6月13日から21日まで上海にて開催中の第18回上海国際映画祭(SIFF)にて、14日、昨年11月10日に亡くなった俳優・高倉健を偲んだ「高倉健トリビュート上映会」が行われた。高倉さんは、日本映画界を代表する名優であることはもちろん、中国においても「良き友人」とも称され、自らが日中友好の懸け橋となり、日本の俳優として多くの中国人に影響を与えている。今回の上映会は、上海映画祭側より高倉さんへの追悼の意と、尊敬すべき俳優への賛辞として立ち上げられ、日本映画製作者連盟がそれを受けて開催される運びとなった。上映会では、オープニング作品として高倉さんの代表作のひとつである『鉄道員(ぽっぽや)』を上映。上映に先立ち行われたオープニングセレモニーでは、同作の監督であり、高倉健と共に多くの名作を生み出した降旗康男が登壇。降旗監督は、「『ケンさん、いま上海で日本では見られなくなった、大きな映画館の座席があなたの映画を待つ人たちで埋まっています』と記憶の中の健さんに報告しました」と語り、高倉健の死を偲ぶとともに、この特別企画の主催への感謝の挨拶が行われた。およそ1,000人の観客からは、挨拶中に何度も拍手がわき起こり、映画界における高倉さんが繋いだ日中の絆を強く感じさせた。さらに会場では、高倉さん主演の中国映画『単騎、千里を走る。』の監督を務めたチャン・イーモウより特別メッセージを放映。映画を通して交流を深めた高倉さんとの思い出や、「そのお人柄、感性、心のありかた、仕事への態度は、私にとってずっとお手本でした。高倉さんは、私が一生手本とする方で尊敬の対象です」といったイーモウ監督の思いが語られた。同作で中国を訪れた際の高倉さんの様子や、中国での撮影の思い出を高倉さん自身が語った特別映像も放映された。『鉄道員(ぽっぽや)』の上映終了後、中国ではエンドロールがはじまると会場が立ち去る人が多い中、ほとんどの観客がエンドロールが終わるまで席を立たず、幕が閉じると同時に拍手喝采が沸き起こった。映画を観た観客はからは、「やっぱり高倉健さんはタフでかっこいい大人の男だった」(40代・男性)「上映中は感動しっぱなしで、ずっと泣いていました」(20代・女性)、「なにも話さなくても、口元で演技をする高倉さんの姿には素晴らしいものがあります」(20代・女性)など、幅広い世代から絶賛されていた。今回の特別企画では、文化大革命後に初めて公開された日本映画であり、中国で10億人が見たと言われ、中国の観客にとって高倉さん知るきっかけとなった『君よ憤怒の河を渉れ』や、多くの中国の映画ファンを魅了しながらもこれまで上映される機会のなかった『網走番外地 望郷篇』を含む、全5タイトルが映画祭最終日の21日まで上映される。(text:cinemacafe.net)
2015年06月15日2014年11月10日に亡くなった、俳優の高倉健さんの作品を振り返る「高倉健トリビュート上映会」が、中国・上海で実施されている第18回上海国際映画祭(6月13日~21日)内で開催されることになり、14日にそのオープニングを迎えた。高倉さんは、日本アカデミー賞主演男優賞など国内の数多くの映画賞を受けてきた日本を代表する俳優として活躍した一方、中国においても"良き友人"と評され、『君よ憤怒の河を渉れ』(1976年)は中国で10億人もの人が見たと言われるほど、その出演作は多くの人に愛されてきた。2006年に公開された、チャン・イーモウ監督映画『単騎、千里を走る。』では主演を務め、自らが日中友好の懸け橋となっていた。今回の上映会は、上海映画祭側より、高倉健さんへの哀悼の念と、そして、尊敬すべき俳優への賛辞として発案され、日本映画製作者連盟がそれを受けて開催される運びとなった。上映に先立ち行われたオープニングセレモニーには、『鉄道員』(1999年)でメガホンをとった降旗康男監督が登壇。さらに、チャン・イーモウ監督の特別メッセージも放映された。撮影で上映会への出席がかなわなかったというチャン・イーモウ監督は、「高倉さんとは、映画『単騎、千里を走る』でご一緒しましたが、そのお人柄、感性、心のありかた、仕事への態度は、私にとってずっとお手本でした。あの時の高倉さんとの仕事は、生涯消えることのない印象を私に残しました。高倉さんは、私が一生手本とする方で尊敬の対象です」と振り返り、「今この機会をお借りして、高倉健さんに深い敬意を表し、哀悼をささげます。高倉さんをしのぶと共に、回顧展の素晴らしい成功を願っております」とコメントを寄せた。降旗監督は、「このような催しを実現してくださったことを日本の健さんの仲間を代表してお礼を申し上げます」とあいさつ。「健さんの中国における人気の深さは、初登場が中国社会の大変革と重なり、新しいヒーロー像を示したことになると、うかがっています」と高倉さんの中国での評価に触れ、「今夜上映の『鉄道員』は、中国も日本もグローバリゼーションの濁流にのみ込まれた時代に生きた孤独で不器用な男の物語です。その哀歓に共鳴してくださったら、健さんの肉体は失われても、その方々の記憶の中で、健さんはなおも生き続けるのだと思います」と、国を超えた俳優への思いを語った。舞台あいさつ後、降旗監督は、高倉さんとの生前の思い出や、訃報を聞いた際の心境などを告白。「健さんと最後に会ったのは、5月31日にうちにお酒を持ってきてくれたのが最後です。また秋から撮影で会えると思っていたので、訃報を聞いたときには頭が真っ白になりました。言葉ではなく、最後に健さんが車の窓から手を振っていた情景を鮮明に覚えています」と明かす。そして、「健さんが亡くなったということは認めたくない事実ですが、みなさんの記憶にも僕の記憶にも残り続けると思っています。僕にとって健さんは昔も今も変わらずこれからもアイドル的存在ですね」と、希代の名優の死を悼んだ。この日行われた上映イベントには、1000人以上の観客が出席。観客からは、「やっぱり高倉健さんはタフでかっこいい大人の男だった」「上映中は感動しっぱなしで、ずっと泣いていました。」「なにも話さなくても、口元で演技をする高倉さんの姿には素晴らしいものがあります」と映画を絶賛する声が上がった。
2015年06月15日俳優の哀川翔とお笑い芸人の宮川大輔が8日、東京ドームで開催された北海道日本ハムファイターズ対埼玉西武ライオンズ戦で始球式を行った。この企画は、哀川の芸能活動30周年記念として制作された品川ヒロシ監督映画『Zアイランド』が5月16日に公開されることを記念して行われたもの。イベントのために、"翔"と書かれた私物ミットを持参し、芸能生活30周年にちなんで"30"の背番号を携えたユニフォームを着用した哀川。「マウンド立ったら、キャッチャーのミットしか見てないから。そこ目指して、まっすぐストレートにいきます!」と意気揚々とマウンドに向かった。東京ドームのバックスクリーンに、映画『Zアイランド』の予告映像が流れると、バッターボックスに、絶対死なないスーパー人間=Z役の宮川大輔がZ軍団を率いて登場。哀川が「覚悟しろよ!」と闘争心をみなぎらせると、宮川も「シャー!」と威嚇。哀川が投じたボールが宮川の体に直撃すると、怒りを隠せないZ軍団も巻き込んだ乱闘騒ぎに発展し、会場は大興奮に包まれた。イベント終了後、報道陣の取材に応じた哀川は、「いや~真ん中に入れてやろうと思ったのに、当たっちゃったよ! 100キロくらいスピード出てたと思うんだよね! (宮川に向かって)大丈夫だった!?」と宮川を気遣った。一方、デッドボールをまともにくらった宮川は「全然大丈夫です! でも痛かった~…今日は軟球でしたけど、これ硬球だったら僕死んでましたよ!」と焦りつつも、「あそこで当てるのがスター哀川ですよね」と会場を盛り上げた哀川をたたえた。映画『Zアイランド』は、絶海の孤島・Zアイランドで、元ヤクザの組長・宗形(哀川)たちが、"Z"ことゾンビ化した感染者とサバイバルゲームを繰り広げる。共演者には宮川をはじめ、女優の鈴木砂羽、お笑い芸人の木村祐一、湘南乃風のRED RICE、俳優の風間俊介、窪塚洋介、鶴見辰吾、歌手のシシド・カフカらが名を連ねる。(C)2015「Zアイランド」製作委員会
2015年04月09日昨年10月に現役を引退したフィギュアスケーター・高橋大輔さんがこのほど、映画「思い出のマーニー」のブルーレイ&DVD発売を記念したトークショーに参加。米林宏昌監督とのスペシャルトークを行った。○「実はネガティブ」で作品に共感同作品はスタジオジブリが制作。ぜんそくの療養を目的として、親戚が生活しているある村にやってきた心を閉ざしがちな少女・杏奈と、杏奈がその町で知り合ったブロンドの少女・マーニーとの友情の日々を描いている。ブルーレイやDVDをコレクションしているというほど、スタジオジブリの作品が大好きだという高橋さん。トークショー冒頭で好きなジブリ作品を聞かれると、矢継ぎ早にたくさんの作品名を挙げた上で、結局「全部、お気に入りですね! 」と笑顔を見せた。今回の「思い出のマーニー」の主人公・杏奈は、「もらいっ子」であることに悩みを抱え、心を閉ざしてしまっているというキャラクター。米林監督は「最初、『マーニーを映画にしよう』と聞いたときは、『こんな暗い子を主人公にしていいのか』と思った」と、戸惑いがあったと語る。だが、高橋さんは「そういう部分が共感できる」とした上で、「もともと自分も、オープンじゃなくてどっちかというとネガティブなほう。小さいころは団体行動が苦手で、学校に行くのが毎日、つらいときもあった」と、自身と重なる部分を主人公に感じたという。「寄り添ってくれるような感覚で、すっと映画の中に入っていけた」と、同作品の魅力を語った。米林監督は「(自分を)不器用に思っているような人は、世の中にいっぱいいるんじゃないかと思う。そういう人たちにとって、少し背中を支えてあげられるような……。(作品を見ることで)少し元気になって、一歩前に進んでもらえるようになったら」と、高橋さんの感想を受けてコメントした。師匠ともいえる宮崎駿監督からの感想は「直接は聞いていない」としながらも、「『すぐそこに水があるような感じがした』と言っていたそう」と第三者を通じて聞いたという。「宮崎さんもアニメーターなので、水の表現の難しさは分かっている。だから、うれしかったですね」と、米林監督はほおをほころばせる。制作時、宮崎氏から「杏奈にはマーニーがいたから変われたけれど、多くの人にとってマーニーは存在しない。そのことはどう説明するのか」と問われたことがあったという。米林監督は、「杏奈はマーニーがいたから変われたんじゃない。変わろうと潜在的に思っていたから、マーニーが現れた。変わろうと思っている人は、変われる」と返答したと述懐した。「崖の上のポニョ」で原画を担当し、波の表現で宮崎監督をうならせたという米林監督のテクニックは、本作でも発揮されている。「今回の作品は『水』の作品にしようと思った。湿った地面の感覚、雨にぬれたときの感覚などが感じられるように」と、こだわりの部分を話した。それを聞いた高橋さんは「それを聞いたら、そういうところも気にしながらもう一度、見たくなりますね」と興奮。ブルーレイやDVDで「また違う見方ができると楽しいですよね」とコメントした。○高橋さんは「CMをかっこよく作ってもらえてうれしい」今回高橋さんは、「思い出のマーニー」ブルーレイ&DVDのテレビCMでフィギュアスケートの演技を披露し、同作とのコラボレーションを実現。米林監督が同作に込めた「変わろうと願う人だけが変われる」というコンセプトを表現し、スクリーン上に投影された映像の上で高橋さんがオリジナルの振り付けで華麗な滑りを見せた。さまざまな大会やショーを経験した高橋さんだが、今回の演技は「難しかった」という。「普段は自分を表現するけれど、今回はどうやって『思い出のマーニー』を邪魔せずに表現するか」苦心したそう。「自分で言うのは恥ずかしいけれど、すごくかっこよく作ってもらえてうれしい」と照れ笑いを浮かべた。高橋さんの撮影現場にも足を運んだという監督は、「本当に美しく滑っていただいて感謝しています。途中の息が白くなるところは色気があった」と絶賛。午前2時から6時までという過酷なスケジュールで、すごく寒い現場だったそうだが、高橋さんは「寒かったからこそあの息を表現できたので、むしろ寒くてよかった」。その出来栄えに満足気だった。また、米林監督は「実は昨年末にスタジオジブリを退社している」と発表。高橋さんをはじめ、会場も驚きに包まれる中、「こういうタイミングで、新しい一歩を踏み出したばかりの高橋さんとコラボレーションできてよかった」と話した。○声優? いやいや、向いていないです!今後について聞かれた米林監督は、「まだ何も決まっていない」としながらも「プロデューサーと『何かしたいね』とは話している。希望としては、快活なファンタジーのような動きのある作品を」と、次回作の制作に意欲を見せる。そして「声優、どうですか? 」と振ると、「いやいや、向いてないです! 見る方で! 」と高橋さんは全力? で固辞。「悪役とか、いいじゃないですか」と米林監督がもう一押しすると「やるとなったら、全力でやりますけど……。もしやるなら、暗い子。テンションの高くないような」と話し、「人生、何があるか分からないですからね」と含みを持たせた。イベントのラストには、3月16日に誕生日を迎える高橋さんに米林監督から「サプライズ」な仕掛けが。米林監督が直筆でマーニーを描きこんだ特製のブルーレイ&DVDを贈ると、高橋さんは「うわー! めっちゃうれしい!」と、この日一番の「大ちゃんスマイル」を見せていた。なお、「思い出のマーニー」ブルーレイ&DVDは3月18日に発売され、高橋さんが出演するテレビCMは3月中旬から放映される。
2015年03月18日ポニーキャニオンは4月29日、「『高橋大輔 Anthology』Blu-ray BOX」を発売する。同商品は、フィギュアスケートの高橋大輔さんの魅力に迫る貴重なDVDシリーズ「高橋大輔」「高橋大輔 Plus」「高橋大輔 D1SK」をブルーレイ化したもの。新たな映像も加えた3枚組ブルーレイボックスとして発売する。Disk1の「高橋大輔」は、2008年から始まった密着撮影プロジェクトで、貴重な映像の数々を収録している。高橋さんの素顔や本音、不安、歓喜の数々や、振付師にマイクを装着して撮影した振り付け練習など、アメリカ合宿の未公開映像も収めた。2年分のインタビュー映像や日本でのプライベート映像も公開している。Disk2の「高橋大輔 Plus」では、2010年2月にバンクーバーオリンピックで銅メダル、その直後の3月にトリノで開催したフィギュアスケート世界選手権では金メダル獲得した高橋さんの姿を収めた。Disc3の「高橋大輔 D1SK」では、ソチオリンピックに向けて基本のスケーティングから見直し、新たな思いで始動する高橋さんの姿を収録している。また、「世界一」と称されるステップを、撮り下ろした"ステップ集"も公開。今までの試合の演目の中から、自ら選んだ6つのステップを披露している。そのほかにも、現役引退後の思いや展望を語ったインタビューに加え、特典映像として「クリスマスオンアイス2014」でサプライズとして行われた、coba生演奏による「eye」フルバージョンと「プリンスアイスワールド2008福岡公演」でのみ披露された幻の演目「OCEAN WAVES」も収録している。価格は1万4,100円(税別)。※高橋大輔さんの「高」は、正しくははしご高(C)2015 PONYCANYON INC./ HORIPRO INC.
2015年03月18日フィギュアスケーター・高橋大輔さんの記念切手が発売されることに伴いこのほど、エンスカイは購入者限定プレゼントキャンペーンの一環として、高橋さんの競技人生ラストを飾った衣装の原寸レプリカを、キャンペーンの追加商品にしたことを明らかにした。同キャンペーンは、同社が「高橋大輔 ~栄光の軌跡~ プレミアムフレーム切手セット」を発売することに合わせ、実施されているもの。同切手セットは、「シールタイプの52円切手×10枚」「3D・チェンジング写真シート収納」「自筆メッセージ(印刷)付き特製箔押しホルダー」「6種類の特製箔押しポストカード」「24種類の特製ポストカード」がセットになっている。2月26日より、全国の郵便局(一部簡易郵便局は除く)にて申し込み受付を開始している。今回、新たに賞品として追加されたのは「高橋大輔直筆サイン色紙付き原寸レプリカ衣装(上半身のみ)」。高橋さんが競技人生のラストを飾った、ソチ五輪でのフリースケーティング時衣装の原寸レプリカを、直筆サイン色紙とともにオリジナル豪華箔押し化粧箱に収めて3人にプレゼントする。このプレゼント追加は、高橋さん本人の意向によるもので、「今までも、そしてこれからも支えてくれてるたくさんのファンへの想いに応えたい」という気持ちのもとに実現したという。そのほか、日付・当選者名・直筆サインが入った「高橋大輔直筆サイン入りプレミアムホルダー」も30人にプレゼントされるとのこと。5月27日までに郵便局(店頭窓口・web)および「Fスケーティングネット」から申し込んだ人を対象に、抽選で賞品が当たる。価格は送料込みの税込5,300円で、2月26日~3月31日までの申し込み分は4月30日から、4月1日~5月27日までの申し込み分は6月30日から順次発送される予定。
2015年03月10日フィギュアスケーターの高橋大輔が、スタジオジブリ制作のアニメーション映画『思い出のマーニー』のコラボレーションが実現し、主題歌に乗せた約3分の演技がスペシャル動画として3月12日に公開されることが明らかになった。の主題歌にのせて3分間の演技を披露している動画が12日12:00より公式サイトで公開されることが4日、明らかになった。現在、米林宏昌監督とのインタビュー動画が先行公開されている。『思い出のマーニー』は、ぜんそくの療養のため海辺の村に訪れた主人公・杏奈が、金髪の少女・マーニーとの出会いを通じて、不思議な出来事に次々と遭遇する物語が描かれている。今回のコラボは、本作のBlu-ray&DVDが3月18日に発売されることを記念して実現し、「一歩を踏み出す勇気」というテーマから、昨年秋に現役を引退し新たな一歩を踏み出した高橋が選ばれた。本作について「スーッと心の中に入ってくるような、寄り添ってくれてるような、そんな映画でした。終わりに近づいてきた時は自然と涙が出てきてしまいました」と語る高橋は、主題歌「Fine On The Outside」(作詞・作曲・歌:プリシラ・アーン)にのせた約3分の演技を披露。オリジナル振り付けによる演技を振付師・宮本賢二氏とともに完成させたという。この演技は、3月12日に公式サイトにて公開される。また、公式サイトでは本作の米林宏昌監督と高橋の対談インタビュー動画も公開。高橋が「自分のことをもう少し好きになってあげたいなって、そっと背中を押してくれた気がしました」と伝えると、米林監督は「多くの人に支えられながら一歩を踏み出した杏奈の物語を、今まであらゆる局面で一歩ずつ前に進んできた高橋さんに演じていただけてうれしいです」と喜びをあらわに。高橋は、米林監督が作品に込めた思いを直接聞くことで「いろんなことを感じていただけるような演技ができたら」と決意を新たにしていた。(C)2014 GNDHDDTK
2015年03月04日フィギュアスケーター・高橋大輔さんが1月6日、「ダイナースクラブ アイスリンク in 東京ミッドタウン オープニングナイトイベント『Light up Rink』」にスペシャルゲストとして参加した。期間限定の屋外アイススケートリンク「ダイナースクラブ アイスリンク in 東京ミッドタウン」は、毎日22時まで営業しており、仕事終わりでもナイトスケートを楽しむことが可能。周囲には美しいイルミネーションが施されているため、東京の夜景と相まった幻想的な空間の中でスケートができる点が特徴だ。そんな美しい光が輝くリンクで、バンクーバー五輪でのショートプログラムをアレンジした演技を披露した高橋さん。2015年の初滑りを終えると、「いつもは練習なども(照明が)明るい中でやっているので、こういった夜景を見ながらスケートを楽しむのにはすごくいい場所なのではないかな」とニッコリ。「ちょっと正月をはさんでいたので100%(の滑り)ではなかったけれど、想像以上によかった」と晴れやかに話した。昨年10月に現役引退を発表してから初めてとなる年末年始。「いつもは(1月)2日から練習していた」そうだが、今年は気の合う友人たちと一緒にわいわい過ごし、リラックスしていたという。そんな高橋さんは、この日までに一部メディアで恋人がいると報じられたが、本人は「事実はまったくない」と完全に否定。「僕も報道で聞かされてびっくりしている」と苦笑いをした上で、恋人と報じられた女性はアイスショーのスタッフで、打ち上げの際にたまたま隣にいたところを撮影されてしまったと説明した。さらに、自身の好みのタイプの女性についても告白。「元気な方」「サバサバしている」「顔が独特」「前髪パッツン」など、細かな好みも正直に明かした。ただ、恋愛に関しては「今はあまりそういったことは求めていない」として、結婚も3~4年は考えていないと話した。「2015年は、地道にゆっくりといろいろと考えたい」と、今年は第2の人生をどう歩むかをしっかりと決めたい方針を明かしてくれた高橋さん。それでも、やはり日本フィギュアスケート陣のことは気になる様子で、男子では昨年末の全日本選手権で2位になった宇野昌磨選手の今後の成長ぶりに注目しているという。「全日本選手権でもジュニアから(多くの選手が)出てきて、これから楽しみ」と語り、自身がけん引してきた日本フィギュアスケート界に、多くの才能がまた芽生えてきていることを喜んでいた。なお、「ダイナースクラブ アイスリンク in 東京ミッドタウン」は1月7日から3月8日まで開催。営業時間は11時から22時(受付は21時まで)で、イルミネーションがライトアップされるナイトスケートは17時より。滑走料金は高校生以上が税込1,500円、中学生以下が税込1,000円。共に貸し靴料込みとなっている。
2015年01月07日来年2月に開催されるゆうばり国際ファンタスティック映画祭で、高倉健さんの追悼企画“ありがとう高倉健さん『幸福の黄色いハンカチ』特別上映”が実施される。映画ゆかりの地である“ゆうばり”市民の声が発端となり実現した企画で、デジタルリマスター版を無料上映する。その他の写真『幸福の黄色いハンカチ』は、ゆうばりを舞台に健さん演じる刑務所帰りの中年男が、偶然出会った若い男女とともに妻の元へ向かうまでを描いたロードムービー。1977年に公開された本作は、第1回日本アカデミー賞を始め、同年の映画賞を総なめにした。映画祭運営事務局は今回の企画決定について「作品の上映、鑑賞を通して、ゆうばり映画祭に集う全国の映画ファンが、健さんに感謝の意を表す場として提供できれば」と語っており、関連イベントとして、2月20日(金)から22日(日)までの3日間、ロケ地を会場とした“幸福の黄色いハンカチ広場”を臨時オープンする。広場には献花台を設けるほか、健さんへのメッセージカード(黄色)の記入コーナーを設置し、カードは関係者を通じて健さんの墓前に供えられるよう調整するという。なお、『幸福の黄色いハンカチ』上映後には撮影に参加した市民やエキストラ参加者が座談会を行う予定。『ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2015』2015年2月19(木)から2月23日(月)まで開催
2014年12月25日今年11月10日に83歳でこの世を去った、日本が誇る映画スター・高倉健。その追悼企画が、来年で25回目を迎える「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2015」で行われることが決定した。「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」は、1990年より北海道夕張市でスタートした映画祭。特別招待作品、国際コンペティション、オマージュ上映、特別企画など、ハリウッド大作から邦画、インディーズ作品まで幅広い作品が上映され、 秋の東京国際映画祭と並んで映画界の春のお祭りとして、日本国内でも有数の歴史をもつ映画祭だ。今回、決定が発表された追悼企画『ありがとう!高倉 健さん 「幸福の黄色いハンカチ」追悼上映会』は、来年度の同映画祭の特別企画のひとつだ。この追悼企画で上映される高倉さんの代表作『幸福の黄色いハンカチ』(’77)は、“ゆうばり”を舞台に高倉さん演じる刑務所帰りの中年男が、偶然出会った若い男女とともに妻の元へ向かうまでを描いたロードムービー。 第1回日本アカデミー賞を始め、国内における同年の映画賞を総なめにした、まさに不朽の名作だ。今回の追悼上映イベントは、本作ゆかりの地である“ゆうばり”市民の声が発端となり実現したもの。映画祭運営事務局は今回の企画決定について「作品の上映、鑑賞を通して、ゆうばり映画祭に集う全国の映画ファンが、健さんに感謝の意を表す場として提供 できれば」とコメントを寄せている。また、この上映に関連したイベントとして、映画祭期間中の2月20日(金)~22日(日)の3日間、本作のロケ地である「幸福の黄色 いハンカチ広場」を臨時オープンすることも決定。地元商工会などによる市内の店舗・住宅を“黄色いハンカチ”でデコレーションす る企画なども同時に予定している。<『ありがとう!高倉健さん 「幸福の黄色いハンカチ」追悼上映会』/詳細>日程:2015年2月20日(金) 10:30開演会場:アディーレ会館ゆうばり大ホール(580席)内容:『幸福の黄色いハンカチ』デジタルリマスター版を上映後、撮影に参加した市民やエキストラ参加者が座談会を行う予定。入場料:無料「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2015」は2015年2月19日(木)~23日(月)開催。(text:cinemacafe.net)
2014年12月25日フィギュアスケーターの高橋大輔が11月25日(火)、人形アニメーション映画『くるみ割り人形』の女性限定試写会に登場。バレエでもおなじみの「くるみ割り人形」の曲に合わせてのステップを披露したほか、観客の前で“王子”役のセリフの朗読まで行い会場をわかせた。35年前に人形アニメーションとして製作された作品を、最新のデジタル技術を駆使して製作した新たな映像や3D映像を加えるなどして甦らせた本作。ヒロインのクララが大切な人形を取り戻すために冒険を繰り広げる。この日は増田セバスチャン監督と声優を務めた藤井隆が先に舞台挨拶に登壇したが、高橋さんの来場は完全サプライズ。高橋さんが、クララの着ぐるみをエスコートして客席の間を通って壇上に上がると、会場は騒然となり、歓声と拍手に包まれた。「くるみ割り人形」と言えば、チャイコフスキーのバレエの名作として名高く、フィギュアスケートでも楽曲を演目に取り入れる選手も多い。高橋さんは「僕自身は『くるみ割り人形』で踊ったことはありませんが、たくさんの特に女子選手が使っていて、古くから親しまれた思い入れを多く持たれている曲です」と語る。舞台挨拶に先立ち、すでに映画を鑑賞した高橋さんだが、ここで使われている楽曲の数々に強く惹かれたようで「アレンジが加わっており、女性だけでなく男性でも(フィギュアで)使えるなと感じました。これから、(この曲の)思い出を作りたいです。カッコいい曲がいっぱいあったので挑戦してみたい」と笑顔で語った。この日は、特別に「くるみ割り人形」の曲を使ってのステップを生で披露!氷上ならぬ壇上のカーペットの上だったが、藤井さんが口ずさむ楽曲に合わせて華麗なスピンとポーズを見せて観客を魅了した。さらに、高橋さんはリクエストに応えて、劇中のフランツ王子のセリフをクララに向かって生で披露。低く響かせた甘い声でクララに語りかける高橋さんに女性で埋め尽くされた客席からはため息が漏れた。この日は、特に20代、30代の女性の「子宮頸がん」への予防啓発を推進する「Hellosmile PROJECT」との協力で試写会が開催され、500名の女性が招待されたが、高橋さんは「女性がいつまでも、心の中からキレイでいていただければ、僕ら男性も嬉しいです」と女性たちにエールを送り、会場は温かい拍手に包まれたイベント後に報道陣の取材に応じた高橋さんは「こっち(=舞台挨拶出席)の方が緊張します。氷上の方が楽です」と苦笑交じりに述懐した。また先日、練習中にほかの選手と衝突して負傷を負ったフィギュアスケートの羽生結弦選手が、11月28日(金)に開幕するNHK杯に出場する予定で、練習を再開しているが、これについてコメントを求められると「無理であるならばやめた方がいいと思いますが…」と羽生選手の状態を気遣った上で「ちゃんとした状態で出られるのであれば、応援したいです」と語った。『くるみ割り人形』は11月29日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:くるみ割り人形 2014年11月29日より全国にて公開(C) 1979,2014 SANRIO CO.,LTD.TOKYO,JAPAN
2014年11月26日高倉健さんの死去は中国に大きな衝撃を与えた。中国政府からは異例の弔意が発表され、北京の中国大使館には高倉健さんを悼んで花が届けられたという。高倉健さんは日本人が考えるよりもずっと、中国にとって特別な人物だ。○一世を風靡した「白馬の王子」高倉健さんが中国に知られるようになったのは1978年「君よ憤怒の河を渉れ」が「追捕」という中国語タイトルで上映されてからだ。「文革後、初めて中国に入ってきた外国映画だった」と記憶している人も多い。中国版ツイッター「ウェイボー」では、「あの時代、ほとんどすべての女性にとって、高倉健は白馬の王子だったと雑誌で読んだ」と回想されている。「映画はすべての芸術の魅力を越える存在だった」時代、日本からやってきた高倉健さんの映画は見る人すべてを魅了した。高倉健さんはいくつもの映画に出演しているし、中国の張芸謀監督の「単騎、千里を走る。」で主演をしたこともある。しかし、いまだに高倉健さんといえば「君よ憤怒の河を渉れ」の印象が強い。ウェイボーを利用する若者たちにとっては、父母、祖父母が高倉健さんに夢中になった世代だ。彼らから高倉健さんについての話を聞いて育っている。○「硬漢」として生き続けた人高倉健さんは中国で"硬漢"と表現されている。"硬骨漢"という意味だ。ハードボイルド小説は"硬漢派小説"と訳される。「ずっと祖父母に『君よ憤怒の河を渉れ』と高倉健の話を聞いていたけど、彼が世を去って初めて本当に彼のことを知った。彼を悼む文章を目にするたびに涙があふれる。本当の"硬漢"として生き続けた人だ」と評価する人もいる。正直なところを言うと、ウェイボーで日本関係の発言を探す際、日本についての罵詈雑言に類するような発言に出合うことは非常に多い。それを目にせず検索をかけることは不可能だと言ってもいい。しかし、高倉健さんというワードに関してそうした発言は一切ない。誰もがその死を悼み、惜しんでいる。ある人は語る。「今、日中関係の回復はどんどん難しくなっている。高倉健の時代の日中の蜜月が懐かしい」。※本文と写真は関係ありません
2014年11月23日先ごろこの世を去った高倉健の主演作がニコニコ生放送で11月23日(日)と24日(月)に一挙放映されることが決定した。『日本侠客伝』や『新網走番外地』など高倉健が主演を務めた作品が無料で観賞できる。その他の情報今回の特集は2日に渡って行われ、23日(日)の20時から『日本侠客伝』『続網走番外地』『昭和残侠伝』『昭和残侠伝唐獅子牡丹』を、24日(月)の18時から『新網走番外地』『新網走番外地 流人岬の血斗』『新幹線大爆破』『冬の華』を放映。事情により地上波テレビでは放送出来ない作品も含まれており、高倉健の勇姿をじっくりと楽しめるまたとない機会になる。高倉健 追悼 主演映画無料一挙上映11月23日(日)20:00~26:00『日本侠客伝』『続網走番外地』『昭和残侠伝』『昭和残侠伝唐獅子牡丹』11月24日(月)18:00~27:00『新網走番外地』『新網走番外地 流人岬の血斗』『新幹線大爆破』『冬の華』ニコニコ生放送で一挙放映
2014年11月22日アップルは、iTuens Storeで10日に逝去した高倉健の追悼ページを公開した。「高倉健を偲んで」というタイトルの特設ページで、出演作である「幸福の黄色いハンカチ」「南極物語」「ブラック・レイン」「網走番外地」シリーズなどが紹介されている。20日に開設された同ページでは、前述の作品のほか、東映の任侠ものや、ハリウッド映画の「ミスター・ベースボール」などが並ぶ。iTunesの映画はiPhone、iPad、iPod touch、Mac/Windows PC、およびApple TVでレンタルまたは購入して視聴できる。レンタルの場合はレンタルしてから30日間見ることができ、一度視聴を開始すると48時間何度でも楽しめるようになっている。購入した場合はユーザーが所有するiOS端末やMacなどでいつでも好きなときに楽しめる。
2014年11月21日2014年11月10日(月)に悪性リンパ腫のため、83歳でこの世を去った日本演劇界の至宝・高倉健。すでに吉永小百合を始め、浅野忠信や広末涼子など共演した経験を持つ俳優陣たちから、突然の死を悼む多くの声が届いているが、このほど11月19日(水)放送の「徹子の部屋」にて、通常の内容を変更し「追悼・高倉 健(たかくら けん)さん」と題した追悼番組が放送されることが明らかとなった。昭和40年代に任侠映画で人気を集め、『幸福の黄色いハンカチ』『鉄道員』、そして遺作となった『あなたへ』まで多くの映画作品に出演し、多くの人の心をその名演技で魅了してきた高倉さん。主にスクリーンで活躍していた高倉さんはトーク番組への出演は珍しかったが、「徹子の部屋」には1980年と1988年の過去2回出演。朴訥な人柄と、誠実に自身を語る温かな人間味が感じられる珠玉の映像とともに、高倉さんを偲ぶ内容となっているよう。また、本来放送予定であった「嵐」の相葉雅紀がゲストの回に関しては、振り返り放送日などはまだ未発表となっている。高倉さんの飾らない素顔を偲ぶ「徹子の部屋」は11月19日(水)12時~放送予定。(text:cinemacafe.net)
2014年11月18日『幸福の黄色いハンカチ』『鉄道員(ぽっぽや)』など日本が誇る名優・高倉健(享年83)が11月10日(月)、亡くなっていたことが明らかになり、吉永小百合、大竹しのぶ、広末涼子らこれまで共演した女優たちから追悼コメントが発表された。1956年に銀幕デビューを果たし、『網走番外地』『日本侠客伝』を始め邦画史上に残るヒット作に出演してきた高倉さん。CMで話題となった「自分、不器用ですから」という台詞で寡黙なイメージがあるが、多くの俳優陣から「健さん」という愛称で親しまれていた。遺作となったのは、高倉さんにとって6年ぶりの主演映画『あなたへ』だった。1980年に『動乱』で共演した吉永さんは、「お知らせに信じられない思いでおります。1986年に中国への旅を御一緒して以来、一度もお目に掛かっていませんでした。映画の世界に生きることの素晴らしさを教えていただいた方です。本当にありがとうございました。感謝の思いでいっぱいです」。また、『鉄道員』で共演した大竹さんは「『鉄道員』での、たった一度だけの共演でしたが、十本も二十本も映画を撮ったような、豊かで素晴らしいことを沢山教えて頂きました。映画人「高倉健」の魅力は、そのまま、人間『高倉健さん』の魅力です。美しく、気高く、そして何よりも優しい健さんを一生忘れません。神様みたいな人が、本当の神様になってしまったようです。淋しいです」。同作で共演した広末さんは「今もまだ信じられません。ただただ、悲しくて、淋しいです。健さんに撮影現場で聞かせてもらった音楽、入れてもらった珈琲、かけていただい優しい言葉たち、背筋の伸びた大きな体で、力強く抱きしめてもらった思い出…全て全部、忘れません」。さらにSNSでも各著名人がコメントを残している。<俳優・浅野忠信>高倉健さんのご冥福をお祈りします本当に悲しいですありがとうございました。<俳優・糸井重里>「気仙沼ニッティング」の、第一号のセーターを予約してくれて買ってくださったのが高倉健さんでした。あの時、ほんとうに勇気になりました。合掌。<俳優・八嶋智人>京都の東映太秦撮影所に初めて行った時、高倉健という楽屋を見付け、十数分その前で立ち尽くしていた。いらっしゃらないのに。高倉健という字面にはそういう力があります。これからそんな人は現れるんだろうか。大きな喪失感。凄いなぁ。合掌。すでに葬儀は、親族のみの密葬で行われているとのこと。ご冥福をお祈りいたします――。(text:cinemacafe.net)
2014年11月18日女優の吉永小百合が18日、俳優・高倉健さんの訃報を受け、東映を通じて追悼のコメントを発表した。1980年公開の映画『動乱』で共演した吉永は、「お知らせに信じられない思いでおります」と心境を伝え、「1986年に中国への旅を御一緒して以来、一度もお目に掛かっていませんでした」と、直接会ったのは約28年前であることを明かした。そして、「映画の世界に生きることの素晴らしさを教えていただいた方です」と高倉さんへの思いをつづり、「本当にありがとうございました。感謝の思いでいっぱいです」と感謝の気持ちを表した。
2014年11月18日俳優の高倉健さんの訃報を受け、高倉さんが主演を務めた映画『鉄道員』(1999年)のキャスト陣らが、東映を通じて哀悼の意を表した。高倉さんの妻役を演じた女優・大竹しのぶは、「たった一度だけの共演でしたが、十本も二十本も映画を撮ったような、豊かで素晴らしいことを沢山教えて頂きました」と当時を振り返り、「映画人『高倉健』の魅力は、そのまま、人間『高倉健さん』の魅力です。美しく、気高く、そして何よりも優しい健さんを一生忘れません」とコメント。「神様みたいな人が、本当の神様になってしまったようです。淋しいです」と別れを惜しんだ。一方、娘役の女優・広末涼子は「今もまだ信じられません」とショックを表し、「ただただ、悲しくて、淋しいです。健さんに撮影現場で聞かせてもらった音楽、入れてもらった珈琲、かけていただい優しい言葉たち、背筋の伸びた大きな体で、力強く抱きしめてもらった思い出、、、全て全部、忘れません」と悲痛な思いをつづった。また、同作のほか、高倉さんの遺作となった『あなたへ』(2012年)でもメガホンを取った降旗康男監督は「残念の一語に尽きる」。高倉さん主演の『新幹線大爆破』(1975年)などを手掛けた佐藤純彌監督も「映画がまだ元気だった頃、時代を背負ったスターと共に仕事が出来たことは幸せでした」と思いを馳せ、「時の移り変わりは当然のことですが、高倉健さんは決して死なないような気がして、訃報を聞いた時は、ひとつの時代が終わったことを実感しました」とコメントした。
2014年11月18日デザイナー・尾花はインスタグラムやLINEを最近始めたという。インスタグラムにはブランドの宣伝というよりも彼の日常がつづられている。裏面には服をデザインするだけでなくブランドを運営するマネジメント力の高さが垣間見られる。話は尾花の意外な一面へと進展した。T:尾花さんって保守的なイメージがあったんで意外でした。ひょっとしたらまだiPhoneじゃないんじゃないかって思ってたくらい(笑)。O:それがその通りでさ。実際、今年の頭までブラックベリーをSIMフリーなんてわざわざ買ってまで使ってたのよ。でもいよいよマーケット的に日本語対応しなくなったわけよ。でも(携帯を変えた)一番大きなきっかけは、ニューヨークで電話掛けてたら数日で電話代が10数万円になったことなんだよね。やばいかなって思って、「ねえ、LINEってどうなの?」って周囲に訊いたら全員「ぜひLINE導入してください」と。で、実際導入したらすごいスピード感で知り合いがつながっていって、そうこうしてるうちに今度はインスタグラム。いつかやればいいんでしょ?って感じだったんだけど、「やった方がいいかな?」って言ったらまたもや全員が、「はい。お願いします」それで、じゃあやるけど、いわゆる商売じみた投稿はやらないよ、って答えて、できる範囲のことから始めたのね。それで、ネットサーフィンとかに近いことをして、“この人はこういうの好きなんだ”と思ったらフォローするってことをやってるうちに、世の中の種明かしまで分かっちゃって。あれにはびっくりしたね。あまりの情報の速さで。T:今後ウェブで仕掛けたいこととかあるんですか?O:新しいことを仕掛けたいというよりは、やっぱり第1に考えるのは、デジタルを駆使してる人とそうでない人との差を埋めることだよね。ウェブに関することを決める会議では、俺はいつも、最もウェブに精通していない消費者としての立場から意見を言うようにしてる。インスタとか使ってない人もいるんだから、そういうツールを全く利用していない人の視線で会話して盲点を探すことがすごく大事。「便利なのは使えるあなた達にとって便利なだけで、使えない人からしたらこれ全然便利じゃないよ」ってね。そういう考えがある中で通販を解禁したのは、お取り引き様に対して、解禁することによって自由にできることの幅を広げてもらいたかったんだよね。T:すごくシステマチックに考えてますね。うちは意外と人海戦術を使ってるところがあるんで参考になります。O:システマチックにやっていくと、各部署の責任持ってる人は成長していくけど、システムに乗っかってない人は成長しなくなっていくから、ある程度の人海戦術は必要だよね。例えば、やったことない人に100% 丸投げでやらせると、完成度はどうあれ、やる気のある人なら一定の結果は出してくれるしね。T:やって失敗したとしても、それが成長につながりますからね。成長しないやつってなかなか失敗もしないんで、失敗ができる環境って必要だなって思うんですよ。会社7年やっていろんな人見てきて思うことなんですけど、大きな仕事を成し遂げている人は、年齢関係なく、今より若い時に無茶ぶりされてきた人達であることが多いですね。O:うん。だから、無茶ぶりに応えてくれた後も、更に無茶ぶりし続けたほうがいいよね(笑)。システマチックに関して言うと、うちは最初の頃は、“個人の個性をいかしましょう”っことで、各自が持ってるアイテムを、俺が発表してるコレクションアイテムに組み合わせて着てもらってたの。そうすると、ショーのとは全然違うかっこいい着方するやつが出てきたりなんかして。最初の頃のほうがアクの強いやつが集まってくるしね。でもそのうち、ただ着たいの着てるだけのやつが出てきて、「うちのブランドはこういうふうに着ましょう」って説明しないといけないようになって。で、最終的にはショップでコーディネート決めまですることになったんだよね。そういうのまでもシステマチックにやらないといけないのかって思ったけど、スタッフが考えてやってくれたことだからうれしかったってのもあったね。雑誌に掲載されて反響が出ることが事前に分かってるがゆえに、「このタイミングでこう見せていきましょう」ってことだからね。T:うちは最近、新しく入ってきた子達が、口では日本ブランドがどうたらって言いながらインポートの洋服着て出社したんで、「店に立つときは、うちで売ってるものじゃなくてもいいから日本のものを着てくださいね」ってルール設けました。プライベートで着る分にはもちろん構わないんですけどね。来年には海外に進出しようと思ってるんですけど、その過程で海外のいいものを取り入れるようなことはあったとしても、「日本のブランドを世界に発信していく」っていうコンセプトだけは変わらず大事にしたいですね。1/2「エヌハリ尾花大輔×STUDIOUS谷正人が語るファッションデジタルマネジメント」に戻る。【尾花大輔プロフィール】1974年1月28日生まれ。神奈川県出身。古着ショップ「ゴーゲッター」立ち上げにかかわり、2000年「N.ハリウッド」設立。2002年東京コレクションデビュー、現在はニューヨークに発表の舞台を移している。直営店は東京都渋谷区神宮前4-13-16。コレクションラインとは別にスーツなどの「コンパイル」、アンダーウエアの「アンダーサミットウェア」を展開。【谷正人プロフィール】1983年10月12日生まれ。 静岡県出身。中央大学商学部卒業後、2006年4月デイトナインターナショナル入社。セレクトショップ・ステュディオス事業を立ち上げ、09年2月にMBOにより独立。同年3月株式会社ステュディオスを設立する。「日本発を世界へ」をコンセプトにドメスティックブランドを扱う。原宿の路面店の他、横浜、名古屋、大阪など大都市圏のルミネやパルコなどファッションビルに出店。15年11月には発九州進出となる福岡店がオープンする。16年には海外進出、新業態ローンチを予定。
2014年10月31日先頃、「N.ハリウッド(N.HOOLYWOOD)」が通販サイトを解禁した。その裏には、デザイナー・尾花大輔のいかなる思いがあったのか。デジタルの進化がファッションに、そしてマネジメントにも影響を与えている現代。同ブランドを取り扱っているという立場にあるだけでなく、尾花にとって朋友とも呼べるほどの間柄にある、「ステュディオス(STUDIOUS)」代表取締役CEO・谷正人と共に、ウェブとファッションの関係性について語ってもらった。谷(以下T):ちょうど今年の東コレが幕を閉じたばかりですが、最近の東コレってそれぞれの店の顧客が観覧してて賛否両論ありますけど、個人的にはすごくいいと思ってるんです。何でかっていうと、そのブランドの洋服が好きで買ってて、一番感動してくれる人達だと思うから。尾花(以下O):うん。そもそもファッションショーの目的自体が変わってきてるよね。コレクション経験者からしてみたら、ロケーションも選ばずにずっと同じライティングでやるってどうなの?とかあるけどそれは置いといて、日本はそこまでインフルエンサーは成長してはいないけど、多かれ少なかれ人気ブロガーがいて、そういう人達が支持したことによって市場につながるっていう、全く違うシステムに変わってきてるってのはあるからね。T:ですね。そういえば、こないだの東コレでびっくりしたんですけど、フロントローに座ってるブロガー達の中に中学1年生の女の子がいたんですよ。時代は本当に変わってきたなって感じましたね。O:海外だとそのブロガー達にスポンサーがついてて、ブロガー1人ひとりにお金が落ちてくる仕組みができあがってて、誌面にも登場させてお金に換えていくんだけど、日本ってそういうことがビジネスにまで昇華されてないよね。できればその中学生にも高校に入った時点で起業してほしいくらい。オフラインがオフラインのままで終わっちゃってるもんね。T:オフライン・オンラインでいうなら、最近ファッション業界もフェイスブック、ツイッター、タンブラーなどオンラインに力入れてるイメージはありますよね。O:やっぱり情報の見やすさとか速さとかに気を配ることは大切なことで、それは僕らコレクションブランドにもできることかなって思ってる。日本人もスマホ持つようになってきたからそんなに気にしなくていいとはいえ、地方に行ったら未だにガラケー率がすごく高くて、その人たちとの差を埋めるにはどうすればいいかってことを考えるよね。一昔前だと、NIGO(R)さんがやってた頃のベイプ(ア ベイシング エイプ)のホームページなんてすごかったんだよ。クリックするとメニューの表示なんかも全部ベイプのキャラクターに変わって、あっという間に画面全体がキャラクターに埋め尽くされちゃうみたいな。ウェブの専門家が見ても驚くような仕掛けがあった。反面、Macが「Performer」のころくらいのフォントで書かれたメニューをクリックして、ただ内容を見るだけっていう、マルタンマルジェラの(当時の)ホームページみたいなのもあって、それはそれでそういうスタイルだったんだけど。でも今って、「いかに速くて便利か」ってことが最も重要で、情報も生っぽいものが速く伝わるほどいいじゃない?多分あともう1年くらいしたら、ウェブ制作会社とか存続が危うくなると思うんだよね。俺とか谷君でも、「これとこれコピペしてここ書き換えたらたらこうなる」って感じで簡単にホームページ作れちゃうと思うし、コーディングの知識なんて必要ない時代がくるんじゃないかって。既に海外のアグレッシブなブランドなんかだと自分達でタンブラーレベルで情報出してるけど、それで十分かっこいいんだし。エヌハリ尾花大輔×STUDIOUS谷正人が語るファッションデジタルマネジメント--2/2【対談】に続く。
2014年10月31日長きにわたって世界の舞台で活躍してきたフィギュアスケートの高橋大輔さんが10月14日、岡山市内にて引退会見を開いた。近年の日本男子のフィギュアスケート界をけん引してきた高橋さんは、初出場した2006年のトリノ五輪で8位入賞を果たす。その後のシーズンで右ひざ靱帯(じんたい)を断裂するという大ケガに見舞われたが、懸命のリハビリでリンクに復帰。2010年のバンクーバー五輪では、日本人として初めてとなる男子シングルでの銅メダルに輝いた。今年2月に行われたソチ五輪では、右足にケガを負いながらも6位に入賞した。ソチ五輪後に2014-2015年のシーズンの休養を発表し、現役を続行するか否かを思案していたが、ついに第一線から身を引くことを決意した。引退が明らかになったこの日、その人気の高さを証明するかのように、高橋さんのinstagramには「大ちゃんお疲れ様でした。朝、寝起きでニュースを見てビックリしました。ちょっと涙が出てしまいました。いつかは必ず来る日だから覚悟はしてましたけど……高橋大輔さんの演技が大好きです! これからも応援し続けます! 」「なんて言ったらいいか、わからないけど……。ずっと大ちゃんが大好きです」「大ちゃんの選択がいつも正しいことをみんなはわかっています。心に穴がポッカリあいた気持ちやけど、きっとそれもこれからの大ちゃんが埋めてくれる気がします。お疲れ様でした。これからも応援しています。本当に本当にありがとう」など、高橋さんへの感謝のコメントが多数書き込まれている(すべて原文)。写真と本文は関係ありません
2014年10月14日自らの代表作である舞台作品を映画化した『愛の渦』も好調の三浦大輔がこの夏、渾身の書き下ろし作品を放つ。その舞台に出演するのは三浦の第一回監督作品『ボーイズ・オン・ザ・ラン』で主演を果たした峯田和伸(銀杏BOYZ)と、『愛の渦』主演の池松壮亮。映像の世界で三浦作品を体現したふたりが、舞台で再び三浦とタッグを組むこととなる。3人にこの作品に賭ける思いを訊いた。『母に欲す』チケット情報「『峯田くん、池松くんとたっぷり芝居をやりたい』というところから始まった企画」と語る三浦。舞台初挑戦となる峯田は「嬉しかった気持ちと、芝居はやったことがないから不安という気持ちと半々。でも三浦さんに声をかけてもらったからにはやらなきゃな、と思った」と話す。「僕は声も小さいし、2本の舞台を経験して自分は舞台に向いていないんじゃないかと思っていた」という池松は「それでも三浦さんだったら不思議と大丈夫と思えた」とこの舞台に参加した理由を語った。実母を亡くしたふたり兄弟のもとに、ある日父親が迎えた新たな母親が来る。それをきっかけにふたりのなかで巻き起こる葛藤を描く『母に欲す』。三浦が初めて家族、母という題材に正面からぶつかってゆく物語。これまで触れてこなかった題材を選んだ真意について訊くと、「自分にとっては禁断のテーマというか、いつかはやりたいと思いながらも勇気が出なかったもの。この芝居で舞台にひと区切りをつけようと思っています」と三浦から衝撃的な発言が飛び出した。「やめないでくださいね」と声をかける峯田や「三浦さんがそういうなら僕も」と言い出す池松に笑いながら「この先どうなるかはわからない。でも次は決まっていません。それくらい崖っぷちの気持ちでやっています」と言葉を続けた。「一度映画で一緒にやったこのふたりを呼ぶことで、『また群れでやりたいんだろうな』と思う人もいるかもしれない。でも舞台に呼んでしまえば、映画でせっかく築いた信頼関係が揺らぐ可能性だってある。弱いところを見せることもできない。恐怖の方が強いんです。でもいまここでやるしかないと思っています」と改めて決意を語る三浦。これが最後の舞台作品になるかはわからないが、彼の思いをすべて注いだ究極の作品になることは間違いなさそうだ。公演は7月10日(木)から29日(火)まで東京・PARCO劇場にて。チケットの一般発売は5月31日(土)午前10時より。チケットぴあではインターネット先行抽選「プレリザーブ」を実施中、5月13日(火)午前11時まで受付。取材・文:釣木文恵撮影:源賀津己コスチューム:三浦大輔 …「NEO RESISTANCE」「Roen」、峯田和伸・池松壮亮…「カインドウエア」スタイリスト:DAISY 石橋瑞枝( DAISY M’S OFFICE )ヘアメイク:河村陽子
2014年05月09日EXILE・眞木大輔主演の中島良監督最新作『俺たちの明日』(4月5日公開)の場面写真が5日、公開となり、眞木大輔や大東駿介、中尾明慶らが演じる登場人物のキャラクターや、ストーリーの一部が明らかになった。同映画は、希望、夢、愛、自由…すべてを失い、どん底人生を歩んでいた8人の男たちの物語で、だれが敵でだれが味方なのかわからない中、裏切りやどんでん返しが連続して起こる息もつかせないストーリー。超一流の盗人・不動龍は、仲間の小田切俊郎・横倉貴史と共に、裏取引からなんでも行う質屋Kに盗みに入る。リュウの目的は、高価な宝石やバッグではなく、"心の一番奥深くにある願いを叶えてくれる"と噂される『伝説の金貨』を手に入れること。この仕事を最後に足を洗おうという決意でリュウは盗みに入ったが、そこで別々の目的を持った男たちと鉢合わせになり、とんでもない事態に巻き込まれてしまう。主人公の不動龍を演じるのが、EXILEのパフォーマー・眞木大輔。その仲間で冷静沈着な小田切俊郎を俳優の大東駿介が、リュウと長年行動を共にし、舎弟分でもあり親友でもある横倉貴史を俳優・中尾明慶が演じる。そして、不動龍に強い恨みをもつベテラン刑事に平田満、裏取引など何でもやる質屋店主に武田真治、さらに、チンピラの柿ノ木剛にLead・谷内伸也、質屋のアルバイト店員・加藤新平に橋本一郎、 新平の恋人で風俗嬢の原心愛に佐津川愛美、エリート警察官の木戸誠に中村靖日と、個性あふれるキャストが出演する。(C)2014「俺たちの明日」製作委員会
2014年02月06日今月2日に亡くなった俳優、大滝秀治の訃報を受け、公開中の映画『あなたへ』で大滝と共演した高倉健がコメントを発表した。その他の写真高倉は、訃報を受け「大滝さんが今年に入り体調を崩され、入院なさっている間、お手紙の遣り取りを続けておりました。大滝さんの最後のお仕事の相手を務めさせて戴き、感謝しております。今までご一緒させて頂いたいろいろな場面が思い浮かびます。本当に素晴らしい先輩でした。静かなお別れができました。心よりご冥福をお祈り申し上げます」とコメントした。大滝は、1925年生まれの俳優で、1948年に東京民衆芸術劇場附属俳優養成所に入所。1950年に民藝創設に参加。以降、舞台を中心に活動を続ける一方で、『不毛地帯』や『あにいもうと』などの映画や、CMでも活動を続けてきた。今年6月の民藝公演『「うしろ姿のしぐれてゆくか』を体調不良のために降板し、療養していたが、今月2日に都内の自宅で亡くなった。『あなたへ』は、亡き妻の遺した絵手紙をきっかけにその真意を知るため、妻の故郷・九州へと旅に出る夫(高倉)の姿を描いたロードムービーで、高倉、大滝のほか、ビートたけし、佐藤浩市、草なぎ剛、綾瀬はるか、田中裕子、浅野忠信らが出演している。『あなたへ』公開中
2012年10月05日高倉健が6年ぶりに主演した映画『あなたへ』が公開中だ。高倉健主演、 降旗康男監督といえば『鉄道員』が有名だけど、今年はオリンピックイヤーだから、元オリンピック選手の生きざまを描く『駅 STATION』(1981年・東宝)をおすすめしたい。主人公のプロフィールと生き方を淡々と描き、ラストに起きる出来事で強いメッセージを残す。そんな構成も『あなたへ』によく似ている。主人公の三上(高倉健)は北海道警の刑事であり、射撃のオリンピック選手でもある。彼は正義感が強く、妻(いしだあゆみ)のたった一度の過ちを許せずに離婚した。また、オリンピックよりも、犯人逮捕の現場を優先しようとする。その矢先に警官射殺事件が起きる。上司はオリンピックを優先しろと言うが、三上は仇(かたき)を討たせてほしいと懇願する……。時は流れ、三上はオリンピック射撃チームのコーチとなっていた。しかし選手たちと疎遠になりながら凶悪犯も追い続ける。そんなとき、連続殺人容疑者の妹、吉松すず子(烏丸せつこ)の存在をつかみ、留萠本線増毛駅近くの食堂を張り込む。三上は自分の妹(古手川祐子)の幸せを願っていた。その妹とすず子を重ねつつ、凶悪犯の兄が妹を思う気持ちに賭けた。銀行籠城事件を解決し、刑事としてさらに評価を高める三上。彼の心にはいつも、「競技で撃つことと、人を撃つことは違う」というコーチの言葉がある。しかし職務では冷徹。遠慮なく凶悪犯に銃を向ける。そんな三上の前に、第3の女、桐子(倍賞千恵子)が現れる。増毛の町で逢瀬を重ねる2人。ひとときの安らぎ。刑事を続けるか、老いた母が待つ故郷に戻るか。三上の心は揺れていく……。脚本は、『北の国から』をはじめ、北海道を舞台とした数々の名作を手がける倉本聰。三上のコーチであり、人生の師匠でもある相馬刑事に大滝秀治。三上の故郷の漁師に田中邦衛。サブキャストも根津甚八、永島敏行、小林稔侍、橋本功など豪華だ。武田鉄矢、塩沢ときのコミカルな場面も、2時間超の大作で良いアクセントになっている。音楽を担当した宇崎竜童も暴走族のリーダー役で出演する。北海道の風景を情緒的に盛り上げる音楽の作者と、その配役の意外性も興味深い。オープニングは銭函駅の俯瞰(ふかん)撮影で、DD51が引く黒い貨物列車が通り過ぎる。次の場面、三上の妻子はED76が引くオハ35系客車で旅立つ。こんな場面から始まれば、物語も、鉄道の場面も期待してしまう。その期待通りの美しい映像で、鉄道も描かれる。物語の主軸となる路線は留萠本線だ。旅客列車は新品でぴかぴかのキハ40形と、郵便荷物車のキユニ21形の2両編成。どの時間も車内は混んでいる。増毛~留萠間の気動車列車は短いが、貨物列車は長かった。留萠駅からは羽幌線(1987年廃止)が分岐し、羽幌炭鉱からの貨物列車が留萠駅に集積した。炭鉱といえば、劇中では函館本線上砂川支線(1994年廃止)も登場する。石炭輸送でにぎやかな上砂川駅の映像は、資料としての価値も高い。羽幌炭鉱が稼働していた頃の留萌はにぎわっていたようだ。映画館があり、車の往来も多い。炭鉱で景気が良いのか、2ドアクーペタイプも目立つ。本作撮影当時の留萌市の人口は約3万5,000人。現在は約2万4,000人という。増毛町も映画撮影当時は約8,000人の人口があり、繁華街もにぎわっている。同作品では、元旦未明の増毛神社の様子が描かれていて、留萠本線に初詣列車が走っている。現在の増毛町は約5,000人とのこと。その意味でも、この作品は国鉄時代のローカル線の活気も見せる映画といえそうだ。鉄道に対する人々の期待、ありがたみが、車内の混雑した情景に表れている。留萠駅の構内放送「るもいるもい、るもーい」も軽やかだ。増毛駅には駅員が常駐しており、台車にはチッキ便の荷物が山積みになっていた。筆者は最近、留萌本線を訪れた。留萌駅の構内放送は自動で控えめ。増毛駅は無人駅であった。タクシーの運転手に聞くと、炭鉱の閉鎖とニシンの不漁で人口が減り、かつてのにぎわいはないという。『駅 STATION』の撮影が行われた当時の北海道の国鉄は、客車列車が淘汰され、気動車や電車に置き換わっていく時期だった。劇中で約12年を描くため、序盤に旧型客車、中盤以降に気動車が登場する。札幌近郊の事件現場付近には711系電車が登場。この電車の存在だけで、そこが札幌だと示している。このように、鉄道を使って時系列や場所を示す手法は、高倉健主演、降旗康男監督の最新作『あなたへ』でも効果的に使われている。さて、本作のタイトルとなった『駅』はどこだろう? 銭函駅は序盤だけだし、留萠駅は主人公たちにとって通り過ぎるだけの存在といえる。ではやはり、濃厚なエピソードが起きる増毛駅だろうか? いや、物語のテーマである「駅」の意味は、劇中で三上に届く、ある手紙の中にあると筆者は考える。その手紙の中の「駅」は、三上の人生の道標ではないか。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年09月09日8月25日(土)の公開以来、82万人を超える動員数を記録している、高倉健6年ぶりの主演作『あなたへ』が現在開催中の第36回モントリオール世界映画祭のワールドコンペティション部門に正式出品され、高倉さんが18年ぶりに海外での映画祭で現地に赴いた。1994年の『四十七人の刺客』でヴェネチア映画祭に参加して以来の海外の映画祭への参加となる高倉さん。モントリオール映画祭では、盟友・降旗康男監督とタッグを組んだ傑作『鉄道員』で日本人俳優としては初の最優秀賞男優賞を受賞したが、実際に映画祭に参加するのは今回が初めてとなった。31日(現地時間)に現地入りした高倉さんは、「良い街ですね。一番良い季節に来ることができたので、とてもきれいで気持ちが良いですね。モントリオールに部屋を借りようという話もしていました」とリラックスした様子で、街を散策するなど、初めてのモントリオールを満喫してしていた。翌々日の2日に行われた公式会見には海外メディアなど約100人もの人々が集まり、「こんなに大勢の方がいらっしゃるとは思いませんでした。大変嬉しいです」と驚きを隠せない様子の高倉さん。前作『単騎、千里を走る』からなぜ6年も俳優業を休んでいたのか?という質問があがると、「Very difficult question.(難しい質問です)。いまはまだ分かりません。6年前に中国映画に出てから、自分の仕事の仕方を考え直していました。まだ結論は出ていません」と明かすや、今回の映画祭への出席の理由を「13年前に『鉄道員』で最優秀男優賞をいただいたので、どこかで御礼がしたかったことと、降旗監督が来れなくなったのでしぶしぶ来ました」と冗談を飛ばし、会場を沸かせた。また、同日に行われた公式上映では、エンドロール開始直後から拍手が沸き起こり、スタンディングオベーションが続いた。この光景を目にして涙を浮かべた高倉さんは、手を上げて観客に応え、自らも観客に声をかける姿に、さらに観客から盛大な拍手が送られた。会場を後にした高倉さんは、「泣いちゃったね。ふっと出てしまったよ。映画祭は良いものだね。何十年も役者をやってきても、こんな経験をするんですね。心に衝撃を受けました。映画にはそういう力があります」と感激しきりといった様子だった。海外プレスや一般観客からは「日本的な内面の感情表現がとても美しい」、「高倉健が81歳だなんて信じられません。これからも何本も作品に出てほしい」など作品や高倉さんの演技に対して高い評価を集めていた本作。受賞にも期待がかかる。『あなたへ』は全国東宝系にて公開中。■関連作品:あなたへ 2012年8月25日より全国東宝系にて公開© 2012「あなたへ」製作委員会
2012年09月04日高倉健の6年ぶりの主演作となる『あなたへ』。メガホンを執ったのは、監督としてはこれが20本目の高倉とのコンビとなる降旗康男。「若い映画スタッフに日本映画界にはこういう監督さんがいるということを伝えたい」と高倉も語る名匠が映画について、高倉について語ってくれた。その他の写真本作は、妻に先立たれた刑務官の男が、妻が遺した言葉の真意を探るべく彼女の故郷を目指して旅をする姿を温かく描き出す。「高倉健は僕のアイドル」と語る一方で、助監督時代からの半世紀に及ぶ彼との関係を監督は「腐れ縁」と表現する。「最近よく聞かれます。『あなたにとって高倉健とは?』ってね。“アイドル”という言葉が一番しっくりくる気がするんですよ。アイドル映画を作ってきたわけだね(笑)。初めて会ったのは僕が大学を出たばかりの21で健さんは23かな。それからずっとでしょ。“友情”とか“信頼”というのは壊れるかもしれないから、壊れない僕らの関係はやっぱり腐れ縁だね」。『夜叉』『あ・うん』のプロデューサーだった故・市古聖智が遺した原案を基に作り上げた本作。これまで数々の印象深いドラマ、主人公を高倉と作り上げてきたが、本作に対してこれまでとは違った思いを抱いたという。「これまでの健さんとの映画では、主人公はいろんなしがらみをあえて自分から背負うようなところがあったんです。それが今回は奥さんの手紙に導かれて、しがらみから解放されていく男の姿が浮かんできました。『あぁ、年を取るというのはそういうことなんじゃないか』という思いがありました」と温和な笑みを浮かべて20作目にしての変化を明かす。高倉の妻を演じたのは、降旗監督の『ホタル』でも高倉と夫婦を演じた田中裕子。高倉の田中に対する口調が、本作ではどこか甘えるような響きなのが印象的だ。「2人が一緒になる時点で、英二(高倉)は奥さんに引きずらてるんですね。奥さんが先を歩き、夫がついていくという夫婦像を健さんが考えて表現してくれたんでしょうね」と嬉しそうに語る監督の目にはまさしくアイドルに対する憧憬が宿っている。「この年になると撮りながら1本1本、これが最後かもしれないという思いがある」と言いつつも、まだ炎は消えていない。「健さんはまだまだ自分は頑張れると思ってらっしゃるはずです。あれだけ真っ直ぐに立っている、後ろ姿のキリっとした81歳はいないでしょう。アイドルは不滅ですから(笑)、ぜひ機会があればまたアイドル映画を撮りたいです」。穏やかだがはっきりとした口調でそう言い、穏やかな笑みをたたえた。『あなたへ』公開中取材・文・写真:黒豆直樹
2012年08月28日「ぴあ」調査による8月24日、25日公開の映画・満足度ランキングは、高倉健、6年ぶりの映画主演となる『あなたへ』がトップに輝いた。2位に山田孝之主演の『闇金ウシジマくん』が、3位に佐藤健が伝説の剣客を演じた『るろうに剣心』が入った。その他、上位作品の写真1位の『あなたへ』は、亡き妻の願いを叶えるべく旅に出た男の姿を描いたロードムービー。出口調査では「言葉は少ないが、訴えかけてくるような高倉健の素晴らしい演技は健在。心の繋がりなどが伝わってくる感動的な話だった」「過去を振り返り、将来を見据えて自らの目的を達成していく登場人物たちに感動した」「観終わった直後で涙が止まらない。この映画はぜひ夫婦で観てほしい」「夫婦となり、男女が寄り添っていくことを決めた以上、互いのことを考え、自分を大切にすることが重要だと感じた」など、特に60代以上の観客を中心に支持された。2位の『闇金ウシジマくん』は、真鍋昌平の同名コミックを映画化した作品。観客からは「社会の闇を描いた傑作」「原作を上手く再現している。法律に興味のある学生に観てほしい」「ストーリー面はとても原作に忠実。日常では経験しないような闇金に関することが描かれていて、役者も豪華で観る価値あり」「自分が今まで経験したことのないような世界の話で、興味深く勉強になった」「闇金に手を出してはいけないという教訓になるので若い人に観てほしい」など、原作ファンからも好評を集め、10代、20代の若者から好評だった。(本ランキングは、2012年8月24日(金)、25日(土)に公開された新作映画7本を対象に、ぴあ編集部による映画館前での出口調査によるもの)
2012年08月27日名優・高倉健が、6年ぶりの主演映画として降旗康男監督と20作目のタッグを組んだ『あなたへ』が8月25日(土)、公開初日を迎え、翌日の26日(日)に高倉さんは映画の撮影に使用された富山刑務所に表敬訪問。刑務官と受刑者に向けて挨拶を行い、異例の試みである刑務所内での本作の上映を実施した。高倉さん演じる倉島英二の勤め先という設定で撮影が行われた同刑務所。興行中の映画を刑務所で上映するのは極めて異例で、映画配給元の東宝としても同刑務所としても初の試みであったが、高倉さんは撮影協力の感謝の気持ちを伝えるために訪問を決意。講堂に集まった約350名の受刑者に対して「昨年、富山刑務所には大変お世話になりました。これから観ていただく映画『あなたへ』は、人を想うことの大切さ、そして想うということは切なさにつながる(ということを描いています。)1日も早く、あなたの大切な人のところへ帰ってあげてください」と挨拶した。さらに、「自分は日本で1番多くみなさんのようなユニフォーム(舎房衣)を着た俳優です」と場を和ませる一幕もある中で、「なぜだか涙が出ました。不思議な映画のスタートとなりました」と感慨深い様子を見せた。その後、富山県内の劇場にて共演の田中裕子と降旗監督も合流し、計4回1,000人の観客に向けて、感謝の舞台挨拶を行った。映画のロケ地でもあり、物語のスタート地点でもある同地は魚がおいしい地としても知られるが、「実は魚がダメなので、おいしい肉とイタリアンを見つけて行っていました」と告白する高倉さん。「富山に来たことがなかったのですが、お世辞ではなく良い街でいた。またこの地で撮影できることを祈っています」と語った。一方、「富山のおいしいお魚とお酒を食べて撮影した成果がこの映画です」とご当地の味を満喫した様子の降旗監督。「山と海と街がひとつの画面に入る、とても“映画的な”街でした」と思い思いに感謝の言葉を口にすると、客席から温かい拍手が沸き起こった。土曜日の観客動員は50代以上の観客を中心に10万人を突破し、今後250万人以上の動員を見込める好スタート。『あなたへ』は全国東宝系にて公開中。■関連作品:あなたへ 2012年8月25日より全国東宝系にて公開© 2012「あなたへ」製作委員会
2012年08月27日日本映画界を代表する名優、高倉健の主演作『あなたへ』が25日(土)から公開される。2006年公開の『単騎、千里を走る。』以来、6年ぶり、205本目の出演作について高倉が語った貴重なコメントがこのほど到着した。その他の写真本作は、15年連れ添った妻の遺骨を散骨するため、妻の故郷の長崎へと自家製のキャンピングカーで旅をする男の姿と、そこで男が知った“妻の本当の想い“を描き出すロードムービーだ。中国のチャン・イーモウ監督とタッグを組んだ前作から6年。もちろん、この期間には多くの企画や出演依頼が高倉のもとに寄せられたが、高倉は「やっぱりあの中国の、チャン・イーモウ率いる百何十人のスタッフから受けた影響というのは、間違いなく僕のなかでとても大きかった。映画を撮ってお金をもらう生活が、とてもむなしく感じたんですね。だから、映画だけじゃない。CMも何もかも、一切を断ったんです。もう何年か経ったらわかるんじゃないかな、その理由が。でも、今は答えられない」と振り返る。転機が来たのは、『夜叉』や『あ・うん』を手がけた故・市古聖智氏が遺した原案を、繰り返しタッグを組んできた降旗康男監督のメガホンで映画化するという企画が舞い込んだことだ。「今回強かったのは、僕と監督は、今後そんなにたくさんの映画を撮れないだろうなって感じたことと、「日本映画界にはこういう監督さんがいらっしゃるよ」ってことを新しいスタッフに知ってもらわなきゃいけない、そういう役目が俺にはあるんじゃないかなと思ったんです」。本作で高倉は、田中裕子、大滝秀治、ビートたけしら過去に共演歴のある俳優たちだけでなく、浅野忠信や綾瀬はるから若い俳優たちとも共演した。「やっぱり、仕事をするってことは新しい人と出会うってことだから。“出会う”ってことはいいよね」。デビューから半世紀以上、映画界の最前線で演じ続ける高倉にとって、演技とは“想いを伝える”こと。それは妻への想いを抱えて日本を横断する本作の主人公とも重なる。「俳優が作られた話を演じて、他の人と比べて高いお金をもらっているのは、やっぱり想いを伝えるってことだからだよね。だからそのとき、なにか夢中になってやれるもの、それは自分がもらった役なんだけど、そうだよなって共感して演じられる、そういう気分のときじゃなくては、いいものにはならないんだよね」。亡き妻の想いと、自身の妻への想いを抱えて、長い旅を続けた主人公・倉島は、旅路の果てに何を見つけたのか? 映画『あなたへ』は、6年ぶりに高倉が観客に伝えたい“想い”がつまった作品に仕上がっている。『あなたへ』8月25日(土)公開
2012年08月23日