き、ご自身に定着するまで3日はかかりますので、最低3日はあけてからお出かけくださいね。また参拝時間は、朝10時から午後3時までにすませてください。JR鶯谷駅より徒歩10分ちょっととアクセスもよく、初夏のお散歩にはちょうどよいところです。また、この向かいに寛永寺がありますが、徳川幕府の安泰と国の平和を祈願して、江戸城の鬼門(東北)にあたるこの地に徳川家康の側近として名高い南光坊天海により建立されました。天海は、言わずと知れた風水師だったようで、徳川繁栄のために風水立地の良い、ドンピシャの地にこの寺を建てたのでしょう。隣接する浄名院は、子孫繁栄を願って建てられた寺院のようですから、恋愛祈願に効く!とは納得ですよね。東北の鬼門の発想は、日本だけでなくインドの風水においても、一番高貴な方位であり、神につながる方位にあたります。癒しの波動を受け、祝福と幸運をもたらすと言われています。風水の源流はインドではないかと言われていますが、まさに古の知恵を振り返れば、仏教伝来とともに風水もインドから渡来したと考えることもできます。以前から、アンリは東京が関東一のパワースポットであると提唱していますが、まさにそのヘソのような場所が上野です。江戸を活性化する最大のエネルギーが巡る場所は、今も変わりなく、最強のパワースポットですよ。さらに参拝前に近くでミネラルウォーターなど買っておき、現地で一服いただくのがアンリ流。お水と一緒に都の東北、最強エネルギーを飲み込んで体内へチャージします。「婚活疲れ」などと結婚に前向きな考えに水を差すようなことが言われていますが、行き詰まりを感じたら、落ち込む前にまずは浄名院を参りましょう。また、谷中界隈は商店街が続き、下町情緒たっぷりの楽しい街。新たな発見もあるかも。ヒンヤリ感を味わいたい方にお勧めなのが、お隣の日暮里駅に程近い臨済宗全生庵。8月の1か月間ですが、秘蔵の幽霊画を公開しています。これは落語界の大御所、三遊亭円朝遺愛のコレクションであり、菩提寺であるこのお寺に寄贈されました。猛暑の最中、幽霊画を見て涼しさを味わうのもオツな江戸っ子の納涼の過ごし方ではないでしょうか?納涼ついでにもうひとつご紹介したいのが、根津神社近くの「お化け怪談」、もとい、「お化け階段」。階段の数を数えると、登りと下りで違うという不思議なトリック階段です。そのトリックは是非登って確かめてみて下さい。ちょっとしたことなのですが、だまし船のような原理です。注目の谷根千探索のコースに是非、恋愛祈願も盛り込んでみてくださいね。この夏、アンリの一番のお勧め楽・近・早開運スポットです。浄名院(上野)〒110-0002 台東区上野桜木2丁目6-4寛永寺(上野)〒110-0002 東京都台東区上野桜木1丁目14-11 公式サイト 全生庵(上野)〒110-0001 東京都台東区谷中5丁目4−7
2012年07月21日