伊藤若冲(いとう じゃくちゅう)や曽我蕭白(そが しょうはく)とともに「奇想の画家」のひとりとして国内外から注目を集める長沢芦雪(ながさわ ろせつ/1754–1799)の画業を紹介する大阪では初となる回顧展が、10月7日(土)から12月3日(日まで、大阪中之島美術館で開催される。江戸時代中期に京都を中心に活躍した画家・長沢芦雪は、写生画の祖である円山応挙の高弟だ。当初は応挙の画風を踏襲していたが、師の代理で紀南地方(現在の和歌山県南部)に赴き、無量寺をはじめとする寺院の襖絵を描いた頃から大胆な筆遣いを用い始め、師の画風の再解釈や変容によって独自の画風を確立した。その後は、卓越した描写力に加え、奇抜な着想、大胆な構図、斬新なクローズアップ、また人を驚かせ楽しませようというサービス精神から生まれるユニークかつユーモラスな表現など、その独特の作品で人気を博した。同展は、その芦雪の初期から晩年まで、また国内にある代表作から新たに見つかった初公開作品まで、重要文化財4件を含む選りすぐりの優品約100件を一堂に展観するものだ。大きな見どころは、芦雪が得意とした大画面の障壁画(襖絵)の傑作が一堂に会すること。西光寺(島根)、 無量寺(和歌山)、 高山寺(和歌山)、薬師寺(奈良)、大乗寺(兵庫)と、各地を訪れて現地制作した8作品が揃って出品されるのは、実に23年ぶりだという。代表作である無量寺の《龍・虎図襖》(重要文化財)をはじめ、龍、虎、猿、牛、鳥、犬など、芦雪ならではの生き生きとした動きに満ちた動物たちの絵も堪能できる。江戸中期の京都は、師の応挙以外にも個性的な画家たちを多く輩出した。同展では、後年に芦雪と同様に「奇想の画家」として脚光を浴びた若冲と蕭白の作品も展示される。芦雪の作品と比べて見る楽しみもあるだろう。今回はまた、常に新しい表現や手法を追求した芦雪の卓越した技法や繊細な筆遣いに注目するため、大画面で作品を探るデジタルコンテンツのプログラムも充実しているという。また、音声ガイドのナビゲーターは、歴史や文化・芸術に高い関心をもつ俳優の町田啓太さんが担当する。様々な面から、奇想の天才絵師・長沢芦雪の魅力に迫る待望の展覧会だ。<開催情報>『特別展生誕270年長沢芦雪ー奇想の旅、天才絵師の全貌ー』会期:2023年10月7日(土)~12月3日(日)会場:大阪中之島美術館4階展示室時間:10:00~17:00(入場は16:30まで)休館日:月曜(10月9日は開館)、10月10日(火)料金:一般1,800円、 大高1,100円、中小500円※ファミリーデーとして10月28日(土)、29日(日)は中小無料(保護者同伴に限る)公式サイト:
2023年09月19日言葉とは難しいもので、一文字違うだけで、まったく違う意味になってしまう場合があります。例えば、『つくえ』の最後の一文字を変えると『つくね』に、『さくら』の頭の一文字を変えれば『まくら』といった具合です。そんな惜しい間違いが、海を渡ったタイでも目撃されました。タイで見つけた日本語メニューが話題に「新メニュー紹介の日本語があと一歩だった」というコメントとともに、写真を投稿したのは、タイ在住の長沢正博(@masa_rocks)さん。抹茶とハチミツ、そしてレモンを組み合わせた新ドリンクメニューは、英語で『Iced Matcha Honey Lemon』と書かれていました。問題は、カタカナで書かれたフリガナ。本来であれば『アイスマッチャハニーレモン』というフリガナがつくはずですが、なんとも惜しい間違いが見つかってしまいました…!タイで新メニュー紹介の日本語があと一歩だった pic.twitter.com/LUyUoQMpUp — 長沢 正博 M. Nagasawa (@masa_rocks) June 8, 2021 オイ、オレの筋肉!!飲むのかい、飲まないのかい?どっちなんだい!?飲ーむ!!お笑いタレント、なかやまきんに君のギャグが聞こえてきそうなメニュー名です…!『マッチャ』と書くべきところが『マッチョ』となっている、日本語表記。長沢さんが「あと一歩」と表現するのも納得の惜しい間違いです。写真は日本国内で反響を呼び「流行りのプロテイン入りですかね」「かわいい」「逆に飲んでみたい」と、興味をそそられる人が続出。『マッチョ』と書かれているほうが、日本人観光客や現地在住の日本人の目にはとまりそうですね![文・構成/grape編集部]
2021年06月10日企画展「いちからわかる円山応挙と長沢芦雪」が、京都の嵯峨嵐山文華館にて、2020年5月23日(土)から7月13日(月)まで開催される。18世紀京都の画家・円山応挙と長沢芦雪にフォーカス18世紀の京都では、近年人気を集める伊藤若冲を筆頭に、数多くの画家が活躍した。その1人が円山応挙だ。応挙は「写生」に重きを置いた絵画で評価を高めたのち、現実には存在しない龍や、見たこともない中国の風景や人物などを描くこととなる。一方、応挙の弟子である⻑沢芦雪は、師とは異なる独自の作風を追求。本物よりも大きなサイズで⻁を描いた「⻁図襖」や、わずか3cm四方の紙に多数の高僧“羅漢”を描きこんだ「五百羅漢図」など、個性的な作品を数多く残した。“孔雀”や“虎”などの作品を比較「いちからわかる円山応挙と長沢芦雪」では、円山応挙と長沢芦雪の作品44点を展示。色鮮やかな牡丹と孔雀を描いた「牡丹孔雀図」や「虎図」など、題材を同じくする作品を並べることで、2人の画風の共通点や相違、作風の変化や魅力に迫る。初公開作品32点もまた、円山応挙の「仔犬図」や⻑沢芦雪の「絵変わり図押絵貼屏風」をはじめ、今回が初公開となる32点の作品も公開。応挙の「仔犬図」、芦雪の「梅花双狗図」や「喜雀図」など、仔犬や雀といった動物のかわいらしい姿を捉えた作品にも注目したい。展覧会概要企画展「いちからわかる円山応挙と長沢芦雪」会期:2020年5月23日(土)〜7月13日(月)[前期 5月23日(土)〜6月22日(月) / 後期 6月24日(水)〜7月13日(月)]会場:嵯峨嵐山文華館住所:京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町11TEL:075-882-1111開館時間:10:00〜17:00(入館は16:30まで)休館日:火曜日(祝日の場合は翌日)入館料:一般・大学生 900円(800円)、高校生 500円(400円)、小中学生 300円(250円)、幼児 無料※障がい者と介添人1名までは500円(400円)※( )内は20名以上の団体料金※常設展「百人一首ヒストリー」も観覧可※展示作品および展示期間は都合により変更となる場合あり
2020年05月28日企画展「長沢明展 オワリノナイフーケイ」が、新潟市美術館にて、2020年5月12日(土)から6月7日(日)まで開催される。長沢明・初の大規模個展長沢明は、新潟に生まれ、現在は山形を拠点に国内外で活躍する画家だ。大画面にトラなどのモチーフを描く長沢は、日本画を出発点にしつつもその伝統にとらわれず、素材の物質性に向き合いながら、新たな表現を生みだしている。初の大規模個展となる「長沢明展 オワリノナイフーケイ」では、各時期の代表作に加えて、継続的に描いているドローイングを貼りこんだ巨大な《マントラ》、そして立体やインスタレーションをおり交ぜ、作家の追い求める“風景”を紹介する。スケールの大きな作品の数々とりわけ注目は、スケールの大きな作品の数々。長沢を象徴するトラのモチーフを描いた《マウンテンII》や《Mother》、翼を大きく広げるトリ《ブルーバード》など、3mを超える代表作が並ぶ。また、古本を使用したダイナミックな立体作品や、新作によるインスタレーションも楽しむことができる。初公開のドローイングもさらに、切り絵などの手法によるドローイングを初公開するほか、初期作品の《鳥に舟》や、2019年に刊行された長沢初の絵本『あおいトラ』の原画なども展示。長沢の制作の秘密と、幅広い活動を見て取ることができるだろう。展覧会概要企画展「長沢明展 オワリノナイフーケイ」会期:2020年5月12日(土)〜6月7日(日)※当初は4月25日(土)~開幕予定だったが臨時休館にともない、開幕を延期。※5月10日(日)に開催予定だったワークショップは中止。※新潟市美術館は4月21日(火)~5月10日(日)までの間、臨時休館。※今後の状況により、さらなる変更が生じる可能性あり。決定次第、新潟市美術館公式ホームページ、Facebookなどにて告知。会場:新潟市美術館 企画展示室・常設展示室の一部住所:新潟県新潟市中央区西大畑町5191-9休館日:月曜日(5月4日(月)は開館)、5月7日(木)開館時間:9:30〜18:00(券売は閉館30分前まで)観覧料:一般 1,000円(800円)、大学・高校生 800円(600円)、中学生以下 無料※( )は20名以上の団体およびリピーター割引料金※障がい者手帳・療育手帳の所有者および一部の介助者は無料【問い合わせ先】新潟市美術館TEL:025-223-1622
2020年03月19日12月27日放送のフジテレビ系「直撃LIVEグッディ!」に、桑名正博さん(享年59)の息子を自称する桑名乃羅氏(42)が生出演した。乃羅氏の存在が世に知れ渡ったのは今月中旬。番組が報じたところによると、乃羅氏は背中に「全国行脚中」と書いた服を着て各地に出没。「桑名正博の長男で、乃羅(のら)です」と名乗っていたという。また福島の地元FM局番組や三重・四日市市内の飲食店などで、桑名さんのヒット曲「セクシャルバイオレットNo.1」などを熱唱。三重・四日市市の飲食店では客から“おひねり”を受け取ったり、知り合った人から旅費を無心。さらには、金銭トラブルも起こしていたというのだ。「報道が出ると、あっという間にインターネット上に“被害”が書き込まれました。テレビ各局のワイドショーにも、全国各地からタレコミの電話が入るようになったと聞きました」(芸能記者)同番組で乃羅氏は「先にSNSが出て、メディアが出て、便乗して出てくるのが多かった。リアルに会った人とかいっさいない。金銭トラブル自体もほとんどなかった」とトラブルを否定。また桑名さんの息子を名乗るまでの経緯については、「昨年、大阪でパパの幼なじみがくる店で『もう名前出してもいいんじゃないか』と言われた」と明かした。さらには、DNA鑑定に応じることを拒否しない意向を表明。また番組出演後、桑名さんの長男で歌手の美勇士(37)と初対面するという。「世間からは“ニセ息子”との声も上がっていますが、本当の息子だった場合は遺産相続など新たな騒動が勃発しそうです。DNA鑑定の意向を示したことで、ワイドショーも絶好のネタとしてさらに注目しています」(ワイドショー関係者)美勇士との対面の模様は、28日に同番組で放送予定だという。どのタイミングでDNA鑑定が実施されるかが注目される。
2018年12月27日木曜日連載、アート・ブックショップ「NADiff(ナディッフ)」各店による今読むべき1冊。今週は、現在愛知県美術館にて開催されている「長沢芦雪」展の公式図録『開館25周年記念 長沢芦雪展 京(みやこ)のエンターテイナー』。愛知・名古屋の支店・ナディッフ愛知(愛知県名古屋市東区東桜1-13-2 愛知芸術文化センター地下2階)によるご紹介です。■『開館25周年記念 長沢芦雪展 京(みやこ)のエンターテイナー』本書は、現在愛知県美術館にて開催されている「長沢芦雪」展の公式図録。江戸時代中期に京都で活躍した絵師長沢芦雪は、円山応挙の門下生で、今日では伊藤若冲や曾我蕭白と共に「奇想」の画家と称され、その人を驚かせ楽しませるエンターテイナーとしての資質を特徴とする画家の一人。展覧会では、46年の生涯の中で描かれた、最初期の作品から最晩年までの作品80点超が展示され、本書はその全作品をカラーで掲載。図録の表紙や展覧会ポスターに採用されている虎は無量寺(和歌山県)の襖絵に描かれたもの。一見迫力のある虎のようで、実は水辺の魚の目線から描かれた子猫を表したのだという。その構想の裏付けを解説するため、展示室では畳・柱・鴨居を設置してオリジナルに近い状態で鑑賞できるよう工夫されている。芦雪が「白像黒牛図屏風」で黒牛の足下に描いた子犬の愛くるしさは高い人気を集め、展覧会の解説役としても子犬が度々登場する。芦雪の絵画には他にも多くの動物が描かれており、その豊かな表情の表現力も注目される点である。ナディッフ愛知では、関連書籍や雑貨と共に、芦雪の絵画に登場する動物たちをHANSAのぬいぐるみで構成するフェアを開催中。なお、愛知県美術館の改修工事休館に伴い、ナディッフ愛知は11月20日より休業となる。【書籍情報】『開館25周年記念 長沢芦雪展 京(みやこ)のエンターテイナー』執筆:山下裕二、金子信久(府中市美術館)、岡田秀之(嵯峨嵐山日本美術研究所)、深山孝彰(愛知県美術館)、佐藤晃子(ライター)版元: 長沢芦雪展実行委員会言語:日本語ソフトカバー/220ページ/297×226mm発売:2017年価格:2,222円【展覧会情報】「開館25周年記念 長沢芦雪展 京(みやこ)のエンターテイナー」展会場:愛知県立美術館住所:愛知県名古屋市東区東桜1-13-2 愛知芸術文化センター10階会期:10月6日~11月19日開館時間:10:00~18:00(金曜日は20:00まで、入場は閉館の30分前まで)料金:一般 1,400円、高大生 1,100円、中学生以下無料休館日:月曜日愛知県美術館「長沢芦雪」展公式サイト
2017年10月12日