子どもたち、つまり、かつての私たちが主人公の小説をたくさん書いてきた辻村深月さん。最新エッセイ集『あなたの言葉を』は、そういった物語を読んだ子どもからたびたび寄せられる「大人なのにどうして子どもの気持ちがわかるんですか?」という問いがきっかけになっている。「自分の言葉」ってそもそも何?子どもと本音で向き合うエッセイ。「言われるたびに嬉しい半面、『仲間だよ!』と寂しい気持ちにもなりました。その質問が出てくるには、『大人は自分たちの気持ちがわからなくて当然』という思いがあるはずなので。だとしたら、子どもの頃の悔しかったこと、もやもやしたことなどを覚えているのが私の強みなので、大人の中の子どものスパイとして頑張ってみようと思ったのです」毎日小学生新聞に連載されたこのエッセイ。言語化や自身の言葉で話すことが尊ばれる昨今、「自分の言葉がある」とはどういうことなのか、辻村さんの子どもの頃の経験や時事問題、読者からの投稿を交えながら深めていく試みでもある。「大人が思う子どもらしい言葉ではなく、自分の感情や本音の部分を言語化すること。それを表に発さないとしても、心に保つことの大切さについて書きたいと思い、このタイトルにしました。そしてある程度記事が溜まってきて、これは同調圧力に屈しないことについての連載だったのだと、しみじみ思いました」たとえば、遠足のお弁当の時間、よく知らない子の陰口が始まって、「そうなんだ」と相づちを打ったエピソード。大人の世界でもよくあるシチュエーションといえるが、一緒にいた女の子のとった行動に小学生の辻村さんはハッとさせられる。「周りに流されず、思ったことはどんどん出したほうがいいとか、大人の思う正しさで語られることが多いけれど、表明することだけが向き合い方ではないと思うんです。子どもに伝えようと思うと表現はよりストレートになるのですが、だからこそ言葉の選び方は大人向けのエッセイ以上に時間をかけました」迷いが生じたときに本を開きたくなるような、辻村さんが子どもというひとりの人間と真摯に向き合った優しい言葉がちりばめられている。「作家としていろんな方の言葉や文章に触れる機会が増えてくると、本音で書いてあるものに勝る強さはないと感じます。そのことが、全体を通して伝わったら嬉しいですね」『あなたの言葉を』学校生活、出会いと別れ、読むこと、書くこと。かつての子どもたちにも響くエッセイ集。朝倉世界一さんの挿絵が文章に寄り添う。毎日新聞出版1540円つじむら・みづき作家。2004年デビュー。本誌で連載された『ハケンアニメ!』は、舞台・映画・ウェブトゥーン化された。近著『この夏の星を見る』はコロナ禍でつながる中高生の青春物語。※『anan』2024年4月24日号より。写真・土佐麻理子(辻村さん)中島慶子(本)インタビュー、文・兵藤育子(by anan編集部)
2024年04月24日辻村深月のベストセラー小説を原作とする映画『傲慢と善良』が、2024年9月27日(金)より全国公開。藤ヶ谷太輔と奈緒がW主演を務める。辻村深月の恋愛ミステリー小説『傲慢と善良』映画化へ辻村深月による原作小説の『傲慢と善良』は、マッチングアプリで出会い婚約した2人の物語を描く恋愛ミステリー。現代に生きる人々のリアルな恋愛観や価値観を反映した物語が多くの共感を呼び、2019年に単行本が発売された後、第7回ブクログ大賞を受賞。また、発行部数は90万部を突破し、“2023年最も売れた小説”として人気を集め続けている。藤ヶ谷太輔×奈緒がW主演、婚約者役にそんな『傲慢と善良』が、藤ヶ谷太輔と奈緒のW主演で実写映画化。マッチングアプリで出会い交際した真実との将来をなかなか決めない“傲慢”な西澤架に扮するのは、藤ヶ谷太輔。主演を務めた『そして僕は途方に暮れる』では自堕落なフリーター役を好演したほか、ヘンリック・イプセンの代表作『野鴨』など、舞台の場でも活躍を見せる。一方、親の敷いたレールの上を“善良”に生きてきた坂庭真実は奈緒が演じる。『マイ・ブロークン・マリコ』や『陰陽師0』などの映画出演のほか、『ファーストペンギン!』『春になったら』などのテレビドラマや2024年7月に公開の『先生の白い噓』では主演を務めている。主人公・西澤架…藤ヶ谷太輔30代になりマッチングアプリで出会った真実と交際するが、なかなか将来を決めないでいる。主人公・坂庭真実…奈緒親の敷いたレールの上を生きてきた。婚約直後、謎の失踪をとげる。監督は萩原健太郎、脚本は清水友佳子監督は萩原健太郎。『東京喰種 トーキョーグール』や2024年8月に公開の『ブルーピリオド』など他の実写化映画でも監督と務めている。脚本はドラマ『最愛』や『彼女はキレイだった』などを手掛けた清水友佳子が担当する。映画『傲慢と善良』あらすじ婚約者・坂庭真実が突然姿を消した。過去も嘘もすべて隠したままー。仕事も恋愛も順調だった架だったが長年つきあった彼女にフラれてしまい、マッチングアプリで婚活を始める。そこで出会った控えめで気の利く真実と付き合い始めるも1年たっても結婚まで踏み切れずにいたある日、ストーカーの存在を告白される。そんな矢先「架くん、助けて!」と恐怖に怯えた真実からの着信が。彼女を守らなければとようやく婚約した直後、真実が突然消えたー。居場所を探すうち明らかになっていく<知りたくなかった過去と嘘>、すべてをさらけ出した2人の“一生に一度の選択”とは?【作品詳細】映画『傲慢と善良』公開日:2024年9月27日(金)監督:萩原健太郎脚本:清水友佳子出演:藤ヶ谷太輔、奈緒原作:辻村深月
2024年04月15日小説家・辻村深月氏の小説を実写化した映画『傲慢と善良』(9月27日公開)が公開されることが12日、明らかになった。○■映画『傲慢と善良』9月27日に公開原作は2019年に単行本が発売され、第7回ブクログ大賞を受賞。現代に生きる人々のリアルな恋愛観や価値観が描かれ、20代、30代を中心に多くの共感を呼んだことから話題が広がり、2023年最も売れた小説( ※ジュンク堂書店池袋本店調べ 2023年売上、文芸/文庫新書ジャンル)となった。発行部数は90万部を突破し、話題は広がり続けている。SNSの感想では「人生で一番刺さった」「明日からの生き方が変わるかも……」「どんどん引き込まれて最後は感動した」「男女で感想がわかれそう!」「まさに私のことだ」など、読者に大きな衝撃を与えつつも男女で感想が違うことで、より広がっているという。主人公の架と真実はマッチングアプリで出会い婚約したが、真実が突然失踪してしまう。架が彼女を探すうち、知りたくなかった過去と嘘が明かされていく。そして最後にたどり着く“一生に一度の選択”を描く恋愛ミステリとなっている。今回公開されたビジュアルには、「婚約者が、突然消えた――。真実なんて、何ひとつ見えてなかった――」のコピーとともに、架と真実らしき人物が窓辺から夜の街を眺める姿が映し出されている。キャストの顔はぼんやりとしており、誰が演じるかは今後発表される。○■辻村深月 コメント『傲慢と善良』を書いて数年、今も届く読者の皆さんの感想の声の切実さ、多様さに驚いています。それはおそらく、この小説の誰か・何かに皆さんが「自分」を見てくれているからなのでしょう。映画化を通じ、より多く深く、皆さんの心に刺さるものがあることを願っています。(C)2024「傲慢と善良」製作委員会
2024年04月12日辻村深月による同名小説を原作とした映画『傲慢と善良』が9月27日(金)より全国公開されることが決定した。2019年に単行本が発売されると、現代に生きる人々のリアルな恋愛観や価値観が描かれた本作は第7回ブクログ大賞を受賞、20代、30代を中心に多くの共感を呼び話題が広がり、発行部数は90万部を突破し話題は広がり続けている。その感想はすでにSNSやメディアのレビューコーナーで多く取り上げられているが、「人生で一番刺さった」「明日からの生き方が変わるかも…」「どんどん引き込まれて最後は感動した」「男女で感想がわかれそう!」「まさに私のことだ」など、大きな衝撃を与えつつも様々な感想が寄せられている。主人公の架と真実はマッチングアプリで出会い婚約した直後、真実が突然失踪してしまう。彼女を探すうち<知りたくなかった過去と嘘>が明かされていく。そして最後にたどり着く、“一生に一度の選択”を描く恋愛ミステリーとなる本作。原作の辻村氏は映画化決定に、「いまも届く読者の皆さんの感想の声の切実さ、多様さに驚いています。それはおそらく、この小説の誰か・何かに皆さんが『自分』を見てくれているからなのでしょう。映画化を通じ、より多く深く、皆さんの心に刺さるものがあることを願っています」とコメント。今回解禁されたビジュアルには、「婚約者が、突然消えた―。真実なんて、何ひとつ見えてなかった―」のコピーとともに、架と真実らしき人物が窓辺から夜の街を眺めている姿が映し出されている。失踪した婚約者・真実(まみ)のことも、真実(しんじつ)も何も見えていなかった後悔を示すかのようなコピー。キャストの顔ははっきりとは見えないままで、主人公の架と真実を演じる俳優たちにも注目が集まっている。『傲慢と善良』は9月27日(金)より全国にて公開。(シネマカフェ編集部)
2024年04月12日道枝駿佑と板垣李光人が共演する「マルス-ゼロの革命-」よりクランクアップの様子が到着した。道枝駿佑演じる謎多きカリスマ転校生・美島零(ゼロ)に導かれた落ちこぼれ高校生たちが【マルス】という7人の動画集団を結成し、悪事に手を染める大人たちに正義の鉄槌を下す姿を描いてきた本作。この度、ついに迎える最終回を目前に、美島零・ゼロ役の道枝駿佑と、逢沢渾一役の板垣李光人がクランクアップを迎えた。ゼロと渾一で迎えたラストシーンという、物語を締めくくる最後のシーンを撮り終え、監督から「OK!」がかかると、スタッフから「オールアップです!」との声が。まずは、お馴染みとなった桜明学園の白い学ラン姿で笑顔を見せた板垣さんが監督と固い握手。オオカミの形の真っ赤な花束を受け取ると、「『マルス-ゼロの革命-』という作品と逢沢渾一という役に出逢えて本当に幸せでした」と感慨深そうに語った。日々、悩みながら演じ抜いた役に愛着を見せつつも、「あらためて自分の未熟さも痛感」と反省も。「また皆さんとご一緒できるときには、もっと成長した姿を見せられるように精進したい」と板垣さんらしい前向きなコメントで締めくくった。続く道枝さんには、全身白い衣装に映える真っ白なオオカミ型の花束が。これまでのイメージを180度覆すようなゼロという役を「普段の僕とは割と正反対な役柄で、どうすればいいんだろうと悩みながらやっていた」と回顧。撮影当初は平川雄一朗監督からも多く指導を受けたことをふり返り、「これが3カ月続くのは本当に大変だな」と思っていたことも明かした。それでもその苦悩や葛藤を乗り越え、クランクアップを迎えたいま、「すごくやりがいを感じる現場でした」と道枝さん。「すごく大変でしたが、すごく楽しかったです!」と充実の、まさに“やりきった”表情を見せた。そして最後は板垣さんとがっちりとハグ。劇中でも名コンビぶりを見せてくれた2人の物語がついに完結した瞬間となった。そして19日夜9時からの最終回放送を前に、放送直前インスタライブが緊急決定。放送を目前に控えた明日よる8時40分ごろから、道枝さん、板垣さん、吉川愛の3人が集まり、これまでの撮影秘話やクランクアップまでのエピソードなどを語り合うという。もちろん目前に迫った最終回の見どころや注目ポイントも解説。長い撮影期間を共にしてきた3人だからこそ話せる貴重なトークに注目したい。道枝駿佑(美島零/ゼロ・役)コメント本当に3カ月間お世話になりました!普段の僕とは割と正反対な役柄で、どうすればいいんだろうと悩みながらやっていたんですけど、クランクインして平川雄一朗監督にめちゃめちゃしごいていただいて、「これが3カ月続くのは本当に大変だな」と思いながらのスタートでした。でも皆さんの助けがあったからこそ乗り越えられた作品だったと思いますし、すごくやりがいを感じる現場でした。すごく大変でしたが、すごく楽しかったです!ありがとうございました!板垣李光人(逢沢渾一・役)コメント約3カ月お疲れ様でした。本当にお世話になりました。『マルス-ゼロの革命-』という作品と逢沢渾一という役に出会えて本当に幸せでしたし、だからこそこの作品をよりよいものにするためにはどうしたらいいだろう、と日々悩んで考えながら芝居をしていました。スタッフの皆さんのお力添えをいただいて、最後まで走り切ることができました!あらためて自分の未熟さみたいなものも痛感しましたので、また皆さんとご一緒できるときには、もっと成長した姿を見せられるように精進したいと思います。本当にありがとうございました!「マルス-ゼロの革命-」は毎週火曜日21時~テレビ朝日系にて放送中。(シネマカフェ編集部)
2024年03月18日「第96回アカデミー賞」ライブストリームに、映画『君たちはどう生きるか』(英題:The Boy and the Heron)より監督の宮崎駿とスタジオジブリ・プロデューサーの鈴木敏夫が登場した。宮崎監督10年ぶりとなる長編映画最新作『君たちはどう生きるか』は、監督が少年時代に感銘を受けた書籍「君たちはどう生きるか」からタイトルを採用し、全く別のオリジナルストーリーとして完成させた冒険活劇ファンタジー。海外でも注目され、「第96回アカデミー賞」では長編アニメ映画賞にノミネート。宮崎監督の長編アニメ映画賞ノミネートは、史上最多タイ4度目となる。今回映像では、宮崎監督と鈴木プロデューサーのコメントが流れた。物語について、自伝かと問われると、「いや、でもコロナ禍にあったことですね」と回答。7年という、これまでとは異なる長い製作期間をふり返り、「よく最後までいけた」「終わらない作品じゃないかと思いました」とコメントしている。「第96回アカデミー賞授賞式」は3月11日(月)7時~WOWOWにて生中継・ライブ配信。※宮崎駿監督の「崎」、正しくは「たつざき」(シネマカフェ編集部)■関連作品:君たちはどう生きるか 2023年7月14日より公開©2023 Studio Ghibli
2024年03月04日人生初という金髪で主演ドラマ『マルス-ゼロの革命-』(テレビ朝日系)に挑む、なにわ男子の道枝駿佑(21)。これまでの“かわいい男の子”イメージを「ぶっ壊す」新境地とは――。初挑戦の金髪で、美男子ぶりに磨きがかかった道枝駿佑。主演ドラマ『マルス-ゼロの革命-』の役作りのため、生まれて初めて髪をブリーチしたという。「まだ慣れなくて、鏡を見るたび新鮮な気持ちになります。染めた翌日にメンバーと会ったら、(西畑)大吾くんには『チャラ!』と言われて、丈くん(藤原丈一郎)には、ニヤニヤしながら写真を撮られました(笑)。これまで髪の毛のケアを一切してこなくて。髪の傷みも気にしなかったのですが、今は優しく扱うようにしています」本作で道枝が演じる美島零=ゼロは、カリスマ的な魅力を持ち、過激な言動もいとわない。一方の道枝本人は、本誌のインタビューで「自己評価があまり高くない」と語るほど謙虚な性格だ。「自分自身を内側から“ぶっ壊す”つもりで演じています。いつもの優しくて穏やかなイメージは封印して、説得力のある芝居をしたい。撮影期間中は、とにかくゼロになりきって、役に染まる感覚を味わいたいです。もしかしたら、ふだんの顔つきも変わってくるかもしれませんね」気合十分な道枝は、ゼロを演じ切るために、日々自主トレーニングをしているそう。「ゼロは感情の振り幅が大きいので、鏡の前で喜怒哀楽の練習をしています。それぞれの感情を1から10のレベルで表現したり、色と結びつけてイメージしたり。現場では、共演者のみんなと表情筋のトレーニングも。片方の眉毛を上げる表情を作りたいのですが、僕にはうまくできなくて……。今、特訓中なんです」劇中、ゼロは学校内の“落ちこぼれ”を集めた動画集団「マルス」を結成。大人が作った社会に反旗を翻すが、その姿はやはり、道枝自身の性質とはかけ離れているよう……。「僕自身は、反抗期すらなかったですからね(笑)。高校時代も、周りを引っ張るどころか、たまにボケるくらいで、基本的には静かなタイプ。まだゼロのような自信は持てていないですが、振り切ってやるしかないという覚悟で臨んでいます!」
2024年02月02日TELASAオリジナルコンテンツ「ROAD TO ゼロ-道枝駿佑、新たなる挑戦-」の配信が決定した。「なにわ男子」の道枝駿佑が、テレビ朝日ゴールデン帯連続ドラマ初主演を務める新ドラマ「マルス-ゼロの革命-」。本作は、道枝さん演じる謎多きカリスマ転校生・美島零《ゼロ》に導かれ、【マルス】という動画集団を結成した落ちこぼれ高校生たちが、大人社会に反旗を翻していく姿を描く、爽快な新感覚青春ドラマだ。今回配信が決定したオリジナルコンテンツは、そんな記念すべきゴールデン帯初主演作で奮闘する道枝さんに密着。これまでの自分とは正反対のキャラクターを演じる苦悩と成長の日々を追った。撮影前の準備段階からクランクイン、日々進んでいく撮影の裏側にカメラが完全密着。「自分をぶっ壊してやる」と強い決意で新境地に臨む道枝さんを丁寧に追った珠玉のドキュメンタリーは、全3回にわたって配信となる。「ROAD TO ゼロ-道枝駿佑、新たなる挑戦-」#1は1月19日(金)21時~TELASAにて配信。「マルス-ゼロの革命-」は1月23日より毎週火曜日21時~テレビ朝日系にて放送(※初回拡大スペシャル)。(シネマカフェ編集部)
2024年01月16日宮崎駿の初監督アニメ『未来少年コナン』が舞台化。2024年5月・6月に東京芸術劇場 プレイハウスにて上演され、その後ツアー公演される予定だ。宮崎駿の初監督アニメ『未来少年コナン』舞台化『未来少年コナン』は、日本アニメーション制作により、1978年に宮崎駿が初監督したアニメーションシリーズ。躍動感あふれる描写や世界観など、その後の宮崎駿作品へと受け継がれている要素が詰まった名作として知られている。物語の舞台は、最終戦争後の荒廃した地球。その中で暮らす、恐れを知らない野生児“コナン”が、それでもなお権力にしがみつく人間たちと戦う冒険アドベンチャーを描く。2020年にはデジタルリマスター版が放送され、2022年5月からは三鷹の森ジブリ美術館にて企画展示「未来少年コナン」展が1年半にわたり開催されるなど、今なお愛され続ける作品となっている。宮崎作品を敬愛する2人が演出を手掛ける舞台化にあたって、日本ではミュージカル『100万回生きたねこ』や村上春樹原作の『ねじまき鳥クロニクル』などを手掛けてきた演出家のインバル・ピントが立ち上がった。また、世界的振付家マギー・マランの息子で、フランス国立民衆劇場の専属パフォーマーとして活動する傍ら、脚本家や演出家としても活躍するダビッド・マンブッフが、ともに演出を担う。兼ねてより宮崎作品を敬愛していたという2人がタッグを組み、芝居だけでなく、ダンス、歌や音楽、美術、衣裳、照明などを巧みに操り、舞台上で『未来少年コナン』の世界を再現する。『未来少年コナン』あらすじ西暦20XX年、人類は超磁力兵器を使用し、地球の地殻を破壊、大変動が起こった。五つの大陸はことごとく海の底に沈み、栄華を誇った人類の文明は滅び去った。それから20年後、孤島・のこされ島では少年コナンが育ての親・おじいと二人で暮らしていたが、ある日、謎の少女ラナが島に流れ着き、コナンの運命が動き出す。島には工業都市インダストリアから行政局次長モンスリーが飛来して、ラナを誘拐してしまう。コナンはラナを助け出すため、いかだに乗って冒険の旅に出ることに。 旅先では謎の野生児・ジムシーやインダストリアの貿易局員・船長ダイスなどと出会ってゆく。一方、自然に溢れたラナの故郷・ハイハーバーには、天才科学者・ブライアック・ラオ博士の居どころを探すインダストリアの行政局長レプカ率いる兵士たちが襲いかかる。コナンは仲間たちと巡り合い、大切な人を守るために様々な困難に立ち向かってゆく。そして人類に残された世界で、新しい未来を切り拓いてゆくのであった。作品概要舞台『未来少年コナン』演出・振付・美術:インバル・ピント演出:ダビッド・マンブッフ脚本:伊藤靖朗音楽:阿部海太郎<東京公演>期間:2024年5月・6月会場:東京芸術劇場 プレイハウス ※ツアー公演あり(C) NIPPON ANIMATION CO., LTD.“Incredible Tide”Copyright (C) 1970 by Alexander KeyStage performance rights in Japanese language arranged with McIntosh & Otis, Inc. through Japan UNI Agency, Inc.
2023年12月31日道枝駿佑(なにわ男子)主演の新ドラマ「マルス-ゼロの革命-」に、江口洋介の出演が決定。世の中に多大なる影響力を持つ大きな敵として、主人公たちの前に立ちはだかる。本作は、道枝さん演じる謎多きカリスマ転校生・美島零=《ゼロ》に導かれ、【マルス】という動画集団を結成した落ちこぼれ高校生たちが令和の日本をぶっ壊し、大人社会に反旗を翻していく姿を完全オリジナルで描く、爽快な新感覚青春ドラマ。今回出演が明らかになった江口さんが演じるのは、大手通信事業グループ「クロッキーコミュニケーションズ」社長であり、日本におけるSNS産業のカリスマ的存在、國見亜門。ゼロとは、過去にある因縁が。敵役として対峙することになる江口さんと道枝さんは、父と息子を演じた「虹色のチョーク 知的障がい者と歩んだ町工場のキセキ」以来の共演。「夏頃に撮影していたので、3,4カ月ぶりくらいかな?あのときは黒髪だった息子が金髪になって不良になってしまいました(笑)。道枝くんは作品に出るたび、全然違う役柄に挑戦していると思いますので、そんな彼の姿を1人でも多くの方に見ていただけたらいいですね」と江口さん。道枝さんは「前回とは正反対の、敵役としてまたご一緒できると聞いたときは本当にうれしかったです!実は僕、江口さんに言っていただいた言葉にすごく救われているんです。最初の本読みが終わって、どう役を演じようかと考え込んでいたときに、江口さんが『道枝くんは芯を持っているからこの役ができると思う』って言ってくださったと人づてに聞いて…。その言葉を励みに頑張れているし、その後も江口さんの言葉を思い出しては力をもらっています」と明かす。そして、「今回は連ドラで撮影期間も3カ月ほどあるので、より距離を縮めていけたらいいなと思いますし、お芝居でも江口さんに食らいついていきたいと思っています。たくさんのことを江口さんから盗んでいきたいです」とコメントしている。また、役柄について江口さんは「國見なりの規格外なやり方で、『今の日本を変えたい』と思っているようなエネルギッシュな人物ではあるので、そこには共感を持ちながら演じていきたいと思っています」と意気込む。続けて、「このドラマは、SNSでカリスマ的存在だった青年が学校に転入してくるところから始まるわけですが、我々大人から見たら、『学校ではこんなことが起こっているのか』と考えさせられるような内容になるのではないかと思います。親世代には複雑な思いに駆られる部分もあるかもしれませんが、若者たちの熱い思いを、観ている人がエネルギーをもらえるような、そして活力になるような作品になるといいなと思います」と語っている。「マルス-ゼロの革命-」は2024年1月23日より毎週火曜日21時~テレビ朝日系にて放送(※初回拡大スペシャル)。(シネマカフェ編集部)
2023年12月28日12月16日(土)放送のドキュメンタリー番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」では、書生として通うことを条件に取材を許されたディレクターが宮崎駿監督(※崎=たつさき)に密着。2399日にわたるその記録を放送する。『風の谷のナウシカ』『天空の城ラピュタ』『となりのトトロ』『紅の豚』『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』『ハウルの動く城』『崖の上のポニョ』『風立ちぬ』などを世に送り出してきたスタジオジブリの映画監督・宮崎駿はいかにして新作『君たちはどう生きるか』を作り上げたのか。創作の舞台裏で繰り広げられていた物語。書生として通うことを条件に取材を許されたディレクターが見つめた、2399日にわたる記録。宮崎監督が原作・脚本・監督を手掛けた映画『君たちはどう生きるか』は、監督が少年時代に感銘を受けた書籍からタイトルを採用し、まったく別のオリジナルストーリーとして完成させた冒険活劇ファンタジー映画。公開後、米津玄師による主題歌「地球儀」やボイスキャストとして山時聡真、菅田将暉、柴咲コウ、あいみょん、木村佳乃、木村拓哉、大竹しのぶ、風吹ジュン、國村隼、小林薫らが参加していることが大きな話題となった。同作はこれまでニューヨーク映画批評家協会賞、ロサンゼルス映画批評家協会賞、ボストン映画批評家協会賞で「最優秀アニメーション賞」を受賞、先日発表された「第81回ゴールデン・グローブ賞」のノミネーションでは、アニメ映画賞と作曲賞(久石譲)の計2部門へのノミネートを果たした。「プロフェッショナル 仕事の流儀ジブリと宮崎駿の2399日」は12月16日(土)19:30よりNHK総合にて放送。(シネマカフェ編集部)■関連作品:君たちはどう生きるか 2023年7月14日より公開©2023 Studio Ghibli
2023年12月16日道枝駿佑(なにわ男子)主演の新ドラマ「マルス-ゼロの革命-」に、吉川愛が出演することが分かった。本作は、謎多きカリスマ転校生《ゼロ》(道枝さん)に導かれた落ちこぼれ高校生たちが、令和の日本をぶっ壊し、大人社会に反旗を翻していく、爽快な新感覚青春ドラマ。「純愛ディソナンス」「真夏のシンデレラ」などに出演した吉川さんが演じるのは、本作のヒロイン・貴城香恋。板垣李光人演じる逢沢渾一=アイコンの幼なじみで、彼の初恋相手だ。頭がよく切れる彼女は、ゼロが始動させた動画集団【マルス】に図らずも加入してしまうことに。「緊張感のあるドラマになるだろうな」と本作の印象を語った吉川さんは、香恋という人物について「まだなんとも言えない部分がありますが、この物語の中でいろいろなことに関わっていく女の子なのかなと思っています。女の子らしいというよりはサバサバしている子なので、そこが自分と似ているのかな?と思います」と分析。また道枝さんの印象を聞かれると、「まだ1回しかお会いしていないのですが、普段はキラキラしていてアイドルのイメージが強いので、謎の多い役を演じるというギャップが楽しみです」とコメントしている。「マルス-ゼロの革命-」は2024年1月、毎週火曜日21時~テレビ朝日系にて放送予定。(シネマカフェ編集部)
2023年11月30日宮崎駿監督の最新アニメ映画『君たちはどう生きるか』(公開中)の第2弾ポスターが15日に公開された。この度公開されたのは、宮崎監督直筆のイメージボードを使用した第2弾ポスター。今作の制作にあたり最初に描いたもので、主人公・眞人のイラストとともに眞人の設定が書き込まれている。こちらのポスターは17日より全国の上映劇場にて掲出される予定。同作は海外映画祭への出品も続々決定しており、“邦画として初”、アニメーション作品としては“世界初“のオープニング上映作品に選出された「第48回トロント国際映画祭」を始め、「第71回サン・セバスティアン国際映画祭」や「第61回ニューヨーク映画祭」など、由緒ある国際映画祭にて上映され、世界中で注目を集めている。また、海外での公開も始まり、台湾では10月6日に公開されると、週末興行ランキング4週連続1位を獲得。10月25日に公開となった韓国では、週末興行ランキング2週連続1位を記録し、公開13日間で観客動員数150万人を突破した。10月29日から先行公開され、11月1日に本公開されたフランスでも、週末の興行ランキング1位を獲得(観客動員数64万人)し、フランスでのスタジオジブリ作品の興行として、初週末の動員数の最高記録を更新した。【編集部MEMO】宮崎監督の10年ぶりの最新作となる同作は、宮崎監督が少年時代に読み、感動したという吉野源三郎氏の同名小説にインスパイア・制作されたオリジナルストーリーによる“冒険活劇ファンタジー”となる。ボイスキャストとして山時聡真、菅田将暉、柴咲コウ、あいみょん、木村佳乃、木村拓哉、大竹しのぶ、竹下景子、風吹ジュン、阿川佐和子、滝沢カレン、國村隼、小林薫、火野正平が出演し血エル。(C)2023 Studio Ghibli
2023年11月15日新ドラマ「マイ・セカンド・アオハル」より、広瀬アリスと道枝駿佑(なにわ男子)が演じる佐弥子&拓の様々な表情を集めたアザービジュアルが公開された。本作は、広瀬さん演じるやっかいな問題を抱えた主人公・白玉佐弥子が、謎の大学生・小笠原拓(道枝さん)の一言をきっかけに学び直しを決意して大学生となり、奮闘するセカンド・アオハル・ラブコメディ。先日公開された、佐弥子と拓の出会いをイメージした写真と、2人が運命の再会を果たしたあとをイメージしたポスターのアザービジュアルが今回到着。友達のようにも、恋人のようにも見え、本作への期待が高まる今回のビジュアル。中には、第1話で特別な意味をもつ“じゃんけん”を楽しむ様子も写し出されている。第1話あらすじ非正規雇用歴12年目に突入した白玉佐弥子(広瀬アリス)の人生は、絶妙な運のなさと間の悪さの連続だった。静岡県富士市で土産物店を営む実家は貧しかったが、佐弥子は高校の担任教師から受験を勧められ、建築の勉強がしたいと潮海大学の受験を決意する。そして迎えた受験当日、予想外の出来事により受験に失敗。貧乏が故に浪人生活も叶わず、佐弥子はそのままの勢いで上京して今の職に就いたのだった。思い描いていたキラキラ東京ライフとは程遠い極めて質素な生活を送っていた佐弥子は、度重なる不運に見舞われ、想像以上にどん底の30歳を迎えてしまう。そんな矢先、さらなるアクシデントに巻き込まれた佐弥子は、ひょんなことから小笠原拓(道枝駿佑)と出会う。拓が建築系の大学に通っていると知った佐弥子は、愚痴交じりに大学への未練を打ち明ける。拓はそんな佐弥子に、今からでも大学生になればいいと言い放ち――。「マイ・セカンド・アオハル」は10月17日より毎週火曜日22時~TBSにて放送(※初回15分拡大)。(シネマカフェ編集部)
2023年10月08日お笑いコンビ・チョコレートプラネット(松尾駿、長田庄平)が15日、全国7都市をめぐる単独ライブ「CHOCOLATE PLANET LIVE TOUR 2023『PLANET TRAIN』」を、東京・博品館劇場からスタートさせた。本ライブは、人気劇団・ヨーロッパ企画の諏訪雅を演出に迎えたコント劇。満員の客席から大きな拍手が起こる中、サラリーマン姿で登場した長田。コント「開かずの踏切」が始まると、仙人のような格好の松尾が登場し「20年踏切が開くのを待っている」と発言する。そこから言葉と動きで魅せるテンポの良いやり取りに、会場は大いに沸く。コントが終わるとアニメーション映像に。「PLANET TRAIN」というツアータイトルにちなんで、未来都市を走る列車の座席に隣同士で座る長田と松尾が、漫才のような掛け合いで次の駅(コント)へと誘導する映像はとてもスタイリッシュだ。お次のコントは「偏食」。長田の家に遊びに来た松尾が「お腹が空いた」ということで、長田が料理を振る舞うことになるが……。続くコントは「ラスボス」。そして「爆弾処理」。どちらも一筋縄ではいかないストーリーラインと、長田、松尾の絶妙な掛け合いと間によって、会場は大盛り上がり。特に30秒で爆弾を処理しなければならないというシチュエーションのなか、タイムリミットをネタにしたストーリーに、大きな笑い声が響き渡った。また松尾が町中華の店主、長田がお笑い芸人の客となったコント「赤字覚悟でやってます」は、テンポの良い会話のやり取りが行われるなか、ラストはまさかの展開。客席からは悲鳴に近いような笑い声が上がっていた。コント「新曲」では、熱血ボーカリストの長田がステージ上でマイクパフォーマンスを見せ、会場を盛り上げる長田に松尾がツッコミ。客席もこの日一番の盛り上がりを見せていた。そして列車が最終駅に向かうなか、ラストはまさに人気劇団・ヨーロッパ企画とタッグを組んだことにふさわしいような、まったく予期せぬ、圧倒的な展開が待ち受ける。ストレートな笑いから、大いなる変化球の笑い、さらには「PLANET TRAIN」というツアータイトルにふさわしい壮大な世界観まで、さまざまなエンターテインメントが詰まったライブ。カーテンコールに登場した長田は「これはかなりしんどい」と苦笑いを浮かべ、松尾も「あっちにいったり、こっちにいったり、かなり大変ですね」と縦横無尽にステージを駆け巡る展開に充実感をにじませ、全国7都市、17公演に渡るツアーへの意気込みを語っていた。同ツアーは今後、8月5日に大阪、8月12日に宮城、8月16日に札幌、9月1日・2日に京都、9月23日に愛知、10月9日に福岡にて開催(京都公演はまだ余裕があり、札幌・宮城公演は残りわずか、ほか地方は完売)。
2023年07月17日辻村深月さんによる新作長編『この夏の星を見る』をご紹介します。「コロナ禍で行動が制限された頃、子どもの活動に対して、“失われた”という言葉が頻繁に使われることに違和感がありました。部活や修学旅行が中止になっても、そこで過ごした時間や思い自体は確かにあったはず。それを何もなかったもののように大人が断じるのはどうなのか、と。その抵抗感が、この小説を書く原動力になったと、今は思っています」と、辻村深月さん。新作長編『この夏の星を見る』は茨城、東京、長崎の五島列島に住む少年少女たちを描く2020年の物語。もともとコロナ禍前に“青春小説を書いてほしい”との依頼を受け、漠然と部活ものを書こうと考えていたという。「連載時期が近づいた頃に感染症が広まって。今の子どもたちの話を今の読者に届けると考えた時コロナ禍を入れない選択肢はなかったです」茨城県の高校2年生、天文部の亜紗(あさ)は部活動が制限されて悩んでいる。東京・渋谷区の公立中学に進学した真宙(まひろ)は、自分が学年唯一の男子生徒だと知ってショックを受けている。五島列島に住む高校3年生の円華(まどか)は、実家の旅館が他県の客を泊めていることで周囲から距離を置かれ落ち込んでいる――。そんな彼らが、“星を見る”ことで繋がっていく。「天文部の話にしようと決めてすぐタイトルが浮かびました。それで漠然と、地方の子や都会の子が、空を見上げることで繋がるというコンセプトができました」五島列島は星がきれいに見える場所、東京は星が見えにくそうで実は見える場所として選んだ。茨城県を選んだのには意外な理由が。「以前、偶然テレビ番組の『ナニコレ珍百景』を見ていたら、茨城県の地学部の活動が紹介されていて。彼らが自分たちで望遠鏡を組み立てて星を観測していると知って、そんなことができるんだと驚きました」意外な経緯で繋がった亜紗たちはリモート会議を重ね、それぞれ自作した望遠鏡で各地から星を観測する「スターキャッチコンテスト」を開催しようと試みる。「私もリモートで天文部のみなさんに取材したのですが、今の10代の子たちはしなやかで軽やかだという印象で。先生も生徒の自主性に任せていて、信頼関係を感じました。今回はそうした、“今”の子どもたちの姿を書けたかなと思っています」生徒たちはやりとりを重ねるうち、感染状況の違いや長崎への原爆投下など、互いの土地への理解を深めていく。人間関係の機微やコロナ禍に対する思いなど、繊細な感情を浮かび上がらせて突き刺さる場面がたくさんある。その中で伝わってくるのは、「好きなことを大事にしよう」というメッセージ。「何かに打ち込む子どもに対し“それが何の役に立つのか”“将来プロになれるのか”などと言う人っていますよね。私は“向いていないけれど好き”とか“ただ楽しいからやる”ことって、大人になってからも自分を支えてくれると思う。意味がないことに意味があるんだって、ちゃんと書いておきたかった」自分の心の中の小さな星が見つかるような、優しい青春小説である。辻村深月『この夏の星を見る』天文部に所属する高校生、亜紗は感染症の影響で夏の合宿が中止になり落胆する。しかし意外な経緯で、東京の中学生、長崎の高校生と出会うことに。KADOKAWA2090円スピンオフ短編を収録!辻村さんのガイドブック『Another side of 辻村深月』今年3月に刊行された本書に収録された書き下ろし短編「薄明の流れ星」は『この夏の星を見る』のスピンオフ。「例のテレビ番組で見た茨城県の高校は、共学なのに男子生徒が一人もいない学校だったんです。その時、もし男子が一人だけ入学してきたら、どんな子なんだろうと想像しました」ということから生まれた、あのキャラクターが主人公。この短編を書いてから本編の推敲に取り掛かったことで、作品世界がより広がったと辻村さん。これまで発表した全作品の解説インタビュー、宮部みゆきさんや伊坂幸太郎さんとの特別対談、各氏による論考、単行本未収録短編、過去の他媒体での対談記事の再掲載など盛りだくさんの内容。辻村さんの創作の裏側が分かります。KADOKAWA1870円つじむら・みづき2004年「冷たい校舎の時は止まる」でメフィスト賞を受賞しデビュー。’11年『ツナグ』で吉川英治文学新人賞、’12年『鍵のない夢を見る』で直木賞を受賞、’18年『かがみの孤城』で本屋大賞1位。他の著書に『傲慢と善良』『噓つきジェンガ』など。※『anan』2023年7月12日号より。写真・土佐麻理子インタビュー、文・瀧井朝世(by anan編集部)
2023年07月10日アイドルグループ・なにわ男子の道枝駿佑と長尾謙杜が出演する、ファイントゥデイ・シーブリーズの新WEB CM「こんな冷やし方しなくても。」編が、23日から公開された。新WEB CMでは、同商品をつけた後に風を当てることで涼しさをより一層感じられる「シーブリーズ×風=超爽快方程式」を、道枝と長尾がコミカルに紹介。真夏の下校途中に暑そうにしている2人だったが、道枝がおもむろに取り出したスイッチを押すと特大扇風機が動き出し、強風に吹かれる。半袖の制服姿で撮影に臨んだ道枝と長尾。道枝が少し緩めた襟元に手慣れた様子で「シーブリーズ」をつけ、涼しい表情で爽快感を表現すると、カメラをチェックしていたスタッフからは「おぉ~さすが!」と声が上がる。一方の長尾も、風が吹いている中で爽やかな表情を浮かべるシーンの撮影で、「もう少し下から風を当てたほうがいいかも!」とスタッフと協力する姿も見られた。また、特大扇風機に吹かれるシーンでは、体ごと吹き飛んでしまいそうな威力に2人は大爆笑。テスト撮影で、面白さと勢いのあるコミカルなやり取りを見せ、スタッフからは拍手と笑い声が巻き起こった。■道枝駿佑&長尾謙杜インタビュー――「シーブリーズ×風」の「超爽快方程式」を実際にしてみた感想を教えてください。長尾:こんなに大きい扇風機に吹かれたので、これまで感じたことないくらい涼しかったです。学生時代から「シーブリーズ」を愛用させてもらっていて、下敷きとか扇風機をあてるだけでも涼しかったのですが、今日これくらい大きい扇風機だったので超涼しかったです。今はハンディファンもあるので、便利に僕たちと同じ体験をしてもらえるんじゃないかと思います。道枝:(「シーブリーズ」は)色んな香りがあるので、風に吹かれて香りもあってより爽快感が増すと思います。いい気分になりますね。長尾:学校の席だったら、後ろの人にいい香りを届かせる感じでやっていただけたらと思います。――これから暑い夏の季節が始まりますが、この夏「アセをかいてがんばりたいこと、挑戦したいこと」を教えてください。道枝:今年の夏からライブツアーが始まり、44公演あってなにわ男子史上最多なんですが、しっかりと全国の方々に良いパフォーマンスを届けられるようにアセをかきながらがんばりたいなと思います。ファンの皆さんにも一緒に「シーブリーズ」を使っていただいて、ファンサービスでもエアーで塗ってあげたりできたらいいなと思います。長尾:新しいファンサービスできましたね! ライブではファンの皆さんがうちわを持って応援してくれるんですが、アセかいたなと思ったら「シーブリーズ」を塗って、僕たちのうちわであおいで「超爽快」を感じてもらえたらなと思います。
2023年06月23日マーベル・スタジオ劇場公開最新作『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』に、中井和哉と武内駿輔が吹き替えで参加することが分かった。これまで幾度となく、銀河のピンチをなんだかんだで救ってきたガーディアンズ・オブ・ギャラクシー。そんなガーディアンズの家族の命を懸けたラストバトルが描かれる最終章で、彼らの前に“最凶の完璧主義者”が立ちはだかることに。中井さんと武内さんが吹き替えるのは、そんな最凶の敵。「ONE PIECE」のロロノア・ゾロ、「銀魂」の土方十四郎などの人気キャラクターを演じてきた中井さんが演じるのは、高度な知識と驚異的な力を持ち、この銀河を“完璧な世界”に作り替えようと恐ろしい計画を遂行しようとしているハイ・エボリューショナリー。ハイ・エボリューショナリーによって、命の危機が迫るロケット。命を救うカギは、ロケットとハイ・エボリューショナリーの間にある、知られざる過去に隠されていた…。中井さんは「マーベルのヴィランを演じさせていただける喜びで、私としては、ついついハイ・エボリューショナリーに肩入れしてしまいそうになりますが…。“完璧な世界”を目論む彼は、寛容さを失っている現代社会の象徴のよう。そりゃあ彼なりに言い分もあるんでしょうけど、世界はお前のためだけにあるんじゃない!これはもう愛すべきガーディアンズのみんなにブッ飛ばしてもらうしかないでしょう!」とガーディアンズへの期待を語る。また、「アナと雪の女王」シリーズのオラフ役を務める武内さんは、黄金に輝く身体が特徴的で、戦闘能力や目的は未知数の謎に包まれたアダム・ウォーロックを演じる。あることをきっかけに、彼はガーディアンズの前に立ちはだかる。「実はアニメーション版でクイルの吹替を担当させて頂いていたので、個人的に思い入れのあるガーディアンズに参加出来ると聞いた時、本当に嬉しかったです。しかもそれがウォーロックだとは!」と熱い思いを語った武内さんは、「強大なパワーを持ちつつも、心はまだチグハグな彼を、上手く吹替られたらなと思います。これに連動してまたアニメーションシリーズも復活したらいいな…なんて妄想は置いておいて、精一杯頑張らせて頂きます!ガーディアンズ最新作、ぜひご期待下さい」とコメントしている。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』は5月3日(水・祝)より全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー: VOLUME 3 2023年5月3日より全国にて公開© Marvel Studios 2023
2023年04月14日2023年2月13日、人形師の辻村寿三郎(つじむら・じゅさぶろう)さんが亡くなったことが分かりました。89歳でした。サンケイスポーツによると、心不全のため同番組月5日に病院で息を引き取ったとのことです。1970年代に放送され、高い人気を誇ったNHKのテレビ人形劇『新八犬伝』や『真田十勇士』に登場する人形を手掛けた、辻村さん。ほかにも、同局の音楽番組『みんなのうた』の人形制作を担うほか、アートディレクターとしては著名人の衣装デザインなども行ってきました。2023年現在も、幅広い世代にファンを持つ『新八犬伝』と『真田十勇士』。辻村さんの旅立ちに対し、ネットからは多くの人から「素敵な人形が忘れられない」「あの人形は辻村さんしか作れない」といった声が上がっています。中には、『新八犬伝』と『真田十勇士』の再放送を望む声も。それだけ、辻村さんの作品はたくさんの人の心を突き動かしたのでしょう。辻村さんのご冥福をお祈りいたします。[文・構成/grape編集部]
2023年02月13日婚活を通じて“人を選ぶこと、人に選ばれること”を描き「胸が痛い」「刺さる」「名言だらけ」と支持を集め、大ヒットしている辻村深月さんの恋愛小説『傲慢と善良』。今作を2回以上読んだ3人が感想と魅力をトーク!自分の“惹かれる気持ち”と対峙するきっかけに。心をえぐられる人が続出!『傲慢と善良』辻村深月/朝日文庫突然、目の前から姿を消した婚約者・坂庭真実の居場所を捜す西澤架。行方を追って地元を巡り、話を聞くうち彼女の知らなかった一面やさまざまな過去、さらには、自分自身と向き合うことになり…。座談会参加者M子35歳、医療系。長らくマッチングアプリを活用して婚活をしていたが、最近、居酒屋で知り合った人とめでたくお付き合いをすることに。W子32歳、会社員。結婚3年目、2児の母。マッチングアプリは未経験ながら、結婚に焦る登場人物に過去の自分を重ね、今作の沼にハマる。S子34歳、フリーランス。5年ほど付き合ったパートナーと昨年別れ、数年ぶりにマッチングアプリを再開するも、早くも疲れを感じている。W子真実が失踪するというサスペンスっぽいシーンから始まるけど、読むにつれて毛色が変化して。恋愛や婚活における人の心理がフォーカスされる展開に夢中になっちゃった。S子1回目に読んだ時は、真実を捜す過程で描かれる、マッチングアプリでの出会いに疲れた架の気持ちに共感することが多くて。メッセージを送り、会って、違った…の繰り返しとか。M子コピペしたメッセージを送ったりしてたな(笑)。本当疲れるよね。S子待ち合わせまでして来ない人とかもいて、多分、実物を遠くから見て好みじゃなくて、帰ったんだと思う。やり切れなさを抱えながら、待ち合わせ場所近くの新宿末廣亭の周りを一人でグルグル歩き回った思い出…。M子落語を聴いて癒されてほしかったわ(笑)。そんな奴はいいやと思う一方で、しっかり傷ついている自分がいるんだよね。ジャッジメントをされるのは本当にメンタルと自尊心を削られちゃう。W子読者のみんなが震え上がったであろう、結婚相談所の小野里さんっているじゃない?彼女の「自己評価は低い一方で、自己愛のほうはとても強い」という言葉の破壊力は本当にすごかったな〜。泣くかと思った。M子わかる〜!自分がうまくいかない原因はそこだなと気づかされて目から鱗。辛すぎたけど(笑)。あと、小野里さんといえば、相手に対して〝ピンとこない〞とはどういうことか、という疑問への回答も恐ろしかった。W子架と同様に絶句したけど、これも身に覚えがあるんだよね。私、今のパートナーとは23歳の時に出会って告白されたんだけど、当時は付き合わなかったの。でも27歳になって婚活市場での自分の価値が下がっていると感じた時に、〝あの人、結婚したいと言ってたな〞と思い出して、急にピンときたというか。まさに小野里さんの言う通りのことをしていたわ。S子でも本当、恋愛関係になることを前提とした出会いって難しい。私、買い物をする時に、たとえば「コートが欲しい」と目的を持って行くと悩みすぎて買えなくて。逆に、ふらりと行った時に欲しいものが見つかるんだけど、これって自分の恋愛にも似てるなと。小野里さんは、婚活がうまくいくのはビジョンが明確な人だと言っていたけど、私はできない。人それぞれに惹かれ方とか恋の落ち方はさまざまで、得意な戦術や出会い方も違うんだろうなと。小野里さんには、だからダメなんだと怒られそうだけど(笑)M子自分を高く見積もりすぎているのかもしれないけど、できないことはできないからね。W子私、正直、1回目に読んだ時は真実にまったく共感できなくて。主体性がなさすぎてイライラしたりとか。でも、2回目に読んだ時に初めて彼女の気持ちに寄り添えたんだよね。善良さゆえの馬鹿正直なところにびっくりするんだけど、善良であろうとしたことや正しくありたいと思うことって、決して咎められるようなことやバカにされるようなことじゃないんだよなと。M子真実に主体性がないのは母親の存在も大きいよね。〝娘のために〞を盾にして、娘を支配してる感じが怖かったな。結局は、自分のためなんだよ。W子でも母親本人は、そのことに気づいてないからタチが悪い。M子真実の地元に重ねて、自分の地元のことも思い出したよ。結婚することが当たり前、結婚こそが幸せ、という空気が蔓延している感じとか。S子あと、真実にとっての結婚には、ライフラインの意味もあったのかなって。うちの地元では女性の給料が高くないから、実家を出るタイミングが結婚という人も少なくないんだよね。周りが結婚してるとか、寂しさもあるけど、今後の生活がかかっていることも焦ったり追い詰められた要因かも。独身女性が不安なく暮らしていける社会なら、もう少し気楽だったかもしれないよね。M子たしかに。いろいろなものを背負った婚活なんだろうね。W子あと、記憶に残っているのが架の女ともだちの美奈子。真実のことが嫌いで、辛辣なことを言うでしょ。彼女はそこまで深刻じゃないノリで言ったことが、真実にはめちゃくちゃ刺さってしまう。美奈子に対して、ひどいことするな〜と思う一方で、自分もこういうことしてきたんだろうなとも。すごく怖くなったし反省した。S子わかる。もうね、絶対やってる。恋愛だけでなく、人間関係における自分のダメな部分や弱い部分も突きつけられるから恐ろしい…。生きている以上、誰かに嫌われたりムカつかれたりしながら暮らしていくんだろうね。自分が誰も傷つけずにいられると思っていることこそが傲慢なんだろうな。M子でもさ、真実の善良じゃない部分を知り始めてからのほうが、架の真実に対する想いや興味が強くなってるのが面白いよね。人としての深みとか旨みを感じたのかなぁ。W子そう思うと、恋愛や人間関係において何が惹かれる理由になるかなんて、本当にわからないってことだよね。いろいろなことを考えさせられるわ。M子私もだけど、今、婚活が辛い人は救われるんじゃないかな。まぁ、棍棒で殴られて、一度めちゃくちゃになる感覚もあるんだけど(笑)。S子恋愛や人間関係の価値観と嫌でも向き合わされて癒される。自分を見つめ直したい時にぴったりだね〜。※『anan』2023年2月8日号より。(by anan編集部)
2023年02月10日1月27日(金) 新宿ピカデリー スクリーン3にて映画『かがみの孤城』のティーチイン上映会が開催され、原恵一監督、原作の辻村深月が登壇。ここでしか聞けない映画の制作秘話や会場の観客からの熱い感想、そして質問を聞いてのQ&Aが行われた。原監督は「遅い時間の上映に来ていただき嬉しいです。観た人の熱気でしょうか、会場がとても暖かいです」と少しお茶目に挨拶をし会場を沸かせ、辻村は「たくさんの方々に観て頂けて胸がいっぱいです。そして第46回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞の受賞おめでとうございます」と原作者として感無量の気持ちを明かし、会場からも温かい拍手が贈られた。『かがみの孤城』大ヒットの反響を受けて、原は「鑑賞者からの感想も嬉しいが、原作を担当した辻村さんから『私が思い描いていたものがそこにありました』と言って頂けたことが嬉しかった」と語り、辻村が「子供の頃、原さんのアニメを観て育ったので、今回一緒にお仕事ができて嬉しかったです。また、話題になっているエンドロールなど、様々なアイディアで原作を超えたものを作っていただけて、お客様を喜ばせるために最後の最後まで粘る演出など仕事ぶりを間近で観ることが出来て幸せでした」と明かした。原恵一監督そして、今回のイベントでは特別に原が実際に使用したアフレコ台本を公開。脚本にはなかったセリフを原が直筆で追加しているシーンなど、なかなか観ることのできないものをスクリーンに投影し、客席からは感動の声が洩れた。そしてQ&Aでは、複数の観客からの質問に対して原と辻村が回答。「共感するシーンがたくさんありましたが、学校に行けないという心情は、なぜあんなに明確に描くことができたのでしょうか」という質問に辻村は「自分自身、学校生活がすごく充実して楽しく過ごした学生時代ではなく、きっと順風満帆な学生生活を送っていたら学校を舞台にした作品を書かないと思います。私の小説で学校を舞台にした作品が多いのは、きっと何か忘れ物があるから、何度も書いてしまうのかなと思います」と明かし、原は「学校に行けない子たちに『学校に行きなさい』という言うわけではなく、『今は何もしない時なんだね』という言葉をかけられる大人や周りの友達がいることが大事で、傍観者が話を聞いてあげて欲しいというメッセージが原作や映画に込められている」と今悩んでいる人やその周りにいる人へ、本作に込めた想いを明かした。また「『バカみたい』というセリフが、複数のシーンで使われていて、それぞれ異なる意味合いで使われていた点が印象に残っています」という感想に、辻村は「終盤の『バカみたいだよね、たかが学校のことなのにね』という東条さんのセリフは、同じ中学生なのに、外側からの視点を持っている子のことを書けて良かったなと思いましたし、私自身本を書きながら驚かされました。この言葉が心に残ったと言っていただけて嬉しいです」と答えた。原作者の辻村深月原は「こころと東条さんのシーンは作りながら僕も気に入っていて、東条さんの『たかが学校のこと』というセリフは学生に届いて欲しいセリフです。学校生活より社会に出てからの時間の方がよっぽど長く、今学校に行けてなく悩んでいる人に、『辛い時間は永遠には続かないよ』と言ってあげたい」と語った。「たくさんの伏線が張り巡らされた作品ですが、気を配られた点はありますか」という質問については、SNS上で話題になっている高山みなみさん演じるマサムネが言った某名探偵の決め台詞に関して、「単なる悪ふざけではなく、あれもちゃんとした伏線です。後付けですけど(笑)」と明かし、伏線の理由を説明。さらに、前半と後半のこころの靴の描き方に変化をつけることで、こころの心情を表現している点も注目してほしいと明かしました。最後に、辻村は「映画になって、多くの人に届いて嬉しいです。こころたちを原さんにお願いして良かったです。2回目を観ると気づくことがたくさんあり、自分で書いたのに色んなポイントで涙が出ます。何度観ても驚きがあって、何年先にも残るアニメーションになりました」とコメント。原は「この原作はすごく共感をしてくれる物語で、たくさんの人に観て頂けてとても嬉しかったです。こういうトークショーは楽しいです」と語り、惜しまれつつイベントは幕を閉じた。<作品情報>『かがみの孤城』公開中原作:辻村深月『かがみの孤城』(ポプラ社刊)監督:原恵一脚本:丸尾みほ主題歌:優里「メリーゴーランド」(ソニー・ミュージックレーベルズ)■出演當真あみ/北村匠海吉柳咲良/板垣李光人/横溝菜帆/高山みなみ/梶裕貴矢島晶子/美山加恋/池端杏慈/吉村文香/藤森慎吾/滝沢カレン/麻生久美子芦田愛菜/宮﨑あおい公式サイト:公式Twitter:公式Instagram:公式TikTok:
2023年01月30日2018年、本屋大賞を受賞した辻村深月さんの長編『かがみの孤城』の劇場アニメが現在公開中。主人公・こころをはじめとする中学生7人が、鏡の向こう側の世界でつながるこの物語の監督を務めたのは、辻村さんも以前から作品に魅せられてきた原恵一さんだ。観た人には絶対に伝わる「強さ」を秘めたアニメ映画に。原恵一:僕は以前『カラフル』という、ちょっとハードな現実を抱えた中学生のアニメを撮ったことがあったので、似た要素のある『かがみの孤城』の監督を最初は躊躇したんです。それで長いこと一緒に仕事をしてきた、プロダクション・アイジーの石川光久さんに相談をしたところ、すぐに原作を読んで「絶対にやったほうがいい」と言ってくれたので、彼の嗅覚を信じようと思いました。辻村深月:嬉しいです。原さんにお願いできることが決まってから、東京国際映画祭で原さんの特集上映があったんです。私が伺ったのは大好きな『エスパー魔美』が上映される回だったのですが、そのときご挨拶をしたら、原さんが「僕は原作クラッシャーじゃないですから安心してください」とおっしゃったんですよね。原:ふふふ(笑)。辻村:原さんにだったら、いかようにもやっていただいていいと思っていたのですが、たぶん原作の命が何なのかを見誤らない自信があるということなんだろうなと思ったのです。『カラフル』の原作を読んで映画を観た印象もそうでしたし、初期作品である『エスパー魔美』のときからずっとそこを大事にされていたんだな、と。改めて、原さんにお願いできるのはとても幸せだと感じました。原:幸いにも好きではない作品をアニメ化するようなことは、今まで経験がないんですよね。『エスパー魔美』にしても『ドラえもん』にしても、辻村さんと同じく藤子・F・不二雄先生にものすごいリスペクトがあるので、その上で面白くするにはどうしたらいいか考えてきました。辻村:アフレコの現場にお邪魔したとき、絵コンテを見せてくださって、より伝わる方法を相談されたことがありました。こころ役の當真あみさんが、間もなくオールアップするタイミングだったのですが、よりよい表現を探して、最後まで更新し続ける姿勢に感動しました。私はお名前を知る前から、原さんの作品に何度も出合っていたのですが、そうやって子ども時代に見ていた作品の監督と、大人になってクリエイターとしてひとつの作品に携われている。しかもそれが、大人と子どもの時間の物語である『かがみの孤城』で叶っているのが象徴的だと感じています。原:辻村さんが現場にいらっしゃったとき、全く構えずに迎えることができました。というのは、この映画は絶対に喜んでもらえるという確信が僕の中にあったんです。だから、どうぞ見てくださいって(笑)。辻村:その確信を監督が得ていることは私も感じていて、『かがみの孤城』をどんどんご自分のものにしていってくださった。例えば當真さんにこころ役をお願いすることになったとき、「こころを見つけました」とおっしゃったと伺ったんですけど、こころがどんな子かを完全に理解してくださったからこそ出てきた言葉だったんだろうなぁ、と。物語の世界観を監督自身が楽しんでくださっているのが、お会いするたびに伝わってきて心強かったです。原:アフレコでも前日や当日まで違うアイデアを探して、直前になってセリフやモノローグを追加したり、言い回しを変えたりっていうことを結構やってました。その辺はベテランなので、悪知恵が働くんですよ。辻村:いや、それは悪知恵ではなく、匠の技ですよ!今回、劇場で入場者特典を用意していて、物語が終わってからのみんなのその後をイラストのカードにしました。その絵をどんな場面にしたらいいか、映画制作の終盤に原さんと会議をしたのですが、私が思いつかないような角度から意見をいただけて、新鮮でした。原:絵に添える言葉を辻村さんが書いてくれたんですけど、面白くてもっと作りたかったくらい。この映画は、日々生きづらさを感じている子どもたち、大人たちにぜひ観てもらいたいですね。映画館に足を運ぶのもつらい人もいるとは思うのですが、ものすごく強い映画ができたので。「ワクワク」とか「ハラハラ」という例えは使いたくなくて、パッと浮かぶのが「強い」という言葉。観た人には絶対に伝わると思います。辻村:こころたちが鏡の向こうに居場所を作ったみたいに、自分が8番目の招待客になった気持ちで過ごせる時間だと思います。そして映画館の外に出たあとも、その世界は自分の中に残り続けてくれるはずです。『かがみの孤城』中学生のこころは、学校での居場所をなくし部屋に閉じこもっていた。ある日、部屋の鏡が光り、中に入るとおとぎ話に出てくるようなお城と、見ず知らずの中学生6人が。そして城に隠された鍵を見つければ、どんな願いも叶えてやる、と狼の面をかぶった少女に告げられる。果たして鍵は見つかるのか。なぜこの7人が集められたのか。世代を問わずすべての人に贈る至極のファンタジーミステリー。原作/辻村深月監督/原恵一制作/A‐1 Pictures声の出演/當真あみ、北村匠海、芦田愛菜、宮﨑あおい新宿ピカデリーほかにて公開中。©2022「かがみの孤城」製作委員会つじむら・みづき作家。2004年『冷たい校舎の時は止まる』でデビュー。『かがみの孤城』は2018年の本屋大賞を史上最多得票数で受賞。近作に『嘘つきジェンガ』『琥珀の夏』など。映画化作品は今回が5作目となる。はら・けいいちアニメーション監督。『映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ! オトナ帝国の逆襲』『河童のクゥと夏休み』『バースデー・ワンダーランド』など国内外で高い評価を受ける。2018年、紫綬褒章を受章。※『anan』2023年1月11日号より。写真・土佐麻理子取材、文・兵藤育子(by anan編集部)
2023年01月10日宮﨑駿が監督を務めるスタジオジブリ新作映画『君たちはどう生きるか』が、2023年7月14日(金)に公開される。『風立ちぬ』から10年ぶり、宮﨑駿の映画最新作大正から昭和にかけての日本を背景に、実在の人物である堀越二郎の半生を描いたアニメーション映画『風立ちぬ』から10年ぶりとなる、宮﨑駿の長編映画『君たちはどう生きるか』が公開へ。宮﨑駿が原作・脚本・監督を手がけ、スタジオジブリが製作を担う。吉野源三郎の児童向け小説『君たちはどう生きるか』とは?映画のタイトルは、吉野源三郎が1937年に発表した児童向け小説と同じもの。小説『君たちはどう生きるか』では、15歳の主人公であるコペル君こと本田潤一が、学校生活を送る中で経験する様々な出来事に対して、叔父さんがコペル君に書いたノートを読みながら“どう生きるか”を考え、成長していく物語が描かれている。同様のタイトルにした理由について、宮﨑駿は「子供の頃にこの本を読んで大変感銘を受け、それで今回、自作のタイトルに借用させてもらった」という。音楽は久石譲音楽は、『風の谷のナウシカ』から『風立ちぬ』まで、宮﨑駿が監督を務めたスタジオジブリの長編作品において、映画音楽を手掛けてきた久石譲が担当。主題歌を含めた37曲の収録を予定している『君たちはどう生きるか』のサウンドトラックは、8月9日(水)より発売される予定だ。作画監督は本田雄作画監督は、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』の総作画監督などを務めてきた本田雄(ほんだたけし)が務める。IMAXなどでも同時上映なお、映画『君たちはどう生きるか』は、大スクリーンに映し出される鮮明な映像と、高精度なサウンドで“まるで映画の中にいるかのような臨場感”をもって体験できるIMAXでも上映。スタジオジブリ作品でのIMAX上映は、『君たちはどう生きるか』が初となる。さらに、立体的な音響を体感できるドルビーアトモス(Dolby Atmos)、ハイクラスな音響に加えてドルビービジョン(Dolby Vision)による鮮やかなHDR映像で楽しめるドルビーシネマ(Dolby Cinema)、邦画作品初のIAB DCP対応作品として、没入感抜群のイマーシブサウンドで堪能できるDTS:Xスクリーンでも公開初日より上映。宮﨑駿の10年ぶりとなる作品『君たちはどう生きるか』をぜひ劇場で鑑賞してみてほしい。【作品詳細】映画『君たちはどう生きるか』公開日:2023年7月14日(金)監督・脚本:宮﨑駿原作:宮﨑駿製作:スタジオジブリ音楽:久石譲作画監督:本田雄■映画『君たちはどう生きるか』サウンドトラック発売日:2023年8月9日(水)価格:3,300円レーベル:徳間ジャパンコミュニケーションズ
2022年12月16日「LUPIN ZERO」のメインキャストが発表。ルパン役を畠中祐、次元役を武内駿輔が務める。本作は、ルパン三世の少年時代を描いた新作アニメーション。漫画「ルパン三世」連載当初と同じ昭和30年代を舞台に、まだ何者でもないルパンが、高度経済成長期の日本を駆け巡る、懐かしくも新しいオリジナルストーリーだ。祖父から盗術を仕込まれながらも、将来カタギになるか泥棒になるか決められずにいた中学生のルパンは、傭兵の父について各地をまわっている、不良相手に銃を抜く同級生・次元と出会う。2人は、ひょんなことからある女性を巡るトラブルに遭遇し、行動を共にすることに。そんな本作で13歳のルパンを演じる畠中さんは、『ナルニア国物語』の一般公募オーデイションに合格し声優デビュー後、「甲鉄城のカバネリ」、「僕のヒーローアカデミア」「東京リベンジャーズ」など人気作品に出演。そして、後にルパンの相棒となる少年・次元を演じるのは、で「アイドルマスター シンデレラガールズ」「ダイヤのA」、『アナと雪の女王』ではオラフの吹き替えを担当している武内さん。ルパン役に決定し、「ルパン三世」TVシリーズを改めて観直したという畠中さんは、「PART5の23話は特にお気に入りです!ルパン三世のセリフは、もうたまらなかったですね。泣けるんです。『LUPIN ZERO』はルパン三世になるまでの物語なので、まだ少年で思春期のルパンだから、すごく悩むし普通に照れちゃったりする。自分自身の道を探している途中で、そういうところはやっぱり大人になったルパンとは全然違うところがありました」とコメント。オーディションは水面下で動いていたと話す武内さんは、「少年ルパン役を誰が受けているのか全然わからなくて。個人的に絶対畠中くんが合うなと思ってたら、まさかで驚きました(笑)」と言い、「オープニングからエンディングまで全てが見どころですが、もう本当に毎話、毎話、違うパターンで話が展開していきます。最終回の一番最後のシーンがお気に入りなので、ぜひ最後まで観てください!」とアピールしている。「LUPIN ZERO」は12月16日(金)、12月に新しくローンチされる動画配信サービスにて配信予定(全6話)。(cinemacafe.net)
2022年11月19日Q-pot.(キューポット)が手がけるQ-pot CAFE.は、辻村深月の小説『かがみの孤城』とコラボレーション。2022年12月26日(月)から、限定メニューやスイーツがQ-pot CAFE. 表参道本店にて発売される。辻村深月の小説『かがみの孤城』とコラボ辻村深月の小説『かがみの孤城』は、青春期独特の繊細な感情や感性をリアルに描く、ファンタジーミステリー作品。2018年本屋大賞を受賞したベストセラー作品であり、2022年12月にはアニメ映画も公開される。そんな辻村深月の『かがみの孤城』とQ-pot.がコラボレーション。『かがみの孤城』の世界観を表現したQ-pot CAFE.のカフェメニューが展開される他、Q-pot. 各直営店では、コラボレーションアクセサリーを販売する。リボンを飾ったオオカミのスイーツプレートカフェで提供される「オオカミさまのかがみの孤城プレート」は、真っ赤なリボンクッキーを飾った“オオカミさま”のケーキが目を引く1皿。なめらかなカスタードミルクムースに、甘酸っぱいストロベリームースとパールクラッカン、ショコラジェノワーズをあしらった“オオカミさま”のケーキに加え、オオカミさまとかがみのクッキーや、フレーバーを選べるマカロンなどがセットになっている。また、シナモンが香るたっぷりのりんごジャムにアップルティーを注いだ「アップルシナモンフレーバーティー」も登場。ゆったりと過ごすティータイムに最適な、上品な香りを堪能できる。「オオカミさまのかがみの孤城プレート」とセットで味わうのもおすすめだ。オオカミやこころをイメージしたクッキー缶テイクアウトで楽しめる、Q-pot CAFE.のクッキー缶・プティフールセックも『かがみの孤城』仕様に。かがみに写るオオカミをイメージして立体的に仕上げたクッキーや、主人公・こころをイメージしたピンクのハートクッキーなど、9種類の焼き菓子がアソートされている。缶には、城で繰り広げられたお茶会の雰囲気を表現した切り絵タッチのオリジナルアートをレイアウト。おとぎ話の挿絵のような、ミステリアスな雰囲気が目を引く。【詳細】Q-pot CAFE./「かがみの孤城」コラボレーション販売期間:2022年12月26日(月)~2023年1月15日(日)場所:Q-pot CAFE. 表参道本店住所:東京都渋谷区神宮前3-4-8営業時間:11:00~19:00(L.O.18:30)※平日・土日祝同様年末年始休業:2022年12月30日(金)~2023年1月2日(月・祝)※2022年12月29日(火)は18:00閉店(ラストオーダー17:30)。※営業時間は変更になる場合あり。〈イートイン予約詳細〉開始日:2022年12月10日(土) 12:00予約方法:ウェブ、電話(03-6447-1218)予約可能時間:11:00/12:30/14:00/15:30/17:00メニュー例:・オオカミさまのかがみの孤城プレート ドリンクセット 2,100円・アップルシナモンフレーバーティー 850円※セットドリンクの場合+200円■プティフールセック&紅茶缶店頭発売日:2022年12月26日(月)~※Q-pot. オンラインショップでは2022年12月20日(火)10:00~発売。場所:Q-pot CAFE. 表参道本店※発売日や商品の仕様は、変更になる場合あり。・プティ フール セック・かがみの孤城 2,484円・アップルティー・かがみの孤城 1,404円【問い合わせ先】Q-pot CAFE. 表参道本店TEL:03-6447-1218
2022年11月13日YOASOBIの新曲「海のまにまに」が、2022年11月18日(金)に配信リリース。直木賞作家コラボ第3弾、辻村深月の小説を楽曲化“小説を音楽にするユニット”YOASOBIの「海のまにまに」は、直木賞作家とのコラボレーションプロジェクト第3弾となる新曲。辻村深月が“はじめて〇〇したときに読む物語”をテーマに書き下ろした小説「『ユーレイ』――はじめて家出したときに読む物語」を楽曲化した。小説の主人公は、家出をして海沿いの駅に降り立った少女。たどり着いた夜の海で、不思議な少女に声をかけられ、主人公は神秘的な一夜へと進んでいく...。新曲「海のまにまに」では、主人公の心の変化や、物語の舞台となる夜の海の情景を、サウンドで表現。不思議な世界観のミドルテンポナンバーに仕上げた。なお、「海のまにまに」のミュージックビデオは、アニメーション作家として様々な賞を受賞している土海明日香が監督を務めた。【楽曲概要】YOASOBI 新曲「海のまにまに」配信日:2022年11月18日(金)作詞・作曲・編曲:Ayase/歌唱:ikura原作:「『ユーレイ』――はじめて家出したときに読む物語」(辻村深月 著 / [『はじめての』(水鈴社刊)より])
2022年11月10日Music Office Bop Windは、サックスプレイヤー熊谷駿の3作目となるオリジナルアルバム【Retrotic Now!!(レトロチック・ナウ!!)】を2022年11月7日(月)にリリースしました。また、CDリリースに合わせて、熊谷駿ジャズコンサート【BEBOP EXPRESS 2022】を宮城県仙台市(11月27日)と東京の有楽町(12月16日)にて開催します。ジャケット画像■オリジナルアルバムについて世界で話題沸騰中のシティポップに感銘を受け、その年代のエッセンスを取り入れた仕上がりとなりました。“レトロと今”が交錯する=【Retrotic Now!!(レトロチック・ナウ!!)】なサウンドを体感いただけます。特に1曲目となるBop Choiceは、1940年代のジャズスタイル「ビバップ」と1990年代のロックを組み合わせた楽曲に。少し懐かしいフィールを感じながらもジャズのスウィングが感じられる作品となっています。2曲目のDon't Stop,menは、1980年代によく使われていたキラキラサウンドを取り入れたジャズ作品に。あの頃に音楽を聴いていた人には「懐かしい!聴いたことあるサウンド!」と耳を塞ぎたくなるようなテイストに仕上がっています。6曲目のMatsuは、東日本大震災の津波で甚大な被害を受けた、岩手県陸前高田市に所在する、津波に唯一流されなかった、一本松を題材とした作品。松と、いつまでも“待っている”を掛け合わせた感情を訴える作品となっています。■熊谷駿より読者へコメント昔ジャズやシティーポップを聞いていた人には、「わーなんか懐かしいこのサウンド!」と感じてもらい、若い人には、「古臭いけど今にはないサウンド=ダサカッコイイ」と感じて欲しい!ぜひレトロと今が交錯する、絶妙なサウンドのご体感を!熊谷駿★作品概要Retrotic Now!!(レトロチック・ナウ!!)発売日 :2022年11月7日(月)価格 :2,800円(税込)レーベル:Music Office Bop Wind★収録曲:1. Bop Choice【バップ・チョイス】2. Don't Stop,men【ドント・ストップ・メン】3. Shake Peanuts【シェイク・ピーナッツ】4. 水落【ミズオチ】5. J-BOP STREAM【ジェー・バップ・ストリーム】6. Matsu【マツ】7. Sunshine from the Smoke【サンシャイン・フロム・ザ・スモーク】*全て熊谷駿オリジナル★発売先:Music Office Bop Wind 公式オンラインショップ ★配信先はこちらより ★熊谷駿オフィシャルサイト ■CDリリースに合わせて熊谷駿ジャズコンサート【BEBOP EXPRESS 2022】開催!11月27日(日)宮城県仙台市にてジャズコンサートでは国内最大規模の1,200人クラスにて、12月16日(金)は、12月に新OPENする、有楽町 I'M A SHOWにてレトロチックナウサウンドを披露します。熊谷駿ジャズコンサート詳細は、コンサート特設サイトをCheck→ 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年11月07日アイドルグループ・なにわ男子の道枝駿佑が出演する、健栄製薬「健栄うがい薬」の新CM「ただいまの前に」編が、11月1日より放送される。新CMは、道枝が鼻歌を歌いながらマンションの外廊下を歩いて帰宅するシーンからスタート。「ただいま〜の」と扉に手をかけたところで「前に! あのカバくんのうがい薬が『健栄うがい薬』という名前に変わりました!」と語りかける。その後、道枝がリビングの扉を開くと、キッチンカウンターの一角にはくつろいだ様子のカバくん親子が。道枝とカバくん親子は「うがい薬の歌」が流れるなかで、一緒にうがい。最後に道枝がカバくん親子と一緒に歌いながら、「カバくんの健栄うがい薬!」と商品を紹介する。今回が初単独TVCM出演となる道枝。本番前は慣れない一人での撮影に「すごく緊張した」というが、カメラが回ると表情は一変。カットがかかる度に真剣な眼差しでモニターを確認し監督の話を聞くなど、集中した様子で撮影に臨んだ。一方で、扉を開けてカバくんと目を合わせるシーンでは、カバくんと上手く目線を合わせることができず、「こっちだ!」とお茶目に笑う場面も。また撮影終了後にはCM内で流れる「うがい薬の歌」の収録も実施。多くのスタッフに囲まれながらもリラックスした様子で元気に歌いあげ、収録はスムーズに終了した。今回のCM撮影を振り返り、道枝は「一人でしっかり頑張らないと、と新鮮な気持ちになりました」とコメント。「健栄うがい薬」のCM出演が決まった時の心境については、「まさか自分が、と思いました」「嬉しかったですし、 僕の親も喜んでくれました」と明かした。今回共演したカバくんを知っていたかを聞かれると、 「もちろんです! 小さい頃からよく見ていたので、あのカバくんだというワクワク感がありました」と回答。カバくんとお揃いの赤いマフラーは「カバくんファミリーに入ったようで嬉しかったです」と笑顔で話し、CM内で流れる「うがい薬の歌」も「馴染みのある歌でした」と語った。苦戦した場面は「元気に歌うことと、声での表現が難しかった」と言い、「自分たちの歌とはまた違う感覚でした」と回顧。また、今後街中ですれ違った人に「うがい薬の子だ」「カバくんとうがいしてた子だ」と言ってほしいと目を輝かせた。今回のCMのように、プライベートでも歌を口ずさんでしまうことがあるか尋ねられると、「お風呂でよく歌っています」「丈くん(藤原丈一郎)からは、『2回公演をやった後に歌っているから、深夜公演を一人で開催してる』とよく言われます(笑)」と道枝。ちなみに、「なにわ男子やジャニーズの先輩の曲を歌うことが多い」とのことで、「今後は『うがい薬の歌』も歌ってしまうかも」と話した。また、今年の冬にやってみたいことを聞かれると、「なにわ男子のみんなでクリスマスパーティーとかしたい」 「季節の節目にファンの方々とのイベントをしているので、これは続けていきたいですね」と回答。そして最後に「みなさんもただいまの後は僕とカバくんと一緒に『健栄うがい薬』でうがいしましょう!」と視聴者にメッセージを送った。
2022年10月27日辻村深月さんの新作『嘘つきジェンガ』は、詐欺をテーマにした3作を収録。実はこれ、2012年に直木賞を受賞した『鍵のない夢を見る』と繋がりがある作品だ。『鍵~』は、どこにでもいそうな人々がままならない成り行きで泥棒や誘拐などの罪を犯す様子を描いた作品集で、初出は雑誌『オール讀物』だった。「次は詐欺の話を考えていたら、“枚数が揃ったのでこれで本にまとめましょう”と言われて書き損ねてしまったんです。それで、今度『オール讀物』で書く時は詐欺の話にしようとずっと思っていました(笑)」本書で最初に書いたのは、巻頭の「2020年のロマンス詐欺」。大学進学で上京した春にコロナ禍で入学式が延期となり、一人孤独に部屋にこもる青年が友人からネット上のロマンス詐欺に誘われる。「以前は振り込め詐欺などを考えていたんですが、10年経つうちに詐欺の形もずいぶん変わったので、人の恋する気持ちに付け込むロマンス詐欺を書きたくなって。実際に2020年は給付金詐欺に学生たちが協力してしまった出来事などもありましたよね。あの時期ってみんな不安で、情報が欲しくてネットにアクセスした結果、道を踏み外した人も多かったと思う」これを書き上げた時、今回は詐欺をテーマにした作品集にまとめようと決めた。「詐欺は人の願いや不安に付け込む犯罪。今を生きる人が何を望んでいるのか、何を怖がっているのか、時代の空気感が滲みますよね。それを小説の形で真空パックしてみたいな、と。それと、詐欺ってなんだかジェンガみたいだなと思って。自分が絶妙なバランスをとりながら相手がバランスを崩すことを祈り、崩壊したら終わるゲームですから」2編目の「五年目の受験詐欺」は、息子が私立中学入試に臨む際、合格させるために夫にも黙って学校関係者という相手に金を払った母親の話だ。5年後、あれは詐欺だったと判明するのだが…。「あらゆる詐欺の被害者が感情移入できる要因を持つ被害者を描き切りたいと思いました。被害者の中には、騙されたと分かった後も、当時の心理状態ではお金を払わない選択肢はないと感じる人も多いと思うんです。それにこの母親が息子の実力を信じられなかった後悔や、息子が実力で受かったんだと喜ぶ権利を奪われた悔しさを抱くように、いろんな感情が入り交じるんじゃないかな、って」3編目は「あの人のサロン詐欺」。SNSで人気漫画の原作者と間違えられたことを機に、本人になりすまし、創作講座まで開き、長年にわたりファンを騙し続けている紡という女性が主人公だ。「書いていてめちゃくちゃ楽しかったです。もしも自分になりすましてサロン詐欺を働いている人がいたら、私は絶対に参加しに行きたい(笑)。偽者の言動を見て、私ってこういう発言をする人だと思われているのか、とか自分を客観的に知れそうです」紡は、作品解釈でも講座でのアドバイスでも、本人が言いそうなことを徹底的に研究している。「彼女はお金のために騙しているのではなく、充実感や高揚感、自己実現感が欲しいんですよね。やっていることは詐欺ですが、そのためにめちゃくちゃ努力していて、なんだか愛おしい」しかし、予想外のところに落とし穴が待っていて…。どの話も、終盤に予想外のもう一展開が待っていて、さらなる驚きだけではなく、読み手の心を揺さぶる結末となる点が秀逸だ。「3編とも詐欺というジェンガは崩壊しますが、今回はその先を書きたい、というのがあって。失敗してもう終わりだと思っても、意外と人生って終わらない。そこからも生きていかなければならない強さを書きたかったんです。現実の世界で人のミスを許さない風潮がすごく強くなったと感じるので、あえてこういう話にしたくなった気がします。誰かの生き方を他者が正解か間違いか、幸せか不幸かを評価することなんてできない、ということが3編ともに表れていたら、嬉しいです」『嘘つきジェンガ』大学進学で上京したが、コロナの影響で入学式は延期。自宅で孤独に苛まれる耀太は妙なアルバイトに誘われ…。「2020年のロマンス詐欺」ほか2編。文藝春秋1815円つじむら・みづき2004年「冷たい校舎の時は止まる」でメフィスト賞を受賞しデビュー。’11年『ツナグ』で吉川英治文学新人賞、’12年『鍵のない夢を見る』で直木賞、’18年『かがみの孤城』で本屋大賞を受賞。※『anan』2022年9月28日号より。写真・増田彩来(辻村さん)中島慶子(本) インタビュー、文・瀧井朝世(by anan編集部)
2022年09月26日2022年9月5日、声優の武内駿輔さんと、映像監督の、かとうみさとさんが結婚を発表しました。武内さんはアニメ『アイドルマスター シンデレラガールズ』のプロデューサー役で一躍有名になり、『KING OF PRISM』シリーズの大和アレクサンダー役、映画『アナと雪の女王』シリーズのオラフ役など多くの作品に出演。かとうさんは、映像監督やアートディレクターなどアーティストとして幅広く活躍し、数々のミュージックビデオの制作を行っています。武内駿輔&かとうみさとが結婚を発表この日、同時にTwittterとInstagramのアカウントを更新し、結婚を報告した、武内さんと、かとうさん。ツーショットとともに、お互いへの想いと今後についてつづりました。武内駿輔さんコメントどんなことがあっても、サポートして下さった、先輩方、81プロデュースには本当に感謝しております。そして、これからも支えて下さっている皆様、応援して下さっている皆様に、恩返し出来るように日々精進して参ります。声優としても人間としてもまだまだ半人前ではありますが、引き続きご指導、ご鞭撻頂けますと幸いです。PS. 私の業界の父”鈴木琢磨様”。業界の兄”杉田智和様”。そして音楽の師でありパートナー、”Lotus Juice様”には格別の感謝を。jwamadeusーより引用かとうみさとさんコメント私事ですがこの度、声優の武内駿輔さんと入籍致しました。一緒に居ると自分らしくいれる彼と、日々精進していきます。いつもお世話になっている関係者様、スタッフの方々に感謝の気持ちを忘れずに、一層真摯に作品づくりに励んでいければと思いますので、今後ともよろしくお願い致します。 pic.twitter.com/rvGQWdzZgZ — かとうみさと (@nebiru3) September 5, 2022 17歳という若さで声優として有名になったため、武内さんの結婚に対し、親戚のように見守ってきたファンからは驚く声が続出。「あの武内くんが結婚…!?」「驚いたけど、お2人ともお似合い!」といった声が相次いでいます。いろいろな作品に携わり、物作りをしていく人同士、きっとお互いを高め合っていくのでしょう。ご結婚、おめでとうございます![文・構成/grape編集部]
2022年09月05日