映画監督に出演役者の印象を伺っていく「監督は語る」シリーズ。今回とりあげるのは、俳優・長谷川博己(39)。数多くの舞台に立ち、故・蜷川幸雄さんにも才能を見出された役者の一人。2010年放送のNHKドラマ『セカンドバージン』で世間から広く注目を集めるように。その後『鈴木先生』『家政婦のミタ』など立て続けにヒット作に出演し、2016年には主演作『シン・ゴジラ』も控えている。映画『二重生活』(6月25日公開)では、門脇麦演じる大学院生・白石珠からある日突然尾行されはじめる編集者・石坂史朗を演じる。誰が見ても幸せそうなエリート一家の裏にある秘密を、珠だけでなくスクリーンの観客にも晒していくこととなるが、役者として冷静に作品と向き合っていたという。○長谷川博己の印象長谷川さんは本当に真面目ですね。キャリアのある俳優さんなので、作品全体のことを俯瞰しながら台本を読み込んだ上で、どう演じていくのかを考えてもらえました。本人は、実際に家族を持っているわけではないので「深みを出すのが難しいんじゃないか」と最初は躊躇したそうですが、役について話し合った結果演じてもらったものが、登場人物の中で一番エネルギーがありました。また、長谷川さんはコメディをたくさんやっているじゃないですか。コメディを演じられる役者さんって、体の中から出てくる言葉や動きを、すごく大切にしていると思うんですよ。そういう方だから、黙って何を考えてるのかわからない表情をしてもらった時に効くんですよね。いい意味で、不気味というか、不穏というか。見ている方がざわっとするような表情を見せてもらえました。○撮影現場での様子僕はその場でセリフを変えてもいいというスタンスの演出をするんですが、ラストに近づく場面ではかなり長谷川さんの意見を取り入れています。芝居を決めすぎないよう、あえてト書きを曖昧にしておいたのですが、結果としてシーンに深みが出たと思っています。長谷川さんが全体を見て、冷静に演じてくれたおかげですね。あとは長谷川さん演じる石坂と愛人の女性が、ビルとビルの間で……というシーン。男性だけでなく、女性も持っているエロさをあの"隙間"に集約しました。長谷川さんは映画全体から見て必要なシーンに、本当に真面目に取り組んでくれる方なので、撮影現場でも全く戸惑いは見られませんでした。○おすすめシーン自分を尾行していた人間と対峙した後、立場が逆転して強くなっていくシーンでしょうか。得体の知れない表情に、長谷川さんの演じている役の内面が浮き出てきて、とても見ごたえのある場面になっていると思います。あと、初めて珠と目を合わせるシーンがあるんですが、あの場面の長谷川さんはすごく色気がある。これまで尾行を続けていた珠の目線では、石坂まで距離があって、細身で軽やかな印象だったのが、珠を認識した瞬間から実体のある、生身の男になった。その時の顔は、凄まじいほどに色気がありました。■作品紹介映画『二重生活』大学院で哲学を学ぶ珠(門脇麦)は、修士論文の準備を進めていた。担当の篠原教授(リリー・フランキー)は、ひとりの対象を追いかけて生活や行動を記録する"哲学的尾行"の実践を持ちかける。同棲中の彼(菅田将暉)にも相談できず、尾行に対して迷いを感じる珠は、ある日、資料を探しに立ち寄った書店で、マンションの隣の一軒家に美しい妻と娘とともに住む石坂(長谷川博己)の姿を目にする。作家のサイン会に立ち会っている編集者の石坂がその場を去ると、後を追うように店を出る珠。こうして珠の「尾行する日々」が始まった。6月25日公開。(C)2015『二重生活』フィルムパートナーズ
2016年06月27日小栗旬や藤原竜也をはじめ、現在第一線で活躍する俳優・女優たちを厳しくも愛を持って育ててきた故・蜷川幸雄。多種多様なキャスティングと独創的で強烈な演出で“世界のニナガワ”としてその名を轟かせた蜷川さんの傑作舞台「彩の国シェイクスピア」シリーズ全22作品が、映像配信サービス「dTV」にて独占配信中だ。去る5月12日、惜しまれつつも80歳でこの世を去った世界的な演出家、蜷川さん。“演劇界の革命児”とも呼ばれ、国際的にも高く評価された舞台演出家として文化勲章も受賞するなど、数々の功績を残してきた。現在、dTVの「シアターチャンネル」では、そんな巨匠による傑作舞台「ロミオとジュリエット」をはじめとした名作を配信中。さらに、映像配信サービスでは初めてとなる「彩の国シェイクスピア」シリーズ全22作品を独占配信がスタートしている。現在は夫婦となった市村正親と篠原涼子が初共演した名作悲劇「ハムレット」をはじめ、小栗さんが主演を演じ、男性俳優のみが集結した“オールメール・シリーズ”の名作「お気に召すまま」や「間違いの喜劇」、阿部寛、藤原さんらが出演し、シェイクスピア作品の中でも特に人気が高いローマ悲劇「ジュリアス・シーザー」、唐沢寿明、田中裕子、長谷川博己などによる「冬物語」など、数々の名作を名優たちの演技と共にもう一度楽しむことができる。<配信タイトル>(全22作品)「十二夜」「リチャード三世」「ハムレット」「ペリクリーズ」「タイタス・アンドロニカス」「間違いの喜劇」「マクベス」「お気に召すまま」「コリオレイナス」「恋の骨折り損」「オセロー」「リア王」「から騒ぎ」「冬物語」「ヘンリー六世」「じゃじゃ馬馴らし」「アントニーとクレオパトラ」「シンベリン」「トロイラスとクレシダ」「ヘンリー四世」「ヴェニスの商人」「ジュリアス・シーザー」蜷川幸雄「彩の国シェイクスピア」シリーズはdTVにて配信中。(text:cinemacafe.net)
2016年06月16日元AKB48で女優の前田敦子(24)が16日、自身のツイッターを更新し、12日に亡くなった演出家の蜷川幸雄さんへの思いをつづった。2014年に蜷川さん演出の舞台『太陽2068』で舞台に初挑戦した前田は、「2年前に私を新しい世界に優しく手招きして導いてくださった蜷川さんには、一言で言えないくらい本当に感謝しています」と追悼。そして、「教えて頂いた言葉がずっと巡っています。文章には書き表せられない心のなかにだけ止めて置きたい感情も沢山あります」とつづり、「教えて頂いた全てをずっと大切にしていきます」と誓った。
2016年05月17日演出家・宮本亜門が、12日に亡くなった演出家の蜷川幸雄さんに対して、所属事務所を通じて追悼のコメントを発表した。宮本は「日本の創作力をこれほど世界に知らしめた演出家はいません」と蜷川さんの功績に触れた。更に、蜷川さんから「俺はこんな苦労してモノクロで革命を起こしているのに、なんで亜門はカラフルにそれをできるんだ」と言われたエピソードを明かしながら、蜷川さんこそが「日本の魅力を力強く、大胆に、美しい革命を世界に魅せつけたクリエーター」だったと語る。そして、同じ演出家として「蜷川さんが全身全霊で伝えてくれた、生きるパッションとクリエーションの力を、自分なりに精一杯受け継ぎたいと思います」と決意を表明した。■宮本亜門コメント日本の創作力をこれほど世界に知らしめた演出家はいません。「俺はこんな苦労してモノクロで革命を起こしているのに、なんで亜門はカラフルにそれができるんだ」とおっしゃっていましたが、これほど見事に日本の魅力を力強く、大胆に、美しい革命を世界に見せつけたクリエーターはいません。心からご冥福を祈ると共に、蜷川さんが全身全霊で伝えてくれた、生きるパッションとクリエーションの力を、自分なりに精一杯受け継ぎたいと思います。
2016年05月13日俳優・藤原竜也が、12日に亡くなった演出家の蜷川幸雄さんに対して、所属事務所を通じて追悼のコメントを発表した。藤原は「最期に会えて良かったです」と、蜷川さんが亡くなる前日、病院にお見舞いに行ったことを明かした。1997年、蜷川さんの舞台『身毒丸』主役オーディションで抜擢されてデビューした藤原は、「僕を産んでくれたのは蜷川さんです。沢山の演劇人生をありがとうございました」と感謝の言葉を捧げ、「真面目に突き進んでいきます」と思いを表した。藤原の代表作となった舞台『身毒丸』は1998年、2002年、2008年と再演。藤原は更に『ハムレット』(2003年、2015年)、『ロミオとジュリエット』(2004年~2005年)などのシェイクスピア作品や、『唐版 滝の白糸』(2000年)、『下谷万年町物語』(2012年)といった唐十郎作品など、多くの蜷川演出作品に携わっていた。■藤原竜也コメント最期に会えて良かったです。僕を産んでくれたのは蜷川さんです。沢山の演劇人生をありがとうございました。真面目に突き進んでいきます。
2016年05月13日俳優の吉田鋼太郎が、12日に亡くなった演出家の蜷川幸雄さんに対して、所属事務所を通じて追悼のコメントを発表した。吉田は「偉大な演出家であり、最大の恩師であった蜷川さんの訃報に言葉が見つかりません。今はまだこの現実を受け止められておりません」と悲しみを綴った。吉田はシェイクスピア劇、ギリシア悲劇など広く舞台俳優として活動しており、近年はNHK連続テレビ小説『花子とアン』(2014年)、テレビ東京系ドラマ『東京センチメンタル』(2016年)など、映像での活躍も注目されている。蜷川作品においても常連であり、『タイタス・アンドロニカス』(2004年、2006年)、『オセロー』(2007年)、『アントニーとクレオパトラ』(2011年)、『ヘンリー四世』(2013年)などの作品で主演を務めていた。
2016年05月13日俳優の市村正親が、12日に亡くなった演出家の蜷川幸雄さんに対して、所属事務所を通じて追悼のコメントを発表した。現在67歳の市村は「50歳でリチャード三世で初めて演出して頂きました」と、蜷川さんとの初タッグ作品を挙げる。その後、53歳で演じたハムレットについて「イチ(市村)でハムレットをやりたいと言われ、こんなに光栄な事はありませんでした」と綴った。更に市村は「蜷川さんの代表作NINAGAWA・マクベスをやらせて頂きました」と2015年に出演した蜷川作品に触れ、「最後の演出でしたが、ニーナと出会う事が出来て本当に役者としてシェークスピア俳優にさせて頂きました。感謝してもしきれません」と故人への謝意を表しながらも、「悔しいです! 淋しいです!」と思いをにじませた。■市村正親コメント50歳でリチャード三世で初めて演出して頂きました。その後ハムレットを53歳。イチでハムレットをやりたいと言われ、こんなに光栄な事はありませんでした。そして蜷川さんの代表作NINAGAWA・マクベスをやらせて頂きました。渾身の魂からの演出に心から感謝です。最後の演出でしたが、ニーナと出会う事が出来て本当に役者としてシェークスピア俳優にさせて頂きました。感謝してもしきれません。運命を呪います。しかし現実を受け止め、これからは天国からの演出に心を傾けたいと思っています。悔しいです! 淋しいです!
2016年05月13日NHK・BSプレミアムは、6月より連続ドラマ「ふれなばおちん」の放送を発表した。主演には女優・長谷川京子が出演し、夫以外の男性と甘く切ない恋に落ちるアラフォー主婦に挑戦することがわかった。また、長谷川さんは「母だって、妻だって、女なのだ。そんなことをフと思う機会が多くなっていた、そんな時に頂いたお話です」とオファー時の心境を述べていた。ある朝、社宅で暮らす上条夏(長谷川京子)は主婦仲間から噂話を聞いた。友人でもある小牧莉絵(戸田菜穂)が、夫と息子を残して恋人と家出してしまったというのだ。家庭が何よりも大切と思う夏にとっては、到底信じられないことだった。そんな夏に莉絵から電話が来る。悪びれた感じもなく、女として充実した時間を送っているという。ほどなくして、階下に若い男・佐伯龍(成田凌)が越してくる。彼は、夫・義行(鶴見辰吾)のもとで働いているというのだ。夏の心の何かが、ざわめき始める――。ドラマ化もされた漫画「斉藤さん」の原作者・小田ゆうあが、“主婦の純愛”をテーマに描く同名コミックが原作。日常生活の中で潤いやときめきを忘れた主婦たちが恋に落ちていく、危うくも切ない心情をリアルに描き、同世代の女性たちの共感を得ている。タイトルの「ふれなばおちん」とは、触れられただけで恋に落ちてしまう、危うい心情にいる女性を表現した言葉だ。また、脚本は「失恋ショコラティエ」「アンダーウェア」などを手掛けた恋愛ドラマの名手・安達奈緒子が担当している。キャストには、主人公の長谷川さんのほか、夏が心を寄せる年下男性、役者志望の佐伯龍役に、「学校のカイダン」「いつかティファニーで朝食を」に出演し、いま注目の若手俳優・ 成田さん。そして、夏の夫・義行役には鶴見辰吾、夏の相談相手で家族を捨て不倫に走る主婦・小牧莉絵役を「ショムニ」「anego」の戸田菜穂が好演。そのほか、古畑星夏らも出演する。大河ドラマ「八重の桜」では、気丈で苦難に耐える幕末の女性を見事に演じ切った長谷川さん。今年は多数の作品に出演し続け、幅広い役の演技で注目を集めているが、本作では、夫以外の男性との恋に落ちる主人公の秘めた恋心を時に愛しく、時に苦しく演じるという。「倫理的にあってはならない、だから故の夏と龍のプラトニックな恋愛がこちょばく、また、胸を締め付けられます」と本作について語る長谷川さんは、同時に「こんなに積極的に、そして情熱的に向かってきてくれる男性を探すことが難しい近頃。観て頂ける方皆さんに夏になってもらい、この作品の世界観を堪能してもらえるように、頑張ります」と意気込みのコメントも寄せていた。“夫は大事です。家族のために生きてきました。けれど、好きな人ができました。でも、この恋は秘密です。内緒の恋です――。”アラフォー主婦の秘めた恋を絶妙な心理描写で描く本作は、同世代のみならず、多くの視聴者の共感を集めることだろう。「ふれなばおちん」は6月28日(火)23時15分~NHK・BSプレミアムにて放送開始(全8話)。(cinemacafe.net)
2016年05月13日写真家で映画監督の蜷川実花氏(43)が12日、自身のインスタグラムを通じ、父で演出家の蜷川幸雄さんが同日に亡くなったことを明かした。80歳だった。実花氏は、格子越しに桜が映し出された写真を投稿。「今日、父が逝ってしまいました」と報告し、「最期まで闘い続けたかっこいい父でした。父の娘でいられたことを誇りに思います」とつづった。ファンからは700件を超える追悼コメントが続々と寄せられている。蜷川さんは昨年12月に軽度の肺炎で入院。今年2月から舞台を上演予定だったが、十分に回復しなかったことから延期が発表されていた。
2016年05月12日蜷川幸雄さんや野田秀樹さんからその才能を高く評価され、“演劇”の枠を超えた人気を獲得しているマームとジプシー。いま最もホットな劇団が、新たに誕生するホール「LUMINE 0」のオープニングを飾る。主宰であり作・演出の藤田貴大さんが上演作に選んだのは、「海外に持っていくことを念頭に」作った『てんとてん…』と『カタチノチガウ』、そして「思い入れがある」という『あっこのはなし』の3作。「演劇って、どこか高尚で敷居が高いイメージがありますよね。それをもっとカジュアルにできないかというのが今回のテーマなんです。セレクトショップみたいに、服や化粧品を買ったり、CDを選ぶのと同じ線上に演劇を並べることができないかと思うんです。そういう軽やかさが新しい時代に行く演劇なのかなと」(藤田さん・以下同)近年、東京芸術劇場や彩の国さいたま芸術劇場と組んだ作品づくりなどもおこなっている藤田さん。しかしその一方で、「小さな空間で、かぶりつきで観る演劇ならではの質感とか尊さも大切にしたい」と話す。「正直、3作品を同時に稽古しているわけで、それはすごく大変なことではあるけれど、それと同時に面白さもあるんですよね。ツアー公演の時に、僕らが持っていくのって、せいぜいスーツケースひとつぶん。役者さんが床に線を引いて荷物を広げたら、すぐに芝居が始められるんですよ。今回も、同じ舞台に物が少し置かれただけで作品が変わるわけです。展示替えのように、3日おきに新作が入荷しました、みたいに見えたらいいですよね」◇4月28日(木)~5月8日(日)ルミネ ゼロ4月にオープンしたJR新宿駅直結の複合施設、NEWoMan内。東京都渋谷区千駄ヶ谷5‐24‐551作品4000円マームとジプシーTEL:070・5454・7311mum_gypsy@yahoo.co.jp◇ふじた・たかひろ1985年、北海道生まれ。'07年にマームとジプシーを立ち上げ、全作の作・演出を担当。'11年に岸田戯曲賞受賞。'14 年に野田秀樹作『小指の思い出』を上演し話題に。※『anan』2016年5月4日‐11日合併号より。写真・小笠原真紀インタビュー・文・望月リサ
2016年05月02日国民的新聞漫画『サザエさん』の生誕70周年を記念して4月28日から5月22日まで、作者である長谷川町子にフォーカスした「よりぬき長谷川町子展」が京都・美術館「えき」KYOTOで開催される。『サザエさん』を生み出した長谷川町子は、幼いころから絵の才能に恵まれ、14歳のとき田河水泡に弟子入りすると、翌年日本初の女性漫画家としてデビュー。これまでに普遍的なユーモアとそれを表現する卓越した画力で多くの人々を魅了してきた。同展では、長谷川町子美術館の全面協力のもと、昭和の文化史に残る長谷川町子の生涯と知られざる豊かな創作世界を全5章に分けて紹介する。第1章の「15歳の天才少女」では、『サザエさん』以前の仕事を紹介。デビュー作や戦時中の仕事、初めての新聞連載などを貴重な掲載紙やパネルなどで展示する。第2章「サザエさん登場!」では、厳選した原画100枚や掲載紙の複製、単行本などでその人気ぶりを紹介。第3章「いじわるばあさん」では、強烈な個性を持ちつつもどこか憎めない『いじわるばあさん』をはじめとした『サザエさん』以外の漫画作品を紹介する。続いて第4章の「町子の絵本」では、戦前からつながっている『動物絵本』や、漫画と連動した『サザエさん絵本』、『町子えほん』などといった絵本の原画を展示。第5章の「うちあけ話」では、町子とサザエさんが重ねあわせてイメージされることが多くなったことから書かれた自伝的な漫画入りエッセイ『サザエさんうちあけ話』などについて紹介される。また、会場では展覧会記念グッズも販売される予定だ。【イベント情報】「よりぬき長谷川町子展」会場:美術館「えき」KYOTO住所:京都府京都市下京区東塩小路町657会期:4月28日~5月22日時間:10:00~20:00(入場は19:30まで)料金:一般800円、高大生600円、小中学生400円会期中無休
2016年04月23日カゴメは3月17日、モデルの長谷川潤さんを招き、生鮮飲料「GREENS」の新アンバサダー就任式を開催。2児の母親でもある長谷川さんが、ハワイでの子育てについて語った。○子どもがうまれて「食生活」が変わった2011年に結婚し、現在はハワイ在住の長谷川さん。子どもがうまれてからは、特に食生活に気を配るようになったという。「もともと野菜が好きではなかったのですが、子どもができて、どんどん野菜が好きになってきました。というより、好きになるように努力をしています。子どもたちは私をまねするし、子どもは親の鏡だと思うので」とコメント。子どもには食べ物の好き嫌いもあるとのことだが、「食材の切り方を変えたりとか、好みそうな味つけにしたりとか、いろいろ挑戦しています。全然うまくいかないときもあるんですけどね」と笑顔で語ってくれた。ハワイにいるときは完全な"主婦の生活"を楽しんでいるという長谷川さんは、料理上手になるために日々努力を重ねているという。子どもたちが好きなメニューは意外にも「おにぎり」。日本の食材を販売しているスーパーに通い、日本食も楽しんでいるようだ。○家の中でも英才教育!?また子どもたちの教育についても、エピソードを披露してくれた。ハワイでのコミュニケーションは英語が主流だが、長谷川さんが子どもと話すときは「日本語」だけ。「家の中では英語禁止にしています。学校では英語を学ぶので、日本語が教えられるのは私だけだから」とのことで、「夫は中国語が話せるので、目指せ3カ国語ですね! 」と意気込んだ。ハワイで生活しながらも日本に対する思いは強く、「いつか子どもたちと日本で暮らす機会も作りたい」と話した長谷川さん。以前日本を訪れた時は、いちご狩りを楽しみ、旬のフルーツを家族で味わったそうだ。「ハワイは季節感があまりありません。今しか収穫できないいちごを食べるのは、いい経験になるかなと思いました。バクバクと食べていましたよ」と子どもたちの様子をうれしそうに語った。野菜中心の生活を送ることが美の秘訣(ひけつ)にもつながっていると話した長谷川さんは、子育てをしながらも週に2回はヨガに通っているという。2児の母とは思えないプロポーションと、周りを一瞬で明るくしてしまう笑顔が印象的な彼女のライフスタイルに今後も目が離せない。
2016年03月17日初演から36年が経った伝説の名作『元禄港歌―千年の恋の森―』に、宮沢りえが挑む。『近松心中物語』で知られる秋元松代の戯曲を初演と同じく蜷川幸雄が演出するこの舞台。許されない恋を抱えた瞽女を演じる宮沢は、情感あふれるこの物語にどう命を吹き込むのか。舞台『元禄港歌 -千年の恋の森-』チケット情報物語の舞台となるのは、江戸は元禄の時代の播州の港町。秘密を背負った母子、結ばれない男女など、瞽女の一行と大店の人々をめぐる幾重にも重なった宿命が、哀しく切なく描かれる。「野田秀樹さんや唐十郎さんといった、自分がこれまでやってきた舞台とはまったく異なる世界観の作品。女の情念みたいなものをそのままさらけ出すような、演じたことのない役でもあるので。蜷川さんがまた私にハードルを与えてくださったなと受け止めています」。演じる瞽女の初音は、これまでに太地喜和子や富司純子が演じてきた役。盲目の女芸人として生きる純粋な覚悟や女性としての激しさ、さまざまな情感を体現することを求められる。「目が見えない人間には何が見えるのか。目に映らないものが心にどう映るのか。そういう探求がこれから待っているかと思うとすごく楽しみなんです。深く考えれば考えるほど見えてくるものがあると思うから、その思索を大事にしたいですね」。瞽女一行をまとめる母のような存在を市川猿之助が演じるが、女方の共演はかつて坂東玉三郎と経験している。「女方の表現とどう交われるのかっていうのは、今度も緊張しますけど、だからこそ楽しみです。学ばせていただくこともきっといっぱいあるだろうなと思いますし、私も私なりにお返しできるような表現ができたらいいなと思いますし。ただ、お芝居というのは肉体ではなく魂の問題だと思うから。男性の猿之助さんも女性の私も同じところにいるんじゃないかなと思っています」。まさしくその魂が自由な人なのだろう。「お芝居のなかでは、誰を愛しても殺してもいい(笑)。不思議な仕事だなと思うけど、そういう意味では、お芝居をしているときがいちばん、身も心も自由になれて、深く呼吸ができる気がします」。今の時代にはない人間の関係や感情が描かれるこの舞台でもきっと、自在にあふれるものを見せてくれるはずだ。「今この作品をやる意味、私が参加させてもらう意味というのがあると思うので、それをちゃんと自覚しながら、この時代の人たちの思いを伝えることに試行錯誤したいです」。伝説の舞台は、心震わせるものをもたらしそうだ。公演は2016年1月7日(木)より東京・シアターコクーン、2月6日(土)より大阪・シアターBRAVA!にて上演。現在、ほぼ完売状態の東京公演は、チケットぴあにて立見券を発売中。取材・文:大内弓子
2015年12月11日『劇場版 MOZU』ヒット御礼舞台あいさつが11月18日に都内劇場で開催され、主演の西島秀俊をはじめ、共演の長谷川博己、羽住英一郎監督が登壇した。ヒット御礼舞台あいさつ/その他の写真TBSとWOWOWの共同製作で2シーズンにわたり放送された人気サスペンスシリーズの待望の劇場版にして完結編。シリーズを通じて謎の存在とされてきた“ダルマ”の正体が明らかになると共に、全ての謎に決着がつけられる。今回の『劇場版 MOZU』のプロモーションで、長谷川が舞台あいさつに立つのは初めて。西島は長谷川を「TVシリーズからの戦友」と語り、揃っての登壇を「本当に嬉しいです」と笑顔を見せた。長谷川はノリノリで、自身が演じた東が発する「チャオ!」というセリフで挨拶し会場をわかせる。これには西島も「いきなり“生”チャオを見られると思ってなかったので感動しちゃった(笑)」と大喜び! ちなみにこの東の「チャオ」に関して、長谷川はその誕生の秘話を告白。「池松(壮亮)さんとのシーンで、車に乗って東が去っていくシーンですが、リハーサルが終わった後に監督が『ここは最後に東の狂気を見せてください』と仰って、すぐに『よーい、スタート!』となったんです。どうしよう? 何を言ったらいいのか? と思ったら、車がイタリア車のマセラティだったので『チャオ!』と言いました」ととっさにイタリア車を目にして生まれたアドリブであったと明かし、場内は驚きに包まれた。今回の映画でも、西島は長谷川の狂気じみた芝居を目の当たりにして驚いたよう。特にカーアクションのシーンに触れ「結構、危ないんですが、あんなふざけたことをやってる!」と語り、長谷川は慌てて「ふざけてるわけじゃなくて、演技は真面目にやってます!」と苦笑交じりに訴えていた。TVシリーズから2年以上にわたった『MOZU』シリーズも完結となり、この舞台あいさつが最後のプロモーションとなるが、羽住監督は改めて西島に「文字通り、体を張って満身創痍で演じ切ってくれました。おつかれさまでした」とねぎらいの言葉を掛ける。西島は「『MOZU』という作品は観客のみなさんに育てていただいた作品です。みなさんが見て育ててくださったから、これだけ充実した作品になりました」とファンへの感謝の言葉を口にし、最後に深々と客席に頭を下げた。『劇場版 MOZU』公開中
2015年11月18日「anan」1967号8/19発売は「愛される心理術。」特集。今週の表紙作成ストーリーを紹介します。長谷川潤さんのナチュラルさ、実は計算!?長谷川潤さんといえば、ナチュラルビューティの代名詞的存在。飾りっけもなく、天真爛漫で常に笑顔。あざとさや計算高さ、媚びとは程遠いイメージ。ところがどっこいです!すごーく計算された“自然体”だったことが今回インタビューで判明!人と接する時の距離感、異性に対しての接近法……実はかなり考えた上でしているのだとか!!詳しくは、本誌のインタビューでご確認いただければと思うのですが、後々考えると撮影中にも長谷川さんのかけひき術が潜んでいたような。まずは最初の挨拶。スタジオに入ってくるなり、手を挙げ「おっはよーう!」と陽気な挨拶で現れた長谷川さん。とたんに現場が華やぎ、初対面の私も話しかけやすい雰囲気に(気づけば馴れ馴れしく「潤ちゃん」と呼んでいました)。後のインタビューで「相手の気持ちを和らげること」が長谷川さん的な心理テクの序奏だと明かされ……もしやあの時の挨拶も既に仕事上でのかけひき術のスタート??ということにはじまり、記憶を巻き戻せばなんだか「もしやもしや」と思い当たることばかり。もちろん接している間はこちらにまるで気を使わせず、気づけばみんないい気分で仕事していたので、見かけは“自然体”なのですが。かけひき術はもはや相手への思いやりと同義かも!と気づかされた撮影でした。(N)
2015年08月18日俳優の長谷川博己が6月27日(土)、東京・TOHOシネマズ新宿で行われた主演作『ラブ&ピース』の初日舞台挨拶に登壇し、「これからも『ラブ&ピース』の精神で生きていきたい」と宣言。願いがかなうなら「優等生的な答えですが、やっぱり世界平和」と語った。長谷川さんが演じるうだつの上がらないサラリーマンが、偶然出会った不思議なミドリガメに導かれ、人気絶頂のロックスターに転身するというファンタジックなラブストーリー。舞台挨拶には長谷川さんをはじめ、共演する麻生久美子、西田敏行、マキタスポーツ、園子温監督が出席。一度はあきらめた願いをかなえる主人公にちなみ、「不動産がほしい」(麻生さん)、「世界平和と不動産」(西田さん)、「去年生まれた双子の子育てを誰にが手伝ってほしい」(マキタさん)、「早く子どもが欲しい」(園監督)と各々の“願い”を語った。25年前に自身が書き上げたオリジナル脚本を映画化した園監督は、「ずっと地下に沈んでいた台本を、(映画として)ようやく皆さんにお披露目できて、僕もうれしいです」と感無量の面持ち。長谷川さんを主演に起用した理由を「前回の『地獄でなぜ悪い』の流れで…」と明かすと、当の長谷川さんは「それだけですか?」と苦笑い。主人公が歌やギターを披露するシーンもあるが、「長谷川さんは歌もギターもできないと後から知って、演奏できる人を起用すべきだったと後悔した(笑)」(園監督)、「こちらが『演奏できないですけど、いいですか?』と言ったら、監督は一瞬戸惑っていましたね。もちろん、練習はしましたし、作曲も手がける監督がなかなか曲を作ってくれないので、家に押しかけた」(長谷川さん)と笑いを誘っていた。『ラブ&ピース』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ラブ&ピース 2015年6月27日よりTOHO シネマズ新宿ほか全国にて公開(C) 「ラブ&ピース」製作委員会
2015年06月27日幻冬舎は4月23日、アラサー女性向けファッション誌「GINGER(ジンジャー)」6月号を発売した。同誌では、モデルの長谷川潤が表紙に初登場している。○モデル・長谷川潤が9カ月ぶりに始動魅力的なビッグスマイルとハッピーオーラで絶大な人気を集めるモデルの長谷川潤が、同誌の初カバーとなって登場。ハワイでの第2児出産を経て、ますます美しさに磨きがかかる彼女が、「"幸せを運ぶ"服とは?」をテーマに最新のファッションを着こなす。洋服への思いだけでなく、普段は語られない家族、そしてプライベートなことまで語ったインタビューが掲載される。そして、なによりも注目は、"大人の肌見せ"を200%表現したビジュアル。「思いきってインナーなしのスタイルに挑戦したら、驚くほど自分にフィットした」と発言したコーデは、大胆な露出が早くも話題となっている。"盛る"ばかりだった若いときにはわからなかった、大人ならではのファッションの"引き算"テクニックを披露。これまでに見たことの無い、大胆でナチュラルな大人の女性の魅力、輝きを存分に放つ新しい"長谷川潤"に出会える誌面となっているという。価格は670円(税込)。
2015年04月24日『愛のむきだし』『ヒミズ』の園子温監督作品ながら、“誰も死なない&エロくない”という園監督が新境地を見せる映画『ラブ&ピース』。そんな本作で、主演の長谷川博己が劇中でロックバンドを結成し、魂の歌声を披露していることが明らかとなった。本作の舞台となるのは、2015年ーー来る東京オリンピックに向けて湧く東京。主人公は、うだつの上がらない日々を過ごすサラリーマン・鈴木良一(長谷川博己)。ある日、良一はデパートの屋上で一匹のミドリガメと目が合い、運命的なものを感じる。あきらめたロックミュージシャンへの道、まともに話せないが恋心を抱いている寺島裕子(麻生久美子)への想い。人生を取り戻すのに必要な最後の欠片(ピース)、それが…そのミドリガメだったーーというひとりの男が行きあった奇想天外な物語が展開する。そんな本作で長谷川さんは、バンド「レボリューションQ」を結成している。そのデビュー曲として、園監督自ら作詞・作曲した渾身の一曲「ラブ&ピース」を長谷川さんが実際に劇中で歌唱。一度聞いたら耳から離れない、心振るわせる魂の歌声を披露しているのだ。長谷川さんの歌う「ラブ&ピース」を収録した、オリジナルサウンドトラックの発売も決定。本作の主題歌である「RCサクセション」の泣ける名曲「スローバラード」を始め、他にも、日本を代表する音楽プロデューサー・福田裕彦が手掛けた印象的な劇伴音楽が収録され、園子温ワールドを堪能できる、ファン垂涎の1枚に仕上がっている。ちなみに、実は園監督、脚本制作当時に伝説のロックスター・忌野清志郎氏へ主演のオファーを出したそうなのだが、申し出を断られ映画化は実現せず…。20年のときを経て“主題歌”という形で忌野氏の映画参加を現実させたそうだ。『ラブ&ピース』は6月27日(土)よりTOHOシネマズ新宿ほか全国にて公開。オリジナルサウンドトラックは6月3日(水)より発売。(text:cinemacafe.net)
2015年03月27日まもなく放送開始の月9ドラマ「デート~恋とはどんなものかしら~」完成披露試写会が1月12日(月・祝)に開催され、主演の杏、長谷川博己をはじめ、国仲涼子、中島裕翔(Hey! Say! JUMP)、松尾諭、風吹ジュン、和久井映見、松重豊が舞台挨拶に登壇した。月9枠では1年ぶりの恋愛ドラマで、「リーガルハイ」シリーズ、「鈴木先生」といった話題作を手がけてきた古沢良太の脚本による本作。共に結婚を単なる契約に過ぎないと考える“恋愛力ゼロ”の依子と巧が恋愛感情を持たないままに結婚という明確なゴールを目指してデートを繰り返していくさまを描き出す。東大出身でマクロ経済の動向を予測するエキスパートという理系の超合理主義者・依子を演じる杏さんは、役柄の衣裳の野暮ったいメガネ姿で登場。自己紹介でも役柄そのままに理詰めで早口の口調で挨拶し笑いを誘う。本作について「“ロマンチックラブコメディ”と銘打ってますが、ロマンチックの90%くらいは横浜の景色で補ってます(笑)」とあくまで自分たちのやりとりはコメディであると強調。父親役を演じる松重さんは、依子と巧の2人は「変態です(笑)」と断言するが、杏さんは「2人は常軌を逸脱してますが(笑)、私たちが普段、思っている“恋愛”に鋭い切り口で切り込んでいます。面白い脚本が続いています!」と充実の表情を見せる。長谷川さんが演じる巧は文学や映画、エンターテイメントが好きな母親と暮らすニートだが、自らは“高等遊民”と称しており、母親がいなくなった時のための新たな“寄生先”として依子との結婚を目指しており長谷川さんも「最低な男です(苦笑)」と認める。「僕なんかに月9のお話が来るようになったのか…と思ったら、ニートの高等遊民と聞いて『なるほど、そういうことか』と思いました(笑)」と漏らす。この“最低な男”を長谷川さんも楽しんで演じているようで「普通は口に出して言っちゃいけないことをいうのは楽しいです。毒を吐いて、デトックス効果を感じて気持ちいです」と笑顔で語っていた。この先、2人がどんな道を歩み、どんな結末を迎えるのか気になるが、杏さんは「変わっていって恋愛を見つめ直すのもアリだし、いっそこのまま変わらないでという気持ちもある。でも、お父さんが報われてほしい!」と父親思いの一面も。長谷川さんは「このまま契約で結婚して、巧が高等遊民として自分を貫けるのか見てみたい」と期待を口にしていた。ドラマ「デート~恋とはどんなものかしら~」は1月19日(月)より21:00~フジテレビにて放送開始。(text:cinemacafe.net)
2015年01月13日俳優の長谷川博己が12月27日(土)、都内で行われた出演作『海月姫』の初日舞台挨拶に登壇。現在37歳の長谷川さんは「(ヒロインに)つきまとう30歳のエリート役なので、変態おやじにならないように、できるだけ若さを出すのが難しかった」と語った。舞台挨拶には長谷川さんをはじめ、主演を務める能年玲奈、共演する菅田将暉、太田莉菜、篠原ともえ、片瀬那奈、速水もこみち、原作者の東村アキコ、川村泰祐監督が勢揃い。クラゲ命の月海(能年さん)ら「男を必要としない人生」をモットーとする筋金入りのオタク女子軍団“尼~ず”の面々が、取り壊しの危機に直面した自分たちの男子禁制アパートを守ろうと奮闘する。能年さんは「いよいよ今日から、海月祭りの本番。ぜひたくさんの皆さんに参加していただければ」と上機嫌。カルト的人気を誇るミュージカル映画『ロッキー・ホラー・ショー』を引き合いに、「コスプレや女装して、みんなで合唱しながら観てほしい」とアピールしていた。また、本作で女装にチャレンジした菅田さんは「周りの男たちからはゲスな反応ばっかりでしたが、今日は僕にとってブラジャー記念日。この日を迎えられて嬉しい」とニッコリ。長谷川さん演じるエリート政治家秘書の修と、菅田さん扮する女装男子の蔵之介は正反対の兄弟という設定で、修は月海にひと目惚れするという役どころだ。個性豊かなキャラクターを演じきったキャスト陣に対し、原作の東村さんは「漫画以上」と太鼓判を押し、「続編がある感じのラストでしたよね。(客席に向かって)続編作ってほしい人、いますかあ?」とシリーズ化に意欲的。川村監督も「紆余曲折あったが、こんな素晴らしいキャストが揃ってくれて嬉しい」と感無量の表情だった。『海月姫』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:海月姫 2014年12月27日より全国にて公開(C) 2014映画『海月姫』製作委員会(C) 東村アキコ/講談社
2014年12月28日物質・材料研究機構(NIMS)と東京大学は12月11日、シリコン表面上に形成した原子レベル厚さの超伝導体において、原子1個分の高さの段差(原子ステップ)が超伝導電流の流れを制御するジョセフソン接合として働くことを発見したと発表した。同成果は、NIMS 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点の吉澤俊介ポスドク研究員、内橋隆MANA研究者、中山知信主任研究者、川上拓人ポスドク研究員、古月暁主任研究者、東京大学 物性研究所のKim Howonポスドク研究員、長谷川幸雄准教授らによるもの。詳細は、米国物理学会誌「Physical Review Letters」にEditors’ Suggestionとして近日中に掲載される予定。最近発見されたシリコン表面上の原子層超伝導体は、究極の微小サイズである原子スケール厚さの超伝導ナノデバイスを実現する可能性を秘めている。しかし、デバイス作製のためには、超伝導演算素子において不可欠な要素であるジョセフソン接合を作製する必要があり、その方法は未解決のままだった。今回、研究グループは、走査トンネル顕微鏡を用いた実験と微視的な理論計算によって、原子層超伝導体の原子ステップに超伝導量子渦の一種であるジョセフソン量子渦という特殊な超伝導状態が発生することを発見した。そして、これにより、原子ステップがジョセフソン接合として働くことを明らかにした。この結果は、原子層超伝導体を用いると、従来の超伝導素子では個々に作製していたジョセフソン接合を自己組織化的に速く大量に作製できることも意味しているという。今後、この成果を利用して、原子レベルの厚さしかないジョセフソン素子を創製し、超伝導デバイスへの応用を目指す。また、電力応用が期待される高温超伝導体では、ジョセフソン量子渦が重要な働きをすることが知られている。今回の成果は、高温超伝導体の超伝導特性の解明にも寄与することが期待されるとコメントしている。
2014年12月15日東村アキコの人気コミックを能年玲奈主演で実写映画化する『海月姫』に長谷川博己が出演しており、彼の出演シーン画像が公開になった。本作で長谷川は、恋愛経験のないエリート男性・修を演じており、劇中では主人公・月海にひとめ惚れしてしまう。その他の写真本作は、“男性を必要としない人生”をモットーに掲げ、男子禁制の天水館で暮すクラゲを愛する月海(つきみ)、三国志を熱烈に愛する“まやや”、枯れたオジ様専門の“ジジ”ら、ヲタ女子集団“尼~ず”が、自身の聖地“天水館”を守るために奔走する姿を描く。能年のほか、菅田将暉、池脇千鶴、太田莉菜、馬場園梓(アジアン)、篠原ともえ、片瀬那奈らが出演する。長谷川が演じる修は、美しい女装男子・蔵之介の兄で、政治家である父親の秘書を務める未来の首相候補だが、恋愛経験が極めて乏しい男性だ。しかし、彼は蔵之介がメイクした月海にひとめ惚れしてしまい、彼女に少しでも近づこうと奔走する。いつも冷静で、頭がキレる修だが、恋愛になると話は別。彼は月海がクラゲに夢中であることを知り、一緒に水族館を訪れ、大きなクラゲのぬいぐるみをプレゼントしようと勇気をふりしぼる。一方の月海は前述の通り“男性を必要としない人生”を掲げて生活しており、ふたりの間に恋が芽生えるのか気になるところだ。ちなみに、劇中では速水もこみちが、修と行動を共にする鯉淵家の運転手・花森よしおを演じており、長谷川と速水の絶妙な掛け合いも見どころのひとつになっているという。『海月姫』12月27日(土) 全国ロードショー
2014年10月31日大阪生まれの人気絵本作家・長谷川義史氏の作品を一堂に集めた展覧会『ようおこし 長谷川義史 絵本原画の世界』が、4月26日(土)から京都・美術館「えき」KYOTOで始まる。どこか優しくてほっとするストーリーと個性ある登場人物が、独特のタッチで描かれる作品は、子供から大人までを虜にする不思議な魅力にあふれている。「ようおこし 長谷川義史 絵本原画の世界」チケット情報展覧会では、デビュー作『おじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃん』をはじめ、『いいからいいから』『オツベルと象』『大阪うまいもんのうた』『だじゃれ日本一周』『おかあちゃんがつくったる』『シバ犬のチャイ』など代表作の絵本原画を中心に、スケッチや演劇ポスターなどの作品も展示。長谷川義史氏の作品と魅力を堪能できる絶好の機会となる。また、実際に絵本を読むことのできるコーナーの設置や、オリジナルグッズの販売も行われるなどのお楽しみも!子どもや家族と一緒にユニークな長谷川義史ワールドを体感しに、お出かけしてみてはいかがだろうか。■プロフィール長谷川義史(はせがわよしふみ)1961年大阪府藤井寺市生まれ。グラフィックデザイナーとして活動の後、絵本作家として活躍。『おたまさんのおかいさん』(解放出版社)で講談社出版文化賞絵本賞を受賞。精力的に絵本作品を発表し続けている。また、現在MBSの人気情報番組『ちちんぷいぷい』の「とびだせ!えほん」コーナー(木曜・不定期で放送)にも出演中。■『ようおこし 長谷川義史 絵本原画の世界』会期:4月26日(土)~5月25日(日)10:00~20:00※最終入館は閉館30分前まで。 <会期中無休>会場:美術館「えき」KYOTO料金:一般-600円 高・大学生-400円 小・中学生-200円※料金はチケットぴあでご購入いただいた場合の優待料金です。※小学生未満は無料。期間中1回有効。
2014年04月22日モデルの長谷川潤が21日、東京・代々木第一体育館で開催中の『東京ランウェイ2014 SPRING/SUMMER』に出演。革ジャンにミニスカートのオールホワイトコーデという春らしいスタイルで、オープニングステージのトップバッターを飾った。途中、客席に投げキッスをするなどチャーミングにランウェイを歩き、会場を魅了した。【フォトギャラ】長谷川潤らが出演している『東京ランウェイ 2014 S/S』同イベントは、アジア最高峰のリアルクローズイベントとしてアジアにも進出するガールズファッションショー。今回は「WHAT IS FASHION?」をテーマに、国内外から約30の人気ブランドが参加。ランウェイ後、MCステージに登場した長谷川は、自身にとってのファッションを「一番自分らしく、ありのままでいられること」とし、「日によって自分の気持ちも変わるのでそれに合わせて」と語った。また現在は、出身地であるハワイを拠点に活動している長谷川。「時間の流れもゆっくりだし、いいです」と満喫している様子で、「月イチのペースで日本には来ていて、いつも良い刺激をもらっている」と充実感たっぷりの生活を明かした。
2014年03月21日(長谷川理恵のオフィシャルブログより)煌髪のイメージキャラクターに選ばれた、スポーツビューティーの魅力を持つ「長谷川理恵」!モデルの「長谷川理恵」は、煌髪(キラリ)シリーズのイメージキャラクターに選ばれた。株式会社ナノエッグ マリアンナプラス煌髪(キラリ)シリーズは白髪用のカラートリートメントや、シャンプーなどを扱っていて、年齢とともに感じ始める、女性の髪の悩みを解決に導いてくれる。長谷川理恵の持つ魅力「自然なスポーツビューティー」が、ブランドのイメージと一致することが起用された理由だ。彼女を起用することで、ブランドの認知度をさらに高めて、エイジング ヘアケアについて、消費者に前向きなイメージを与えることを目指している。長谷川理恵はモデルだけではなく、ホノルルマラソンなどにも参加している、美しいスポーツウーマンでもある。長谷川理恵1973年生まれ、神奈川県出身。タレント、ファッションモデル。幼年期は父親の仕事で外国のベルギーで過ごす。日本に帰国後、大学の在学中にコンテストでミスフォトジェニックを受賞している。また「Can Cam」の専属モデルを務めた。テレビ番組の企画で2000年、ホノルルマラソンに参加。以降、ホノルルマラソンの参加を継続している。さらにラジオやCM、そして美容に関連する書籍の出版や、食べ物の大事さを伝える活動など、仕事と育児を両立させて、がんばっている、彼女のさらなる活躍を期待したい。【参考リンク】▼長谷川理恵のオフィシャルブログ
2013年11月18日7月、東京・Bunkamura シアターコクーンで上演する蜷川幸雄演出舞台『盲導犬』に、古田新太、宮沢りえ、小出恵介の出演が決まった。1973年に唐十郎が櫻社のために書き下ろし、蜷川幸雄が初めて唐戯曲を手がけた記念碑的作品。石橋蓮司、蟹江敬三、緑魔子が出演した伝説の舞台だ。蜷川は1989年に再び同作を手がけ、この時の出演者にはまだ年若かった木村拓哉も名を連ねた。そして今回、人気・実力を兼ね備えた3人の俳優を得て、24年ぶりに同作を再演する。舞台は新宿。盲人の影破里夫(エイ ハリオ)は、伝説の“不服従”の盲導犬・ファキイルを探し求めている。新宿にもうひとり、開かずのコインロッカーと格闘する女、奥尻銀杏(オクジリ イチョウ)がいる。ロッカーの中には、初恋の人タダハルの手紙が入っているのだが、南国で殺害された夫が鍵を持ったままなのだ。盲人と女、ふたりの魂は自ら求めるもののため、新宿をさまよう。はたして銀杏はタダハルと再会できるのか。そして、破里夫はファキイルに出会えるのか。破里夫に古田新太、銀杏に宮沢りえ、そして破里夫とともにファキイルを探し歩くフーテン少年に小出恵介。3人の舞台巧者がスペクタクル性と繊細な叙情性をあわせ持つ唐十郎作品に挑む。舞台は7月に東京・Bunkamura シアターコクーン、8月には大阪でも公演予定。
2013年02月05日イスラエルのユダヤ系とアラブ系、そして日本という異なる文化が集まり、演出家・蜷川幸雄のもと3年前からプロジェクトが進められてきた舞台『トロイアの女たち』。奇襲作戦“トロイの木馬”で知られる、ギリシャ軍に敗れたトロイアの王妃と娘たちの行く末を描いたギリシャ悲劇だ。しかしそこに綴られた“憎しみの連鎖”は、2400年前に書かれたとは思えないほど現代社会にも通じる生々しさをもつ。まずは日本で、その後はイスラエルにあるテルアビブ市立カメリ・シアターで上演予定の本作。11月下旬、クリエイトの現場となっている稽古場に立ち会うことができた。『トロイアの女たち』公演情報稽古前、いつものようにさりげなく歩き回り、キャストに声をかけていく蜷川。王妃ヘカベを演じる白石加代子を始め、ユダヤ系とアラブ系のメインキャスト、そして各人種混合のコロスまで、全員がすっかり打ち解けている様子だ。台本を見せてもらうと、右ページにはヘブライ語とアラビア語のセリフが、左ページには日本語と、右ページのセリフをカタカナに直したものが記されている。演者は馴れない外国語のセリフに注意深く耳を傾けなければならず、さらにひとつの動作でさえ、同じ国の人間なら察することが出来るものも、すぐに理解できるとは限らない。この日は地面にひれ伏す動きを見たユダヤ系キャストが「疲れて倒れたのか?」と身体的な質問をし、「哀しみに暮れている様子を表しているんだ」と蜷川が精神的な面を説明するひと幕も。稽古は続けて終幕の部分。夫も息子も殺されて自らも奴隷となることが決まったヘカベが、惨殺された孫アステュアナクスの亡骸をかき抱く場面だ。白石が能を思わせる言い回しで嘆き悲しむと、周囲の空気が一気に張り詰める。取り囲む15名のコロスもそれぞれの文化のリズムで鎮魂歌を歌い出すのだが、和を重視する日本側と、個々で見せようとするイスラエル側との動きが違いすぎて、まとまりを欠くことに。蜷川から「コロスは無名な人たちだけれど、だからこそある意味でこの物語、この歴史の主役。それを意識してほしい」と鋭い声が飛ぶ。うなずいたり考え込んだりといった表情の面々だったが、再びその場面を返すと、今度は個の動きを保ちつつ、少しずつ互いを見合うなどの変化があった。予定調和ではないヒリヒリとした現場の熱に、思わずこちらも引き込まれた瞬間だった。本作の会見で“演劇を通して世界にコミットしたい”と改めて語った蜷川にとって、宗教的・民族的な紛争を今も抱えるイスラエルとの共同制作は特別な意味をもつ。ヘカベ役の白石に向けた、「一元的な悲しみで演じないでほしい。世界にとってこの悲劇がどういう意味をもつかが重要なんだから」という蜷川の言葉。それは演劇と、この普遍的な物語がもつ力を信じる彼の、覚悟の表明でもあるのだろう。公演は、本日12月11日(火)から20日(木)まで東京芸術劇場プレイハウス(中ホール)にて。チケットは発売中。取材・文:佐藤さくら
2012年12月11日鬼才・橋本治が約40年前、作家デビューする以前に書き下ろしたという幻の戯曲『ボクの四谷怪談』。偶然、戯曲を目にした蜷川幸雄が長らく上演を温めていたというその舞台が、豪華な役者陣と、音楽監督に鈴木慶一を迎え、9月17日に東京・シアターコクーンにて初日の幕を開けた。“騒音歌舞伎(ロックミュージカル)”と銘打つ通り、鶴屋南北の有名な歌舞伎『東海道四谷怪談』をベースに、ファッションや風俗を執筆当時の1970年代に置き換え、随所にロックなど多彩な音楽を散りばめた異色作。開演前には、フォトコールと記者会見が行われた。ネオンサインがきらめく舞台に大音響でロックが流れ、ヒッピー風の男や着物姿の女、テキ屋風のオヤジに通りすがりの商売女など、雑多な登場人物が次々に現れては歌うオープニング。次に場面は飛び、「御休処」と書かれた小屋の前。後ろには書き割りの松が立ち、セットは歌舞伎の舞台さながらだ。Tシャツにジーパン姿の伊右衛門(佐藤隆太)が地面に売り物を広げていると、友人の直助(勝地涼)がやってくる。セーラー服が可憐なお袖(栗山千明)を紹介されて直助は喜ぶが、リーゼント姿の直助にお袖は気のない様子。ふたりが去ると、今度はスーツ姿の与茂七(小出恵介)が現れ、「お前、生きてて面白いか?」と伊右衛門を挑発する。敵討ちの計画を得意げに語る与茂七と、「どうだっていいじゃねぇか」とぶっきらぼうに返す伊右衛門。両者の掛け合いはそのまま歌につながり、「生き甲斐」と「死に甲斐」をそれぞれに主張する歌声が交差して広がる。会見では、「伊右衛門はずっとモヤモヤを抱えているので、僕も初めはどう演じたらいいか迷ってしまって。(蜷川と何度も仕事をしている)小出くんにはだいぶ助けられました」という蜷川作品は初参加の佐藤に、隣で小出が照れくさそうにするひと幕も。「蜷川さんは稽古でOKだった演技も、初日でやっぱりダメと言い出したりするから」と暴露する小出に、いつの間にか後ろから見ていた蜷川が「うるさいよ!」と突っ込むなどチームワークは万全の様子。「舞台上でパワーを放出していきたい」(勝地)、「台本がブッ飛んでいるので、驚きつつ楽しんでもらえたら」(栗山)と語るふたりも笑顔だ。その他、尾上松也(お岩役)や三浦涼介、谷村美月ら若手実力派の熱量を、麻実れい、勝村政信らベテラン勢がしっかりと支える本作。高揚感と共に伝わるその面白さは、ぜひ劇場で体感してほしい。騒音歌舞伎(ロック・ミュージカル)『ボクの四谷怪談』は、10月14日(日)までシアターコクーン、10月19日(金)から22日(月)まで大阪・森ノ宮ピロティホールにて上演。取材・文佐藤さくら
2012年09月18日ケラリーノ・サンドロヴィッチ(以下KERA)の新作『祈りと怪物~ウィルヴィルの三姉妹~』が12月にKERA自身の、そして来年1月に蜷川幸雄の演出でシアターコクーンにて連続上演される。この一大プロジェクトに先駆けて某日、都内スタジオで行われたKERAバージョンの宣伝写真撮影現場に潜入した。『祈りと怪物~ウィルヴィルの三姉妹~』KERAバージョンのチケット情報スタジオでは生瀬勝久が撮影中。口に綿を含み、恰幅の良い姿で登場すると、「太った役をすると急にお腹が減る」と軽口をたたいて場を和ませていた。「写真は苦手」といいつつも次々とユニークなポーズをとる生瀬に、KERAからも笑いがこぼれる。本作では横暴で独裁的な市長を演じる生瀬。「たくさんのキャストが出ていても人間関係がつながっていて、それぞれ想いの輪郭が非常にはっきりしたキャラクターが描かれている。今回は僕自身知り合いが多いので、楽しみです」とKERA作品の魅力を語ったかと思うと、「(蜷川バージョンで同じ役を演じる)勝村政信には負けません! 投票してもらって決着をつけたい」と声を張り、スタジオは笑いに包まれた。今回が初舞台となる夏帆が撮影に入ると「あんまり純粋可憐になりすぎないように」とKERAが声をかける。役をイメージして細部にも気を配るKERA。次に撮影したのは2度目のKERA作品参加となる小出恵介。貧しい青年を演じる小出は「もっとおびえている感じだとどう?」というKERAの注文に瞬時に応え、順調に撮影が終了。小出は「出演者の波長が合ってひとつのメロディを奏でるような状態になれば、戯曲が観る方に伝わるはず。いまは何も予想できないし、KERAさんの作品はふたをあけてびっくりすることが多いから、こちらはなるべく柔軟にやっていかなくちゃと思っています」と意気込みを語る。現在、脚本執筆中のKERAに話を訊くと、「この脚本を蜷川さんにも演出していただく、という意識はやっぱりずっとある。実は一度蜷川さんとお会いして話したんだけど、その時の話は申し訳ないことに全く活かされてない」と苦笑。「いつもならこのセリフはこの役者ならこんな言い方をするだろうというシミュレートが頭の中にできているけれど、今回はあて書きをしていない。たとえば犬山イヌコが演じる役を蜷川さんバージョンでは伊藤蘭さんが演じる。そういう全然違うタイプの人が発するセリフをどちらにも寄せ過ぎず、ということをずっと考えていますね」と話す。まだ全貌の見えないこの作品がどんな形で目の前に現れるのか、年末が楽しみだ。KERAバージョン『祈りと怪物~ウィルヴィルの三姉妹~』は12月9日(日)から30日(日)まで東京・Bunkamura シアターコクーンにて上演。その後、2013年1月11日(金)から14日(月・祝)まで大阪・イオン化粧品 シアターBRAVA!にて公演が行われる。チケットは東京・大阪公演ともに10月6日(土)より一般発売開始。なおチケットぴあではインターネット先行抽選・プレリザーブの申し込みを9月19日(水)11時まで受付中。取材・文:釣木文恵
2012年09月12日蜷川幸雄演出による〈彩の国シェイクスピア・シリーズ〉の第26弾として『トロイラスとクレシダ』が上演される。本作はシェイクスピアが戯曲を書いた時代のスタイルそのままに、全キャストを男優が演じる「オールメール・シリーズ」の6作目にして初の悲劇。主演の山本裕典をはじめ、月川悠貴、細貝圭、長田成哉、佐藤祐基、塩谷瞬、内田滋ら若い俳優が多く出演する。7月下旬、熱気溢れる稽古場を訪ねた。『トロイラスとクレシダ』チケット情報物語は古代ギリシアのトロイ戦争が舞台。トロイの王子トロイラス(山本)は、神官の娘クレシダ(月川)に狂おしいほど思いを寄せていた。クレシダの叔父パンダロス(小野武彦)の取り持ちによってふたりは永遠の愛を誓い合い結ばれるが、捕虜交換によりクレシダは敵国ギリシア軍へ送られる。時がたち、軍使としてギリシア陣営に訪れたトロイラスが見たものは、新たな恋人と抱き合っているクレシダの姿だった。「勇気もって、言葉で言葉で!」蜷川の声が、エネルギッシュに鋭く、テンポよく次々と飛んでいる。気持ちの乗っていないセリフには「うそつき!」、手を抜いて演じているとみれば「省エネ!」と厳しい言葉も浴びせるが、そのスピードに役者は落ち込んでいる暇はない。蜷川には今回、若い世代を育てたいという思いがあり「最近の若い俳優たちは、自分の日常生活に近い芝居はできるけれど、シェイクスピアやギリシア悲劇のような、縦軸としての教養を必要とする戯曲は、違和感があってできない。今回のセリフは特に論理的。彼らにとって異質な言語をぶちこむ」と実に意欲的だ。厳しい言葉の裏には若い俳優たちへの愛情と優しさが透けて見える。気になるセリフには一つひとつ、どこを強調するのか、語尾の言い方などを具体的に演出していく。「屁理屈を言うよりもね、具体的で早いでしょ」と話すように、指示は的確で明快だ。稽古場を訪れた日は、トロイラスとクレシダがふたりで初めて朝を迎えたシーンの稽古中。やっていて難しいところはと山本に訊くと「ヒロインとは言え、相手は男性。いちゃつくところは抵抗がないと言えばうそになりますね」と照れ笑い。蜷川とは2回目のタッグとなるが「自分は無知なところがすごくあるので、今回は1から100まで鍛えてもらう感じで挑みます。毎日大変ですが、これを乗り越えれば役者としてまた一歩成長できるのかな」と話していた。稽古を終えた蜷川は「よし、ここは明後日くらいには熟成してくるだろう」とぼそり。多くの俳優を育ててきた蜷川には、すでに完成形が見えているようだ。強い言葉を浴びせながらも、期待に応えようと四苦八苦する若手俳優たちの姿に、蜷川が嬉しそうな表情をみせるのが印象的な稽古場だった。公演は8月17日(金)から9月2日(日)まで埼玉・彩の国さいたま芸術劇場にて上演。その後、大阪、佐賀、愛知を巡演する。取材・文:大林計隆
2012年08月06日