乳幼児の「揺さぶられっ子症候群」をご存じでしょうか? 赤ちゃんが強く揺さぶられることにより、脳と頭蓋骨をつなぐ血管が傷つき、出血することで起こる症状の総称です。特に身体が未成熟な新生児から生後6ヵ月までの子供がなりやすいといわれています。泣き止まない赤ちゃんをあやすため強く揺すった時に起きるケースが多いようです。脳が損傷すると、運動機能の障害や発達障害などが残ったり、最悪の場合、死に至ったりすることもあるので注意が必要です。今回は、そんな乳幼児の揺さぶられっ子症候群にさせないために注意すべきことをご紹介します。■赤ちゃんをあやす時も、揺さぶられっ子症候群になる?揺さぶられっ子症候群は「2秒間に5~6回揺さぶる」「10秒間の間に激しく5回ゆする」など、赤ちゃんを激しくゆすった場合に起き、あやす時に適度に揺らす分には生じにくいといわれています。ゆすってあやす行為といえば、赤ちゃんを持ち上げたり下ろしたりする「高い高い」が思い浮かぶ方も多いでしょう。「高い高い」などでも、普通にあやす程度の衝撃では、基本的に問題はないでしょう。ただし、あまりにも大きく高低差をつけて「高い高い」をした場合、揺さぶられっ子症候群になってしまったというケースが確認されていますので、注意が必要です。■赤ちゃんが泣き止まない時こそ、冷静になろう揺さぶられっ子症候群の原因は、あやす時よりむしろ、何をしても泣き止まない場合に焦って強く揺らすことによるものが多いのです。赤ちゃんが泣いたら、まずは抱っこ、授乳、おむつ、この3つを試してみましょう。それでもまったく泣き止まない場合、焦って、とにかく赤ちゃんをどうにか泣き止ませようと強く揺すってしまうと、乳幼児揺さぶられっ子症候群になってしまいかねません。そんな時こそ冷静になることが大切です。赤ちゃんがまったく泣き止まない場合、私が試している方法3つがこちらです。・赤ちゃんの泣き止む音を集めたスマホアプリを聞かせる・部屋の温度を調整する・ドライブをするこれらのほか、泣き止ませるための工夫をさまざま試したうえでも泣き止まない場合は、友人や親などに電話で相談したり、行政が行っているお母さん支援のホットラインを利用したりしてみるとよいでしょう。1時間以上泣き止まなかったり、いつもと違う泣き方だったりする場合は、病院に連れていくことも必要かもしれません。乳幼児揺さぶられっ子症候群を防ぐためには、お母さん一人で悩まないように、そして、赤ちゃんが泣き止まなければ泣き止まないほど冷静になるように意識しましょう。今回は乳幼児揺さぶられっ子症候群とその対策についてまとめました。知ってしまうと怖く感じるかもしれませんが、普通にあやす分には問題はないのであまり気にしすぎず、また泣き止まない時には一人で悩まず、一呼吸おいて赤ちゃんに接してみてくださいね。
2014年09月16日「実は1人じゃないと眠れないんです」、また「一人では眠れない」という方は意外と多いのではないでしょうか。このような他人の存在が眠りに与える影響とはいったい何なのでしょうか。そのメカニズムと症状の緩和方法をご紹介します!「1人じゃないと眠れない」不眠の原因となりうる人の存在とは?「1人じゃないと眠れない」という状態は、睡眠環境がいつもと違うことに原因があります。枕が変わると眠れないなどと言いますが、いつもとは違う環境で眠ることが得意ではないために起こるのです。そのため、結婚してパートナーが隣で眠ることが当たり前になったら症状が治ったという方もいます。また、このようなタイプの人は日頃から入眠しづらかったり、睡眠が浅かったりするケースが多いようです。まずは日頃の睡眠を改善していくと「私は眠れるんだ」と自信にもつながっていきます。たとえば、ストレスをため込む性格ではないか、スマートフォンやパソコンなどの青い光を睡眠前に浴びてはいないか、食生活のバランスはよいか、など自分の日常を見直してみてください。「1人だと眠れない」それは日本人ならではの習慣にその原因があるかも!?「1人じゃないと眠れない」現象と同じように「1人だと眠れない」状態も、睡眠環境がいつもと異なることから引き起こされます。これは日本人ならではの習慣が関係しているかもしれません。日本人の多くの家庭では、子どもが産まれると川の字になって眠ります。しかし、このような眠り方は全世界共通のものではないようです。アメリカやヨーロッパでは子どもは小さい頃から自分の部屋を持っていて、1人で眠ります。家族で一緒に眠ることに慣れてしまっている日本人だからこそ、1人で眠れないという悩みが出てくるのかもしれません。入眠しやすくするための習慣の見直し不眠原因を取り除こういつも通りの睡眠環境でないと眠れない方の場合、通常でも入眠しづらかったり眠りが浅かったりするものです。まずは、日常の睡眠を見直すことが環境が変わっても眠れるようになる秘訣です。普段の睡眠の質を上げるための方法として、まずは、入眠のための決まった習慣を身につけてみましょう。たとえば、眠りにつく1時間前ほどから読書の習慣をつけると、徐々にそれを脳が入眠儀式として認識するようになります。また、朝に太陽の光を浴びて体内リズムを整えることも大切です。体内リズムを整えることで、夜きちんと眠くなる体を保ちましょう。1人じゃないと眠れない方も1人じゃ眠れない方も、決して病気ではありません。まずは日頃の睡眠を改善していくことで、それらのストレスを解消していくことができます。できることから一歩一歩見直してみてくださいね。Photo by Ryan O’Hara
2014年09月09日皆さんの周りには、「ぶりっ子」する女子はいますか?合コンや飲み会のシーンでは特に気になる「ぶりっ子」の存在。しかし、同じ「ぶりっ子」の中でも「ムカつくぶりっ子」と「ムカつかないぶりっ子」の2種類がいるのにお気づきでしょうか?男子の前ではぶりっ子した~い、しかし周りの女子には嫌われたくない・・・。そんなアナタにオススメのぶりっ子の仕方があるので参考にしてください。「ムカつかないぶりっ子」これは実は、ぶりっ子する内容ではなく、その人の人柄なのです。じゃあ、どうすれば「ムカつかないぶりっ子」になれるか・・・その人柄作りのポイントをご紹介します。■1.敵ではないと思わせる「私はアナタの敵ではないですよ。私はアナタの世界とは違うジャンルの生き物ですよ」と思わせる・・・、つまり周りの女子と同じ土俵に立っていないというアピールをすれば周りの女子の敵対心から身を守れます。女の子は、どうしても自分と同じジャンル(服の系統等)の女子に敵対心を抱きがち。例えばギャル系の女の子が多い場所だったら自分は清楚系で攻めるなど、ぶりっ子したいのならジャンルをなるべく被せないようにしましょう。■2.好みのタイプのリサーチをするこの方法は、周りの女子に「どういう人が好み?」と聞いておいて、その答えとは全く別の好みを相手に伝える方法です。例えば「色白で背の高い人が好き」みたいな会話があれば自分は「色黒で小柄な人が好き」と答えてみましょう。そう答える事で、あなたがいくらぶりっ子して男子に振る舞ったとしても「好みは違うしね・・・」とアナタの存在を自然と圏外に置いてくれるのです。■3.恋愛相談に乗る周りの女子に恋愛話をわざともちかけ、相手の恋愛相談にのればこっちのもの!相手は「アナタは私の味方」という意識になるので、アナタのぶりっ子も逆に応援してくれるようになります。例えそれがダメな恋愛だったとしても、恋愛話をすることで、話し手は思いを発散することができます。ですから、話を聞いてあげるだけで自然と気分が良くなる人が多いのです。ただ、答えにくいところまでずかずか聞かないように注意してくださいね。あくまでも相手が話したがっている部分だけ聞くのがポイントです。どんどん周りの女子の恋愛相談に乗って味方を増やしていけば、女子からの印象も良くなるし、女子から好かれているというポイントも男性から高く評価されるでしょう。■4.あらかじめ男女問わずボディタッチをしておくボディタッチをすると男子からは「コイツ、俺に気があるな。」と思われがち!どんどんボディタッチをして気を引くというのも女の子ならではの手口かと思います。ですが、実は女子が女子にするボディタッチも効果的なんです。同性からのボディタッチでは「仲間意識」が生まれるので、ボディタッチをすることでも女子を味方に付けることができます。男子だけにやたらボディタッチする前に、周りの女子にもさりげないボディタッチをして仲間意識を育てておき、「あの子は男だけにボディタッチするわけではなく、男女共にボディタッチする子なんだ」と思わせてから男子にアピールしていきましょう。■さいごにただのぶりっ子女はやはり嫌われます。周りの女子に嫌われると、男性からの評価もそれだけで下がる可能性もありますので、要注意。嫌われないぶりっ子が存在する事を忘れずに、女子からも好感度の高いぶりっ子をすれば周りの評価も上がり、場も和むので一石二鳥!嫌われないぶりっ子でモテモテになっちゃいましょう。(浜田ブリトニー/ハウコレ)
2014年06月09日男性は、ぶりっ子が好きです。「あの子ぶりっ子だよ。どこがいいの?」と告げ口をしたところで男性は気にしません。モテるためにあんなことはしたくないと、批判したところで、得はありません。ぶりっ子になれたほうが、モテは確実に近づきます。今回は、男性がぶりっ子を好きな理由をご紹介したいと思います。■1.男性の願望に敏感「ぶりっ子の人は男が何をしたら喜ぶか考えてるだろうから、やっぱり心動かされる。あと見せ方もしっかり計算されているから、惹き付けられるポイントが生まれる。一度心つかまれたらやばいね」(27歳/保険)ぶりっ子は、男性の願望に敏感です。自分が何をすれば男性の注目を集められるか考えています。その願望を満たそうとする、バイタリティが努力をしていない女性と差が出ます。ただボーっとしているよりは、何かしら男性にひっかかればときっかけ作ろうとする女性のほうが声をかけやすいです。■2.サービス精神が旺盛「ぶりっ子の子は、とにかくサービス精神が多いから男性には好かれるよね。ぶりっ子をするって、ある程度頭が良くて気が利かないとできないと思う」(25歳/メーカー)男性は、どこに女らしさを感じるかというと、気配りができるかどうかです。気が配れるというところに、女性ならではの感性を感じるのです。ぶりっ子は、常に人のことを観察していて、褒めるポイントも抜群。男性をドキドキさせるショーを続けているようなものです。サービス精神がなければ、そんなことできないのです。■3.分かりやすさ「怒ったときに口をふくらませたり、すねたり分かりやすいよね。女の人って何考えてるか分からないから、ぶりっ子がウソでも何かしらの態度で示してくれると接しやすい」(26歳/銀行)ぶりっ子の女性は、見せ方が上手いので感情が相手に伝わります。男性は、相手の様子をみて次何をすればいいのか、ぶりっ子の場合は分かりやすい。自分のことを好きだったら、上目遣いとかボディタッチとか、好意だって気がつきやすい。「自分から誘って失敗して傷つきたくない」と強く願う現代の男性にとって、わかりやすさは重要なポイントです。■4.リアクションが大きい「可愛い子が、自分の話で笑ってくれると嬉しい。ぶりっ子の子はリアクションがうまいから、ついつい気持ちよくなる。それがウソのリアクションだとしても、全然悪い気はしない」(29歳/放送)男性は、常に女性のことを喜ばせたいと思っています。トークでもデートでも、喜んで欲しい一心です。ぶりっ子は、とにかくリアクションが上手いので男性もやりがいや満足感を持ちやすいのです。大きく笑う、驚く、感心する。それらを身につけるだけでも、周りの男性とのコミュニケーションが変わるはずです。■おわりにいかがでしたでしょうか?男性は、ぶりっ子に弱いです。男性からすれば、とても分かりやすいアピール方法なのです。気持ちを切り替えて、気になる彼の前にサービス精神を持って接してみましょう!(白武ときお/ハウコレ)
2014年03月13日新潟っ子なら誰もが知っているB級グルメといえば何が思いつくだろうか。老いも若きも好んで食べているというその名も「イタリアン」。イタリア風の食べ物なのか、何なのか。早速調査してみた。「イタリアン」といえば一般的にはイタリアの郷土料理のことだと思うもの。しかし、ここ新潟ではそれが通用しない。この地でイタリアンといえば県民の誰もが知っているB級グルメを意味する。新潟ではどのくらい、このB級グルメが浸透しているのか、早速調査のために燕三条駅に降り立った。改札を出てすぐ、目の前を歩く30代くらいの人たち数人に声をかけてみる。すると返ってきた返事は口を揃えたように「小さい頃おやつとして食べた」「学校帰りによく食べた」という声。どうやら、非常に親しまれている味のようだ。おやつとして食べていたとするなら、イタリアンはお菓子なのだろうか。あるいはイタリアンと呼ばれるくらいだけに、パスタのような主食なのかもしれない。いつごろ食べていたのかといった内容からは、この食べ物がまったく想像ができない。道を歩くカップルに「イタリアンって何?」とたずねると、「紅ショウガが白い!」という答えが返ってきた。まったく本題に対する答えではない!ところが、その後も同様の回答が続くのだ。白い紅ショウガとおやつ。このふたつのキーワードを結びつけるものは果たして何なのだろうか。疑問は深まるばかりだ。ショウガが添えてあると答えればいいところを、なぜ「白い」紅ショウガという必要があるのだろうか。そうした疑問を持ちながらも調査を続行。やがて、ぼんやりとした概要が見えてきた。どうやらその正体は、めん類のようだということ。地域によって人気がふたつにわかれており、グルメファンたちの間では熱い論争を巻き起こしているようなのだ。さて、この謎のめん類であるイタリアンだが、どうやら大きく2種類あるらしい。上越と中越でわかれるこのふたつは同じイタリアンでも味が微妙に違う。聞き込みを続けた結果、これは「みかづき」と「Friend」というふたつのお店の違いによるものであることが分かった。上越で人気があるのはFreindで中越は「みかづき」。この両派閥が存在するだけに、新潟県民と会話する際は要注意なのだそうだ。この2大勢力を融和した、いわゆる国境ラインというものも新潟県には存在する。それが燕三条だ。新幹線の駅がある側で、ワシントンホテルの入っている燕側のイオンには「みかづき」が城を構えその勢力を保持している。そこから車で約10分。三条側のイオンには「Friend」があり、晩ご飯のデザートに新潟名産の洋梨「ルレクチェ」を買った主婦が、おやつとして「イタリアン」を食べている。このエリアに行けば、30分ほどの時間で両方の店にあるイタリアンをお持ち帰りして、国境の誰も手出しができない新幹線の高架下あたりで、両派閥を気にすることなくイタリアンの味を堪能できる。長くなってしまったが、そもそも「イタリアン」って何だろう?という疑問の答えを述べていなかった。ずばり、見た目は焼きそば、かかっているソースはミートソース。ただ、新潟県民に言わせると「焼きそばじゃないよね、あのめんは」「あれってミートソースなのかな」などとあいまいな答えしか返ってこない。途方に暮れて、ふと「みかづき」の看板をよく見てみるとそこには、こう書いてあった。「What kind of foods [italian]?Is it spagetti?or yakisoba? [Italian] is neither.[Italian] is [Italian]!!」 直訳すると 「イタリアン」ってどんな食べ物?スパゲティ?それとも焼きそば? 「イタリアン」はどちらでもない。「イタリアン」は「イタリアン」!! ということだそうだ。「『イタリアン』は『イタリアン』」と言いつつも、スパゲティや焼きそばっぽいと自分で分かっているところがなんともかわいいではないか。この文面の「イタリアン」の部分を「おれ」に置き換えると非常に分かりやすい。「おれ」ってどんな食べ物?スパゲティ?それとも焼きそば? 「おれ」はどちらでもない。おれは「おれ」!! 早速、それぞれの店で食べ比べてみることにする。まずは「みかづき」。自家製角太の中華めんの上にたっぷりとトマトソースがかかり、約40年もの間、同じスタイルで出し続けている定番メニューだ。注文をすると、厨房(ちゅうぼう)からは鉄板の上でめんともやし、キャベツをいためる音が聞こえてくる。そこに特製ソースを絡めて、まずは焼きそばを作る。その上に、トマトペーストをベースに作ったソースがかかって出来上がり。何ともミスマッチな様相なのだが、口にするとあら不思議。強い酸味を想像していたのだが、ソースにたっぷりと使った玉ねぎがほどよい甘さを醸し出す。濃厚なトマトソースにからんだ、コシのある焼きそばの歯触りが、口いっぱいに不思議なハーモニーを生み出すのだ。これで値段は320円。道行く人たちが、なぜ「おやつ」と呼んでいたのかうなずける。また、フォークで食べるのもここの特徴だろう。そして、その脇には「白い」紅ショウガがこっそりとたたずんでいたのだった……。2大勢力の片方ばかりを食べても比較にならない。ゆっくり味わいたい気分に後ろ髪をひかれつつ、もうひとつの「Friend」へと向かうことにした。こちらも「みかづき」同様、「イタリアン」のスタイルに違いはない。しかし、決定的な違いはそのソース。トマトベースの「みかづき」に対して、こちらはミートソース。「イタリアン」の濃厚さと比べると、味の深みで勝負している感がある。はしで食べるスタイルなのだが、中細めんなのでつかみやすく、また見た目よりもスッと腹におさまっていく。ひき肉たっぷりのソースとの絡みもバツグンだ。さらに、中華めんとの相性からなのかもしれないが、ギョーザとのセットが人気商品となっていた。どちらの店も、焼きそばとパスタの風味を同時に味わえるお得なグルメ、というのが調査後の感想だ。リーズナブルかつボリューム感もたっぷりで、「おやつ」ならぬ主食としても十分いけそうなメニューだった。今後、この2大勢力はますますデットヒートを繰り広げるに違いない。しかしそれは、切磋琢磨にお互いの味を高める至高の戦いであるに違いないのだ。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年08月22日新潟っ子なら誰もが知っているB級グルメといえば何が思いつくだろうか。老いも若きも好んで食べているというその名も「イタリアン」。イタリア風の食べ物なのか、何なのか。早速調査してみた。「イタリアン」といえば一般的にはイタリアの郷土料理のことだと思うもの。しかし、ここ新潟ではそれが通用しない。この地でイタリアンといえば県民の誰もが知っているB級グルメを意味する。新潟ではどのくらい、このB級グルメが浸透しているのか、早速調査のために燕三条駅に降り立った。改札を出てすぐ、目の前を歩く30代くらいの人たち数人に声をかけてみる。すると返ってきた返事は口を揃えたように「小さい頃おやつとして食べた」「学校帰りによく食べた」という声。どうやら、非常に親しまれている味のようだ。おやつとして食べていたとするなら、イタリアンはお菓子なのだろうか。あるいはイタリアンと呼ばれるくらいだけに、パスタのような主食なのかもしれない。いつごろ食べていたのかといった内容からは、この食べ物がまったく想像ができない。道を歩くカップルに「イタリアンって何?」とたずねると、「紅ショウガが白い!」という答えが返ってきた。まったく本題に対する答えではない!ところが、その後も同様の回答が続くのだ。白い紅ショウガとおやつ。このふたつのキーワードを結びつけるものは果たして何なのだろうか。疑問は深まるばかりだ。ショウガが添えてあると答えればいいところを、なぜ「白い」紅ショウガという必要があるのだろうか。そうした疑問を持ちながらも調査を続行。やがて、ぼんやりとした概要が見えてきた。どうやらその正体は、めん類のようだということ。地域によって人気がふたつにわかれており、グルメファンたちの間では熱い論争を巻き起こしているようなのだ。さて、この謎のめん類であるイタリアンだが、どうやら大きく2種類あるらしい。上越と中越でわかれるこのふたつは同じイタリアンでも味が微妙に違う。聞き込みを続けた結果、これは「みかづき」と「Friend」というふたつのお店の違いによるものであることが分かった。上越で人気があるのはFreindで中越は「みかづき」。この両派閥が存在するだけに、新潟県民と会話する際は要注意なのだそうだ。この2大勢力を融和した、いわゆる国境ラインというものも新潟県には存在する。それが燕三条だ。新幹線の駅がある側で、ワシントンホテルの入っている燕側のイオンには「みかづき」が城を構えその勢力を保持している。そこから車で約10分。三条側のイオンには「Friend」があり、晩ご飯のデザートに新潟名産の洋梨「ルレクチェ」を買った主婦が、おやつとして「イタリアン」を食べている。このエリアに行けば、30分ほどの時間で両方の店にあるイタリアンをお持ち帰りして、国境の誰も手出しができない新幹線の高架下あたりで、両派閥を気にすることなくイタリアンの味を堪能できる。長くなってしまったが、そもそも「イタリアン」って何だろう?という疑問の答えを述べていなかった。ずばり、見た目は焼きそば、かかっているソースはミートソース。ただ、新潟県民に言わせると「焼きそばじゃないよね、あのめんは」「あれってミートソースなのかな」などとあいまいな答えしか返ってこない。途方に暮れて、ふと「みかづき」の看板をよく見てみるとそこには、こう書いてあった。「What kind of foods [italian]?Is it spagetti?or yakisoba? [Italian] is neither.[Italian] is [Italian]!!」 直訳すると 「イタリアン」ってどんな食べ物?スパゲティ?それとも焼きそば? 「イタリアン」はどちらでもない。「イタリアン」は「イタリアン」!! ということだそうだ。「『イタリアン』は『イタリアン』」と言いつつも、スパゲティや焼きそばっぽいと自分で分かっているところがなんともかわいいではないか。この文面の「イタリアン」の部分を「おれ」に置き換えると非常に分かりやすい。「おれ」ってどんな食べ物?スパゲティ?それとも焼きそば? 「おれ」はどちらでもない。おれは「おれ」!! 早速、それぞれの店で食べ比べてみることにする。まずは「みかづき」。自家製角太の中華めんの上にたっぷりとトマトソースがかかり、約40年もの間、同じスタイルで出し続けている定番メニューだ。注文をすると、厨房(ちゅうぼう)からは鉄板の上でめんともやし、キャベツをいためる音が聞こえてくる。そこに特製ソースを絡めて、まずは焼きそばを作る。その上に、トマトペーストをベースに作ったソースがかかって出来上がり。何ともミスマッチな様相なのだが、口にするとあら不思議。強い酸味を想像していたのだが、ソースにたっぷりと使った玉ねぎがほどよい甘さを醸し出す。濃厚なトマトソースにからんだ、コシのある焼きそばの歯触りが、口いっぱいに不思議なハーモニーを生み出すのだ。これで値段は320円。道行く人たちが、なぜ「おやつ」と呼んでいたのかうなずける。また、フォークで食べるのもここの特徴だろう。そして、その脇には「白い」紅ショウガがこっそりとたたずんでいたのだった……。2大勢力の片方ばかりを食べても比較にならない。ゆっくり味わいたい気分に後ろ髪をひかれつつ、もうひとつの「Friend」へと向かうことにした。こちらも「みかづき」同様、「イタリアン」のスタイルに違いはない。しかし、決定的な違いはそのソース。トマトベースの「みかづき」に対して、こちらはミートソース。「イタリアン」の濃厚さと比べると、味の深みで勝負している感がある。はしで食べるスタイルなのだが、中細めんなのでつかみやすく、また見た目よりもスッと腹におさまっていく。ひき肉たっぷりのソースとの絡みもバツグンだ。さらに、中華めんとの相性からなのかもしれないが、ギョーザとのセットが人気商品となっていた。どちらの店も、焼きそばとパスタの風味を同時に味わえるお得なグルメ、というのが調査後の感想だ。リーズナブルかつボリューム感もたっぷりで、「おやつ」ならぬ主食としても十分いけそうなメニューだった。今後、この2大勢力はますますデットヒートを繰り広げるに違いない。しかしそれは、切磋琢磨にお互いの味を高める至高の戦いであるに違いないのだ。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年08月20日