「公的年金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が、’18年10月~12月期の運用実績で、14兆8,000億円もの運用損を出していたことがわかりました。これは現在の方式で運用を開始した’01年以降で、最大の“赤字額”です。それまで165兆円あった積立金が、150兆円まで目減りしてしまいました。積立金は、保険料、国庫負担に次ぐ、年金の原資です。年金の危機といっても過言ではありません」そう警鐘を鳴らすのは、年金博士として知られる、社会保険労務士の北村庄吾さんだ。私たちの老後を支える大事な年金積立が“大溶解”している。GPIFは、厚生年金と国民年金の積立金の管理・運用を行う独立行政法人で、年金基金のなかでは世界最大の資産を持つ。現在、公的年金は現役世代の払う保険料を、高齢者に分配する“賦課方式”を取っているが、少子高齢化がより進むと、現役世代の負担が大きくなりすぎてしまう。そこで、将来的には積立金を少しずつ取り崩して制度を維持する予定になっている。GPIFはそのための積立金を運用し、少しでも増やすという役割がある。GPIFがリスクの高い運用制度となったのは、第2次安倍政権になってからだという。「もともと、GPIFはリスクの低い国内債券を中心に積立金を運用してきました。ところが、’14年10月から、株式投資の割合を大幅に引き上げたのです」(北村さん、以下「」内は同)国内債券での運用割合を60%から35%に半減させて、高い運用益が見込まれるがリスクも高い株式での運用割合を24%から50%に倍増させた。現在は超低金利時代。国内債券では運用益を見込めないために、株式の割合を増やしたというのが建前だが……。「GPIFの豊富な資金を株式市場に投入することで、株高を演出しようとする狙いもありました。つまり、アベノミクスの成長戦略として、年金積立金に手をつけたということです」もくろみは成功し、当時1万4,000~1万5,000円台を推移していた日経平均株価は2万円を超えた。「株高には誘導できましたが、年金資金は株価や為替変動のリスクに今まで以上さらされるようになったのです。’15年度には中国株の暴落の影響もあって、GPIFは5兆円の運用損を出しました。そして今回、昨年10月の世界同時株安の影響を受けて、約15兆円もの運用損を出していたことが発覚しました。多くの国では、基礎年金の積立金は、安全性の高い国債で運用されています。こんな“ギャンブル”みたいなやり方には、問題があると言わざるをえません」それでもGPIFは’01年からの累積の黒字額が56兆6,745億円あると喧伝している。だが、実は’14年10月以降に積み上げた黒字額は、この“大損失”で半減し、現在15兆4,000億円になった。ふたたび今回のような損失を引き起こせば、すべて消し飛んでしまうことになる。「しかも、株式市場に明るい材料はありません。相場は1年先を見て動くもの。現在はオリンピック特需のおかげで、建設事業が活況ですが、今年の秋にはすでにオリンピック後を見据えて、相場が冷え込むと予想されています。それならば、株価が下がる前に売り切ってしまえばいいと思うでしょうが、GPIFの株の保有数は莫大なため、日本全体の株価にも影響を与えてしまう。つまり、株価の暴落を招きかねないので、軽々に売ることもできないのです」アベノミクスの株高演出のために使われた結果、わずか3カ月で15兆円が消失してしまった公的年金。時の政権や、国の都合で、私たちの年金がどんどん消えていく――。
2019年02月21日投資初心者の方は、「資産運用を始めたいけど、どうすればいいのだろう」「少額から気軽にできる方法はないの? 」といった疑問があると思います。投資や資産運用というと怖いイメージもあります。そこで、初心者が気軽に少額から始められるおすすめの方法を3つご紹介します。まずは、資産運用の定義から確認していきましょう。資産運用の方法は2種類金融庁つみたてNISAの対象は投資信託です。金融庁が「長期・積立・分散」に適した約160本の投資信託を厳選しています。年間40万円までの投資金額に対して値上がり益や分配金に税金がかかりません。そして、非課税期間は20年なので、最大800万円分(40万円×20年)の非課税投資枠となります(下図)。金融庁毎年40万円が上限なので、毎月約33,000円まで積立投資をすることができます。約33,000円まではつみたてNISAで、上限を超える分は通常の投資信託で積立投資を行っていくことで、効率的な資産運用を行うことができます。3. 簡単にできる資産運用はロボアドバイザー(ロボアド)しかし、積立投資もつみたてNISAも銘柄を自分で選ぶ必要があります。「銘柄選びから資産配分まで、すべて自動でできるサービスはないだろうか? 」というニーズを満たすのが、ロボアドバイザー(ロボアド)です。ロボアドはいくつかの簡単な質問(収入や年齢など)に答えるだけで、最適な資産配分(ポートフォリオ)を決定してくれて、商品の購入から調整(リバランス)までおまかせで運用することができます。多くのサービスがありますが、「WealthNavi(ウエルスナビ)」と「THEO(テオ)」の2社が有名です。ウエルスナビとテオの投資対象は、「海外ETF」です。ETFとは、証券取引所に上場している投資信託で、取引時間中はいつでも、リアルタイムで取引することができます。ロボアドは、厳選された海外ETFの中から、投資家に最も適した銘柄を自動で購入してくれます。さらに、ウエルスナビは10万円、テオでは1万円から投資を始めることができます。「資産運用に手間をかけたくない」「投資対象をおまかせでお願いしたい」と考える投資家には、ロボアドが最適です。人気資産運用3つの比較表最後に、ご紹介した金融商品の比較表を掲載しておきます。資産運用を始める際の参考にしてください。資産運用に関するまとめ今回は、初心者でも低資金から資産運用できる方法として、積立投資つみたてNISAロボアドの3種類をご紹介してきました。積立投資は、幅広い銘柄の中から自分で選んで投資できます。また、つみたてNISAでは、金融庁が厳選した約160の投資信託から銘柄を選択し、値上がり益や分配金が非課税というメリットがあります。ただ、それぞれ自分で銘柄を選ばなければならないので、手間をかけたくない、資産配分を決めてほしい、と考える投資家にとってはロボアドが最適です。次回は、ロボアドの詳しい内容と、おすすめのロボアドバイザーをご案内します。
2019年02月07日ある程度自分の資産を持っている(貯蓄額で言えば50~100万円)女性なら、一度は夢見るのが“お金の運用”だと思います。しかし、仮想通貨やFXといった投資に手を出すのは、ちょっと怖い……そんな方には、まずリスクの少ない運用法をお勧めします。そこで今回は「女子にお勧めの利回りの良い預金運用法」をご紹介致します。文・山田良政個人向け国債(変動10年タイプ)…安心度★★★★★ 利回り★★★数ある預金運用において、国内で最も安全なのは個人向け国債(変動10年タイプ)でしょう。こちらは基本的にいつでも申し込める上、元本割れすることはほぼありません。1万円から買うことができますが、自動的に積立はできません。厳密に言えば、元本割れすることもなくはないのですが、日本が崩壊するくらいの出来事がなければあり得ないくらい、その確率は低いです。利回りが年率0.05%のため、利回りの良い銀行の定期預金に預けるのがベターです。途中で解約した場合、直近2回の利息が戻ってくるお金から差し引かれますが、微々たるものなので気にしなくて良いと言えます。インデックスファンド…安心度★★ 利回り★★★★★インデックスファンドとは、日経平均株価などの株価指数(市場平均)に、値動きが連動することを目指した投資信託のことを指します。あまり経済に詳しくなくても、ニュースで日経平均株価の値動きを耳にする機会はありますよね。つまり、日経平均株価に連動するインデックスファンドを購入すれば、その日のニュースをチェックするだけで、基準価額をわざわざ調べなくても値動きを予測することができます。日経新聞や株価に興味のある方にはお勧めです。投資型クラウドファンディング…安心度★★★ 利回り★★★★★投資型クラウドファンディングは、別名「ソーシャルレンディング」とも呼ばれ、金融庁の認知を受けている投資商品です。2015年に、政府が正式に投資型クラウドファンディングの規制を緩和したことから注目が集まり、一気にその名が広がりました。今、なぜ資産運用として投資型クラウドファンディングがお勧めなのかと言うと、昨今の低金利時代に平均5%~10%以上の利回りが期待できるからです。しかも、FXや株式よりもリスクが低く、1万円という少額から始めることができるなど非常に多くのメリットを兼ね備えているのは魅力的ですね。貯蓄型の低解約返戻金型終身保険…安心度★★★★ 利回り…★★★★保険と聞くと、運用と無関係だと思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、保険は病気やケガのときに保障されるものばかりではなく、貯蓄の機能を兼ね備えているものもあります。貯蓄の利回りが定期預金より高いものもあり、お金を増やす上で選択肢のうちのひとつとして考えてみるのもアリです。たとえば、低解約返戻金型終身保険は終身保険ではありますが、通常の終身保険とは違い、保険料を支払っている間の解約返戻金の割合を、通常の返戻金の7割程度と大きく下げている代わりに、保険料の払い込みが終了すると、解約返戻金が一気に増える仕組みの保険です。若い人であれば、教育資金作りやマイホーム資金作りなどに活用することもできます。最後に、投資でも資金運用法でもそうですが、一番大切なことは“分散投資”の発想を持つということだと思います。分散投資とは、「卵をひとつのカゴにいれておくと、落とした際に全部の卵が割れてしまうかもしれない。しかし、複数のカゴに卵を入れておけば、一度に全部割れてしまうことはない」という理論です。あなたの大切な資産を運用しようと思うなら、可能な限り複数の運用先に分散しておくのが得策です。今回ご紹介した運用法を複数運用して、できる限りリスクを回避しましょう。(C) ESB Professional / shutterstock(C) Viktoriia Hnatiuk / shutterstock(C) Dean Drobot / shutterstock(C) Stock-Asso / shutterstock
2018年10月22日ファイナンシャルプランナーの小澤美奈子です。昨今、NISAや確定拠出年金などの優遇制度を利用して資産運用を始める方が増えていると言われています。読者の中にも、これからはじめてみたいと思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。資産運用は、リスクとの付き合い方がとても大事になってきます。そこで今回は、低リスクで運用するコツについて、考えてみたいと思います。●そもそもリスクって何?そもそも資産運用におけるリスクとは、「値動きの変動の幅」や「不確実性(予想どおりにはならないこと)」を指します。リスクが大きいとは、価格変動のブレが大きいため、予測しづらいことを意味するのです。よく言われているような「危険」というイメージとは捉え方が異なります。また、リスクの大きさはリターンとの関係に影響を及ぼすと言われ、一般的にリターンが大きい金融商品はリスクも大きく、逆にリターンが少ない商品は、リスクも少ないという特性があります。具体的な金融商品には、どのようなものがあるのでしょうか。リスクとリターンが小さな商品には、銀行の預貯金や債券、インデックス型の投資信託などがあります。一方、リスクとリターンが大きい商品は、株式や外貨建ての商品などです。低リスクの運用を目指す場合には、最初は国債や債券型の投資信託からはじめて、慣れてきたら徐々にリスク性の商品を増やして行くことが望ましいですね。●基本は分散投資でイギリスには『1つのかごにすべての卵を盛るな』という格言があるそうです。これは、たくさんの卵を1つのカゴに盛ってしまうと、ひっくり返った場合に全部割れてしまいますが、最初からいくつかのカゴに分けて入れておけば、1つのかごを落としたとしても、残りのカゴが無事である限り安全である、というもの。このことを投資に例えてみると、どうなるでしょうか。自分の手持ち資金すべてを、1つの金融商品へ投資したとします。何らかの要因で、その金融商品の価値が下がってしまった場合、手持ち資金の価値が下がったり、またはゼロになったりする可能性がありますよね。リスクを軽減するためには、複数の金融商品に分けて投資すること、つまり「分散投資」することが大切なのは言うまでもありません。●定額で積立投資をする投資でリスクを軽減する方法の1つに、“時間の分散”があります。1回でまとめて投資するのではなく、何回かに時間を分けて投資することでリスクを小さくするという方法です。その時間の分散効果を最大限に利用できるのが、積立投資です。積立投資とは、株や投資信託などの商品を毎月一定額購入し、積み立てて行く手法のこと。時間の分散以外にも、長期で積立をすることにより、平均価格を下げられる効果も期待できます。特に運用初心者にとっては、自動積立にすることで買い時を見極める煩わしさが無くなるメリットもあります。●最後に今回は、低リスクで資産運用するコツをご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?ただし、分散投資や定額積立する際には、気を付けなければならない点もあります。それは、複数の商品への分散や、毎月積み立ては、その分手数料も多くかかってしまうということです。つまり、より多くの利益を出すためには、できるだけ手数料の低い商品を選ぶことも基本となります。【参考リンク】・知るぽると | 金融広報中央委員会()●ライター/小澤美奈子(ファイナンシャルプランナー)●モデル/杉村智子(まさとくん)
2017年01月24日一般的に資産運用に関しては、女性は男性に比べて始めるのが遅く、運用する資金も少なく、運用の仕方はとても保守的である、と特段の根拠もなく思われてきた面があります。しかし、最近の調査結果では、「女性はよく調べて、自分のゴールに合った運用のやり方を実践し、売買の回数は少なく、市場が急変した時にも比較的冷静である」という傾向が見えています。これは何を意味するのでしょう? ■相場の変動に関わらず、女性の投資成果は男性に勝るとも劣らない米国で資産運用のオンラインツールを投資家に提供しているオッペンフォリオ社が、自社のユーザー60,000人を分析したところ、株式市場が上昇した2014年は女性の平均リターンが男性の平均リターンを0.4%上回りました。2015年は相場環境が厳しい1年でしたが、女性が平均でマイナス2.5%だったのに対して、男性はマイナス3.8%という結果でした。もちろん、男性であっても女性であっても素晴らしい投資成果をあげる方はいらっしゃいます。興味深いのは、女性が男性とは違った考え方やアプローチで投資に向き合っているということです。今回はその中の3つ、男女を問わず参考にできる点を紹介します。■1.普段の生活からヒントを得る女性は実に一家の消費の7割を担っています。つまり女性は、男性より何倍も、日々さまざまなサービスや商品を判断して購入する「機会」があるのです。もし、買った商品がとてもユニークで便利だったら、その商品を作った会社を調べてみてください。その企業が若く、急成長を遂げるポテンシャルがある場合、とても良い投資機会になります。個別の企業の株式に投資するのは勇気がいるかもしれませんが、日常の生活の中に、投資のヒントが隠されています。投資家にとって投資先を調べる最良の方法は、自分の目と耳で実際に見聞きすることだとも言われています。ある会社のプロの女性運用担当者も、ワーキングマザーの自分の生活に欠かせない「もの」や「サービス」を提供してくれているという理由で、草創期のAmazon やAppleやディズニーに投資した、という経験があります。近年、何れの企業の株価も高水準をマークしています。 ■2.気質の違い個人差はもちろんありますが、一般的に男性は投資の分野でも「一発ホームラン」を狙いがちなのに対して、女性はシングルヒットの積み重ねを意識する傾向にあります。2013年の米国フィデリティの調べでは、男性は女性に比べ自己の資産を100%株式に投資している人が多く、また先述のオッペンフォリオ社によると、男性の運用は、資産の増減が激しい傾向が出ているとのことです。例を挙げましょう。男性と女性が同じ10万円をもっていたとして、男性が大きく値上がりする可能性のある株を2銘柄買い、女性は配当の高い優良企業の株を2銘柄買ったとします。優良企業は1年間で各1割、値上がりしたとすると1年後、女性の資産は11万円になります。一方、男性の購入した銘柄は、1銘柄は倍に値上がりしましたが、1銘柄は9割値下がりしたとすると、1年後の資産は10万5000円です。一見すると2倍に高騰した銘柄をもっていたほうが、リターンが大きかったように思うかもしれませんが、結果は逆になります。リスクを管理し、大きな損失を防ぐことが投資にとって、とても重要なのです。■3. ゴールを見据えて長期投資米国で30年以上、個人投資家に投資アドバイスを行ってきたSallie Krawcheck(女性)は、「男性は競争が目的になりがちだけど、女性はゴールに対しての達成度を重視する」と言います。市場の動きや周りがどうしているかに関係なく、女性のほうが一旦決めたゴールへの意識が強いようです。そのことは、売買頻度にも表れます。米国で、90年代にわたって38,000世帯の投資行動を調査した分析があります。それによると、男性は女性に比べ45%売買の頻度が高く、その成果は、年率0.94%ほど女性投資家を下回ったというものです。オッペンフォリオの分析でも、60,000人のうち、2015年1年間で男性が平均7.4回売買取引を行ったのに対し、女性は5.1回でした。売買をしていないと「投資していない」と思う人もいるかもしれませんが、かの世界的に有名な投資家のウォーレン・バフェットも、「最上の投資は怠け者と紙一重」と言っています。行動を起こすばかりが投資ではありません。日常の消費行動でのご自身の目利きをベースに、ゴールを見据えてじっくり長期投資を行う女性は、男性とは違った観点で、むしろ投資に向いている点が多々あります。とは言え、誰にも相談せずに1人で考えるのは、ときにリスクになります。女性は投資に向いている、と自信を持って、必要に応じプロのアドバイスも活用しながら、自分に合った資産運用を模索していかれることをお勧めします。
2016年08月18日第18回 、 19回 とNISA制度についてお話ししました。では、この制度をどのように活用していけばよいのでしょう。■NISA 口座を開設するまず、NISA専用口座を開設しなければなりません。金融機関によって扱う商品が違うので、「どこの金融機関で口座を開くか」が重要です。銀行では上場株式や上場投資信託(ETF)は買えませんので、証券会社がおすすめです。SBI証券、楽天証券、マネックス証券などのネット証券なら、手数料が安く、ラインアップが豊富です。開設するには、・基準日(平成25年1月1日)時点の住所、氏名および生年月日の記載のある住民票等・マイナンバーがわかる書類(本人確認書が必要な場合もある)が必要です。NISAは、1人1口座と決まっているので住民票が必要なのですが、住民票の取得代行をしてくれる金融機関もあります。開設を希望する金融機関のWebサイトから申込書類の請求ができます。■いよいよ運用をスタート!ここで一旦、 第15回 の「運用をスタートするおさらい」を読んでください。証券会社が決まったら、いよいよ何を選ぶかという4番目の段階です。皆さんにおすすめしたいのは、以前ご紹介したインデックスファンドや、より手数料の安い上場型投資信託(ETF)です。さて、運用する場所(NISA口座)も、運用する商品も決まりました。いつから始めますか?もう少し勉強してからと思う人も多いのですが、まずはスタートしてみるのがおすすめです。とにかく1万円でも買ってみるとよいでしょう。実際にスタートしてみると、「なんだ、そういうことか!」と、わかることがたくさんあります。たとえば、毎月1万円ずつ、世界の株式に分散投資をするインデックスファンドを買うことにしましょうか。あるいは、日本の上場株式に分散投資をするインデックスファンドでもよいでしょう。少しずつ買い増していく中で、ゆっくり自分のポートフォリオ(編集部注:分散投資の際の、資産の組み合わせのこと)を整えていけばよいのです。まとまったお金がある人は、自分の決めたアセットアロケーション(資産配分)にしたがって、投資信託などのリスク商品と個人向けの変動国債などに分散して一度に投資するのも、もちろん結構です。 ■毎月「積立投資」をする皆さんは、これまでに、お給料から毎月決まった金額を自動的に定期預金で積み立てたり、財形貯蓄をしたりしたことがありますか?こうした自動積立型の貯蓄は、はじめに手続きさえしておけば、あとは、自動的に口座から引き去れてお金が貯まっていきますよね。「積立投資」も同じです。毎月、決まった日に、決まった金額が引き落とされて、決まった投資信託を買い付けてくれるのです。最初に「しくみ」さえつくっておけば、自動的に投資が続けられます。これなら、大きなお金を用意しなくてもすぐに始められますね。なかなか一歩を踏み出せない人にとって、スタートのハードルを下げる方法だと思います。この「積立投資」には、いくつかメリットがあります。積立投資の詳しい話をする前に、もうひとつ、「積立投資」をするのによい場所がありますので、先にこちらのお話をしましょう。■とってもお得な個人型確定年金制度「個人型確定年金制度」という言葉を聞いたことがありますか?実は大変、税制優遇された制度なのです。NISAは、日本に住んでいる人ならだれでも使える制度ですが、「個人型確定拠出年金制度」は、今のところ、使える人と使えない人がいます。しかし、今後、使える人が増えることが見込まれていますので、ぜひとも知っておいてほしい制度です。次回は、この「個人型確定拠出年金制度」についてお話しします。
2016年04月18日ゾーホージャパンは4月5日、総務省が全国の自治体へ導入を推進している「自治体情報セキュリティクラウド」においてIT運用管理ソフトウェア「ManageEngine(マネージエンジン)」の導入を促進するため、自治体情報セキュリティクラウド向けの特別ライセンスを提供開始したと発表した。「ManageEngine」は、ゾーホージャパンが提供するネットワークやITサービス、セキュリティ、デスクトップ・ノートPC、ビジネスアプリケーションなどを管理する製品・サービス群。直感的な操作が可能な画面設計により、短期間での導入が可能で、その後の運用フェーズにおいても手間がかからず、よりシンプルなIT運用管理を実現するという。従来、ManageEngine製品のソフトウェアライセンス契約の利用許諾においては、地方公共団体やそのシステム運用を委託されている民間企業それぞれ1団体につき、1ライセンスの購入が必要だった。しかし、新たに提供を開始した特別ライセンスでは、自治体情報セキュリティクラウドを構築する都道府県およびその都道府県に属する市町村が運用管理を統合する場合、1ライセンスで複数の団体がManageEngineのソフトウェアを利用できる。これにより、ライセンス契約に基づいた運用面の制限がなくなり、よりスムーズに作業を実施できるとしている。同社が自治体情報セキュリティクラウド向けに関連している製品は次のとおり。
2016年04月06日野村総合研究所(NRI)は3月18日、IT運用管理「Senju Family(センジュファミリー)」の最新版「Senju Family 2016」および、Senju Familyをクラウド型でサービス提供する「mPLAT(エムプラット)」の最新版を4月1日から販売開始すると発表した。Senju Family 2016では新たにDevOps機能を追加し、開発部門と運用部門のコミュニケーションを効率化することで業務をスピードアップが図れるほか、スマホやモバイル端末からもアクセスが可能。これにより、従来は運用部門に依頼したうえで確認できなかった情報も統制を確保しつつ、開発部門が直接確認できるようになり、エンタープライズシステムにおけるDevOpsを実現するとしている。なお、開発者向け機能の強化に伴い「Senju Operation Conductor(Senju/OC)」は「Senju DevOperation Conductor(Senju/DC)」と名称を変更する。一方、Senju Familyをベースにした運用基盤クラウドサービスのmPLATでは、ユーザーからの要望が多いITサービスマネジメントの監視/分析サービス(mPLAT/IWC)、イベント発生を自動通知するサービス(mPLAT/AEC)、状況を可視化するダッシュボードサービス(mPLAT/MDV)の3サービスを追加。これらの新サービスにより、クラウドや仮想化環境に対する運用基盤の提供に加え、運用の自動化や効率化を実現するほか、収集したデータをNRIのITサービスマネージャが分析し、継続的な運用改善を支援していくという。価格はSenju DevOperation Conductor(Senju/DC)の場合、50万円(税込)~、DevOps機能のオプションは50万円(同)となる。
2016年03月19日NECは3月8日、システム運用管理者向けに、運用改善支援ソフトウェア「WebSAM IT Process Operations」を販売開始した。価格は3ユーザーIDの場合が91万円(税別)~となり、出荷日は6月3日を予定している。近年、システムの仮想化やクラウドの利用が拡大し、運用管理業務が複雑化する中で業務の効率化が期待されている一方、効率化を進めるにはアセスメントサービスによる作業の見える化や標準化を行うため、時間を要していた。新製品は運用者の作業時間や作業頻度など各種データを自動で収集し、サーバに集約。これにより、従来必要だったコンサルタントなどの専門家によるアセスメントサービスを実施することなく、運用者の作業実績を数値やグラフで把握できる。また、作業時間の推移や作業全体における各作業の割合を基に改善候補の作業を自動で抽出する機能を有しており、運用管理者の業務改善を支援するという。また、従来は作業手順書を作成していない場合や、作業手順書を一元管理せずに個人で保管していた場合には、グループ内で手順やノウハウを共有することが困難だった。新製品は、画像イメージ付きの作業手順書の作成・更新が容易で、運用者間での手順書の共有が可能。これにより、常に最新の作業手順書の管理・更新ができるため、作業の標準化やミス軽減に貢献するとしている。
2016年03月08日日立システムズは3月1日、サービスロボット、作業補助ロボット、点検業務などに活用できるドローンの導入コンサルティングから、アプリケーション開発、設置、運用・保守までをワンストップでサポートする「ロボティクスサポートサービス」の販売を開始した。同サービスでは、多言語対応のコンタクトセンター、全国約300カ所のサービス拠点などのサービスインフラと、さまざまな業種・規模の企業にIT サービスを提供してきた実績・ノウハウを活用し、ロボットを活用した新商品・サービスの開発、接客サービスの向上、業務効率化などを支援する。同サービスでは、サービスロボットとして、ソフトバンクの「Pepper for Biz」とALDEBARAN Roboticsの「NAO」を活用する。例えば、「Pepper for Biz」を活用した場合、顧客を認識して接客を行うようなアプリケーションを組み込むとともに、店舗スタッフへの操作説明・問い合わせ対応や、アプリケーションの定期的な改修、万一の故障発生時には店舗に予備機を配送して交換するなど、導入から運用・保守までを一貫して支援することが可能だという。作業補助ロボットとしてはイノフィスの「マッスルスーツ」を、ドローンとしてはエンルートの「Zion」を活用する。NAOを対象としたサービスの参考価格は、ヘルプデスクが月額1万5000円(50インシデント)から、キッティング・設置作業が1台当たり2万円から、アプリケーション開発は個別見積もりとなっている。
2016年03月02日富士通は2月24日、ネットワークシステムの運用・保守などを自動化するソフト「FUJITSU Network Virtuora SP (バーチュオーラ エスピー、以下、Virtuora SP)」を同日より販売開始すると発表した。価格は472万円(税別)から。「Virtuora SP」では、ネットワーク機器の制御インターフェースとして、広く使用されているSSH/SCP)およびRESTを採用しており、多様なネットワーク機器の状態やポート単位のトラフィック流量などを収集・分析し、ネットワーク回線の切り替えなどの制御を行うことが可能だという。「Virtuora SP」は、Policy Design ToolとPolicy Engineの2つの機能で構成。Policy Design Toolは、顧客が行う運用・保守の業務内容をポリシー(ノウハウをシナリオ化したもの)として定義。一方のPolicy Engineは、定義したポリシーにスケジュール設定を行うことで業務を自動化する。ポリシーの定義は、プログラミング言語で記述する必要はなく、BPMN標準のフローチャート形式でグラフィカルにワークフローを作成し、ポリシーとして定義することができるという。また、シナリオの検証ができるシミュレーターを搭載し、作成したワークフローの擬似環境で検証することができ、実機での検証に比べ、時間やコストを削減できるという。Virtuora SPのユースケースとしては、ネットワークに障害が発生した場合、現用系ネットワーク回線から待機系ネットワーク回線の切り替え、障害復旧後は、切り戻し作業を自動的に行うことを想定しており、切り戻す時間を通信データ量の少ない夜中に設定したり、ネットワークを切り替えても問題のないデータ量の値に閾値を設定することも可能になるという。同社では2018年度までに40億円売上げを目指している。
2016年02月24日JR西日本とHAMOLOは、ビーコンを活用した「見守り位置検索サービス」の事業化に向けた試験運用を2月22日より開始すると発表した。このサービスは子どもや認知症高齢者の位置情報を、保護者や介護者等が専用アプリをインストールしたスマートフォンから確認できるもの。子どもや認知症高齢者にビーコンをを持たせ、駅や学校等に設置した「専用レシーバー」や「見守りアプリ」をインストールしたスマートフォンで、ビーコンの位置情報を把握する。両社は、サービスの事業化に向けて、昨年11月から実証実験を行い、駅改札付近での機器の動作等を確認。今回は、次のステップとして、駅や学校等に専用レシーバーを設置し、実際に本サービスを利用した上での機能の確認や課題の把握を行う。HAMOLOは、3月に見守り位置検索サービス「キンセイ」の端末、及びスマートフォン用アプリを2016年3月中旬にリニューアルする予定で、今回はこれを利用して試験する。キンセイ端末は、レシーバーを設置した施設(駅、学校など)を通過すると、PUSH通知やメールにて、その施設を通過した情報が見守り者に通知されるほか、アプリをインストールしたスマートフォンを持つサポーター(地域の見守る人々)と子供や高齢者がすれ違うことで、位置情報が記録される。そのほか、アプリ内で迷子情報をあらかじめ登録しておけば、公開ボタンを押すだけで、キンセイ端末を持った子供や高齢者の周囲にいるサポーターたちに保護を求めることが可能。試験運用は2月22日~3月下旬までで、JR神戸線住吉駅、摂津本山駅、甲南山手駅、神戸市立住吉小学校で行い、モニター協力は神戸市立住吉小学校に依頼する。
2016年02月22日お金のデザインは2月16日、個人向け資産運用サービス「THEO(テオ)」の提供を開始した。THEOは、独自で開発したアルゴリズムに基づく独自のロボアドバイザーがポートフォリオを提案する。同社はFintechベンチャーで、米国で急成長を続けている、現代の投資理論に基づいて構築されたアルゴリズムに金融商品の運用を一任する「ロボアドバイザー」のシステムを「テクノロジーによる金融の民主化」と位置づけ、ユーザー目線にこだわった「始めやすく、分かりやすい」資産運用をサポートする。○特徴は「始めやすさ」と「わかりやすさ」「THEO」の運用を開始する前に、ユーザーは自分の目的に合ったポートフォリオの自動設計サービスを無償で利用できる。具体的には、9つの質問に答えると、約6000のETF(Exchange Traded Funds:上場投資信託)の中から、2分で最適なプランが提案される。ポートフォリオは、成長重視、株式運用中心の「グロースポートフォリオ」、安定した収入を確保、債権中心の「インカムポートフォリオ」、インフレヘッジ重視、不動産やコモディティを中心とする「インフレヘッジポートフォリオ」の3種類をニーズに合った最適な構成でデザインされる。ポートフォリオや投資先は微調整も可能で、よりリスクの低い先進国中心の運用や、よりリターンを期待できる新興国中心の運用に変更することもできる。ポートフォリオを設定した後、証券口座開設と投資一任契約の申し込みを行い、申し込みから最短2営業日で口座開設が完了、開設した口座に入金すると、最短3営業後に運用状況をオンラインで確認できる。運用はロボアドバイザーに一任する形となる。同社COOの北澤直氏は、ETFは一般の投資信託に比べてコストが安く、流動性と透明性が高いと説明する。世界で上場されるETF銘柄は増加を続けており、500程度であった2005年時点から、現在では6000種類に達しているとのこと。銘柄の増加に伴い、世界中のあらゆる資産が投資対象になっていると語った。また、アメリカにおけるマネージドアカウント(一任運用)の総額は2003年の開始から激増しており、現在では4兆ドルに達しているそうだ。さらに、ロボアドバイザーによるオンラインでの資産運用の総額は、年平均成長率+68%で伸び、2020年には2.2兆ドルに達するというA.T.Keameyの予測を引用し、ロボアドバイザーによるオンラインでの資産運用が広がる可能性を示した。○少額運用に対応、手数料は年率1%のみ「THEO」は、10万円から運用が可能で、手数料は一任運用報酬としての預かり金額の1%(年率)のみだ。今年5月15日までに申し込みを行えば、100万円までの投資一任報酬を1年に限り500円に下げる。デモンストレーションを行ったCFOの坂田宏氏は、「THEO」によって投資に対する不安感や資産運用への恐れを解消し、資産形成を始めるハードルを下げることができると語った。サービスの特徴上、まずはネットリテラシーに敏感なユーザーが多くなると予想しているが、29歳の坂田氏によれば「それは若者とは限らない」とのことだ。現時点で具体的な運用資産の目標金額は定めていない。しかし、アメリカのロボアドバイザー市場の成長率が上位1%に入る勢いであることから、今後の日本においても同様の成長が見込めるとしている。○日本は「お金持ちの老人」「日本人は、いつも最も賢い金融投資をしてきた」と、同社取締役会長の谷家衛氏は語った。高金利時代や不動産バブルの時に最も金融商品の売買を行っていたのは日本人個人であった。現在、個人の資産の多くが円建ての預金であるのは、円高の時代はそれが一番の正解だったからとのこと。その結果が、不景気と言われて久しいものの、現在でも日本人の持つ対外純資産総額が世界トップであることは事実だ。しかし現在、人口減少・超高齢化時代に突入した日本において、ほとんどの資産を円建ての預金で持っていることに必然性はない。日本円の持つ、世界経済への影響力が下がりつつあるためだ。谷家氏は「日本はすごくお金持ちの老人のようなもの」とたとえた。世界の富裕者がプライベートバンクを通して世界中に分散投資し、金融危機に備えると同時に世界経済への貢献を行っていることを「お金を将来の不安ではなく、未来への希望にすること」と語り、それがこれからの日本人が行っていくべき資産運用であると結論づけた。
2016年02月17日ルネサスエレクトロニクス(ルネサス)は2月10日、同社製マイコン「RL78ファミリ」の開発支援ツール「RL78Webシミュレータ」を開発し、運用を開始したと発表した。「RL78Webシミュレータ」は仮想ボードシミュレータの機能を搭載しているため、スタータ・キットなどの開発ツールを購入しなくてもプログラムの評価が可能となる。また、消費電力シミュレータの機能も搭載し、ユーザーが開発したプログラムを解析して消費電力を高精度に算出することができる。同シミュレータは同社のWebサイト上から無償で使用することが可能だ。ルネサスは、まずはRL78ファミリの中で汎用性の高い「RL78/G13」への対応版から提供を開始し、順次他のマイコン製品へ拡大していくとしている。
2016年02月10日エクシードは2月2日、複数のパブリッククラウドに対応するパッケージ型の仮想サーバ運用サービス「マルチクラウドマネージドサービス 2.0」の提供を開始した。対応するクラウドサービスは、AWS(Amazon Web Services)、Microsoft Azure、NTTコミュニケーションズ Cloudnとなる。従来、エクシードはカスタマイズ型の「マルチクラウドマネージドサービス」を提供していた。その中で各クラウドサービス共通のベストプラクティスを蓄積したことから、各クラウドサービスに対応可能な運用項目の標準化を実現し、利用しやすいパッケージ型の新サービスとしてリリース。新サービスの特長としては各クラウドサービスに対し、統一した内容・金額の運用サービスの提供が可能なほか、クラウドサービスごとに運用サービスを契約する必要がなく、利用するクラウドサービスを変更した場合でも新サービスを契約変更なく利用できる点がある。また、監視のみのプランから、セキュリティ管理やシステムの設定変更まで含めたプランまで4種類のプランを取り揃え、システムの重要度や運用要件に応じて選択可能としていることに加え、仮想サーバ1台単位の月額課金制でプラン選択が容易だという。ユーザーは、1種類のパブリッククラウドを利用した小規模なシステム環境から、マルチクラウドを利用した複雑・大規模なシステム環境にわたり、標準化された運用サービスを利用することを可能としている。下表は各プランの価格と提供サービス項目。
2016年02月03日ユニアデックスは2月1日、SaaS型IT運用管理サービス「Vistara」の提供を開始した。同サービスの最大の特徴は、オンプレミス・プライベートクラウド・パブリッククラウドを組み合わせたハイブリッド環境のシステム運用を単一の画面で一元管理することができる点。主要な機能として、デバイスの自動検出とポータル生成、デバイス管理、サービスデスク、ロールベースのアクセス制御、ダッシュボードなどを備えているほか、ハイパーバイザーやAmazon Web Services、Microsoft Azureといったパブリッククラウドの管理装置と連携する機能を実装するなど、昨今の運用現場で求められる環境を標準で提供する。また、「ユーザーの拠点とVistaraのSaaS基盤との通信の暗号化」「アカウントごとにアクセス権を設定」「2要素認証によるログインに対応」「リモートログインを動画で記録」といった対策により、セキュリティも強化されている。料金体系は管理対象とする機器数の月額課金となっており、サーバ10台の管理を行う場合、月額2万円から(税別)。ユーザー自身が導入する場合は初期費用が不要。
2016年02月02日デジタルアーツと統合ID管理ソリューションを提供するジインズは1月13日、企業のID管理における運用・管理の負担軽減とアクセス記録の証跡におけるセキュリティ対策を実現するソリューションの提供を開始した。近年、企業における多くのIT機器の利用促進と比例して、複数にわたるIDの管理工数がシステム管理者の負担増加に繋がっていることから、情報管理の厳格化と管理コストの削減を目的とする統合ID管理基盤整備の必要性が急速に高まっている。このような状況の中、両社ではシステム管理者の負担軽減を目的として、デジタルアーツの情報漏えい対策とWebの有効利用のための企業向けWebフィルタリングソフトの「i-FILTER」、企業・官公庁・自治体向けのゲートウェイ型電子メールセキュリティソフトの「m-FILTER」をジインズの統合ID管理ソリューションである「ADMS(アダムス)」と連携させた。これにより新規にADMSを導入した場合、既存のITリソースで使用しているIDをそのまま利用することができるため、導入時の負荷軽減と組織変更や人事異動時に伴うアカウント管理作業を一度の操作で行えるようにした。また、顧客は複数のID管理などの煩わしさから解放され、膨大なアカウントに対してパスワードポリシーとセキュリティポリシーを全システムで統一し、アクセス権限の適切な付与や認証履歴の把握が可能になる。さらに、アイデンティティ情報のライフサイクル管理が自動化されるため手作業による退職者の削除漏れや人事異動に伴うアクセス権限の更新漏れが防止できるという。今回の提携を通じ、i-FILTERとm-FILTERの既存・新規顧客に対し、ADMSの利用によるID管理工数削減を提案できるようになる。一方、ジインズも同ソリューションをデジタルアーツの顧客に対し販売できるようになり、一層の拡販を実現するとしている。
2016年01月14日サイオステクノロジーと同社の米国子会社SIOS Technologyは1月12日、機械学習技術を導入したIT運用分析ソフトウェア「SIOS iQ」を、トレンドマイクロがVMWare環境の分析用として採用したと発表した。SIOS iQは、コンピュート・リソース、ストレージ、ネットワーク、アプリケーションなどシステムに存在するすべてを網羅した監視・分析を可能とする多様なデータセットを統合し、高度な機械学習技術を用いた分析エンジンを実装したIT運用分析ソフト。トレンドマイクロは、SIOS iQの将来の製品開発に向けた意見をSIOSに提供する「SIOS iQ VIPプログラム」への参加も表明している。このプログラムは、サイオス製品を選択したパートナー企業に対し、優先順位付けのために、早い開発段階から製品に触れてもらい、評価やフィードバックをしてもらうことを目的としている。また、次世代製品に対する要望の優先的な採用の機会や、特別価格での提供の機会などを用意するという。
2016年01月13日Fintechの諸領域の中でも、地道な発展を遂げている領域としてロボアドバイザーがあります。伝統的な金融機関とは一線を画す、安くてかしこい資産運用の提供者として、ロボアドバイザーは近年内外で注目されつつあります。○投資の世界における個人の投資手段の発展日本の個人にとって、資産運用が本格的に重要なテーマとなり始めたのは1990年代後半からとなります。バブル崩壊後、終身雇用や年金といった、未来の生活を支える制度に個人が不安を覚え始め、自助努力による資産形成が求められるようになりました。一方で、それまでの高い預金金利や株価上昇の時代も終わり、リスクを加味した注意深い資産運用が求められるようになったことから、従来と比べて資産形成の難易度も格段に上がりました。そのような背景の中で、株式取引手数料の完全自由化が行われた1999年は重要な年となりました。同年、マネックス証券、松井証券、カブドットコム証券やイー・トレード証券(現SBI証券)といったオンライン取引に強みを持つプレーヤーが証券業界に参入し、個人の株式や投資信託の取引をより安く、身近なものへと変えていきました。その後も、FX取引や、独立系の運用会社などの登場もあり、買うべき銘柄や商品が分かる人であれば、非常に安い手数料で、適切なリスク・リターンを享受できる質の高い投資を行うことが可能となりました。一方で、「そもそも自分は何を買えば良いかわからない」層に向けたサービスは、様々なオンライン上の取り組みがされてはいるものの、決定打となっていないのが実情です。自らの投資ニーズを理解できるのはごく一部のユーザーに限られるため、将来に向けた資産形成においては対面営業や、人を介したアドバイスが引き続き存在してきました。このニーズに対して、人工知能を用いて助言を含めた資産運用を提供するのがロボアドバイザーになります。○ロボアドバイザーの台頭ロボアドバイザーとは、まさに「何を買えばよいか」を決める機能と、このニーズに即した金融商品を提供するサービスです。典型的にはETF(上場投資信託)を中心に、売買を含めて一任運用を行う運用会社(場合によっては証券会社の機能も含む)のことを指しています。一般的なロボアドバイザーでは、6-10個程度の質問に答えると、購入するべきポートフォリオが提示されます。その後、例えば年齢を経るごとにリスクを取りづらくなるので、ハイリスクの資産を自動的に減らしたり、値動きに応じたリバランス(例えば、株価が上がった場合には、同じ比率を維持するために株式を売却し、他の資産を買うことが必要となります)を行ったり、といった手続きを代行します。このような一連のサービスを、年率で資産の1%程度の手数料でお任せにて運用でき、そのお任せの内容について、様々な人工知能を用いたレベルでの競争が行われています。海外では、BettermentやWealthfront、Personal Capitalといったロボアドバイザーが数千億円単位での運用資産を集めることに成功しています。米コンサルティング会社によれば、2020年にはロボアドバイザーが200兆円以上もの資産を運用するという予測もある中で、大手の金融機関もこの業態に参入してきており、先端的な「かしこい」投資をより身近にできるツールとして脚光を浴びています。日本でも、お金のデザインとWealthNaviという2社がベンチャーとしては知名度を上げつつある中、マネックス・セゾン・バンガード投資顧問やエイト証券といった既存金融機関もこの分野に参入しています。他にも複数のプレーヤーが立ち上げ中であり、より良いサービス提供をめぐって、2016年は積極的な顧客獲得が展開されていくものと見られています。このような競争を通じて、より分かりやすく、将来に向けて有利な備えができる商品が個人に提供されていくこと期待されています。○執筆者プロフィール : 瀧 俊雄(たき としお)株式会社マネーフォワード取締役 マネーフォワードFintech研究所長。2004年慶應義塾大学経済学部卒業後、野村證券入社。野村資本市場研究所にて、家計行動、年金制度、金融機関ビジネスモデル等の研究に従事する。2011年スタンフォード大学経営大学院に留学。卒業後は野村ホールディングスCEOオフィスに所属する。その後マネーフォワードを創業し、経営全般やカスタマーサポート、お金やサービスに関する調査・研究を担当。TechCrunchや週刊金融財政事情などに寄稿。
2016年01月04日2024年まで日本がISSの運用に参加することが正式に決定した。12月22日、日米両国は国際宇宙ステーション(ISS)の2021~2024年の運用延長に関し、新たな協力の枠組として「日米オープン・プラットフォーム・パートナーシップ・プログラム(JP-US OP3)」を構築することを主たる内容とする文書を取り交わした。JP-US OP3には、日本実験棟「きぼう」を含むISSでの実験設備・機器・データの相互活用や、アジア太平洋地域の宇宙途上国との協力増進などが盛り込まれており、詳細については両政府間で引き続き協議していく。これを受けて宇宙航空研究開発機構(JAXA)は同日、奥村直樹理事長の談話を発表した。奥村理事長の談話は以下の通り。平成27年12月22日、日米両国政府が国際宇宙ステーション(ISS)に係る新たな日米協力の枠組みについて合意し、2024年までの我が国のISS運用延長への参加が決定されました。JAXAとしては、「きぼう」日本実験棟及び宇宙ステーション補給機「こうのとり」の運用・利用を通じて、今回の運用延長に相応しい成果を責任をもって創出していく決意を新たにするところであります。今回、日米で合意した新たな枠組みである「日米オープン・プラットフォーム・パートナーシップ・プログラム(JP-US OP3)」は、今後の宇宙開発において、日米の協力関係を新たな段階に先導する役割を果たすものです。JAXAとしては、この枠組みを最大限に生かし効果的・効率的に「きぼう」や「こうのとり」の新たな活用を推進し、我が国の宇宙政策を具現化していきます。引き続き、ISS計画への国民の皆様のご理解を賜りますよう、お願い申し上げます。
2015年12月22日シグマクシスは12月22日、自律学習型のIT運用管理自動化ソリューションを提供する米IPsoftと協業を開始した。シグマクシスは、IPsoftが提供するソリューションの日本における販売活動の支援を行うとともに、ITマネジメントに課題を抱える国内企業に対して、同社ソリューションを活用したコンサルティングサービスを提供する。IPsoftが提供する自律学習型IT運用管理自動化ソリューション「IPcenter」は、人工知能(エキスパートシステム)を使って、ITマネジメント業務を統合的に管理し、業務効率および運営品質の向上を実現するというもの。具体的には、同社がIT運用サービスプロバイダとして培ったという1200以上のテンプレートを活用することで、オペレータやエンジニアのタスクを自動化するだけではなく、障害の検知から修復、クローズまでの一連の対応を、24時間365日稼働する「仮想エンジニア」が遂行することを可能にするという。また、ITサービスマネジメントのベストプラクティスをまとめた、公開されたフレームワークであるITTLのプロセスに準拠することで、これまで困難だったプロセスおよび意思決定の自動化も実現し、人手による業務量を最小化すると同時に、低コスト・高品質のサービス提供を可能にするとしている。サービス提供形態は、「IPcenter」を活用したマネージド・サービスであるSaaS型と、「IPcenter」のライセンスを供与し、自社で自動化を推進するオンプレミス型がある。
2015年12月22日ネットワールドは12月18日、仮想化データセンターの設計・展開・運用を包括的に最適化する米PernixData(パーニックスデータ)の最新ソフトウェアプラットフォーム「PernixData Architect(アーキテクト)」の国内販売を開始した。単独パッケージ「PernixData Architect Standalone」および「PernixData FVP Standard/Enterprise エディション」、バンドルパッケージの2通りのパッケージングで提供し、PernixData Architect Standaloneの参考定価は税別で29万400円(1ホスト、2ソケットCPUまで)。PernixData Architectは、アプリケーションと仮想化インフラストラクチャの中間に位置するハイパーバイザーの膨大な情報を活用し、さまざまな手法でリアルタイムに解析しつつ、仮想化データセンターの問題点に対するプロアクティブな対応やトラブルシューティングのコスト削減、設計・展開・運用などデータセンターの包括的なライフサイクルマネージメントの最適化を支援する。また、アプリケーションからストレージの詳細までデータセンター全体を単一ウィンドウで直感的に見通すことが可能で、ドリルダウンやピボットテーブルなどのアドホック解析を随時実行しながら、詳細な解析やレポートも行うことができる。さらに、同ソフトウェアの販売開始に伴い、30日間の無償評価版の提供やPernixData認定トレーニング、およびWebセミナーの提供なども行う。
2015年12月18日Vol.9 、 vol.10 と債券についてお話ししました。株式などに比べると、債券の収益性は高くないので、お金を増やしていくためには、債券だけ持っていたのでは、十分な成果があげられないかもしれません。資産を増やしていくためには、株式など収益性の高い資産に投資をすることが必要です。でも、株式だけに投資をすると値動きが大きくなってしまうので、安定した資産運用をするのは難しくなります。なるべく安定した資産運用していくためには、株式や債券に「分散投資」をする必要があります。卵は1つのカゴに盛るな基本的に、株式と債券の値動きはこのようになります。投資には、「卵は1つのカゴに盛るな(※)」という有名なことわざがありますが、値動きが反対のものを組み合わせると、リスク(振れ幅)を小さくすることができるのです。(※)卵を1つのカゴに盛ると、そのカゴを落とした時、全部の卵が割れてしまうかもしれないが、複数のカゴに分けて卵を盛っておけば、そのリスクが防げるということから転じて、投資の際も複数の商品に投資を行い、リスクを分散させたほうがよいということ。分散投資先にはどんなものがある?分散して投資をする先の資産クラスは、伝統的に、(1)国内株式 (2)外国株式 (3)国内債券 (4)外国債券 に分けられます。各資産クラスのリスクとリターンの関係は、次のようなイメージになります。債券のブレ幅(リスク) < 株式のブレ幅(リスク)国内資産のブレ幅(リスク) < 海外資産のブレ幅(リスク)資産クラスの組み合わせは?では、安定資産である債券とリスク性資産である株式などをどのように組み合わせればよいのでしょうか。たとえば、20~30代の若い人は、もし、リーマンショックのような損失が生じることがあったとしても、その損失をリカバリーできる時間がこの先、まだ十分あります。ですから、リスク性資産の比率をより高くして運用してもよいと考えられます。もちろん、年齢だけではなく、家族構成、働き方、ほかの資産をどのくらい持っているか、また、自分がどのくらいの損失にたえられるかなど、合わせて考える必要がありますが。そして、一般的には、年齢が上がるにつれ、安定資産の比率を高めていくべきと考えます。運用できる時間が限られているためです。さて、資産運用をしようと思った時、まずは銀行や証券会社に相談に行こうと思う人がいます。でも、それは正しい行動ではありません。商品を選ぶよりも先に、資産配分を決めることです。国内の株式、外国の株式、国内外の債券など、資産ごとにどう資金を配分するか、何をどのくらいずつ保有するかを決めます。これをアセット・アロケーションといいます。これまでの研究結果では、この配分こそが長期的にはパフォーマンスにもっとも影響するといわれています。自分は、株式をどのくらい、債券をどのくらいもつか、その比率を決めることが大切なのです。次回は、分散についてさらにお話しします。(岩城みずほ)
2015年12月07日『銀行員が顧客には勧めないけど家族に勧める資産運用術』(高橋忠寛著、日本実業出版社)の著者は、金融教育ビジネスや資産コンサルティング事業を展開しているというファイナンシャル・プランナー。大学卒業後は東京三菱銀行(現三菱東京UFJ銀行)で法人営業や富裕層向け相談ビジネスを経験し、シティバンク銀行転職後は個人顧客に対する資産運用アドバイス業務に従事してきたという経歴の持ち主です。つまり本書ではそんなバックグラウンドを軸として、銀行員にしかわからない資産運用の方法や、お金についてのさまざまなエピソードが明かされているのです。きょうはそのなかから、資産運用に関する誤解と改善策に焦点を当ててみましょう。■1:「投資はギャンブルと同じ」という誤解「投資」という言葉に対し、「ギャンブルみたい」「槽場を当てにくいもの」などネガティブなイメージを持っている人は少なくないでしょう。しかし、そうしたイメージに支配されると、投資することのハードルは一段と高くなり、本来の投資とはかけ離れたことをやってしまいがちだと著者は指摘しています。ギャンブルは、短期で結果が必要。なぜならその方が、スリルと快感を次々と味わうことができるから。そして短期の売買は「相場を当てにくいもの」になり、そのリターンは他の投資家の損失を源泉とするものになります。つまり、儲かったお金の元手は誰かが損したお金だということ。しかし本来の投資のリターンは、そのようにして得るものではないと著者。たとえば企業の利益成長は、研究開発によって生み出された新技術や新製品、新サービスが、世間に受け入れられることで実現するもの。そのような「世の中に役立つ活動」を続けることによって企業価値を高め、その結果として株価が上昇し、投資家はそこからリターンを得ることができるわけです。当然ながら、企業の利益成長が株価に反映されるまでには長い時間が必要。いわば資産運用における投資とは、長期的な経済成長の流れにゆったり乗っていくことだというわけです。だからこそ、短期の値動きに惑わされることなく経済の成長を見守ることが大切だといいます。■2:「おいしい投資話がある」という誤解「お客様だけ特別ですよ」「いまだけですよ」そんな甘い言葉を使って、いかにも特別に儲かる話であるようなセールストークを持ちかけてくる人がいるもの。これは自尊心をくすぐるための常套手段で、意外なほど多くの人が引っかかってしまうのだそうです。しかし重要なのは、「おそらく、まともな金融機関の営業担当者で、このようなセールストークを使う人はほとんどいないでしょう」という著者の指摘です。預金の場合、ごく一部の大口預金者に対して優遇金利をつけるケースはあるものの、投資信託の場合であれば、「お客様だけ特別ですよ」などということはできないこと。つまり、絶対に成り立たないセールストークだということです。ところが残念なことに、世の中にはそういうことをぬけぬけと口にし、お金をなんとか引っぱり出そうとする輩がいます。詐欺的な金融商品を、なんとかして売りつけようとする人たちです。しかし冷静に考えれば、彼らのいうことはおかしな話だということがわかるはずだといいます。理由はいたってシンプルです。本当に「非常に有利な話」なら、人に紹介する前に、借金してでも自分で投資しようと考えるはずだから。結果こそ人によってさまざまだとはいえ、そもそもマーケットとは、機会が平等に与えられているもの。誰でも参加でき、かつ同じ条件の下で競争するものなのです。ということは、マーケットで運用する限り、「あなただけに特別、有利な条件を提供します」などという投資商品は成り立つわけがないということ。もし間違ってこのような詐欺的な金融商品に投資してしまったら、その元金が返済される可能性は絶望的に低くなると著者はいいます。その証拠に、これまでの歴史のなかでも、さまざまな詐欺商品が登場しては摘発を受けてきたのだそうです。仮に事件化してから詐欺会社の資産を差し押さえ、被害者に分配したとしても、おそらく1割も戻ってこないだろうとのこと。少なくとも過去に事件化したものでは、被害者への分配率は数パーセントしかなかったそうです。数年前、米国の診療報酬債権に投資するとうたって、円建ての元本商品であるにもかかわらず高利回りを約束する投資詐欺があり、摘発されたのだそうです。著者が外資系の銀行で仕事をしているとき、この投資話を信じ込んで投資してしまった人が何人もいたのだといいます。明らかにおかしな話だったため、著者は「確証はないが詐欺の可能性もあるのでやめるべきです」と伝えたといいますが、彼らは一様に、「とれは特別な仕組みで新しい投資商品だから」といいはり、騙されているとは認めなかったのだそうです。しかしその結果、騙されてしまったということ。一見すると人のよさそうな営業担当者の甘言に騙され、退職金の半分をこのような詐欺商品につぎ込んでしまったら、悲惨な老後を送らなくてはならないことになります。資産運用や投資以前の問題として、「世の中においしい投資話はない」と心得ておかなければならないと著者は主張しています。*このように、銀行員だからわかる話が本書にはぎっしり詰まっています。お金の知識を身につけたい人にとっては、きっと役立つ一冊です。(文/書評家・印南敦史)【参考】※高橋忠寛(2015)『銀行員が顧客には勧めないけど家族に勧める資産運用術』日本実業出版社
2015年11月29日マインドフリーは11月20日、ソーシャルメディア・マーケティング事業の新サービスとして、同社のFacebook広告運用ツールである「adHub」を使用する「Facebookデータドリブンアドプログラム」を提供開始した。新サービスは、Facebook広告を経由したユーザーに対して、企業サイトでの商品・サービスの購入や資料請求・問い合わせなどの購買行動促進を最適化するという広告プログラム。一般的にWeb広告は配信後に効果を計測する傾向にあるが、同サービスでは一定期間の広告配信を3段階に分け、購買しやすいユーザー・クラスタを発見することで効果を最大化するとしている。まず、1段階目のテスト配信において、クリックや商品購入などのアクションを起こしやすいユーザー・クラスタを認識する。その後、2段階目としてアクションしやすい層に注力的に広告を配信。企業サイト上で購買しやすいユーザーを獲得した上で、3段階目として属性・行動傾向が似た新たなユーザーを抽出することで、精度が高くかつ広範囲な広告配信で顧客獲得を拡大できるという。同サービスでは複数ターゲティング・複数クリエイティブでの広告配信を一括管理・自動配信可能なため、煩雑なデータ整理を必要とせず、企業が今まで知り得なかった新しい潜在顧客層の発見に繋がるとのことだ。
2015年11月24日エクシードは11月19日、トレンドマイクロの総合サーバセキュリティ対策製品「Trend Micro Deep Security」を活用したセキュリティ運用設計および監視・運用サービスを提供開始すると発表した。同サービスでは、システム環境とセキュリティ要件を踏まえ、PCI DSS準拠運用サービスのノウハウを反映することで、「Deep Security」を活用した高品質なセキュリティ運用仕様を設計・導入するとともに、24時間365日リモートで「Deep Security」を通じてサーバのセキュリティシステムを監視・運用する。同サービスを利用することで、最新の防御・検知機能を活用し、未知の脆弱性を突く攻撃や攻撃手法の変化に対応可能なセキュリティレベルの高いシステムを活用可能になるという。同サービスはマルチクラウド環境およびハイブリッドクラウド環境にも対応しており、さまざまなシステム環境に適応する。各サービスのサーバ1台当たりの価格は、セキュリティ要件やシステム環境に対応したDeep Securityの導入・運用仕様書を作成を行う「設計」が3万円から、Deep Securityの導入を行う「導入」が1万円から、アラート監視、アラート別対応、設定変更、ログ分析報告、対策強化等のアドバイスを行う「運用」が月額6万5500円から(いずれも税別)。Deep Securityのバージョンアップと緊急を要する対応へのアドバイスは都度見積りとなっている。
2015年11月20日インターネットイニシアティブ(IIJ)は11月17日、複数のシステムを一元的に管理・運用する「IIJ GIO統合運用管理サービス」においてAPIを開発し、オープンソース統合監視ソフトウェア「Zabbix」との連携を開始したことを発表した。「IIJ GIO統合運用管理サービス」は、IIJのクラウドサービスをはじめ、利用者のオンプレミス環境や他社クラウドサービスなど、複数の拠点に点在するシステムを、IIJが利用者に代わり一元的に監視・運用するサービス。小規模システムの簡易な運用から大規模システムの高度な障害復旧まで、運用の範囲を細かく設定することができる。同サービスが提供するAPI機能を利用することで、オープンソース統合監視ソフトウェア「Zabbix」との連携が可能になった。これにより、利用者は現状のシステム監視の環境を変更せずに、「IIJ GIO統合運用管理サービス」の監視対象に含めることができるほか、複数あるサーバの監視アラートの統合的な運用や、監視アラートのレポートをサービスポータルの参照など、システム全体の効率的な運用が利用できる。価格は、初期費用は無料、月額利用料は税別1万9000円から。なお、同社では今後も、Zabbixと連携可能な監視ソフトウェアを拡充していく予定だという。
2015年11月17日富士通は、アプリケーション運用保守サービスを強化し、「FUJITSU Transformational Application Managed Services(Transformational AMS)」としてグローバル販売を開始する。2016年度中に欧州、米国、オセアニア、日本を含むアジアで順次提供を開始し、アプリケーション運用保守サービスの売り上げとしてグローバルで年率10%の伸長を目指す。「Transformational AMS」は、これまでに同社グループがユーザーサポートで培ってきたノウハウを活用することで、顧客アプリケーションの全ライフサイクルをサポートする運用保守サービス。顧客企業の業務プロセスに密接に関わることでコンサルティングも含め、従来型のアプリケーションとクラウド環境などで構築された次世代アプリケーションの双方を同時に保守サポートすることで、業務プロセスの変革を支援し、顧客満足度の向上や業務の効率化を実現。「Transition」、「Manage」、「Business Insight」、「Transform」で構成される4つのサービスメニューにより、顧客システムの全ライフサイクルをサポートすることを可能としている。Transitionでは、他社が提供するアプリケーション運用保守サービスから「Transformational AMS」へ移行する企業向けに、システム仕様、関連する業務プロセス、アプリケーションの利用形態などを継承した上で、最適なアプリケーション運用保守プロセスへの移行を支援する。Manageでは、カスタマーサービス手法「Sense & Respond」やDevOpsを適用した、同社グループのノウハウを組み込みグローバルに標準化したアプリケーション運用保守サービスを提供する。Business Insightでは、変化し続けるビジネス環境に対応して、さまざまな業種の顧客における業務プロセスの改善に向けた提案を行う。Transformでは、コンサルティングフェーズで提案した業務プロセス改善を実現するためのアプリケーション改修など、顧客システムの改修を行う。このサービスは、同社グループの世界6拠点で展開する41言語に対応したグローバルサービスデスクや、世界4拠点でインフラ管理とアプリケーションサービスを提供するグローバルデリバリーセンターなどを活用し、グローバルに標準化されたサービスを提供する。なお、このサービスは2015年11月18日~19日まで、独・ミュンヘンで開催される「Fujitsu Forum 2015」にて紹介する予定としている。
2015年11月17日楽天は12日、FinTechのスタートアップ企業に投資する「Rakuten FinTech Fund(ラクテン フィンテック ファンド)」の運用を開始したと発表した。運用資産額は1億米ドル(約120億円)。○まず北米と欧州の企業に投資同ファンドは、適切な戦略を立て魅力的な投資対効果でビジネスを展開する可能性がある初期段階から中期段階のFinTechのスタートップ企業に対して、世界規模で投資を行うもの。また、楽天がこれまで実施してきたFinTechへの投資の成功事例(Currency Cloud、WePay、Bitnetなど)に基づき発展させたもので、北米と欧州を中心とするスタートアップ企業や成長著しい企業に投資を行う。なお、同ファンドは起業家と楽天グループのFinTech事業楽天カードや楽天銀行、楽天証券などとの橋渡しをする役割も担っているという。楽天広報は「フィンテックの成長が著しい中、昨年から機会を探り、今年に入ってからBitnetなどへの投資を進めてきた。このような経緯から今回タイミングを見て(『Rakuten FinTech Fund』を)設立した」と話している。運用は、マネージング・パートナーであるオスカー・ミエル氏がファンド・アドバイザーとして実施する。まずはFinTechの中心都市であるロンドン、サンフランシスコ、ニューヨーク、およびベルリンの企業に対して投資し、将来的には他の地域にも拡大する予定としている。
2015年11月13日アールスリーインスティテュートは11月9日、サイボウズが提供するクラウド型の業務アプリ開発プラットフォーム「kintone」アプリケーションの利用・開発・運用をサポートする「gusuku(グスク)」を正式リリースしたことを発表した。「gusuku」はkintone上のアプリケーションのバージョン管理や配布管理を行えるほか、gusuku APIを利用したkintoneプラグインを利用することによって、kintone自体をさらに便利に活用できるプラットフォームとなっているという。今回の正式リリースは、約2カ月にわたるプライベートベータテストで利用者からフィードバックされた内容に加え、kintoneプラグインの第1弾として「添付ファイル保存プラグイン」がリリースされた。これにより、100MBを超える添付ファイルをkintoneアプリ上で利用することが可能となっている。サービス価格は、管理するkintoneアプリケーション数や添付ファイル保存ディスク容量によって、4つのプランが用意されている。月額料金無料のフリープランでは、アプリ数が10、添付ファイル保存ディスク容量が1GB。スタンダードプランでは、アプリ数が50、添付ファイル保存ディスク容量が10GB、月額料金が1,080円(税込)。プロフェッショナルプランでは、アプリ数が100、添付ファイル保存ディスク容量が100GB、月額料金が4,320円(税込)。エンタープライズプランでは、アプリ数が300、添付ファイル保存ディスク容量が300GB、月額料金が10,800円(税込)。今後もデータバックアッププラグインなど、順次リリースが予定されている。
2015年11月09日