「三代目J Soul Brothers from EXILE TRIBE」岩田剛典との共演で話題の『植物図鑑』にて主演を務めるなど、注目を集める若手女優・高畑充希がヒロインを演じる平成28年度前期連続テレビ小説「とと姉ちゃん」。この度、豪華共演者が発表され、「純情きらり」以来2度目の連ドラ出演となる西島秀俊や、本作が連続テレビ小説初出演となる坂口健太郎らが名を連ねた。1932年。戦前の静岡県遠州。繊維のまちで育った主人公・小橋常子。三人姉妹の長女として、子ども思いの父と優しい母とともに、2人の妹の面倒をみるしっかりものの娘だった。ある日、父・竹蔵が結核にかかったことで生活は一変。死の間際、竹蔵は常子に「ととのいないあとは、常子がととになって、家族を守ってくれ」と遺言。常子はその言葉を胸に、2人の幼い妹と母を守って生きていこうと、胸に誓う――。こうして「とと姉ちゃん」となった常子は、恋も休みもそっちのけで家族のために奮闘する。だが生活が立ち行かなくなり、母・君子は、仲違いしている東京・深川の母を頼って一家で上京することに。その後常子は女学校を卒業、小さな新聞社に入り編集作業を学ぶ。そして昭和20年、終戦。東京は焼け野が原になり、常子は戦争で犠牲になるしかなかった子どもたちや女性たちに思いをはせる。「女のひとたちが幸せな暮らしを送れなかったら、そんな世の中は駄目だ。私に唯一できること、妹たちと雑誌をつくって、事業を起こそう」と、常子は2人の妹たちと1冊の雑誌をつくることを決意する。だが、素人の彼女たちは具体的に何をどうやって雑誌をつくっていくのか全くわからない。そんなとき、常子たちの前にひとりの男が現れる。名は花山伊佐次。小橋三姉妹と天才編集者・花山伊佐次、その出会いは戦後一世を風靡する生活総合月刊誌「あなたの暮し」誕生の瞬間であった…。主人公・小橋常子を演じるのは、連続テレビ小説「ごちそうさん」に希子役として出演し、高い演技力と歌唱力をもつ女優として一躍脚光を浴びた高畑さん。その歌唱力を活かしディズニー実写映画『シンデレラ』では日本語吹き替え版キャストを務めた、蜷川幸雄演出の音楽劇「青い種子は太陽のなかにある」にも出演した。そして、高畑さん演じる常子をとりまく登場人物たちのキャストが決定。浜松の染物工場の営業部長で仕事熱心であるが、同時に家庭を深く愛し、眠る時間を削ってでも仕事も家庭も大切にする良き父・小橋竹蔵には、『劇場版 MOZU』の西島秀俊。そして、竹蔵との結婚をめぐって実母・滝子と絶縁した母・君子に、女優の木村多江。次女・鞠子には、超若手女優・相楽樹。三女・美子は、『思い出のマーニー』声優や『トイレのピエタ』のヒロインに抜擢された杉咲花が務める。杉咲さんは本作が連続テレビ小説初出演となる。そのほかのキャスト陣にも、本作で“連続テレビ小説”デビューを飾る若手俳優がずらり。『ヒロイン失格』『俺物語!!』と立て続けに話題作に出演し“塩顔男子”としていま最も注目を集める若手俳優・坂口さん。本作では、青春時代の常子を支える青年を演じる。そして、映画『インシテミル 7日間のデス・ゲーム』で俳優デビューを果たした大野拓朗が、上京した常子が出会う深川の家の跡取り養子を担当。さらに、「AKB48」の元メンバーにして、ドラマ「ごめんね青春!」出演など女優としての活動を本格化した川栄李奈も出演決定。物語の鍵を握る人物であろう花山伊佐次などの配役はいまだ発表されておらず、今後の続報にも期待したい。以下、キャストコメント■高畑充希(ヒロイン・小橋常子役)キャスト表を先日いただいた時に、開いた瞬間、すごくわくわくしました。さきほど木村多江さんに運命感じてるって言われて、ちょっと舞い上がってます。放送はまだ先ですが、そろそろ撮影も始まるので、ちょっと気合い入れて、でもなにより楽しんで、みんなで肩組んで楽しく長丁場をやり抜きたいと思います。■木村多江(小橋君子役)今年に入ってから、テレビで高畑さんを見る機会があり、なぜか彼女の事が気になっていたのですが、今回お仕事をさせていただくと伺って、「あっ、私は彼女ともう通じあっていたのか!」と勝手に思い込んでいました。「とと姉ちゃん」は、とても温かくて、今の時代にちょっと忘れかけている、本当に日常のささいな事を大切に生きている人たちの話です。現場でもあたたかい空気でやっていけば、きっと映像を通して皆さんに伝わるんじゃないかと思い、頑張っていきたいと思います。■相楽樹(小橋鞠子役)私はこの役のオーディションを受けましたが、本当に私も小さい頃に両親のことを、“とと”と、“かか”と呼んでいたことがあったので、この作品に運命を感じていました。この役が出来ると決まってすごくうれしいです。家族の大切なお話なので、家族の雰囲気を大事に丁寧に演じていけたらと思っています。■杉咲花(小橋美子役)私は登場が9週目からなのでまだ先なのですが、撮影がすごく楽しみです。今日初めてキャストの皆さまにお会いして、私もこの方々と一緒に「とと姉ちゃん」という作品に関わらせていただくのかと思うと、すごくうれしくなりました。頑張ります。■向井理(小橋鉄郎役)最初は戦争だったり、戦後の高度経済成長だったり、今回いろいろな激動の時代を駆け抜けることになると思いますが、この時代の中でもしっかり生きていた人たちのヒューマンドラマを、ちゃんと描いていけたらと思います。個人的には久しぶりの連続テレビ小説の出演なのでワクワクしておりますが、今思い出すと大変なことばっかりだったので、それをいかに楽しく過ごせるかというのがポイントかなと思います。役柄はわりと自由奔放な役ですが、男手がいなくなった小橋家に、1人だけ親戚という形で携わっていくという面でもそうですし、実際に撮影でも座長をしっかり支えていけるように頑張りたいと思います。■大地真央(青柳滝子役)宝塚時代に、余興でおじいさんの役はやったことがあるんですけれども、今回初めておばあさんの役を演じます。やる以上は徹底して、滝子おばあちゃんをやりたいと意気込んでおります。ちょっと厳しい滝子ではありますが、その奥にある愛情を、厳しさの中に表現できればと思っております。■片岡鶴太郎(隈井栄太郎役)私は「青柳商店」の筆頭の番頭という役で、生っ粋の江戸っ子という役です。私自身が江戸っ子ですので、いわゆる東京弁、江戸弁をいかんなく発揮できるかなと思っております。かなり喜怒哀楽の豊かな男でありますので、明るい朝になるよう演じていきたいと思っています。■大野拓朗(青柳清 役)今回出演が決まった時に、祖母はじめ家族のみんながものすごく喜んでくれて、親孝行できたことがすごくうれしく思います。そして現在、大河ドラマ「花燃ゆ」に出させていただいていますが、その「花燃ゆ」メンバーも「とと姉ちゃん」に出ると決まった時に、自分のことのように喜んでくれて、連続テレビ小説に出るっていうことがすごいことだと、改めて実感しています。役柄としては、脚本家の西田さん節さく裂のコメディー担当という風に聞いています。お茶の間の皆さんが清を見た時に、「うわ、清また出たよ!」って楽しみながら思ってもらえるように演じていきたいと思います。■秋野暢子(森田まつ役)私も今回初めて、おばあちゃま役をやらせていただきます。厳格で、息子には厳しく、嫁には優しい、そして小橋常子さんが雑誌を出す時には、食に関して、おばあちゃんの知恵袋のようなものを授けていけるような役にしていきたいと思っています。森田家は一癖も二癖もある人ばかりそろっておりますので、出てくると楽しい家族だなっていうのを、みんなで協力して作って行きたいと思っております。■ピエール瀧(森田宗吉役)単細胞な仕出し屋の主人の役で、とても楽しそうです。戦前の昭和の初期のころ、活気があった時代を担当するのが、森田家だと思います。そのころの元気があった日本の職人の感じとか、家の感じを楽しくやっていけたらなと思います。■平岩紙(森田照代役)森田家は、裏表の無いさっぱり、すっきりした、元気な、はつらつとした家族だと思いますので、そこに嫁いだ嫁として、そこに動じず、ただ自然に生えた草のように、朗らかに演じられたらなと思っています。この時代の日本の丁寧で心豊かな生活を、今の日本の若い方たちにぜひご覧いただき、いろんなことを感じていただけたらなと思っております。■川栄李奈(森田富江役)皆さんすごくお優しい方だと思うので、皆さんから何かを学びつつ、一生懸命頑張りたいと思います。■坂口健太郎(星野武蔵役)今回、星野は不思議なキャラクターで、学者肌で植物が大好きな青年ですが、星野に愛情がもうすでに出てきてるくらいです。ゆったりとこの役に溶け込みながら、すごく愛していただけるキャラクターにできるように頑張りたいと思います。■阿部純子(中田綾役)皆さんと一緒に、誰かの日々のささやかな幸せにつながるような作品が作れたらいいなと思っています。中田綾は強くて、しんが通ってる女性です。でもちょっとだけ、かわいらしい部分もあって、私はこの役を演じることで、自分には無い女らしさをおすそ分けいただくような気持ちでドキドキしています。■片桐はいり(東堂チヨ役)この役は、主人公の小橋常子さんと鞠子さんの先生役ということ、後に雑誌を作るようになるきっかけになる役という風に聞いております。それなりに影響力の大きい役なので緊張致しますが、その時代の型破りを目指したいと思います。連続テレビ小説「とと姉ちゃん」は、2016年4月4日(月)より全156回にて放送予定。(text:cinemacafe.net)
2015年11月09日第28回東京国際映画祭「JAPAN NOW」部門に出品された映画『ピンクとグレー』が10月28日(水)、東京・新宿ピカデリーで公式上映され、メガホンをとった行定勲監督が出席した。アイドルグループ「NEWS」の加藤シゲアキが処女作として執筆した同名小説を映画化。人気俳優の白木蓮吾が謎の死をとげるなか、世間は蓮吾の幼なじみで、遺体の第一発見者でもある売れない俳優・河田大貴に熱い視線を注ぐ。あえて原作を大胆に脚色し、実験的な演出にも挑んだ“再構築”ともいえる映画版に、行定監督は「加藤くんのファンには怒られるかもしれないけど、映画化するなら(原作とは)違う着地点もあるかなと思った」。その上で「まだ加藤くん本人から感想は聞いていないが、映画にも造詣が深い人なので、きっと僕らが映画でやろうとしたことは理解してくれるはず」と信頼を示した。トップスターと、その幼なじみで売れない俳優という表裏一体ともいえる関係性を演じるのが、アイドルグループ「Hey! Say! JUMP」の中島裕翔と、若手実力派の菅田将暉。行定監督は「裕翔くんはアイドルとして、いい意味で恥ずかしげもなく自分をアピールできる人。プロじゃないとできないことで、さすがジャニーズのアイドルだと実感した」「菅田将暉はいま、日本の映画監督が一番欲しがっている奇才」と二人の魅力を熱弁した。10月上旬には本作が出品された「第20回釜山国際映画祭」に、行定監督をはじめ、中島さん&菅田さんが現地入り。「お互いをリスペクトし合っているのは分かるけど、本当に仲良しでいつもベタベタしている。手でもつないでるんじゃないと思うほど」と現地での二人の“ラブラブぶり”を明かしていた。第28回東京国際映画祭は10月31日(土)まで、メイン会場となる六本木ヒルズをはじめ、TOHOシネマズ新宿などで開催。『ピンクとグレー』は2016年1月9日(土)全国にて公開される。(text:cinemacafe.net)
2015年10月28日第87回米国アカデミー賞長編アニメーション部門にノミネートされた高畑勲監督『かぐや姫の物語』のプロデューサー西村義明と、同作で中心的な役割を果たした百瀬義行が再タッグを組んだ映像作品「JR 西日本 SUMMER TRAIN!」が本日より公開された。北陸から九州まで、美しい海、山、川といった自然はもちろん、歴史ある寺社や史跡など魅力的なスポットの多い西日本エリア。多くの人に列車で訪れてほしいというJR西日本の思いが込められた映像作品は、3世代家族によるかけがえのない瞬間を描き出した内容となっている。西本家の旅の始まりは駅のホームから。不機嫌な鉄太に、やさしい声をかけるおじいちゃん。しぶしぶ列車に乗り込んだ鉄太だが、列車が動き出した瞬間に、頭の中は一気に夏休みに!青い海に山でのバーベキューと夏を楽しむ西本家の姿が映し出される。百瀬監督のもとに多くのジブリ作品を手がけたアニメーターや美術スタッフが参加した本作は、どことなく『となりのトトロ』の山や『崖の上のポニョ』の海を想起させる。特に注目すべきは、絵画表現とCG技術の融合した新幹線の走行カット!背景美術とCGを融合させて動かすという新たな「列車表現」に挑んでいる。さらに圧倒的に楽しく明るい家族を描こうという演出方針のもと、家族みんなのワクワク感を創出するために、現場では大人もこどももジャンプしたり、その場で走りながらのアフレコを敢行したというのだから驚きだ。同日公開となったテレビCMでは、「軍師官兵衛」「MOZU」など数多くの映画やテレビドラマ音楽を手がける作曲家の菅野祐悟を迎えたバージョンを放送。楽しそうな家族3世代の表情に、思わず見ているほうも「出かけたい!」という気持ちになってしまうワクワク感あふれる映像作品に仕上がっている。スペシャルサイト「SUMEER TRAIN WEB」では、夏のおでかけにおすすめのスポット情報を始め、家族そろって楽しむことができるコンテンツを順次展開予定だという。(text:cinemacafe.net)
2015年06月24日女優・杏が『GO』『世界の中心で、愛をさけぶ』『北の零年』の行定勲監督とタッグを組んだWEB限定ムービー第1弾「『澪』と過ごす母の日」篇に続き、第2弾となる「『澪』と過ごす七夕」篇が本日公開となった。“My First Mio”というテーマのもと、季節ごとのイベントに絡め、WEB限定ムービーを展開している同企画。第2弾となる本作では、織姫と彦星の伝説でお馴染みの「七夕」をテーマに、デザイン事務所に勤務するOL役の杏さんと、彼女がひそかに想いを寄せる会社の先輩役の青木崇高(『るろうに剣心 京都大火編』)の共演で、微笑ましくも愛おしい大人のラブストーリーを描いている。七夕の夜、気になる人と夜空の下で澪を飲みながら距離を縮めたい…そう思わせるような映像。会社の先輩と後輩という役どころを演じた杏さんと青木さんは、以前NHK大河ドラマで共演歴もある旧知の仲。行定監督の「距離感が近くて、とても良かった」との言葉通り、本番でも2人の息はぴったり。心のうちに抱えている恋心を、相手に分かってほしいような、分かってほしくないような、表情や仕草からは捉えにくい男女の微妙な機微を、見事に表現している。撮影で、杏さん自身「迫力があって楽しかった」と語るのが、屋上で笹を燃やすシーン。短冊や笹を燃やした煙が天まで届き、願いを叶えてくれるという七夕の風習を再現したものだが、当日は風が強い時間帯もあり、飛び散る火の粉から青木さんが杏さんを守るという場面も幾度となく見られたよう。美しい天の川の下、2人で静かに火を見つめている幻想的なお芝居から一転、思わぬオチが発覚するところでは、あまりにも楽しそうな掛け合いに、周りのスタッフもすっかり笑顔になったようだ。本作での「澪」の飲み方を「僕自身、すごく好きです」と語る行定監督。「なぜなら、彼女は自分の心が相手に悟られたと思った瞬間に『澪』を飲むわけですよね。その味はどんな味なのかなと思って。飲んだ瞬間、彼女があーって、ため息をついてホッとしたような顔をする。そういう風にしたところが、演出の上でこだわったポイントです」と撮影秘話を明かしてくれた。さらに撮影を終えた行定監督は、「長編ドラマだと、必ずクライマックスが訪れますが、映画で言うとクライマックスではなく、あくまでも積み重ねたシーンのひとつ。それが短編です。その積み重ねが一つのシーンのシークエンスでしかないはずなのに、そこにもクライマックスがちゃんとある」と本CMを手がけて、短編ならではの面白さにも気づけたと話す。「大人になると、七夕に短冊を書く機会は多くないと思います。今回ムービーを通じて、改めて、季節を感じ、願いをこめる素敵なイベントだなと思いました」と撮影をふり返る杏さん。物語の中では、短冊に現実的な願いを書き、青木さん演じる泰彦に茶化されるシーンもあるが、もし七夕に願いごとを書くなら?と聞かれると「時間がないので、どこか旅行に行きたいです。海や山へ犬達も一緒に連れていきたいですね」と素朴な願望を口にした。(text:cinemacafe.net)
2015年06月19日『河童のクゥと夏休み』『クレヨンしんちゃん』シリーズの原恵一監督最新アニメーション『百日紅~Miss HOKUSAI~』ジャパンプレミアが4月28日(火)に開催され、声優を務めた杏、松重豊、濱田岳、清水詩音、原監督が和装で舞台挨拶に臨んだ。若くしてこの世を去るも、遺した作品はいまなお高い支持を集める杉浦日向子の人気漫画「百日紅」の映画化。天才浮世絵画家・葛飾北斎の娘で、自身も女ながらに絵師として活躍したお栄を中心に、江戸時代に生きる町人の暮らしを瑞々しく描き出す。杏さんは「大好きな杉浦日向子さんの作品に参加することができて本当に嬉しいです」と万感の思い。自身が演じたお栄に対しては「江戸時代に女性が浮世絵師というクリエイティブな仕事で生計を立てていたというのは稀有なことで、唯一無二と言えるかもしれません。共感というよりは憧れや尊敬の念を感じています」と語る。お栄の父・北斎を演じた松重さんは、声優初挑戦となったが「北斎というビッグネームを声で演じるということで大変なプレッシャーもありました。この歳まで声優というものに憧れを持っていて、52歳でやっとデビューできました」としみじみと喜びをかみしめる。濱田さんも本作で声優デビューとなったが「収録の少し前に松重さんと同じ現場があって『どうする?』『どうする?』と言ってました。松重さんが先に収録だったので、偵察に送って(笑)、『声の現場はどういう感じでした?』とLINEで送ってアドバイスをもらって乗り切りました」と語り笑いを誘う。原監督は2011年の企画の始動からここまで長い道のりだったが「やっとここまで来られたというのが正直な感想」と感慨深げ。「杉浦さんの作品が昔から大好きだったので、初の映像化作品の監督になれたことはものすごい誇りです」と喜びを口にする。気になる仕上がりに関しては、これから映画を見る初めての観客を前に「今回はかなり自信があります。(ハードルを)上げてもらっても大丈夫です!」と胸を張った。杏さんはアニメーションとなった本作について「江戸時代は、いまは失ってしまった“闇”――夜の深い闇が存在していた時代で、だからこそようかいや怪奇現象が本当にあったと思えたのだと思います。リアルにアニメのタッチも変わっていきながら表現されていきますが、めまぐるしく変わっていく景色、風景、現象を動く映像で見られて感激しました!」とアニメーションならではの本作の魅力を強調する。松重さんも、北斎の代表作である「富嶽三十六景」のひとつで、大波の向こうに富士を描いた「神奈川沖浪裏」がアニメーションで表現されることに触れ「僕は神奈川県民ですが、こういう波は見たことがない(笑)。北斎はどこを切り取ってどういう富士が描きたかったのか?天才の目線がすごいものを見ていると再確認しました」と語り、これから映画を見る観客の期待を煽った。なお、本作は第39回アヌシー国際アニメーション映画祭(フランス)の長編コンペ部門に出品されることが決定!2600を超える作品の中から、栄えあるコンペ部門への招待となった。過去には『紅の豚』(93年度/宮崎駿監督)『平成狸合戦ポンポコ』(95年度/高畑勲監督)が日本映画として同部門最優秀作品賞のクリスタル賞を受賞しているが、日本の文化を描いた本作に海外の観客、批評家がどのような評価・感想を抱くのか、期待が高まる。『百日紅~Miss HOKUSAI~』は5月9日(土)より公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:百日紅~Miss HOKUSAI~ 2015年5月9日より全国にて公開(C) 2014-2015 杉浦日向子・MS.HS/「百日紅」製作委員会
2015年04月28日日本アカデミー賞最優秀監督賞などを受賞した『GO』をはじめ、『世界の中心で、愛をさけぶ』『北の零年』など数々の話題作を手がけた行定勲監督と、女優・モデルとして幅広い活躍を見せる杏が初めてタッグを組んだWEB限定ムービー『「澪」と過ごす母の日』が、「澪」公式サイトにて公開となった。田舎から上京してきた母親(銀粉蝶)を、一人暮らしの部屋へ迎える杏さんのとある一日を描いた本作。母への感謝の手紙を読む杏さんのナレーションをバックに、“最愛の人=母親”と久しぶりの時間を過ごすため、「澪」と心のこもった手料理を振る舞う杏さん、そして彼女の温かいおもてなしを受ける母親が交じわす親子の機微と微笑ましいやり取りを、行定監督が圧倒的な映像美と情緒あふれる世界観と共に描き出す。撮影当日は、杏さんが脚本から抱いたイメージをベースに、行定監督から現場で伝えられた言葉や演技指導によるアレンジを加え、思わず画面に引き込まれるような独特の空気感が生み出された。杏さんと母親役の銀粉蝶さんは、今回が初共演。杏さんもひとり暮らしの働く女性を演じた前半とは一転、母親と過ごす後半はすっかり娘らしい穏やかな顔つきにかわり、本当の親子のような触れ合いをみせている。「さっぱりしていて、気遣いがすごいし、頭の良い人だってことがよく分かりました。撮影中、もう少しこうしてほしいといくつか連続で言って、それをほとんど網羅していましたからね」と杏さんの演技力に高さに驚いた様子の行定監督。「笑ってる顔とそうでない時の顔では、ずいぶん雰囲気が変わる。何より手足が長いでしょ。だから、ちょっとした動きがコミカルに見えたり、シリアスに見えたりする」とその魅力を語った。さらに「等身大の女性を演じる杏さんが母親と対峙するプロローグになっていて、見る人も杏さんのように、身近な人、愛する人への郷愁を覚えるんじゃないかなと思います」と本作の見どころについてもアピールした。一方の杏さんも「現場でも画の美しさとか画作りのこだわりに圧倒されて、どんどんどんどんテイクを重ねるごとに派生して、たくさんアイデアを出してくださいました」と初タッグとなる行定監督との撮影を楽しんだ様子。「母の日というイベントの中で、どのように『澪』とストーリーが絡んでいくのかということに注目して見ていただければと思います。そして皆様が素敵な母の日をお過ごしになられることを祈っております」とコメントを寄せた。第一作目となる本作を皮切りに、季節ごとの行事をテーマにした全5話を放送予定だという同プロジェクト。今後、杏さんと行定監督がどのような作品を送り出してくれるのか、期待して待ちたい。(text:cinemacafe.net)
2015年04月23日今春に公開になるディズニーの最新作『シンデレラ』の日本語版で、シンデレラを演じる高畑充希と王子を演じる城田優が、日本版エンドソング『夢はひそかに(Duet version)』を歌うことが発表になった。シンデレラ役と王子役のキャストがデュエットして歌うのは、世界で日本だけとなる。特別映像本作は、有名な“シンデレラ”の物語を、英国演劇/映画界の巨匠ケネス・ブラナーが実写映画で描き出す超大作。新鋭リリー・ジェームズが美しくて愛らしいシンデレラを演じ、ケイト・ブランシェットが恐ろしいまま母を、ヘレナ・ボナム=カーターがカボチャを一瞬にして馬車に変えるフェアリー・ゴッドマザーを演じる。高畑と城田は「ファンタジックで美しいメロディーを、男性の声と女性の声でときめくハーモニーにしたいです。世界で唯一のデュエットなので、日本のバージョンいいね! と世界に言ってもらえるようなふたりのハーモニーを届けたいです!ぜひみなさんも歌って下さい!」とコメント。このほど公開された特別映像では、ふたりが歌う『夢はひそかに』にのせて、映画の名シーンが次々に紹介される。『シンデレラ』4月25日(土) ロードショー
2015年03月10日ディズニーの実写版『シンデレラ』でシンデレラの日本語吹替えを担当する高畑充希と同じく日本語吹替えで王子の声を演じる城田優が2月10日に開催されたイベントに劇中の衣裳を再現したドレス&王子の装いで来場し、とっておきの“魔法”を披露した。その他の写真バレンタインイベントとして開催されたこの日の催し。城田は一般人には簡単には着こなせないであろう王子ルックを見事に着こなして登場し「(オリジナル版との)再現率を上げるべく夜中までかけて仕上げてくださったそうですが、着心地も最高です。なかなか、白タイツを履くことはないので結構、恥ずかしいですが…」と言いつつ微笑む。そして、その城田が「ビビデバビデブー!」と魔法の呪文を唱えると、何の仕掛けも見られなかった馬車のパネルの裏から、青いシンデレラのドレスに身を包んだ高畑が登場した。高畑は「この衣裳は緊張します!女の子の夢ですから。幸せです」と語り、城田の「こちらも本物のドレスと瓜二つでとってもキレイです」という言葉に笑顔を見せた。シンデレラ役の日本語吹替えのオファーについて高畑は「最初はピンと来なかったです。ディズニーの(アニメの)『シンデレラ』の存在が大きすぎて…声を入れる時になって鳥肌が立ちました。いろんな人に自慢してます(笑)」と明かす。「ディズニーの声をいつかやりたいと願っていた」という城田は「最初は『え?本当?』と何度も確認しました(笑)」と明かし「“シンデレラガール”という言葉が定着しているくらいで、ディズニーの中でも代名詞と言える存在で、その王子は世界共通の王子像とも言える存在。光栄です」と喜びを口にした。高畑はシンデレラが体現する女性像について「“耐える女”ってイメージでしたが、実際に映画になって声を入れると、芯が強くていまの女の人が憧れられる女性像だと思いました。勇気があるけど我が強いのではなく周りが良くなるように考えて動ける人。そうなれたらなと思います」と語る。さらに高畑は“魔法”でガラスの靴をチョコレートの靴に変えて城田にプレゼント。城田は思わぬサプライズに「どうやったの?」と驚愕したが、高畑は「内緒!」とニッコリ。城田は映画本編の魔法にも言及し「変身の魔法は男性、女性関係なくみんな、クギ付けになりますよ!」と映画をアピールしていた。『シンデレラ』4月25日(土) ロードショー
2015年02月10日この時期には毎年、アカデミー賞にノミネートされた監督・俳優らが集うランチ会が行われる。「The Telegraph」によると、今年のランチ会には『かぐや姫の物語』が「長編アニメーション部門」にノミネートされた高畑勲監督も出席したようだ。2月2日(現地時間)、アカデミー賞ノミニーたちがLAのビバリー・ヒルトン・ホテルに集った。150人以上が出席した大規模な会だったようだ。集合写真では真ん中に置かれた金のオスカー像を囲むようにして業界人たちがずらっと並んでいる。高畑監督はこの中で前から三列目の右端あたりにいるのが分かる。2014年のランチ会の集合写真は、レオナルド・ディカプリオが疲れきった顔で、ジャレッド・レトがド派手な金のスーツを着て、ファレル・ウィリアムズが巨大な帽子をかぶっている、などいろいろと話題が多かったようだが、今年はそれに比べいささか落ち着いた雰囲気の集合写真となっている。その年のノミニーたちの個性によってカラーも変わってくるのだろう。アカデミー賞は熾烈な競争なため、お互いをライバル視せずにはいられないのではないかと考えてしまうが、ノミニーたちはランチ中どのような会話を交わしたのだろうか。今年のアカデミー賞は“多様性に欠ける”と批判を受けることもあった。白人ばかりがノミネートされているというのがその理由だ。集合写真を見ても分かる通り、高畑監督は数少ないアジア人の出席者だったようだ。(text:cinemacafe.net)■関連作品:かぐや姫の物語 2013年11月23日より全国にて公開(C) 2013 畑事務所・GNDHDDTK
2015年02月04日2013年11月に日本で公開された、スタジオジブリの高畑勲監督によるアニメーション映画『かぐや姫の物語』が15日、第87回米アカデミー賞の「長編アニメーション部門」(Animated Feature Film)にノミネートされたことが明らかになった。『かぐや姫の物語』は、『火垂るの墓』(1988年)や『平成狸合戦ぽんぽこ』(1994年)などで知られる高畑監督が、日本最古の物語文学『竹取物語』をベースに、製作期間8年、総製作費50億円を投じて作られたスタジオジブリ最新作。"姫の犯した罪と罰"とコピーに、筆と水彩で描いたようなタッチで濃密に描きこむことで生まれた独特の世界と空気感が見どころで、これまでのアニメにはなかった作画としても大きな話題となった。本作は、全国345館456スクリーンで公開されて206万人を動員、24億円の興行収入を記録している(2015年1月15日現在)。北米では、『THE TALE OF THE PRINCESS KAGUYA』というタイトルで2014年10月に公開され、ロサンゼルス映画批評家協会賞(アニメーション映画部門)、ボストン映画批評家協会賞(アニメーション映画部門)、トロント映画批評家協会賞(アニメーション映画部門)を受賞している。今回のアカデミー賞ノミネートを受けて高畑監督は「光栄に思います」と喜び、「ノミネートしてくださったアカデミー会員の方々、この作品を高く評価してくださった方々、そして北米での公開に協力してくださった方々に心から感謝します」と、作品に関わったすべてのスタッフに感謝の意を表明。昨年の米アカデミー賞「長編アニメーション部門」は、『アナと雪の女王』が輝き、日本中の期待を背負っていた宮崎駿監督の『風立ちぬ』の受賞はならなかったが、スタジオジブリのノミネートは2年連続で、宮崎監督作以外の日本アニメのノミネートは初。今年は『ベイマックス』が対抗馬となるが、宮崎監督の雪辱を高畑監督が果たすのか期待が高まる。「長編アニメーション部門」のノミネート作品は、『ベイマックス』、『かぐや姫の物語』、『ヒックとドラゴン2』、『THE BOXTROLLS』(原題)、『Song of the Sea 』(原題)の5作品となる。(C)2013 畑事務所・GNDHDDTK
2015年01月16日2013年に公開され話題を呼んだ、スタジオジブリの高畑勲・監督作『かぐや姫の物語』。公開当時、その匠の技で「国宝級」とまで称された本作が、1月15日(日本時間)、第87回米アカデミー賞のノミネート作品発表が米ロサンゼルスで行われ、「長編アニメーション賞」でのノミネートが決定した。本作は、日本最古の物語文学「竹取物語」に隠された、ひとりの少女・かぐや姫の“罪と罰”を高畑監督が独特なタッチで描いたもの。製作に8年を費やし、総製作費は50億円が投じられている。昨年、『アナと雪の女王』に軍配が上がった「長編アニメーション賞」。昨年度のノミネート段階では宮崎駿・監督作『風立ちぬ』も入っており、日本中の大きな期待を背負っていただけに「残念…」の声があとを立たなかったが、今回でスタジオジブリとしては2年連続のノミネーション。しかし、日本でも大ヒット中のディズニー作品『ベイマックス』もノミネートされており、そういった意味でも今回の受賞結果には大きな注目が集まるだろう。もし仮に、2月にロサンゼルスで行われる授賞式で『かぐや姫の物語(英題:The Tale of Princess Kaguya)』の名が呼ばれることになれば、宮崎監督の雪辱を、高畑監督が果たすという面白い形になる。また同部門には、今年の第72回ゴールデン・グローブ賞「アニメ作品賞」を受賞した『ヒックとドラゴン2』もノミネートされた。第87回アカデミー賞の受賞結果は2月23日(日本時間)、授賞式にて発表。<第87回米アカデミー賞「長編アニメーション賞」ノミネート作品一覧>■『ベイマックス』■『かぐや姫の物語』■『ヒックとドラゴン2』■『THE BOXTROLLS』(原題)■『Song of the Sea 』(原題)(text:cinemacafe.net)■関連作品:かぐや姫の物語 2013年11月23日より全国にて公開(C) 2013 畑事務所・GNDHDDTK
2015年01月15日誰もが知るファンタジーをディズニーが新たに描く実写映画『シンデレラ』の日本語版で高畑充希がシンデレラの声を、城田優がプリンスの声を演じることが決定した。その他の写真本作は、有名な“シンデレラ”の物語を、英国演劇/映画界の巨匠ケネス・ブラナーが実写映画で描き出す超大作。新鋭リリー・ジェームズがシンデレラを演じるほか、ケイト・ブランシェット、ヘレナ・ボナム=カーターらが出演する。高畑は映像だけでなく舞台でも活動し、歌手としても高い評価を集めている実力派だ。本作では誰もが知るヒロインを演じるが高畑は「シンデレラは“女性の永遠の憧れ”なので、期待の大きい役を任せていただき、なんて幸せなんだと思いました。今回、私自身が抱いていたシンデレラとはまた少し違った新たなヒロイン像として登場するので、格好よく演じたいです」とコメント。城田も舞台やミュージカルで実力を発揮しており「プリンスの繊細な心の動きまできちんと描きたい。何よりも観ている方に“素敵だな”と思ってもらえるような王子様の声を演じたいです。ぜひ楽しみにしてください!」と意気込みを語っている。ディズニーは日本語版キャストを決定する際に徹底的にリサーチと選考を重ねることで知られており、『アナと雪の女王』や『ベイマックス』など近年の公開作の吹き替えも高い評価を集めている。本作のキャストについてディズニーは「映画やドラマ、舞台と幅広く活躍する注目の役者で、非常に高い演技力がある高畑さんは、シンデレラの持つ純粋さや透明感、勇気や芯の強さがぴったり合っている。城田さんは、プリンスの雰囲気と外見はもちろん、優しさと誠実さを持つ今回のプリンスのイメージに重なり、オファーさせていただいた」と語っており、本作の日本語版も高クオリティなものになりそうだ。『シンデレラ』4月25日(土) ロードショー
2015年01月13日「きいろいゾウ」などで知られる作家・西加奈子の同名小説を映画化した『円卓 こっこ、ひと夏のイマジン』のBD&DVD発売を記念して、芦田愛菜と行定勲監督のコメントがシネマカフェに到着。同作と出会って変化した自身の価値観や内面について、素直な気持ちを語っている。ちょっと変わった女の子・こっこ役の芦田さんは、「私も学校でお友達とケンカしたりしますが、主人公のこっこちゃんを演じて、友達の気持ちを“イマジン”してからお話したり、行動するようになりました。もちろん、演じる上でも“イマジン”はスゴく大事だと思います。役に入る時には、この子はどう行動するだろう…、どう考えるだろう…といつも想像しています」とコメント。演技を通じて、本作のメッセージを自身でも受け止めたことを明かす。行定監督は、「僕はミュージシャンじゃないからジョン・レノンや忌野清志郎のように『イマジン』を歌うことはできないが、映画で『イマジン』って叫べるんじゃないか、彼らの『イマジン』を受け継ごうと思ったんです」と想いを吐露。「だからこれは相手の気持ちを想像することで世界を繋げようとする少女の『イマジン』する映画になりました」と語る。大阪を舞台に、賑やかな大家族と幸せに過ごすが、そんな幸せを疎ましいと思う、ちょっと変わった女の子・こっこの心の成長を描いた感動作。行定監督をして「芦田愛菜がいなければ映画化出来なかった」と言わしめた天才子役・芦田の名演に、胸が熱くなるはず!<『円卓 こっこ、ひと夏のイマジン』ブルーレイ&DVD/リリース情報>【セル】ブルーレイ(1枚組)¥4,700(本体)+税【セル】DVD(1枚組)¥3,800(本体)+税発売中発売元・販売元:ポニーキャニオン※レンタル版同時スタート!(発売元:ポニーキャニオン販売元:東宝)(C) 2014「円卓」製作委員会(text:cinemacafe.net)■関連作品:円卓 ~こっこ、ひと夏のイマジン~ 2014年6月21日より全国にて公開(C) 2014『円卓』製作委員会
2014年12月18日2013年に公開され話題を呼んだ、スタジオジブリの高畑勲監督の最新作『かぐや姫の物語』。公開当、その匠の技に「国宝級」とまで言われ、来年2月に行われるアカデミー賞にも期待がかかる本作だが、本日(12月17日)より、DVD&ブルーレイの発売を記念して国立新美術館にて“特別展示『かぐや姫の物語』の物語”が7日間限定で開催中だ。本作は、日本最古の物語文学「竹取物語」に隠された、ひとりの少女・かぐや姫の“罪と罰”を独特なタッチで描く長編アニメーション。昨年の宮崎駿の『風立ちぬ』のノミネートで日本中が大いに沸いた米アカデミー賞だが、本作もすでに来年行われる同賞の「長編アニメーション部門」へのノミネート資格を持つ20作品のうちの1本として発表されている。今回の特別展示は、以前より「アニメーション」という芸術表現に注目していたという国立新美術館が、“アニメーション表現の限界”に挑戦したとも言える本作の作品性に共感して実現に至ったよう。この特別展示では、スタジオジブリのスタッフによって描かれた原画や、自然を描いた背景美術などの実物展示を始め、DVDのパッケージデザインの元にもなった桜の木の下で姫が舞うシーンを高さ2,4メートル、幅3,5メートルのもの大きさに拡大して展示。また、高さ1メートル、幅1,8メートルのビッグバナー8枚を吊り下げ、かぐや姫の誕生シーンをダイナミックに展示するなど、様々な角度から『かぐや姫の物語』の映像が作られた秘密に迫るものとなっている。『かぐや姫の物語』ブルーレイ&DVDは発売中。<特別展示『かぐや姫の物語』の物語/開催詳細>■会期:12月17日(水)~23日(火・祝)まで。■開催時間:10時~18時 ※金曜日は20時まで/入館は閉館の30分前まで。■実施場所:国立新美術館1階ロビー(東京都港区六本木7-22-2)■備考:入場無料(text:cinemacafe.net)■関連作品:かぐや姫の物語 2013年11月23日より全国にて公開(C) 2013 畑事務所・GNDHDDTK
2014年12月17日芦田愛菜が初の映画単独主演を務めた『円卓 こっこ、ひと夏のイマジン』のブルーレイ&DVDが本日リリースされ、芦田と行定勲監督のコメントが到着した。その他の写真本作は、西加奈子原作の同名小説を芦田主演で行定監督が映画化したもの。“普通”が大嫌いな小学3年生の渦原琴子、通称こっこが、たくさんの「何が変なの?」「どうしていけないの?」を繰り返しながら、おじいちゃんがそっと教えてくれた“イマジン”という言葉をヒントに、ひと夏のさまざな経験を通して成長していく姿が描かれる。行定監督に「芦田愛菜がいなければ映画化できなかった」と言わせる名演を披露した芦田は、「私も学校でお友達とケンカしたりしますが、主人公のこっこちゃんを演じて、友達の気持ちを“イマジン”してからお話したり、行動するようになりました。もちろん、演じる上でも“イマジン”はスゴく大事だと思います。役に入る時には、この子はどう行動するだろう…、どう考えるだろう…といつも想像しています」とコメント。行定監督は「『イマジン』と言えばジョン・レノンの名曲ですが、あの歌を歌詞を吟味して、自分なりの解釈をした西加奈子の小説を読んだとき、これは今の世の中に一番大切なことだと思った」と話し、「正直、僕はあの忌野清志郎がジョン・レノンの歌を認め日本語の歌詞にして、やっと本当の意味で興味を持ちました。僕はミュージシャンじゃないからジョン・レノンや忌野清志郎のように『イマジン』を歌うことはできないが、映画で『イマジン』って叫べるんじゃないか、彼らの“イマジン”を受け継ごうと思ったんです。だからこれは相手の気持ちを想像することで世界を繋げようとする少女の“イマジン”する映画になりました」と語っている。『円卓こっこ、ひと夏のイマジン』発売中ブルーレイ(1枚組):4700円(税別)DVD(1枚組):3800円(税別)発売・販売元:ポニーキャニオン※DVDレンタルのみ発売元:ポニーキャニオン販売元:東宝
2014年12月17日2月のアカデミー賞発表に向けて各映画賞レースが始まったが、7日(現地時間)にロサンゼルス映画批評家協会(LAFCA)賞が発表になり、高畑勲監督の『かぐや姫の物語』が長編アニメーション賞に輝いた。作品賞はリチャード・リンクレイター監督の『6才のボクが、大人になるまで。』。1人の少年の成長を12年間かけて撮影した作品で、監督賞、主演女優賞(パトリシア・アークエット)、編集賞も合わせて受賞した。主演男優賞は、全編車の中でたった1人というシチュエーションを演じきった『Locke』(原題)のトム・ハーディという意外な結果。次点は、本命視されていた『バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』のマイケル・キートン。主演女優賞の次点は『Still Alice』(原題)のジュリアン・ムーア。助演男優賞は『ウィプラッシュ』(原題)のJ・K・シモンズ(次点は『バードマンあるいは(無知のもたらす予期せぬ奇跡)』のエドワード・ノートン)、助演女優賞はポーランド映画『イーダ』のアガタ・クレシャ(次点は『Nightcrawler(原題)』のレネ・ルッソ)。『イーダ』は外国語映画賞も受賞した。作品賞、監督賞で次点だった『グランド・ブダペスト・ホテル』のウェス・アンダーソンは脚本賞を受賞した。同作は美術賞も受賞。脚本賞の次点は『バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』のアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ、ニコラス・ヒアコボーネ、アレクサンダー・ディネラリス・Jr.、アルマンド・ボー。同作はエマニュエル・ルベツキが撮影賞を受賞した。『かぐや姫の物語』が受賞した長編アニメーション賞の次点は『LEGO(R)ムービー』。ロサンゼルス批評家協会賞はアカデミー賞の前哨戦の1つとして知られ、2002年に長編アニメーション賞を受賞した宮崎駿監督の『千と千尋の神隠し』はその後アカデミー賞長編アニメーション賞も受賞。『かぐや姫の物語』も今回の受賞で、今後の映画賞レースでの健闘が期待される。(text:Yuki Tominaga)■関連作品:かぐや姫の物語 2013年11月23日より全国にて公開(C) 2013 畑事務所・GNDHDDTKグランド・ブダペスト・ホテル 2014年6月6日よりTOHOシネマズ シャンテ、シネマカリテほか全国にて公開(C) 2013 Twentieth Century Fox
2014年12月09日爆笑問題の太田光が『かぐや姫の物語』ブルーレイ&DVD発売に際し“特命コピーライター”に就任。10月17日(金)、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーと共に宣伝コピーを考えるための会議を報道陣に公開する形で行った。誰もが知る日本の古典的物語を、高畑勲が独自の解釈を加えてアニメ化した本作。劇場公開時には鈴木さんが考えた「姫の犯した罪と罰。」というコピーは添えられたが、高畑監督はこれを承認はしたものの、実際に描こうとしたテーマからは外れていると感じ、気に入ってなかったそうで、今回、以前から高畑作品のファンで、本作に関しての公開時から絶賛している太田さんが特命コピーライターに任命されることになった。太田さんは、高畑作品のファンである一方で、同じジブリの巨匠・宮崎駿のことはハッキリと「嫌い」と公言しており、この日も「ジブリでは(宮崎監督に)スポットが当たることが多いけど、僕は高畑さんの作品の方が真っ当で斬新だと思う。普通じゃ考えられない手間暇をかけていて、動きから何から、世界に誇る技術だと思う」と語り、さらに「あまりに宮崎さんがもてはやされている、実力以上に(笑)!」「もう引退したからいいでしょ?戻ってこないでしょ?」「(宣伝コピーは)『宮崎以上!』ってどうですか?」などと随所に“毒”を交えつつ、アンチ宮崎&高畑びいきの発言を口にする。肝心のコピーに関しては、当初「高畑万歳!」など冗談交じりのアイディアを披露していたが、徐々に核心に迫っていく。この日の登場時、太田さんは鈴木さんと並んで立つとすかさず「爆笑問題です」と挨拶し、鈴木さんを見やり「田中(裕二)が急に年とっちゃって(笑)」と語り、会場を笑いに包んでいたが、鈴木さんが求めているのはまさに「こうやってひと言でかぐや姫を紹介すること」だという。そこから、本作ならではの特徴やかぐや姫とはどういう人物なのか?という点について議論を深めていくが、太田さんは「(かぐや姫は)見方によっては男を振り回すイヤな女!」と語る。鈴木さんはこれを受け、本作が、少女が初潮を迎え、女性へと成長していく姿を描いていることを指摘し「高畑さんが女性をどう描くかということが垣間見えるし、宮さん(=宮崎監督)とはちょっと違う。『風立ちぬ』がある意味で男にとって都合のいい女を描いたとすると、『かぐや姫の物語』はあまり都合がよくない(笑)」と語る。ここから、太田さんは男性の視点で「女の中の女」「女ってわからない」などのコピーを提示する。さらに太田さんは、本作および高畑作品の不思議な魅力が時間の移ろいと、そこから生まれる変化にあると持論を展開。2時間を超える長編だが「元々の誰もが知っている『かぐや姫』の物語をそのまま、一切膨らませたり、余計なエピソードを付け加えたりせずに描いている」「良いものが時間の流れの中で変化していく。幸せと思っていたけど、それがそこに留まらない」と語り、コピーにも「留めておけない、掴まえられない感じが出せれば…」と思案する。このアイディアを元に鈴木さんは「この世は無常」「あゝ無常」といった具体的なコピーへと変換。最終的な結論は持ち越しとなり、DVD&ブルーレイ発売時に六本木駅などで展開されるポスターなどで正式にお披露目されることになった。太田さんはここまでの議論を踏まえつつ、宮崎作品と比べやや格式高いと思われがちな高畑作品ではあるが「そう思っている人にも観てほしいし、もうちょっと柔らかく表現できれば」とさらに磨き上げたコピーを捻出することに意欲を見せていた。『かぐや姫の物語』ブルーレイ&DVDは12月3日(水)より発売。(text:cinemacafe.net)■関連作品:かぐや姫の物語 2013年11月23日より全国にて公開(C) 2013 畑事務所・GNDHDDTK
2014年10月17日11月15日放送のWOWOW連続ドラマW『平成猿蟹合戦図』(毎週土曜 22:00~ 全6話)に出演する俳優の高良健吾と行定勲監督がこのほど、熊本・菊池で開催された「菊池国際交流映画祭」で舞台あいさつを行った。同ドラマは、東京・歌舞伎町で起こったひき逃げ事件をきっかけに、バーテンダー・浜本純平(高良)と、世界的チェロ奏者がおこしたひき逃げ事件を目撃したことをきっかけに彼の敏腕マネージャーの園夕子(鈴木京香)と知り合い、意図しなかったその出会いによって国政選挙に挑んでいく"復讐エンタテインメント"。純平と夕子の出会いはさまざまな人々を巻き込みながら、やがて日本を揺るがす大騒動へと発展していく。映画祭では同ドラマの第1話が上映され、終了後に熊本市出身である高良と行定監督が登壇。高良は「演じた純平という青年は、自分よりも人のことを信じられる素敵なヤツで、すごく気持ちいいドラマです。行定さんとは2度目のお仕事になりますが……厳しいし、試されている気がするし、緊張もするけれど、こちらがぶつけたものをすべて受け止めてくれる」と話し、「行定組でしか味わえないもの、瞬間がありました。ドラマのクランクアップの日に、監督から『お前って、面倒くさいやつだよな』って言われてすごくうれしかった」と笑顔を見せた。行定監督は「純平はバーテンダーから政治家を目指すわけですが、純平というのは高校生の気持ちのまま漂っている人間でもあって、それが確固たる人間になっていく様は俳優・高良健吾の良さが一番光るだろうと思ったんです。何者でもない人間を演じさせると光る俳優なんですね」と高良を絶賛した。また、ステージには、挿入歌を担当するロックバンド「忘れらんねえよ」のボーカル&ギターの柴田隆浩もステージに立ち、高良と一緒に劇中歌である「ぼくらの居場所」を熱唱。劇中でも主人公の純平が同曲を歌っており、「純平が歌うシーンはドラマとしても重要なシーン、みどころです」と行定監督はアピールした。さらに、主題歌担当の歌手の塩ノ谷早耶香もゲストとして登壇し、主題歌「それでも世界は美しい」を披露し、会場は大いに盛り上がっていた。
2014年10月15日11月、新国立劇場・中劇場にて『ブエノスアイレス午前零時』が上演される。演出を担当する行定勲と、原作者の藤沢周に話を訊いた。『ブエノスアイレス午前零時』チケット情報1998年に芥川賞を受賞した小説『ブエノスアイレス午前零時』を、行定は刊行当初から映画にしたいと熱望していた。「藤沢さんの描くハードボイルドな、ちょっと距離を置いて社会を見つめる視線というのは、僕の思う非常に〈映画的なるもの〉なんです。静かだけれど、つねに凶暴」と藤沢作品の魅力を語る行定。ノートを新しくするたび、今後実現させたい企画の筆頭に『ブエノスアイレス午前零時』の名はあり続けたのだという。これが舞台化に向けて大きく舵を切ったきっかけは、主演である森田剛からのラブコールだった。「行定さんの演出で舞台をやりたい」という森田の想いを行定はふたつ返事で受け入れた。そして彼に似合う作品を考えるうち、15年もの間温め続けていたタイトルが浮かんだ。「森田くんに、現実に縛られた男を演じてほしかった。そういう男が奥底にあるものを出す瞬間を演じたら、彼はすごく輝くんじゃないかと思ったんです。そのときに『ようやくあの作品ができる』と感じた」長年行定から映画化の構想を聞き続けていた藤沢は、そのキャスティングに最初は驚いたのだとか。それもそのはず、原作に描かれているカザマという男は、森田の風貌と決して似ているとはいいがたいのだ。しかし制作発表の場で森田と会い、彼がカザマを演じることに深く納得したという藤沢。「森田さんは静かなのに、心の中に刃を抱えている感じがする。彼に演じてもらうカザマは、静謐な男だけれど実は奥底でパッションが燃えている。ぴったりですよ」。原作者である藤沢は、行定の手による舞台化に全幅の信頼を置いている。「行定さんの映画って、たとえラブストーリーでもそのなかに冷酷なものや毒を孕んでいる。それが僕に共鳴する部分があるんです。『ブエノスアイレス午前零時』もいろんな読み方ができる小説ですが、書き手の核を確実に掴み取ってくださっている」。行定も「どう演出するか、いまの時点ではまったくわからない」と言いつつ、自信をのぞかせる。「藤沢さんの小説は、10年以上経ってもまったく色あせない。それは僕が映画をつくるときに目指しているところです。いくつか演劇に携わってきたけれど、こうして企画の段階から携わるのは初めての経験。プレッシャーはあります。でも、原作を初めて読んだ時の初期衝動のまま、この世界を描き出せれば」。果たして、行定によってこの作品がどのような形で立ち現れるのか、期待が募る。舞台は11月28日(金)から12月21日(日)まで東京・新国立劇場 中劇場、12月25日(木)から29日(月)まで大阪・シアターBRAVA!で上演。チケットの一般発売は10月4日(土)午前10時より。取材・文/釣木文恵
2014年09月30日タワーレコードは4日、同社の意見広告シリーズ「NO MUSIC, NO LIFE?」として、冨田勲、Lamp、MAN WITH A MISSION、憂歌兄弟の4組がそれぞれ登場する最新ポスターを発表した。Lamp、MAN WITH A MISSIONのポスターは同日より、冨田勲、憂歌兄弟のポスターは2月15日より、タワーレコード全店およびTOWERmini店頭にて順次掲出される。今回発表されたのは、宮沢賢治の世界を音で描く『イーハトーヴ交響曲』に初音ミクを起用したことでも話題になった作曲家/シンセサイザー奏者の冨田勲氏をはじめ、気鋭の3人組バンド「Lamp」、全米デビューも決定したロックバンド「MAN WITH A MISSION」、伝説のブルースバンド「憂歌団」の木村充揮と内田勘太郎による音楽ユニット「憂歌兄弟」の4組がそれぞれ登場するポスター。いずれも店頭にて掲出されるほか、各アーティストが3月に発売する最新作を同店にて購入すると、抽選でそのアーティストのポスターが当たる応募ハガキがもらえるとのこと。なお、タワーレコード・オンライン内の「『NO MUSIC, NO LIFE?』ポスターギャラリー」では、今回のメイキングレポートやインタビュー&メイキングムービーも順次公開される予定(MAN WITH A MISSIONは除く)。さらに、Lampのポスター出演を記念したコラボTシャツ「151 Lamp NO MUSIC, NO LIFE. T-shirt」もタワーレコード・オンラインにて発売される。全5サイズ展開で価格は3,150円。発売日は3月31日(2月25日より予約開始)。
2014年02月04日11月末に公開された今年最後のスタジオジブリ作品にして、高畑勲監督の最新作『かぐや姫の物語』。昨年この世を去った故・地井武男が“翁”役で声優出演していることでも注目を集めていたが、このほどさらにその裏側が明らかとなった。封切られてから連日、興行収入やその作品性や“ジブリの今後”など様々な面で話題を集めている本作。その物語は、かぐや姫が「なぜ地球を選んだのか?」そして「この地で何を思い、なぜ月へ去らねばならなかったのか?」という、これまで語られることのなかった謎に迫っっている。そんな本作で、かぐや姫を育てることとなる“翁”役で出演していた地井さん。しかし実は、映画本編の声はもうひとりの名優・三宅裕司によって完成していたというのだ。地井さんの声をプレスコで収録したのが、2011年夏。2012年6月に地井さんはこの世を去ってしまったが、2013年夏、セリフの変更や息づかいを調整するために再度キャストを集めて、アフレコ収録をする必要が出てきた。当初、制作陣は過去に地井さんが出演した作品や番組から音声を抽出し、組み合わせる手法を検討するも、うまくいかず…。温かみのあるあの声の再現方法を模索していたそうだ。そんな時、優しさを含んだ独特のかすれと高い声をもつ、三宅さんの名前が高畑監督から挙がったそうだ。突然の依頼…三宅さんは「地井さんが真剣に強い思いで取り組まれ、さらに映画として遺作となった作品に自分の声を重ねるなんて…」と戸惑いがあったと語る。しかし、作品の完成を見届けられなかった地井さんの無念さ思うと共に当時、自身も大病での入院から復帰できたことや生前に優しく声をかけてくれた地井さんへの感謝の気持ちが重なり、計6シーンでの代役を引き受けたそうだ。その熱演は、高畑監督からも「誰が聞いても違和感がない。地井さんそのものだ」と太鼓判を押されている。三宅さんは、“一部代役”ということに観客が戸惑い地井さんの熱演に集中できなくなることを恐れ、自分の名前を一切公表しないことを望んだという。しかし、ジブリから「エンドロールは観終わった人がみるもの。映画の記録として三宅さんの名は残したい」という希望により、エンドロールにだけ「三宅裕司(特別出演)」と名前を載せることになったそうだ。三宅さんからは、こんなコメントが届いている。「地井さんにはずいぶんお世話になっていましたので、これで恩返しができたかなという気持ちが強いです。その気持ちが大きくて、今回の件も引き受けさせていただきました」。幻のキャストとして、エンドロールを観た観客から「どの役柄で?」と問い合わせも多かったそうだが、三宅さんの想いを乗せた今回の製作秘話。“代役”にまつわるエピソードでは、故ヒース・レジャーの代役として『Dr.パルナサスの鏡』にジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレルが出演したという話が有名だが、そんな数ある映画史に残る美談の一つとして、今後も語られることになるはずだ。『かぐや姫の物語』は11月23日(土・祝)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:かぐや姫の物語 2013年11月23日より全国にて公開(C) 2013 畑事務所・GNDHDDTK
2013年12月06日良く知っていると思っていたのに、ちっとも知らなかったことに気がつきました。映画『かぐや姫の物語』を観るまでは――。日本人にとってファンタジーの原風景でもある「竹取物語」ですが、巨匠・高畑勲監督独自の解釈により、現代人でもじっくりと楽しめる、味わい深い大人の物語へと姿を変えたと言ってもいいのかもしれません。諸説あるようですが、誕生したのは平安初期とか。成立年、作者ともに未詳なため、物語自体にも謎が多いことでも有名です。かぐや姫は月世界で犯した罪を償うために、地上に下ろされたとされていますが、どんな罪を犯したのかは言及されていません。いわば「竹取物語」最大の謎とも言えるその部分にも斬り込んで、腑に落ちる物語として提示したのが高畑監督の最新作。面白くないはずがありません。本作では、日本人なら馴染みのあるこの物語が、作品が生み出された時代の空気感を今に伝えるかのように、毛筆調で描かれています。人の手の温かみと、物語がもつ神秘性を同時に感じさせる画調は、“余白の文化”の美を存分に感じさせてくれるのです。なかでも多く登場する高価な衣の華やかさには驚くばかり。高畑監督の作品は、御存じの通り、情報量の極めて少ない引き算の画が特徴です。細い線の繊細な動きが、驚くほど表情豊かなシーンを繰り出していく。例えば、かぐや姫のために翁が用意した高価な衣が披露される場面や、姫が十二単を着せられていく場面、十二単を一枚一枚脱ぎ捨てながら疾走する場面などは特に秀逸。美しい布が風になびく様子、薄い布が一枚一枚重ねられ重量を増していく様子、脱ぎ捨てられた衣がひらりと地面に落ちる様子などを、最小限の線で表現していくのです。ちなみに、十二単とは俗称で、高貴な方々が着ている衣を重ねたものは、五衣唐衣裳(いつつぎぬからぎぬも)というのが正式名称。色の重ね方、組み合わせ方には決まりがあり、季節や状況に応じてその決まりを守ることになっていたそう。これを守らないとセンスが悪いとか、マナー違反だとか、言われていたようです。かぐや姫には、優秀な教育担当がついていましたから、きっちりと着こなしていたことでしょうね。さて、話を元に戻しましょう。考えてみると、日本人は昔から、極めて少ない線で豊かな自然、艶めかしい女性、活気ある町を描いてきました。その魅力は、最近話題となった江戸の絵師・伊藤若冲などの作品を観ても分かること。高畑監督の作品を観ていると、そんな日本を代表する“美の系譜”の延長線上にいる人なのだなとつくづく思います。観る者の想像力を刺激しながら、驚くほど多くのドラマを生み出す、巨匠たちの曲線。それらが作り出す豊かな世界は、描く者と観る者とが幸せに対話を行っているから成立するもの。こんな豊かな日本らしい世界は、後々まで残していきたいものですね。そして、いつまでも、そんな世界を楽しめる日本でありたいものです。(text:June Makiguchi)■関連作品:かぐや姫の物語 2013年11月23日より全国にて公開(C) 2013 畑事務所・GNDHDDTK
2013年11月26日宮崎駿監督の引退表明&『風立ちぬ』の大ヒットが社会現象を巻き起こした“ジブリイヤー”。その締めくくりとして、高畑勲監督の最新作『かぐや姫の物語』の公開(11月23日)が迫る中、“ポストジブリ”と目されるスタジオのプロデューサー陣が同作について語っている。スタジオジブリの今に迫るドキュメンタリー映画『夢と狂気の王国』(砂田麻美監督)の公開を記念し、11月15日(金)夜、東京・新宿バルト9で、現在ジブリでプロデューサー見習いを務める川上量生氏を聞き手に、『009 RE:CYBORG』などで知られる「Production I.G」の石井朋彦プロデューサー、細田守監督の『おおかみこどもの雨と雪』を制作するため、「スタジオ地図」を立ち上げた齋藤優一郎プロデューサーの両人がトークショーを実施。2つのスタジオとも“ポスト・スタジオジブリ”の最右翼として国内外で注目される存在だ。高畑監督にとって14年ぶりの新作となる『かぐや姫の物語』は、日本最古の物語文学「竹取物語」に隠された、ひとりの少女・かぐや姫の“罪と罰”を独特なタッチで描く長編アニメーション。そんな本作について、石井氏は「瞬きするのももったいないほど。世界一の演出家の手練と、手で描いた絵が動き出すすさまじさに圧倒された。何より、かぐや姫が可愛い」と絶賛。さらに「緻密化、キャラ化する日本のアニメと真逆で、ムダが一切なく省略的な世界だからこそ、感動できる。何より“高畑さんの「かぐや姫」”になっている点が素晴らしい」。製作に8年を費やし、総製作費は50億円。それでもプロデューサー目線では「暴言かもしれないが、50億円でも安いと思う」と言い、「国宝級ですよ。巷では高畑監督の最後の作品と言われるが、これを観て『まだ作るな』と思った」と熱弁していた。石井氏はジブリで、高畑監督の前作『ホーホケキョとなりの山田くん』の制作に携わった経験を持つ。一方の齋藤氏も「やはり絵画としての魅力がある。今、国宝って話が出ましたが、重文(重要文化財)にふさわしい」とやはり賞賛を惜しまない。『おおかみこどもの雨と雪』の大成功で俄然注目を浴びる中、「ポストジブリと言われても、時代も人材も違いますからね…。やっぱり○○的を目指すよりも、常に新しいチャレンジを重ねて、自分たち的なことをするしかないと思う」と決意を新たにしていた。『夢と狂気の王国』は新宿バルト9ほかにて公開中。『かぐや姫の物語』は11月23日(土・祝)より全国にて公開。(text:Ryo Uchida)■関連作品:かぐや姫の物語 2013年11月23日より全国にて公開(C) 2013 畑事務所・GNDHDDTK
2013年11月22日『風の谷のナウシカ』が公開されたのが1984年。翌1985年に宮崎駿は高畑勲らと共に「スタジオジブリ」を設立。その後、約30年にわたって邦画史上に残る名作アニメーションを作り続け、このほど長編アニメーションからの引退を表明した。9月6日(金)に行なわれた宮崎監督の引退会見では、これまで送り出してきた作品に対する思いや時代背景についての言及も見られた。ジブリ設立と同年9月、アメリカ・ニューヨーク市のプラザホテルでのG5(先進5か国財務大臣・中央銀行総裁会議)における為替レート安定化の合意、いわゆる“プラザ合意”を引き金に、日本はバブル景気へと突入していく。ちなみに大人気のドラマ「半沢直樹」の半沢らが銀行へと入社したのも、数年の隔たりはあるものの、バブル景気の中の大量採用時期のこと。同ドラマでは、バブルの崩壊により入社当時の理想とはかけ離れた世相の中で苦闘するバブル入社組の姿を描いているが、初期のジブリ作品はまさに浮かれた世の中への怒りの“弾丸”であった。会見で宮崎監督は「ジブリを作った頃を思い出すと、浮かれ騒いでた時代だったと思います。『経済大国になって日本はすごいんだ』、『ジャパン・イズ・No.1』とかね。それについて僕は頭に来てました。頭に来てないと『ナウシカ』なんか作りません。『ナウシカ』『ラピュタ』『となりのトトロ』『魔女の宅急便』というのは、基本的に経済は勝手に賑やかだけど、心の方はどうなんだ?とそういうことを巡って作ったんです」と明かした。当時と変わらず、いや当時以上に株価や経済効果が声高に叫ばれる現代において、30年を経てもなお初期の作品が愛され続ける理由が分かる気がする。その後、「ソ連が崩壊して、日本のバブルも弾けていき、その過程でもう戦争は起こらないと勝手に思っていたら、ユーゴスラビアが内戦状態になるなど歴史が動き始めた。いままで自分たちがやって来た作品の延長上では作れない時期が来た」と述懐。その結果、「体をかわすようにブタを主人公にしたり(『紅の豚』)、高畑監督はタヌキを主人公にしたりして(『平成狸合戦ぽんぽこ』)切り抜けたんです」。『魔女の宅急便』、『紅の豚』に登場する街のモデルがアドリア海に面するクロアチアの街であるというのはファンの間でもよく言及されるが、美しい自然を持つ街が戦火に巻き込まれていくことへの哀しみが、作中の美しい街の描写に込められていると言えるのかもしれない。時代をつぶさに見つめ、作品を作り上げてきた宮崎監督とスタジオジブリ。宮崎監督は「抽象的な言い方で申し訳ない」と断りつつ、「僕らのスタジオは、経済が上り調子になっているところでバブルが崩壊する、そこのところで引っかかっていたんです。それがジブリのイメージを作ったんです。その後、ジタバタしながら『もののけ姫』を作ったりいろいろやってきましたけど、僕の『風立ちぬ』までズルズルと下がりながら、これはどこに行くんだろう?と思いつつ作った作品だと思います。ただ、このズルズルが長くなり過ぎると、最初に引っかかっていた引っかかりが持ち堪えられなって、ドロっといく可能性があるところまできてるんじゃないか」とこの30年の軌跡を分析する。『風立ちぬ』に関しては韓国人の記者から、ゼロ戦を題材にしたことによる論争について質問が出たが「映画を観ていただければ分かると思っている。色々な言葉に騙されないで、今度の映画も観ていただけたら。モチーフそのものが、軍国主義が破滅に向かっていく時代を舞台にしていますので、色々な疑問が私の家族からも、自分自身からも、スタッフからも出ました。それにどういう風に答えるかということで映画を作りました。ですから、映画を観ていただければ分かると思います」と語った。また、最も思い入れのある作品を問われると『ハウルの動く城』を挙げ、「一番自分の中にトゲのように残っている。ゲームの世界なんですが、それをゲームではなくドラマにしようとした結果、本当に格闘しました。スタートが間違っていたんだと思うんですが…」と煩悶を覗かせた。会見中、たびたびその名を口に出した作家で「文藝春秋」の元編集長でもある半藤一利の言葉を借り、「(バブル崩壊による)失われた10年は失われた20年になり、半藤一利さんは失われた45年になるだろうと予言していますが、多分そうなるのではないか」と諦観とも取れる言葉を漏らした宮崎監督。一方で「基本的に子どもたちに『この世は生きるに値するんだ』ということを伝えるのが、自分たちの仕事の根幹になければならないと思ってきました。それはいまも変わっていません」とも。今後、アニメーションに携わるのであれ、それ以外の仕事に注力するのであれ、その仕事を通じて宮崎監督がどのように時代と向き合い、次世代の子どもたちに向け、どんなメッセージを発信していくのか?次なる一手を楽しみに待ちたい。(text:cinemacafe.net)■関連作品:風立ちぬ 2013年7月20日より全国東宝系にて公開(C) 2013 二馬力・GNDHDDTK
2013年09月09日宮崎駿監督の最新作「風立ちぬ」が公開になり話題となっています。秋には高畑勲監督の最新作「かぐや姫の物語」の公開予定とのことで、今年はジブリイヤーになりそうですね。今回はジブリファンにピッタリの手みやげです!「白髭のシュークリーム工房」で大人気の「トトロのシュークリーム」です。どうでしょう、このフォルム! キョトンとした顔でこっちを見てる…。帽子かぶってる。葉っぱのせてる…。身もだえするほどの可愛さです。毎日工房でひとつひとつ手作りされている、このシュークリーム。作れるのは世界でここだけ(技術的なことだけでなく、大人の事情もあるんでしょうね…)。パティシエの友人に聞いたところ、特に耳部分の形状がとても難しく「奇跡に近い」とのこと。あげるのも惜しければ食べるのも残酷な気になってしまう可愛さですが、味も抜群です。国産原料にこだわり、石川県産のオーガニック小麦、北海道産のバターや生クリーム、そして季節の国産フルーツを使用。あたまにのっているアイテムによって味が異なり、葉っぱは定番の「カスタード&生クリーム」(390円/税込)。水色の帽子は「チョコレートクリーム」(390円/税込)でこちらも定番。ピンクの帽子は6月~9月限定「ピーチクリーム」(430円/税込)です。クリームは甘さ控えめでくどくなく、耳のそばまでギッシリと入っています。半分に割った写真も載せたかったのですが、あまりに可哀想で自粛しました…。1日の製造量が限られてるため大量生産ができません。この丁寧なものづくり、ジブリの世界観と通じますね。テイクアウトオンリー。予約しておくことをオススメします。これを手みやげにすると、絶対に「わぁ~ 可愛い! 」の声があがります。渡す方もテンション上がりますよ! 皆さんもぜひ、箱に何体か並べてパカっと開けた瞬間の相手のリアクションを楽しんでくださいね。お問い合わせ:白髭のシュークリーム工房 tel.03-3334-4689 公式サイト
2013年08月01日スタジオジブリが高畑勲監督と宮崎駿監督の最新作を2013年夏に、公開することがこのたび明らかとなった。1988年に『火垂るの墓』(高畑勲監督)と『となりのトトロ』(宮崎駿監督)の2本立て興行以来、25年ぶりに顔を揃え、スタジオジブリ初となる長編映画の2作同日公開となる。高畑勲監督による『ホーホケキョとなりの山田くん』以来、14年ぶりの作品は「竹取物語」を題材にした『かぐや姫の物語』。そして、宮崎駿監督による『崖の上のポニョ』以来、5年ぶりの作品は『風立ちぬ』となる。『かぐや姫の物語』、『風立ちぬ』は2013年夏、全国にて公開。■関連作品:かぐや姫の物語 2013年夏、全国にて公開© 2013 畑事務所・GNDHDDTK風立ちぬ 2013年夏、全国にて公開© 2013 二馬力・GNDHDDTK
2012年12月13日行定勲監督が8日、都内の書店で最新作『つやのよる ある愛に関わった、女たちの物語』の公開を前に、本作の主題歌「ま、いいや」を書き下ろした人気バンド“クレイジーケンバンド”の横山剣とともにトークショーを行った。行定監督は「主人公の心に潜って、気持ちを言っちゃったよというタイトル。愛し抜く男の歌詞で、剣さんらしさが出ている。まるで映画の後日談みたいだし、まさに“いいね”」と横山のキメ文句で楽曲を絶賛していた。その他の画像行定監督が直木賞作家・井上荒野氏の同名小説を映画化したラブストーリー。恋愛に対して奔放な“艶(つや)”の存在によって自身の人生と恋愛を見つめなおす男と女性たちの姿を繊細な表現で描き出す。阿部寛が艶の夫役で主演を務め、小泉今日子、真木よう子、野波麻帆、風吹ジュン、大竹しのぶら豪華女優陣が共演する。阿部とは初タッグとなる行定監督は「妻を愛し抜く姿はこっけいに見えると同時に、狂気を感じさせる。こんな表情するんだというカットがたくさんあるし、『テルマエ・ロマエ』の後で、これを観るとまったく違う」と阿部に対し惜しみない賛辞。横山も「途中までは情けないけど、最後はワイルドでタフな男なんじゃないかと思わせる。うまく言えないけどジェットな感じ」と“らしい”言い回しで主人公の魅力を語った。トークは次第に“大人の男の本音”へと流れ、「いい女の条件? コンプレックスを持った女性が大好き。歯並びを気にしている女性とかすごくいいですよ。だから(歯を)矯正して、堂々としゃべるようになるとガックリくる」(行定監督)、「女性に甘えたい願望、ありますね。それに得体のしれない女性の神秘性というものにも惹かれる」(横山)と映画同様、ディープな恋愛談義を繰り広げていた。『つやのよる ある愛に関わった、女たちの物語』2013年1月26日(土)全国ロードショー
2012年12月10日群像劇の名手・行定勲監督が、女流作家・井上荒野の人気小説を原作に映画化した最新作『つやのよるある愛に関わった、女たちの物語』。主演の阿部寛を筆頭に小泉今日子や野波麻帆、風吹ジュン、真木よう子、忽那汐里、大竹しのぶら豪華女優陣の共演で話題を呼んでいる本作の主題歌が、このたび横山剣率いる「クレイジーケンバンド」の描き下ろし曲「ま、いいや」に決定した。数々の男たちと不貞を重ねるひとりの女性・艶(つや)とその夫・松生を始め、彼女を巡る愛憎、親子の絆、欺瞞、純愛など男女の5つのドラマが巧みに絡み合っていく本作。クレイジーケンバンドにとっては2004年の公開映画『約三十の嘘』以来、約8年ぶりの映画主題歌となるが、行定監督は常々、男の気持ちと男女の愛について歌わせたらクレイジーケンバンドの右にでるアーティストはいないと考えていたようで、「(横山)剣さんの艶のある歌声は、どうしようもない男と女の物語にぴったりだと思っていました。受けてくださると聞いたときは本当に嬉しかったです」と今回実現したコラボレーションに感動もひとしおといった様子。さらに「デモを聞いた瞬間から忘れられないフレーズで、2回目には歌える程、心を掴まれるインパクトのある曲でした」とその仕上がりに太鼓判を押している。実は今回、行定監督は作詞もボーカルの横山さんと共に執筆したそう。この件に関し、横山さんは「台本を読んだり、映画のプロトタイプを観たりした数日後、『ま、いいや』というフレーズとメロディーが一緒に出てきた。歌詞も考えるというよりは、感覚的に出てきたものだけれど、どうしても埋まらない部分が数か所あった。そこを行定監督にお願いしたところ、非常に艶のあるセクシーな響きのある楽曲に仕上がった」と大人の恋愛マエストロによる共作に満足気な様子を見せた。ひと足先に楽曲を聞いた主演の阿部さんは、「男の弱点と女の本音を、歌にした映画を彩るとてもセクシーな男の歌。作品にさらに軽妙なスパイスをふりかけてくれた剣さんに感謝しています」と喜びのコメントを寄せている。クレイジーケンバンドが現在ツアー真っ最中のため、残念ながら実現はしなかったものの、当初横山さんには主題歌のみでなく、伊豆大島の島の男かバーの店長として映画への出演依頼もあったそうだが、今回の主題歌制作で見事なコラボレーションを果たした行定監督と横山さん。果たして大人の恋愛マエストロたちは本作を彩る楽曲「ま、いいや」でどのような言葉を紡いだのだろうか?『つやのよるある愛に関わった、女たちの物語』は2013年1月26日(土)より全国にて公開。■関連作品:つやのよるある愛に関わった、女たちの物語 2013年1月26日より全国にて公開© 2012「つやのよる」製作委員会
2012年11月14日世界的に活躍する作曲家・冨田勲の新制作「イーハトーヴ」交響曲・世界初演公演の制作発表が8月27日に都内で開催。ヴァーチャルシンガー、初音ミクの出演が発表された。冨田勲新制作交響曲「イーハトーヴ」世界初演の公演情報冨田勲は、シンセサイザーの可能性にいち早く着目するなど、独創的な音楽技法を追求し続け、特に電子音楽の分野で世界的評価を得てきた。1974年よりビルボード・クラシカルアルバムチャート連続第1位(『月の光』、『展覧会の絵』、『惑星』)を獲得。日本人として初めてグラミー賞4部門にノミネートされるなど、音楽シーンの最先端を歩んできた。今年80歳を迎えた世界的巨匠が新制作する「イーハトーヴ」は、構想に10余年をかけた大作。『注文の多い料理店』『風の又三郎』『銀河鉄道の夜』『雨にも負けず』など、宮沢賢治の作品を題材にして、人間や自然を超越した宇宙的な力を音楽で描くという壮大なものだ。今回の制作発表でのビッグニュースは、何といってもヴァーチャルシンガー、初音ミクの起用だろう。作曲者自身の熱烈オファーにより実現したという驚きのコラボ。PC用の音声合成ソフトの一種である初音ミクが、冨田勲の交響曲の中でどのように登場するのか。記者会見では『注文の多い料理店』を題材にした楽曲「猫のレストラン」を例にあげて、構想の一端が明かされた。「料理店(山猫軒)の中に人は出てこない。声だけはどこかから聞こえてくるけれど、ボーイの案内もない。色々な部屋に通されて、結局は自分たちが食われるということ分かる。逃げ出そうとしたけれど逃げられない。そこで、突然サーカスみたいな音楽とともに初音ミクが出てきて『わたしは初音ミク、かりそめのボディ』と歌うんです。ミクロの世界、パソコンの中にしかいられないミクが、もうあなた方も出られないんですよ、と暗示する訳です」他にも『風の又三郎』『銀河鉄道の夜』などの楽曲の重要なポイントで登場するという。「異次元からきた、何者か分からないもの、宮沢賢治の世界観を表現するには初音ミクしかないんです」と、起用の理由を冨田勲は熱く語った。これまでの初音ミクのコンサートといえば、事前にCGで作成したミクのパフォーマンス動画に合わせて、バンドやコーラスが演奏するというスタイル。今回は逆に、大友直人の指揮、日本フィルハーモニー交響楽団と合唱団の総勢300名の演奏に合わせて、初音ミクがライブで歌い、踊るという新しい試みになる。「技術的なハードルが高いですが、目処は立ってきました。電子音楽の歴史に残る冨田先生と初音ミクのコラボは、非常に野心的な試みです」と、初音ミクを手がけるクリプトン・フューチャー・メディアの伊藤博之も意気込みを語る。冨田勲新制作交響曲「イーハトーヴ」世界初演は、11月23日(金・祝)に東京オペラシティ コンサートホール(東京都)で開催。チケットは発売中。
2012年08月29日主演作『テルマエ・ロマエ』が興業収入50億円を超える大ヒットとなっている阿部寛が、行定勲監督が手がける新作映画『つやのよる』に主演することが発表された。そのほかの情報『つやのよる』は直木賞受賞経験もある女流作家・井上荒野による同名小説の映画化。奔放な妻に振りまわされながらも、愛のために生きる男を主人公にした恋愛群像劇だ。癌に冒され、昏睡状態に陥った妻の艶(つや)を前にして夫・松生がひらめいたのは、彼女が関係を持った男たちにその死を知らせるということ。艶の危篤に動揺する男たち。そして見知らぬ女と、自分の夫や恋人、父親が肉体関係を持っていたことを感じ取り、困惑する女たち。総勢22名の男女が、繰り広げる人間関係の中に、恋の本音を描き出す。メガホンを執るのは、『世界の中心で、愛をさけぶ』『今度は愛妻家』など数多くの恋愛ドラマを手掛けてきた行定監督。映画化に際しては、「原作を読んだ時に阿部寛さんのことが頭をよぎりました。不貞を犯す妻を真面目に実直に愛する姿がぴったりだと思ったからです。実際にお会いした阿部さんの印象はまさに私の思い描いていた通りでした。阿部さんの醸し出すユーモアが大好きです。それがこの映画のエッセンスになればいいなと思っています」とコメントしている。これを受けて阿部は「いままでやったことがない世界観の作品を存分に味わいたい。行定監督の妥協せず、まじめに作品に取り組む、その世界にどっぷりつかって楽しみたい」と意欲十分といった様子。破天荒なローマ人役で話題をさらった阿部が、愛に悩む男の姿でどのような大人の“艶”を見せてくれるのか、早くも期待が高まる。映画は現在撮影中で、7月中旬のクランクアップを予定。公開は2013年新春となる見込みだ。『つやのよる』2013年新春全国ロードショー文:渡部あきこ
2012年06月18日