プラン シー(Plan C)の2020年秋冬コレクションが、2020年2月21日(金)、イタリア・ミラノで発表された。スポーティー&ミリタリーでエフォートレスな装いにおもちゃやインテリアで影を作った遊び心溢れる空間を舞台に、プレゼンテーション形式で初披露となった最新コレクション。今シーズンも、スポーツウェアやワークウェアといったエフォートレスな取り入れることで、プランシー流のアーバンユニフォームを作り上げている。スポーティーなムードを醸し出しているのは、カラーブロックのジップカーディガンやキルトのパフジャケットなど。ミリタリー感漂うアースカラーのフェルトウールを用いたジャケットやワンピースもある。プレイフルなカラー&プリントプランシーが得意とするプレイフルなプリントは今季もふんだんで、ポルカドットのプリーツスカートや、流れるようなシルエットのフラワープリントドレス、クリーンなストライプシャツなどがコレクションを彩る。クリエイティブ・ディレクターのカロリーナ・カスティリオーニの娘マルガリータが描いたブランドのシグネチャー“ビアンカ”は、ベルテッドジャケットの胸元に飾って。マルガリータが映画館で3D眼鏡をかけているイラストは、Tシャツに大胆に配した。レイヤードで遊び心をコレクションにより一層の遊び心をもたらしているのが、ミックス&マッチなレイヤードスタイル。ストライプのニットケープはテーラリングの要素を加えたダブルブレストコートの上に重ねて。チェック柄のプリーツスカートは、裾に向かってわずかに広がるスリムパンツと組み合わせて、意外性のあるルックへと導いている。シューズ&バッグをアクセントに足元には、チャンキーソールのブーツやマニッシュなダービーシューズ、グラフィカルなヒールを組み合わせたメタルバックル付きパンプスなど、存在感溢れるシューズを合わせて。ブランドを象徴するコーティング加工を施したキャンバス地のプリントバッグには、新色イエローが加わった。
2020年03月07日ラコステ(LACOSTE) 2020年秋冬ウィメンズ&メンズコレクションが、2020年3月3日(火)にフランス・パリ市内で発表された。モダンに楽しむスポーツウェアスポーツを起源に持つラコステが今季会場に選んだのは、パリの老舗テニスクラブ・ド・パリ。今季は、ブランドのヘリテージに敬意を示しながらも、様々な要素をプラスすることでモダンにブラッシュアップ。ニットウェアに変身したポロシャツや、モヘアニットで温かみのある表情に仕上げたテニスセーター、膝下丈まで伸ばしたプリーツスカートがコレクションの中で交わっていく。レイヤードスタイルが主流スタイリングは、タートルネックを差し込んだレイヤードスタイルが主流。秋冬のアウターと合わせるときは、オーセンティックなロングコートを選ぶことで、現代的なスポーツミックスの着こなしを創り上げている。またウィメンズでは、ウエスト周りをベルトでキュッと絞った女性らしいアプローチも見て取れた。ポップなカラーパレットパレットは、グリーン、ピンク、オレンジ、ミント、イエローといった鮮やかな色彩に加え、様々なチェック柄&ボーダー柄が登場。2カラー以上を組み合わせるのが基本で、ポップで楽し気なムードを演出している。またこれらのパレット1つにドッキングさせたカラーブロックのポロシャツもランウェイに。モヘアニットなど、異素材もミックスすることで、面白みのある表情を作り上げている。“ワニ”柄シャツ×テーラリング美しいテーラリングの表情が印象的な細身のスーツスタイルは、ボタンを開けてラフに着こなすのが気分。差し込まれたYシャツは、アイコニックな“ワニ”柄を散りばめて、ブランドらしい遊び心をプラスしていた。
2020年03月07日#list {width:90%;margin:0 auto 20px auto;padding: 10px; border:1px solid #dbdbdb;border-radius:4px;background-color:#ffffff;}#list h3 {font-size: 16px; border-bottom: 1px solid rgb(219, 219, 219);}.str {font-size:16px;} 2020年2月に妊娠を発表した芸能人や有名人をリストにしてご紹介!今回は、これまでお伝えした発表を振り返りながら、モデル、タレント、アナウンサーなど、2月の11名の妊娠のニュースをお届けします。 妊娠発表桐谷美玲(30歳)モデル・女優※夫は三浦翔平(31歳)俳優 妊娠発表:2020年2月4日(1人目) 出産予定日:夏ごろ ブログ・SNS:Instagram(@mirei_kiritani_)小出由華(35歳)タレント 妊娠発表:2020年2月5日(2人目) ブログ・SNS:Instagram(@yuka_koide)河中あい(34歳)タレント 妊娠発表:2020年2月6日(2人目) ブログ・SNS:「あいらいふ」八田亜矢子(35歳)タレント 妊娠発表:2020年2月10日(1人目) 出産予定日:初夏 ブログ・SNS:AYAKO HATTA OFFICIAL BLOG片山千恵子(35歳)NHKアナウンサー 妊娠発表:2020年2月20日(2人目) #list {width:90%;margin:0 auto 20px auto;padding: 10px; border:1px solid #dbdbdb;border-radius:4px;background-color:#ffffff;}#list h3 {font-size: 16px; border-bottom: 1px solid rgb(219, 219, 219);}.str {font-size:16px;}橋本マナミ(35歳)タレント 妊娠発表:2020年2月27日(1人目) 出産予定:7月末ごろ ブログ・SNS:橋本マナミ オフィシャルブログ小倉優子(36歳)タレント 妊娠発表:2020年2月27日(3人目) 出産予定:今夏 ブログ・SNS:Instagram(@ogura_yuko_0826)小川彩佳(35歳) フリーアナウンサー 妊娠発表:2020年2月28日(1人目) 出産予定:今夏宝来麻紀子(41歳)女子バレー元日本代表 妊娠発表:2020年2月29日(1人目) 出産予定:初夏 ブログ・SNS:宝来麻紀子オフィシャルブログ パパになる芸能人・有名人田村 裕(40歳)お笑いコンビ・麒麟 妊娠発表:2020年2月2日(3人目) ブログ・SNS:Twitter(@hiroshi93)田村 淳(46歳)お笑いコンビ・ロンドンブーツ1号2号 妊娠発表:2020年2月19日(2人目) 出産予定:6月ごろ 今月、気になる芸能人や有名人はリストの中にいましたか? 同じくらいの妊娠週数だったり、わが子と近い月齢の赤ちゃんが登場したりする芸能人のブログには、マタニティライフや子育てのヒントがあるかもしれません。家事や子育ての息抜きにチェックしてみてはいかがでしょうか。
2020年03月06日トゥミ(TUMI)の国内最大直営店が、東京・銀座のみゆき通り沿いに誕生する商業施設「銀座5丁目グローブ」にオープンする。開業日は2020年3月27日(金)。トゥミ、国内最大規模の直営店がオープン新商業施設「銀座5丁目グローブ」の1・2階の2フロアを通して国内最大規模で展開する「トゥミ 銀座5丁目店」。白を基調とした店内には、メンズ・ウィメンズのビジネスおよびデイバッグ、トラベルバッグ、小物類からトラベルアクセサリーまでを幅広くラインナップする。2階にはシーティングエリアも設けられており、よりゆったりとショッピングを楽しむことができる。店内各所に設けられたビデオモニターやタッチパネルでは、ブランドの最新情報をキャッチすることも可能だ。オープンを記念した限定バッグを発売また、オープンを記念し、国内では銀座5丁目店だけでの取り扱いとなる、「スモール・エブリディ・トート」3色と、“ヴォヤジュール(VOYAGEUR)”コレクションのミニ・バックパックを限定発売。さらに、メンズからは“タホ(TAHOE)”コレクションのアジアパシフィック地域限定カラーのバックパック2型とスリングを先行発売。ストリートテイストを纏ったアクティブな印象の“タホ”コレクションのアイテムは、トゥミのアイコンであるビジネスバッグやキャリーケースとは一線を画した、カジュアルコーディネートに最適な一品となっている。【詳細】トゥミ 銀座5丁目店オープン日:2020年3月27日(金)営業時間:11:00~20:00住所:東京都中央区銀座5-6-10 1・2階TEL: 03-5962-8755※不定休。※3月27日(金)から4月30日(木)までの期間は19:00閉店。5月以降も営業時間変更の可能性あり。<銀座5丁目店限定アイテム>スモール・エブリディ・トート(ブラッシュ、ネイビー、ブラック) 各55,000円(税込)、“ヴォヤジュール”コレクション「セラ」ミニ・コンバーチブル・バックパック 38,500円(税込)<銀座5丁目店先行発売アイテム>・“タホ”コレクション アジアパシフィック地域限定カラー ブラック/トランスルーセントブルー「ボーズマン」スリング 38,500円(税込)、「ノタウェイ」バックパック 52,800円(税込)、「フィンチ」バックパック 63,800円(税込)
2020年03月06日ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON) 2020年秋冬ウィメンズコレクションが、フランス・パリ市内のルーブル美術館にて発表された。「タイムクラッシュ」をテーマに歴史深い名作の数々からモダンアートまでを所蔵する、世界最大級の美術館を舞台にした今シーズン。ニコラ・ジェスキエール率いるルイ・ヴィトンが掲げたテーマは、まさしくこの場所に相応しい「タイムクラッシュ(時間の衝突)」だ。ファッションの歴史を軸にアイディアを膨らませた二コラは、もしこの瞬間に、これまでの時代を育んできたファッションが一度に集結したら…?と想いを馳せた。きっとそこには、予想外な組み合わせと共に、本来の役割を覆すほどの“衝突”も存在するはず。旧来のものへの回帰によって、新たなものを生み出す二コラのコレクションが幕を開ける。スポーツミックスを自由にアレンジショーの序盤に登場したのは、アクティブなスポーツウェアとのミックススタイル。鮮やかな色彩をのせたフード付きジャケットやベストは、クラシカルな細身のテラードパンツや、フリル付きスカートとドッキング。またマニッシュなボーダー柄のスーツとのレイヤードスタイルなど、自由な精神で、様々なテイストの衣服がコレクションの中で交わっていく。相反する要素との出会いラッフルをたっぷりとのせたボリューミーなスカートも、本来のフェミニンなテイスト“以外”のジャンルで異なる役割を果たしていく。中でも印象的だったのは、相反するマニッシュなテーラードとの出会い。シルエットの美しさが際立つダンディなジャケットに、ふんわりと膨らむスカート、そして中立的なクラシカルなローファーというアンバランスなスタイルは、ジェンダーの垣根を曖昧にする、現代的なアプローチが感じられる。素材や丈をモダンにアップデート貴族たちが纏うような、バロック調のジャケットは、裾を短くカットしてフレッシュなスタイルに。ビッグショルダーのブラックジャケットに差し込んだクラシカルな花模様のドレスは、PVCのような光沢を放つファブリックで、モダにブラッシュアップさせているのが印象的だ。足元はカジュアルなスニーカー、手元にはコンパクトなポーチといった具合に、小物使いでもシティライクな要素へと引き寄せいている。現代に蘇るニコラ・ド・グリニーの音楽会場に流れたのは、ウッドキッドとブライス・デスナーの作曲による『Three Hundred and Twenty』。ショーミュージックの一部には、バッハと同時代に生まれながら、評判を得ずしてその人生の幕を閉じた作曲家ニコラ・ド・グリニーの曲が蘇り、時を超えてルーブル美術館へと鳴り響いていた。
2020年03月06日ポール・スチュアート(Paul Stuart)の旗艦店が、2020年11月1日(日)、北青山の「ジ アーガイル アオヤマ(the ARGYLE aoyama)」にオープンする。グローバルな感性を持つ人びとに向けて、トレンドに左右されることなく自分自身のライフスタイルに合わせたスタイリングを提案する“コンテンポラリー・クラシック”ブランド、ポール・スチュアート。その旗艦店が、39年間運営してきた表参道の路面店から北青山に移設オープン。世界中からの選りすぐりのメンズ&ウィメンズファッションを展開するとともに、同ブランドでは日本初となるバーを併設する。【詳細】ポール・スチュアート 青山店オープン予定日:2020年11月1日(日)住所:東京都港区北青山2丁目 ジ アーガイル アオヤマ 1階営業予定時間:11:00〜20:00 / バー 18:00〜24:00【問い合わせ先】株式会社三陽商会 カスタマーサポートフリーダイヤルTEL:0120-340-460(受付時間 10:00〜17:30 ※平日のみ)
2020年03月06日ビューティフルピープル(beautiful people) 2020年秋冬コレクションが、2020年3月2日(日)フランス・パリで発表された。メンズラインが初めて加わったショー開催となる。見えないモノへと目を向けて会場一体の柱を“断熱材”で包み込む演出が施された今季のビューティフルピープル。本来“建物の外側と室内の間”に配置されるその建築資材は、誰の目にも触れることがないが重要な役割を担うものだ。そしてこの“見えないもの”に着目し、2019年春夏コレクションよりブランドが取り組んでいるのが、「サイド C」という新たな衣服へのアプローチ。通常の洋服には無い“間”を作ることによって、複数のアレンジを楽しめるコレクションが、今季もランウェイの上へと姿を現した。“何かが違う”リアルクローズニットウェア、アウター、プリーツスカート、カーゴパンツ…。日常で楽しめる秋冬のリアルクローズに目を向けた今季は、特別な装飾を加えないミニマルな着こなしが目立つ。しかしながら、「サイド C」というアイディアのもと、解体と再構築を繰り返した一連のワードローブは、どこか日常とはかけ離れた“違和感”があるのも事実。一部の生地がねじ曲がっていたり、どこからともなく生地が切り替わっていたり、まるで服を二重にしてきているように見えたり…。クラシカルなアイテムに変革をこうした手法が、オーセンティックなアイテムと掛け合わせることで、本来あるはずのないユニークな表情を生み出しているのが印象的だった。例えばカジュアルなニットウェアに首から掛けられたドレスは、おそらく本来はダブル仕立てのロングジャケットとなるもの。モデルが後ろを振り返ると、まるでエプロンのように背中がぱっくりと空いており、首とボディの間に本来はあるはずのない“間”が存在することに気付かされるのだ。また美しいカッティングが伺える優雅なケープには、フロントから設けられた段差によって、全く表情の異なるグラフィックが顔を出す。ここから一体どんな姿へと変えるのか…?種明かしのない演出ではあるものの、観客たちあらゆる“可能性”に想像力を膨らまし、ワクワクと心を躍らせるのである。ジェンダーレスなカラーパレットパレットは、落ち着いたブラック、グレー、カーキを基調に、鮮やかなオレンジ、レッド、ブルーといったカラーをアクセントに加えて。今季会場を“飾った”断熱材が着想となる透け感のあるプリントは、メンズ・ウィメンズ共に展開されたダウンジャケットの上へと登場。こちらはプレーンな表情も持つ片面と共に、リバーシブルで楽しむことができる。新作バッグも登場メンズ・ウィメンズ共に手にしていたのは、“種明かし”付きのバッグ。上下両方にクチがあるその不思議なバッグは、トートバッグと巾着タイプを上下にドッキングさせ両方の機能を備えていることを示唆しており、そのカラーもそれぞれ異なる。1つのアイテムから複数の使い方を見出すことができるユニークなアイテムは、私たちに“自由”を与えると同時に、エシカルな方法でファッションを楽しめる大切なキーも握っている。
2020年03月06日ニナ リッチ(NINA RICCI)2020年秋冬コレクションが、フランス・パリで発表された。レイヤードで生み出すフェミニンなムード今季のニナ リッチは、レイヤードによって作り出す秋冬のフェミニンな装いを提案。本来マニッシュなムードをもたらすジャケットスタイルには、大きな襟付きのドレッシーなブラウスやワンピースをインサート。その特徴的な襟はラペルの上へと重ねるだけでなく、スリーブや裾もアウターよりもほんの少し丈を長くすることで、ドレッシーな表情を加速させる。シルエットに変化球をまた秋冬のアウターの“形そのもの”に変化球を加える斬新なアプローチも行われた。本来ビッグシルエットのチェック柄のジャケットスタイルは、アーム&胸下を大胆にカットすることで、レーシーなインナーを主役に見せるような装いに。また、もとよりフェミニンなアイテムであるケープコートは、ギャザーをたっぷりとよせて膝丈まで伸ばすことで、ふんわりと柔らかな表情をプラスしてくれる。足元にはブラックレザーのショートブーツを合わせた、“甘すぎない”大人の女性の為の着こなしが提案された。流れるようなフラワーモチーフ淡い色彩やアースカラーなど、プレーンなパレットが並ぶ中、ラストに掛けては黒地に鮮やかな花が咲くフラワーモチーフが登場。オーセンティックなチェック柄ジャケットと組み合わせた花柄のスカートは、軽やかなテキスタイルで仕立てたことで、ふわりと流れるエレガントな表情をプラス。頭には、真っ赤なバケットハットを組み合わせて、モダンなアクセントを加えていた。
2020年03月05日sacai (サカイ)2020年秋冬コレクションが、2020年3月2日(月)フランス・パリ市内で発表された。3次元のフォルムを超えて視覚的な4次元のシルエットを探求するため、対称的な“重さ”のファブリック同士を組み合わせるアプローチを行った今季のsacai。動きが加わることで、異なるシルエットへと変化する、意外性に富んだエフェクトを持っているのが特徴だ。ドレッシーな表情へと導くマニッシュなアイテム例えば静止しているとジャンプスーツに見えるピースは、軽やかな素材でアレンジを加えることで、歩き始める流れるようなドレスへとチェンジ。また本来マニッシュな要素を持つピースには、クチュールライクなアプローチを加えてドレッシーな表情へと昇華させる。ジャケットとドキングさせた、MA-1ベースのドレスは、艶めくサテン生地を使用することで、女性らしさをぐっと引き立てているのが印象的だ。カラーにも一捻りまたカラーにアレンジを加えたアプローチも。ミリタリー風のニットウェア×スカートは、ピュアなオールホワイトで統一することで、本来ミリタリーの持つタフなムードをそぎ落としている。ジャケットスタイルを再解釈ジャケットスタイルに取り入れられる、本来“セット”となるアイテムを、1つのピースでドレッシーに再解釈している点も興味深かった。白シャツのドレスは、テーラリングパンツを再構築した“フロントなし”のスカートと組み合わせ。またスーツ地で使用されるマニッシュなボーダー柄はロングドレスへと姿を変え、ジャケットとのセットアップで提案されている。異なる姿に変わりながらも、私たちにとって既視感のある組み合わせは、一種の“安心感”をもたらしてくれるのだ。NASAの宇宙のイメージプリントもブラックやホワイト、ブラウン、ネイビーとプレーンなパレットが目立つ今季は、グラフィカルプリントが、コレクションにリズムをもたらしていく。“4次元”の概念を伝える、 NASAの宇宙のイメージプリントや、Alexander Girardとコラボレーションしたロング丈のドレスの上に登場。アシンメトリーなカッティングによってより動きをもたらし、躍動感の溢れる表情に仕上がっていた。
2020年03月05日セリーヌ(CELINE) 2020年秋冬コレクションが、2020年2月28日(金)にフランス・パリで発表された。会場に漂うクラシカルなムード今季で4度目のショー開催を迎える、エディ・スリマン率いるセリーヌ。今シーズンは、セカンドシーズン以降提案している、ブルジョワスタイルのムードを引き続き踏襲。クラシックでありながらデイリーウェアとしても着用できる、現代女性の為のワードローブがランウェイへと登場した。クラシカルな装飾の襟元カジュアルなデニムパンツとのスタイリングが提案された前シーズンとは異なり、今季はよりクラシカルなムードを強めているように感じられる。その上質な質感が伝わるブラックやブラウン、ネイビーと色味を抑えた細身のジャケットスタイルは、大き目の襟やたっぷりのフリル、スカーフカラー、蝶ネクタイなど、首元にポイントをおいたシックなブラウスをインサート。しかしながら、膝丈上に設定した短めのスカートと、フロントをラフに開けたジャケットの着こなしによって、モダンな要素をプラスするのも忘れてはいない。パイソン柄×クラシカルの融合本来出会うはずのない要素も1つのピースの中でミックス。大きな白襟をつけたクラシカルなワンピースは、エッジのきいたパイソン柄と融合することで、現代に引き寄せたエレガンスを作り上げる。細身のレザーベルトでウエストはキュッと絞りながら、Vネックの襟元のカッティングは深めに入れることで、バランスのとれた抜け感を演出している。デニムパンツのルック再び今季のデニムパンツを使用したルックは、ロングブーツを組み合わせた、すっきりとしたシルエットでクリーンな印象に。また古典的なラッフルカラーの白トップスは、ニットで仕立てることで秋冬にぴったりな温もり溢れる表情へと導いている。繊細に煌めくドレスもショーのラストには、スパンコールやビーズの刺繍をあしらった、エディらしい煌びやかな装飾のドレススタイルが登場。しかしながら“華美”という印象よりも、1つ1つの繊細なクチュールテクニックを感じられるものばかりだ。足元には、レザーのロングブーツでエッジをきかせて。またコレクションの中には、フランスを代表する彫刻家、現代美術家のセザール・バルダッチーニとコラボレーションした特別なゴールドのネックレスもアクセントとして加えられていた。
2020年03月05日GCDS(ジーシーディーエス)の2020年秋冬ウィメンズコレクションが、2020年2月22日(土)、イタリア・ミラノで発表された。メンズとの合同ショー形式である。デザイナーのルーツに立ち返って前シーズンは、日本のサブカルチャーにオマージュを捧げたGCDS。今季は原点に立ち返り、デザイナーであるジュリアーノ・カルツァが生まれ育った南イタリアからインスピレーションを得てたクリエーションを作り上げている。コレクション名にも、自身が誕生したナポリの通り「Vico Stella 10」の名を冠した。記憶の中にあるナポリのムードを落とし込むために行ったのは、幼き頃に夢中になった思い出と、イタリアのアイコニックなモチーフをごちゃまぜにミックスするというアプローチ。幼き頃の思い出とイタリアのアイコンをミックスたとえば、ハイウエストのデニムや鮮やかなフェイクファーをあしらったロングコート、フレアパンツなどは、ジュリアーノが幼かった80年代から90年代にかけてのアメリカのポップミュージックカルチャーを連想させるものだ。子供の頃に大好きだったトム&ジェリーのグラフィックは、ボアのブルゾンに刺繍している。母国の要素として組み込んだのは、イタリアを代表するアイウェアブランド、マルコリン(Marcolin)とコラボレーションしたカラフルなサングラスなど。イタリアなら、どの家庭にも必ずあると言われているビアレッティのエスプレッソメーカーは、きらきらと輝くメタリックなチェーンバッグとして登場させた。
2020年03月05日エルメス(HERMÈS) 2020年秋冬コレクションが、2020年2月29日(土)にフランス・パリで発表された。ジャンピングポールの森“馬具”をルーツに持つメゾンのショー会場に現れたのは、馬術競技で使用される無数のジャンピングポール。従来は横に設置されるそのポールだが、今回は一本の”木”に見立て、美しきエルメスの森をクリエイト。この森の中を横断するようにして現れたモデル達は、ジャンピングポール同様、白を基調に、イエロー、グリーン、レッド、ブルーといったカラーをアクセントにしたワードローブを披露してくれた。首元にポイントをおいたスタイリング会場の演出と連動して“ジャンピング”を1つのテーマとして掲げた今季は、スタイリングの中にもポロシャツのような襟付き、もしくは立ち上がり襟を取り入れているのが特徴。アビエイタージャケットやサルトリアルジャケット、スタジャン、キルティングコートといった豊富な襟付きのアウター群には、さらにタートルネックやポロシャツを差し込み、首元にポイントをおいた着こなしを提案している。タートルネック×アクセサリータートルネックのセーターには、この首元に注目した新たなディテールも取り入れて。スリットを入れることで出来たホールには、スカーフやレザーのチョーカーを差し込み、プレーンな表情のセーターに女性らしいエレガンスをプラスさせている。ジャンピングポールをモチーフに今季のシンボル“ジャンピングポール”のモチーフは、ブラウスや繊細なプリーツスカートに姿を変えて登場。また同色によって構成されたカラーブロックのニットウェアは、真っ白なハイウエストのワイドパンツと組み合わせることで、そのアイキャッチな表情を引き立てている。職人の手仕事が光るワードローブ一連のコレクションから感じるのは、ワードローブに潜むメゾンならではのクラフツマンシップだ。ラムやシープスキンといった最上質のレザーを使用したジャケットは、ドレープを描くほどしっとりと滑らか。またそのディテールにもこだわり、ニット×シルク、ニット×レザーといった縫合の難しい素材同士を交互に組み合わせたプリーツスカートが、さらなるエレガンスへと導いていく。新作リップでメイクアップなおコレクションの中では、エルメスのビューティラインのデビュー作〈ルージュ・エルメス〉を纏ったモデルが多数登場。これらのリップは、2020年3月4日(水)に35の国と地域の一部のエルメスブティックを中心に発売される。
2020年03月05日トム ブラウン(THOM BROWNE) 2020年秋冬コレクションが、2020年3月1日(日)にフランス・パリで発表された。ブランド初となる男女合同ショーの開催となる。動物たちが導くファンタジー演劇的な演出で毎度観客を楽しませてくれるトム ブラウンのショー。今季会場に現れたのは、銀世界が広がる幻想的な雪景色。真っ白なパウダーで実際に埋め尽くされたランウェイには、その中央に大きな扉がそびえたっている。そしてショーの始まりの合図と共に現れたのは、様々な動物のお面を被ったモデル達。中でも“リーダー格”のキリンが不思議な舞を繰り広げながら、ランウェイの中心へと躍り出ると、大げさなパフォーマンスと共に、扉のドアのぶをがちゃっとひねる。“さあ、ここからがファンタジーの世界の始まりです”といわんばかりにー。ジェンダーの垣根を超えた演出こうして開け放たれた扉から現れたのは、1組のカップル。しかし口から上は黒のお面で隠されているため、性別はあいまいだ。そして視線を主役のワードローブへと目を落とすと、あれ…?なんと2人は全く同じジャケットスタイルを貫いている。男性モデルが女性ウェアを纏って登場した2018年春夏コレクションを彷彿させる、ジェンダーの垣根を超えた演出だが、今回はその“中性化”がさらに曖昧。1つのルックには両方の要素が複雑に交じり合っているからだ。男女の要素がミックス例えばテーラリングの美しさが際立つクラシカルなジャケット×パンツのスタイルには、上からスカートをレイヤード。またスーツを着ているように見えるトロンプイユの“ワンピース”を差し込んでいたり、ネクタイの代わりにリボンスカーフを巻いていたり。中には、片方にパンツ、もう片方にスカートといった、今季を象徴するような“中性”を示唆する大胆なルックも登場。シンボルとなるジャケットも、かっちりとしたショルダーラインをもつもの、滑らかなウエストのものなど、どちらかに偏ることはない。楽し気なデザインシルエット、ウェア、アクセサリー…。従来2つに分かれてしまっている要素が混ざりあうことで、私たちの目には“どちらがどちらか”というジェンダーの境界線が引くことが難しくなる。こうして困惑する観客もお構いなしに、カップルの纏うジャケットは、実に楽し気なデザイン。先に登場した動物たちを集めたような“アニマル”柄をはじめ、トラッドなチェック柄もアレンジ。フェミニンなフリル付きや、ワイルドなミリタリー風、そしてアイコニックなトリコロールカラーも楽し気に差し込まれていた。動物ばかりの3Dバッグ毎度注目を集めるバッグには、トム・ブラウンの愛犬であるアイコニックなダックスフンド“ヘクター”だけでなく、ブタ、ゾウ、ダチョウ、ライオン、馬、ねずみ…など、“ノアの箱舟”の動物たちをかき集めたような、豊富なバリエーションがラインナップ。いずれも全て、ジェンダーレスで楽しめるブラックで統一されている。ファンタジーの世界は終わるのか?ラストに再び登場したカップルモデルは、それぞれ手を繋いだピースフルなムード。周りでその姿を見守っていた動物たちも心なしか嬉しそうだ。モデルが会場を後にすると、“例の”キリンが再びランウェイの中央へと踊りたち、ドアノブをがちゃりと締めて深々とお辞儀をする。しかしこの物語は決して終わりではない。この会場でみた“ファンタジーの世界”の続きは、私たちの未来にゆだねられているのだから。
2020年03月05日イッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE) 2020年秋冬コレクションが、2020年3月1日(日)にフランス・パリで発表された。新デザイナー近藤悟史によるセカンドシーズンのショーとなる。キャンバスから現れたモデル達会場に設置された真っ白な巨大キャンバスに、ライブアートを行う演出から始まった今季のショー。真っ黒なペンでシンプルな洋服のイラストを絵描きだしたかと思えば、突然その縁取りにそってキャンバスからくり抜きはじめた。その代わりに現れたのは、先程まで描かれていたイラストと瓜二つとなるワードローブ。ひと繋ぎのニットウェアに、線を引っ張るだけで、ポケットがあるように見せたり、2ピース以上を着ているようにみせかけたユニークな洋服は、アイテムごとの境界線をなくすことを試みた、デザイナーの遊び心を感じられる。“一枚の布”へのアプローチこうしたブランドの根幹となる“一枚の布”へアプローチは、あらゆる手法で行われ、またダウン、ポリエステル、ウール…といった様々な生地ごとに、異なる表情を見せてくれるのも面白い。浮遊するドレス例えば通常の2倍以上の丈で仕立てた軽やかなシャツドレスは、本来裾に当たる部分に“ふたつめ”のアームの通し穴を作り、2重に生地を纏っているかのようにみせた。重ねることで生まれた布と布の空間には、モデルが両手を広げるたびに空気を含んでふわりと浮かび、優雅な表情を描き出す。伸縮性に富んだプリーツ四角形の布を三角形状に折ったシンプルなドレスには、イッセイ ミヤケらしい細やかなプリーツを施して。まるで“和紙”のような透け感を持つ繊細な表情を持っているが、ダイナミックなダンスを繰り広げるモデル達のパフォーマンから、同時に伸縮性にも富んだ機能的なウェアであることもうかがえる。ダイナミックなグラフィックもダイナミックなグラフィック模様のアウターは、ショルダーラインもしっかりと幅をとり、よりパワフルな表情へと導く。同柄の2ピース以上の組み合わせが主流で、計算されたアシンメトリーなシルエットが、躍動感も生み出している。ポジティブなメッセージをのせてラストに登場したのは、なんと5アイテム以上のニットウェアを1つに繋げたカラフルでユニークなピース。アームからアームへ、もしくは胴体同士の結合を通して繋がるそれらは、モデル達全員が手をつなぐことで、最終的に1つのピースのように見せる演出が行われた。“未来への希望を描きたかった”と語る近藤悟史の言葉通り、その姿は、過去・未来・現在を繋ぐポジティブなメッセージのよう。普段はランウェイをすまして闊歩するモデル達も、今日ばかりは満面の笑みで会場をあとにした。
2020年03月04日バルマン(BALMAIN)2020年秋冬コレクションが、フランス・パリで発表された。異国の地を舞台にエキゾチックなムードからスタートした今季のメンズコレクション同様、ウィメンズショーもどこか異国の地を連想させるルックから始まりを告げた。サンドカラーに染まるジャケットと合わせられたのは、ゆったりとしたサルエルパンツのような表情仕上げたクロップド丈のパンツ。また旅人のようにして重ねられたケープマントは、美しいアシンメトリーなシルエットを描き、ラグジュアリーなムードをプラスしている。ボリューミーなショルダーまた一連のジャケットスタイルは、ツンと上を向くパワーショルダーで自信にあふれる女性像を演出。逆三角形を際立てるウエストマークには、ベルトの代わりに、大切なものを持ち運べるベルトポーチをあしらい、シティライクな着こなしに引き寄せているのも印象的だ。スカーフ柄を主役に中盤に差し掛かると、シルクスカーフをもとにしたような、あでやかなシルクプリントのシャツやパンツが登場。ジャケットやロングコートに差し込んで、優美なニュアンスをプラスする。ニットウェアもまたこのスカーフ柄をもとにしたニットセーターも散見された。温もり溢れる秋冬の定番ウェアは、ビーズを飾ったり、キラキラと輝く銀糸を織り交ぜたりした、バルマンならではの華美な装飾で、煌びやかな一着へと昇華している。ドレッシーなジャケットとの融合ショーの終盤にさしかかると、ピークドラペルや煌めくボタンの装飾で、ドレッシーな表情へと導いたジャケットスタイルが登場。しかし今季はこれまでのショーの流れを引き継ぎ、サルエルパンツのようにして仕上げたリラクシングなシルエットのボトムスで抜け感を演出。そこにヒップの下までくるほどのロングレザーブーツを差し込むことで、バランスを計算した都会的な着こなしを創り上げていた。
2020年03月04日アンドレアス・クロンターラー フォー ヴィヴィアン・ウエストウッド(Andreas Kronthaler for Vivienne Westwood) 2020年秋冬コレクションが、2020年2月29日(土)に発表された。「9」の持つ意味を今一度問うクリエイティブ・ディレクターのアンドレアスにとって、9作目のコレクションとなる今季。9の数字が持つ“普遍的な愛”や、“人類への奉仕”という意味を見つめなおした彼は、改めてコレクション制作こそが自分の人生にとってかけがえのないものであると実感したという。愛するクリエーションによって誕生するのは、きっと誰かの人生を後押しをできるとっておきの服。今季は、音楽史におけるストラヴィンスキーの最高傑作「春の祭典(Rite of Spring)」を着想源に、寒く暗い冬から温かな地上へと導いてくれるようなパワフルなワードローブを作り上げていく。マニッシュなムードでパワフルにこれまでもジェンダーへのアプローチを行ってきたブランドだが、今季はそんな“パワフルさ”の象徴として、マニッシュな要素を強く取り入れているように感じられた。がっちりとしたショルダーラインを主流に、スタイリングには本来紳士服を起源に持つアイテムを組み合わせ。ゆったりとしたパンツ×オーバーサイズのトレンチコートや、豊かなドレープを描くビッグサイズのスーツスタイルといった力強いワードローブがランウェイへと姿を現した。ドレススタイルまた優雅なドレススタイルも、こうした男性的な要素とドキング。裾元のプリーツが美しいパープルのドレスには、ウエストマークするようにして、メンズライクなネルシャツをオン。アウターには、ショート丈にカッティングされたトレンチコートを合わせて、ジェンダーの垣根を超えるギリギリのラインで、エレガンスなスタイルへと導いている。ことわざ通りのアクセサリーさらにホワイトのオーガンザで仕立てられたセクシーなワンショルダードレスには、刃先が"ペン”へと姿を変えたアクセサリーを組み合わせた。“ペンは剣よりも強し”ということわざ通り、彼女たちの知性によってくり広げられる、新たな世界の幕開けを期待させてくれるルックだ。フェミニンに着こなすメンズスタイル一方メンズにも、フェミニンムードに近づけるスタイリングが。スーツスタイルには、艶めく布でしっとりと仕上げたトレンチコートを、スリット付きのドレスのような佇まいで着こなし。フリル付きの裾が目を惹くブルーのジャケットは、煌く装飾付きのカラータイツと共に提案された。新作シューズもなおコレクションには、アーティストたちとのコラボレーションによる新作シューズも登場。バイカーブーツや、スワロフスキーで覆われたストラップサンダルをはじめ、シューレースの代わりに無数のリボンを結んだスニーカーがモデルの足を飾った。
2020年03月04日コム デ ギャルソン(COMME des GARÇONS) 2020年秋冬コレクションが、2020年2月29日(土)フランス・パリで発表された。超ボリューミーなドレスが登場それぞれの物語を持っているかのように、モデルごとに異なるショーミュージックを起用した今季のランウェイ。「ネオ フューチャー」をテーマに、ブランドの新しい未来像を目指したというピースは、オブジェクトのような超ボリューミーなフォルムで構成されているのが特徴だ。サイドに突き出していたり、岩のようにゴツゴツしていたり、“クッション”のような装飾で更なるボリュームを追加してみたり…。これまで見た事のないドレスの数々に、近未来の世界へと迷い込んでしまったような感覚に陥る。ビッグパーツを組み合わせ実はこういった一連のピースは自然を着想源に制作したという。自然界の中に、火・水・土・木…といったエレメントが存在するように、1つのピースには、あらゆる素材とフォルムを交えながら、1つの形の形成をしているのではないだろうか。ディテールも拡張して拡大されたディテールも今季を語る上で大切な要素のひとつ。巨大な胸元と膝丈まで垂れさがるビッグアームには、たっぷりの布地を使用したギャザーをあしらい、本来とは異なる重厚感溢れる表情を生み出している。漆黒の美しさを讃えて1つのピースに2色以上の色彩で溢れるコレクションの中、ブランドのシンボルコード=ブラックのドレスに至っては、異なる素材の質感を引き立てる単色でスタイリングされた。モデルのヘッドピースには、今季の特徴でもある3Dのベールをオン。ドレス構成のアプローチとしては他と共通項があるものの、半透明の黒の世界を通すことで、どこか妖艶な雰囲気が漂っているのが印象的だった。新作シューズもなおコレクションの中では、新作のフットウェアが続々と登場。ナイキ(NIKE)エアフォース1とダブルネームを刻んだハイカットスニーカーにも視線が注がれた。
2020年03月04日ノワール ケイ ニノミヤ(noir kei ninomiya) 2020年秋冬コレクションが、2020年2月29日(土)にフランス・パリ市内で発表された。パンク&ロックな要素と融合バラをモチーフにしたようなボリューミーなドレスから始まった今季。例年のようにレースやフリル、フェイクレザーといった立体的な装飾を施しながらも、パンク&ロックテイストのカラーやディテールを組み合わせて、パワフルな表情に仕上げているのが印象的だ。安全ピン付きのシューズ一連のドレスに組み合わせられたのは、複数の安全ピンでデコレーションしたレザーシューズ。そして毎度ショーで目を惹くヘッドピースは、逆立てたヘアスタイルのように、四方八方へと流れている。鋭利なデコレーションまさにそんなヘッドピースと連動するような、エッジを効かせたブラックドレスも登場。鋭利にカッティングされた1つ1つの装飾はクリアな素材と組み合わせることで、危な気な光沢を放つ。またその裾にはフリルを差し込み、逆説的にフェミニンなムードをプラスしているのも面白い。メタル素材で仕立てるドレステーラリングの美しさが際立つブラックのピースには、硬質なメタリックな装飾が加えられながらも、どこかフェミニンなムードを演出する。モデルが身動きをとれないほど複数のワイヤーで囲ったピースは、全体を俯瞰すると、ふんわりと袖が膨らむドレスのよう。また安全ピンのように細長いメタルパーツを繋ぎ合わせたピースは、ひとつひとつは無機質な表情であるが、イブニングドレスのような優雅なシルエットを生み出している。パンキッシュなチェック柄もショーの終盤に差し掛かると、パンキッシュな真っ赤なチェック柄を取り入れたピースが登場。フロントを大きくくり抜いたドレスには、表情の異なるチェック柄スカートをレイヤード。アームとボディそれぞれに2つのチェック柄を取り入れたピースも存在する。“貴族風”のドレスルックもそれに続くように現れたのは、まるで舞踏会に登場するような“貴族風”のドレス郡。しかしこれらのピースは、本来の姿に“反抗”するような前衛的なアプローチのもと作られている。クリノリンに直接編み込みドレスの構造を明らかにしたり、綿のようなものを重ねて優雅なヘッドドレスに見立てたり。漆黒に溶け込む正体は?そしてショーのラストに現れたのは、超ボリューミーなブラックピース。これまでとは繋がりのないようにも思えるその姿は、不気味なほど装飾でモデルを埋め尽くしていて、かろうじて顔や手の平を覗かせている。漆黒に包まれた会場に溶け込むようにして消えたその正体は、今季のコレクションに潜む反骨精神のようにも感じられた。
2020年03月03日ジュンヤ ワタナベ・コム デ ギャルソン(JUNYA WATANABE COMME des GARÇONS) 2020年秋冬コレクションが、2020年2月29日(土)フランス・パリで発表された。“無音”で始まったランウェイ不気味なほど真っ赤なネオンライトによって染まったショー会場。始まりの合図はなし、気が付けばその異様な空間に漆黒に包まれたモデルが登場していた。音響障害だろうか?通常ショー演出の1つとして大切な役割を担うサウンドはなく、“無音”という斬新な演出で、モデル達が歩みを進めていく。ランウェイに浮かび上がるのは、ブラックの“レザー”を取り入れたスタイリング。その会場の色彩によって、ワードローブのディテールをみることは困難だが、レザーの持つハードな表情を感じることは確か。静まりかえったランウェイに、更なる緊張感を生み出している。レザーの可能性を探る突然これまでの演出を覆すようなポップなサウンドが会場に鳴り出したかと思えば、照明も白へと変わり、コレクションの全容を鮮明に映し出していく。なるほど、今季はロックなテイストを交えた、レザーの可能性を探求するアプローチが行われているようだ。ベースとなるのは、ブランドの得意とするテーラリングジャケット。その上には、鮮やかなレッドへと代わったレザーアイテムが、私を見て!といわんばかりにそのユニークなスタイリングを提案している。従来のイメージを覆す例えば、マニッシュなレザージャケットは、タフなショルダーラインを残したままスカートへと変身。クラシカルなトレンチコート×レザーや、フェミニンなレースを差し込んだレザースカートなど、本来出会うはずのない要素を掛け合わせたピースも登場した。レザーという硬質な素材を使用しながらも、美しいドレープやプリーツを生み出しているのもブランドならではの成し得る技だ。ロックテイストなテーラードジャケット美しきシルエットのテーラリングジャケットにも、ロックなアレンジを加えて。レオパード柄のシャツには、ジャケットのアームだけをくりぬいた斬新なスタイリングを提案。両肩を繋ぎ合わせるように、ハーネスベルトが装飾として取り入れられている機能的な“ハーネスバッグ”そしてこうしたハーネスは、機能的な一面を持ったアクセサリーとなっていたのも印象的。従来よりもベルトの本数を増やし網目模様を描いたそのモチーフは、ベルトが行きつく先にバッグをオン。ウエストの両サイドやショルダーという至るところまで、最大4つのバッグが現れた。
2020年03月03日バレンシアガ(BALENCIAGA)が、2020年ウィンターコレクションショーを3月1日にパリで開催。Courtesy of BALENCIAGA
2020年03月03日ヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto) 2020年秋冬コレクションが、2020年2月29日(金)にフランス・パリ市内で発表された。漆黒に染まったコレクションヨウジヤマモトのコード=黒一色に包まれた今季。ロングレングスを主流とするコレクションは、とにかくその“黒の布地”という舞台で繰り広げられる、様々なアプローチを伺うことができる。黒のレースアップで引き立てる女性美序盤に登場したテーラードのロングジャケットスタイルには、ビスチェのようなレースアップのディテールを1つのキーワードとして捉えた。ジャケットのサイドやフロント、そして差込んだドレスなど、あらゆるところに現れたそのディテールは、もとよりセンシュアルな機能を持つことはもちろん、生地を縛ることで生まれるドレープや、崩れることのない美しいシルエットも相まって、黒から生まれる女性の美しさを静かに讃えている。チェック柄をモチーフに続いて行われたのは、黒を通して“柄”を生み出すという手法。格子柄のストールを差し込んだスタイリングが登場したかと思えば、その“チェック柄”を2Dや3Dといった観点から生地の上で表現。ツイード風のどこかおぼげなチェックや、“くりぬく”というカッティングによって生まれた網目模様のチェック、そしてチェック=図形としてとられたかのような、四角形の集合からなる立体的なモチーフ…。再び2Dに戻ると、今度は真っ白なスプレーで描いたようなストリートライクなチェックへと進化。さらにそのモチーフを拡大させたジャケットは、まるでクロス(十字架)が浮かび上がるような神聖な表情へと導いている。黒が秘めるパワー終盤にかけては、黒の世界へレッドやブルー、パープルといった差し色を投じた。波打つドレスのフリルに色をのせて躍動感をプラスしたり、グラフィカルなモチーフをボディに描いてみたり。黒に浮かび上がるそれらの色は、日常がフェイクと思えるほど、鮮やかな色彩を放つ。再び黒一色の世界へと戻ると、色が無くともそこには無限の美しさが広がっていることに気付かされる。エレガントなドレスルックには、黒のチュールを“纏う”だけで、妖艶なムードをプラスしている。ラストを飾るポップなカラーショーのラストに現れたのは、今季のコレクションとは繋がりを全く持たない鮮やかなピース。ブルーのドレスに真っ赤なカーディガン、そして首元には不思議な装飾を巻き付けている。ヨウジ ヤマモトならではの構築的なシルエットはそのままにもかかわらず、何故か“違和感”を覚えてしまうルックだ。会場を後にした後、“あれが黒だったなら…”と想像してしまった観客は、おそらく一人だけではないはずだ。
2020年03月03日クリスチャン ワイナンツ(christian wijnants) 2020年秋冬コレクションが、2020年2月28日(金)フランス・パリで発表された。温もり溢れるニットを主役にその上質な素材と色使いで人気を誇るニットウェアを中心に展開された今季。ワントーンを基調としながらも、編み模様の切り替えや、肩から胸元にかけてアシンメトリーに重ねた共布によって、モダンな雰囲気を演出しているのが特徴だ。帯を連想させるデザインも中でも印象的だったのは、日本の伝統衣装・着物の“帯”を連想させるデザイン。ゆったりとドレープを描くエレガントなニットドレスには、ウエストから背後へとその独特なモチーフが流れていく。帯がほどけてしまったかのようなその姿に、私たち日本人は一種のセンシュアリティを感じるかもしれない。ジグザグ模様が“飛び出す”ニットウェアブランドの得意とするグラフィック柄も、ニットのセットアップで提案。キャンバスに見立てたアイボリーのセーター×スカートには、立体的なジグザグ模様があしらわれている。そしてそのラインの延長先上には、フリンジ状のストラップをオン。まるでジグザグ模様が、裾から“飛び出してしまった”かのようなユニークな表情が面白い。ストラップを使用したアプローチもこうしたグラフィックへのアプローチは、布地やニットの上だけでなく、複数のストラップを重ね合わせたドレスからも見て取れた。網目状のドレスに繋がれたそれらのストラップは、モデルが歩く度にユラユラと揺れ、一瞬一瞬に異なるグラフィカルな模様をみることができるのだ。カラーパレットパレットは、ブラック、ホワイト、ペールピンク、淡いブルーといった落ち着いた色彩に、ネオンオレンジ、ミントグリーン、鮮やかなブルーをアクセントに投じて。コレクションの中では、こうしたプレーンカラーのピースみならず、グラフィカル模様のピースも、同柄でスタイリングされていた。
2020年03月03日マルベリー(MULBERRY) 2020年秋冬コレクションが発表された。今季クリエイティブ・ディレクターのジョニー・コカの着想源となったのは、英国の黄金時代を築いた強い女性たち。彼女たちの纏ったワードローブに、モダンなアレンジを加えたコレクションを作り上げた。英国の制服の装飾をミックスケープやダブルコート、リラックスフィットのスーツジャケットといった秋冬の装いには、英国の伝統的な制服に使われる装飾をミックス。金のボタンやロゼット、光沢のメダルなどをポイントにあしらうことで、ロイヤルなムードをプラスしている。また赤のラインをアクセントに加えたケープには、“勲章柄”のセットアップをインサート。ウエストは一連の装飾と共通カラーのゴールドチェーンで引き締め、統一感をもたらした。パンキッシュなチェック柄を愛してジョニー・コカの愛するブラック×レッドのパンキッシュなチェック柄は、クラシカルなトレンチコートに合わせて、現代へとアップデート。同柄のタートルネックのノースリーブドレスは、計算されたアシンメトリーなフリルをあしらい、エレガントなムードへと引き寄せている。ノスタルジーなチェック柄も英国のカントリーサイドへの魅力へと迫ったノスタルジーなチェック柄も登場。ロングジャケット×ワイドパンツ、ショートジャケット×ワンピースといった具合に2ピースでの着こなしが提案されている。グリーン×ブルーのややマニッシュな細身のセットアップには、フリル襟にリボンを飾ったブラウスをさしこみロマンティックな印象に。腰元には、やや太めのベルトでウエストマークし、女性らしいシルエットをさりげなく演出している。レザーアクセサリーさらに、今回はブランドのシンボルカラーとなる“マルベリー グリーン”がコレクションのキーカラーとして初登場。ワードローブはもちろんのこと、今季シルエットをモダンにアップデートしたハンドバッグやウォレットといった、人気のレザーアクセサリーにも起用される。2019年に発売された100%サステナブルな話題のレザーバッグ「ポートベロー トート」にも新作が。ラージやスモールなどサイズのバリエーションを加えて、店頭に並ぶ予定だ。
2020年03月03日ロエベ(LOEWE) 2020年秋冬コレクションが、2020年2月28日(金)フランス・パリで発表された。テーマは「ファッションと遊ぶことを愉しむ」。生地が生み出す不思議なボリュームジョナサン・アンダーソンによるエッジィなアイディアをきかせたデザインは、今季も健在だった。コレクションでは、ボリューミーなシルエットを生み出すアプローチをあらゆる角度から模索。ジャケットやドレス、ブラウスといったオーセンティックなアイテムが、斬新なディテールの採用によって、あらゆる方向に膨らみを持たせているのが印象的だ。自然と浮遊するドレス例えば、裾に向けてバルーンのようなふくらみを持つエレガントなドレス。前から見るとさほど違和感はないのだが、モデルが後ろを振り返ったときにそのシルエットの種明かしが明らかに。バックから布地を絞るようにして吊り上げられたそのスカートは、自ずと裾が持ち上がり、まるで無重力の中で浮遊しているかのよう。モデルが歩くたびに、ふわりふわりと揺れる独特なボリューム感を生みだしている。サイドからのアプローチまた前シーズンに続き、クリノリン風のパーツをスカートの下に組み込むことで、サイドへのボリュームを待たせるピースも散見された。こうしたサイドへと目を向けたアプローチの中でも、ひと際目をひいたのは、煌めく装飾付のベルスリーブのニットと組み合わせたワイドパンツ。そのゆったりとしたレングスよりも先に目が行くのは、サイドへと大胆に拡張させた履き口だ。たっぷりととった布地を従来のウエストの位置でつまみだすことで、羽根のようにパタパタと揺れ動くユニークな表情を作り上げた。クラフトマンシップを感じさせるピースロエベならではの上質なレザーを取り入れたアイテムにも注目したい。中盤に現れた淡い水色ジャンプスーツは、サイドのラインやスポーティーな縦襟にレザーを採用することで、ラグジュアリーなストリートウェアへと昇華。また日本人の陶芸家・桑田卓郎(※)とのコレボレーションピースとなる、フロントを丸っとくり抜いた特徴的なドレスには、スタッズをあしらったレザーのパネルを配置。それはまるで洋服の真髄には、常にクラフトマンシップが存在していることを意図しているかのようだ。※ロエベ ファンデーション クラフト プライズ2018の特別賞受賞者。新作アクセサリーなおランウェイには、レザーを使用したアクセサリーも続々と登場。リボンをアクセントにしたコンパクトなショルダーバッグや、スエードやカーフを使用した新作「ハンモックバッグ」をはじめ、煌くジュエリーを飾ったヒールシューズなどが展開された。
2020年03月03日ジバンシィ(Givenchy) 2020年秋冬ウィメンズコレクションが、フランス・パリで発表された。見え隠れする、女性の官能美を描くアーティスティック・ディレクターのクレア・ワイト・ケラーが思い描いたのは、アートシアターのスクリーンに映し出されるヒロインの不完全な美しさを湛えた、銀幕の世界の魅惑。力強い女性のボディランゲージに見え隠れする、センシュアルでミステリアスな魅力を詰め込んだコレクションを展開する。ボリューミなショルダーパワフルなボディランゲージの象徴となるのは、大きく肩をふくらませたパワーショルダー。ゆったりとしたシルエットのマニッシュなジャケットスタイルには、タバコブラウンのケープをぐるりとまいて、より力強い表情に仕上げているのが印象的だ。官能美を引き出すケープ本来は寒さを防ぐために、身体を包み込んでくれるケープだが、今季はセンシュアルな一面を引き出す役割を担っているのもポイント。ケープとドッキングしたようなドレスは、胸元までをしっかりとガードすると同時に、ウエストからの華奢なボディラインのコントラストをくっきりと映し出す。さらにバイアスカットのスカートから、長い素足がランウェイへと出ることで、包み隠されていたセンシュアリティが一気に加速していく。ウエストマークのスタイリンググラフィカル模様を散りばめた躍動感あふれるロングドレスは、太めのベルトをウエストマークすることで、女性らしいシルエットを強調。ラグジュアリーなファーコートから、マニッシュなサルトリアルスタイルに至るまで、今季は華奢なストラップサンダルを足元に差し込むことで、程よい抜け感を演出しているのも特徴だ。クチュール×テーラリングショーの終盤にかけてランウェイを飾ったのは、クチュリエの繊細なテクニックが光るドレススタイル。華やかなイブニングドレスが登場したかと思えば、テーラリングで再解釈したピースが後へと続いていく。フェザーのような装飾をあしらったドラマティックなシアードレス×テパードパンツ、煌く銀糸が揺れるジャケットスタイルなどは、本来マニッシュな要素にクチュールが溶け合うことで、思いがけない官能美が描き出されているのが印象的だった。カラーパレットパレットは、ブラック、ホワイト、 タバコブラウン、カーネリアンといった落ち着いた色彩を基調に。時折差し込まれたチェリーレッドやコバルトといった鮮やかなカラーが、コレクション全体にリズムをもたらしていた。
2020年03月02日ヴァレンティノ(VALENTINO) 2020年秋冬ウィメンズコレクションが、2020年3月1日(日)にフランス・パリで発表された。ユニフォームを着想に今シーズン、クリエイティブ ディレクターのピエールパオロ・ピッチョーリが向き合ったのは、“個人の人間らしさ”。着こなしを取り去る一方で、表情やジェスチャー、立ち居振る舞いを際立たせてくれる“ユニフォーム”から着想を得たコレクション制作を行った。同じコードを持つピースに、アレンジを加えてモデルたちが纏うドレスの共通項として多く登場したのは、ブラックやブルー、グレーといったテイラード。ロング&リーンのシルエットに、足元はかっちりとしたレザーシューズといった組み合わせを貫きながらも、それぞれのドレスには、女性の美を引き立てるあらゆるアプローチが隠されている。カッティングや素材のチョイス、そして変化球を加えたフォルム。ワントーンを基調とするスタイリングの中だからこそ、それぞれの異なる美がより一層明確となる。異なる要素のドッキング中でも目を惹いたのは、1ルックの中で、相反する要素をドッキングさせたスタイリング。シアー素材をボディに差し込んだブラックのフレアドレスは、かっちりとしたフォルムのレザージャケットをレイヤードすることで、そのセンシュアルなドレスの表情をより強調。また硬質なレザーが生み出す緊張感も相まって、フェミニンな要素だけでは生み出せない危うい色気を醸し出している。花々に導かれてショーの中盤に差し掛かると、ランウェイのドレススタイルには、メゾンと縁のあるフラワーモチーフが次々と現れる。鮮やかに咲き誇るもの、モノクロとなって儚げにうつるもの、まるで写実画のように瑞々しく描かれているもの…。自然界がそうであるように、ドレスに現れたその花々にも優劣はなく、女性の美を引き立てる象徴として、多用されている。煌びやかなドレス郡そしてショーの終盤に差し掛かると、クチュリエの繊細な手仕事が伺えるエレガントなドレスが登場。絶妙なグラデーションカラーで輝くブラックのロングドレスや、総スパンコールの煌びやかなパンツドレスといったピースが観客の視線を奪っていく。そしてその中にはもちろん、花をモチーフにした一着も。儚げなオーガンザ一にビーズ刺繍を施した花々は、朝露でキラキラと輝く自然界の姿を彷彿させると同時に、ありのままの女性の美しさを讃えているようにも感じられた。
2020年03月02日オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH) 2020年秋冬コレクションが、2020年2月27日(木)フランス・パリで発表された。“SLIGHTLY OFF”をキーワードに車がアスファルトの地面へとのめりこんでしまったかのような、ユニークな演出が施された今季のショー会場。そんなオブジェクトの周りを巡るようにして登場してきたモデル達は、今季ブランドが掲げたキーワード“SLIGHTLY OFF”=何かが違う、という言葉通り、従来のワードローブに遊び心溢れるアレンジを加えているのが特徴だ。ディテールに一捻り例えば“くり抜く”という手法。ラグジュアリーなゴールドのチェーンを腰元にまいたオールインワンや、ブラトップと合わせたスカートは、片側だけに楕円型のカッティングを施し、モデルの肌を露わにする。またジャケットやロングコートといったアウターには、複数のスリットを配したり、片側だけの裾を伸ばしたアシンメトリーなシルエットを加えることで、こうした不均一な表情を演出。ウエストにはベルトの代わりに、ギャザーをたっぷりよせたガーリーなストラップの装飾をあしらっているのも今季の特徴だ。格子柄をアレンジしたユニークなジャケット本来のクラシカルなコードに、ユニークなアレンジを加えるアプローチも見て取れた。格子柄のセットアップは、途中からパターンの配置を微妙にずらすことで、ジオメトリックな表情を描きだす。足元はラフなフラットサンダルで抜け感をプラスすることで、シティライクなストリートのムードへと引き寄せている。ドレスとの融合もショーの終盤にかけて続々と登場したのは、ドレスとストリートという、相反する要素のドッキング。一方にはクリノリン入りのロマンティックなチュールドレスを、そしてもう一方にはカモ柄のカーゴパンツをあわせてみたり。もしくは艶やかなミニ丈のネイビードレスに、ネオンカラーのロングレギンスを差し込んでみたり…といった具合で、本来出会うこのない組み合わせがランウェイの上で融合され、観客の視線を惹きつけていく。ボリューミーな純白ドレスもショーのラストに登場したのは、女性が憧れる純白のウエディングドレス!…と思いきや、これもブルーのアノラックパーカーを組み合わせたユニークな着こなしだ。また、まじまじと見ていると、ウエスト部分の切り替えが見当たらず、ドレスのスカートをくりぬいたような構造であることにも気付かされる。そしてこの不思議な構造のドレスを纏ったモデルのジジ・ハディッドは、そんなチュールをラフに手繰り寄せながら闊歩するという、“どこかおかしな”ラストで幕を閉じた。
2020年03月02日リック・オウエンス(Rick Owens) 2020年秋冬コレクションが、2020年2月27日(木)フランス・パリで発表された。アシンメトリーなニットウェアをベースに今季はローズリー・ゴルドベルクによるパフォーマンスアート組織「Performa」を着想源にしたメンズコレクションと連動し、柔らかなニットのボディスーツをベースにしたウィメンズコレクションを展開。メンズ同様に、不均一にボディラインをみせるニットルックは、ショーが進むごとに様々なアレンジを見せてくれる。例えば透明なPVC素材のアウターを重ねたり、あらわとなった肌を隠すように、ニーハイブーツを組み合わせてみたり。またこうしたレイヤードアイテムもどこか不自然で、膝を超えるほどのスリーブや、トレーンを引くような超ロング丈のパンツなど、いくら重ねても私たちの思い浮かべる“完璧”な衣服が完成する気配はない。パワーショルダーをシンボルにツンと上を向くイカリ肩をもつアウターも象徴的な存在。構築的な表情をもつレザージャケットやテーラードジャケットは、対局な存在となる柔らかなニットウェアを包み込み、パワフルな存在を主張する。さらに進化して…ショーが進むにつれて、そのショルダーを極端に拡大させたルックも登場。隆々と盛り上がったアグレッシブなショルダーは、カンサイヤマモト(Kansai Yamamoto)から着想したという、マニッシュなグラフィカルラインを乗せることでより力強い表情へと進化。これまでのスタイルが“控えめ”に感じられてしまうほどだ。リック・オウエンススは、この独特のスタイルを、フランスの建築家ル・コルビュジエによるモデュロール と表現している。予想を裏切るワードローブこうした“サプライズ”を詰め込んだ一連のワードローブの中でも、ひと際目を惹いたのが、ショーの終盤に靄の中から現れたダウンケープの漆黒アウターだろう。後ろから見るとスクエア型のマントのようなフォルムを持つこのアウターは、モデルが腕を広げると、凧のように広がる仕掛け。まるで今にも飛び立ちそうなその様は、既存の固定観念を打ち破るメゾンの飛躍を予感させてくれた。
2020年03月02日レオナール(LEONARD) 2020年秋冬コレクションが、2020年2月27日(木)フランス・パリで発表された。東洋の美を追求ブランドらしい鮮やかな色彩と、美しい花々で彩られた今季のコレクションは、エレガントなドレススタイルはもちろん、オリエンタルなムードを強く反映させたワードローブが登場。艶やかなシルクスクリーンを贅沢に用いながら、伝統的な東洋の要素をドレッシーに解釈したレディ トゥ ウェアが展開される。日本へのオマージュを捧げてまず目を惹いたのは日本の伝統的衣装=着物へのオマージュを捧げたアウター。打掛のような艶やかな表情を持つロング丈のダウンコートをはじめ、着物そのもののディテールやシルエットをリアルに踏襲したキモノローブも登場。ロングスリーブのダウンジャケットをインサートすることで、中に重ねた着物の袖丈が覗いているかのようなフレッシュな着こなしを提案している。“サムライルック”を現代に再解釈オリエンタルなオレンジ色のグラフィックが目を惹くノーカラーのアウターは、小袖の上に重ねるサムライの“羽織”を連想させるデザイン。かつての日本男児の正装は、細やかなプリーツをあしらった同柄のスカートに、ポインテッド トゥのパンプスを合わせることで、フェミニンなムードへと引き寄せている。チャイナドレスを起源に東洋の要素は、国境を越えて中国を起源に持つものも。チャイナドレス特有の斜めの前合わせや、大胆なスリットを配したオリエンタル柄のドレスは、キルティング仕立ての半袖ジャケットをレイヤードすることで、モダンな印象へとアップデートさせた。花々のグラフィックアイコニックな蘭の花をはじめ、儚げなアサガオ、みずみずしい紫陽花と、あらゆる花々で満ち溢れたグラフィックの着こなしも印象的。異なる花同士をドッキングさせた柄×柄のスタイリングや、エッジィなレオパード柄と組み合わせるフレッシュな着こなしも見て取れた。中でも印象的だったのは、欄や紫陽花の咲くシックな絵柄のボディスーツに、PVCのフード付きプルオーバーを組み合わせたルック。PVCの半透明の水色を通すことで、従来よりもみずみずしさを増した花々が映し出される、ブランドならではのエレガントな表情を生み出していた。
2020年03月02日アン ドゥムルメステール(ANN DEMEULEMEESTER) 2020年秋冬コレクションが、2020年2月27日(木)フランス・パリで発表された。メタリックな装飾を味方にこれまでもマニッシュな要素をウィメンズウェアに落とし込むアプローチを行ってきたアン ドゥムルメステール。今季はこれまでも行ってきた紳士服のコード=テーラリングを用いながら、“メタリックな装飾”を新たなアクセサリーとしてプラスして、斬新なウィメンズルックを作り上げていく。女性の魅力を逆説的に引き立てる本来ドレスの構築的なシルエットを生み出す“クリノリン”を連想させるそのメタルパーツは、形を変えながらあらゆるルックに登場。パワーショルダーのように両肩にあしらわれたり、冠のようにして頭にかぶったり、まるで女性のシルエットを強調するかのように胸元につけてみたり…。「形どる」という本来隠された機能を、外側から行うアプローチは非常に斬新で、その無機質な表情も相まって、前衛的なウィメンズスタイルを作り上げている。“貴族ルック”を現代に再解釈ベースとなる再構築されたウェアは、貴族たちのまとうドレッシーなピースを意識しているのだろうか。ドレス用のランジェリー=コルセットを連想させるデザインのトップスをはじめ、ドレスのようにトレーンを引くほど拡張されたジレが登場。またアシンメトリーに仕上げたドレスには、超極小のクリノリンをインサートして、わざとらしくその内部構造を露出。ロングジャケット×ロングレングスというマニッシュなスタイルは、リボンの代わりに例のメタルパーツを腰元に配している。カラーパレットブランドお馴染みの漆黒から始まったコレクションだったが、中盤から終盤にかけては、レッド、イエロー、ライムグリーンといった、ドレスカラーを彷彿させる華やかな色彩が登場。それらはメタリック、マット、シアーといった様々な生地で仕立てられ、時にはマニッシュなテーラリングとドッキングさせたドレスも登場した。
2020年03月02日