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HYKE(ハイク)の2020年春夏コレクションが、2019年10月15日(火)東京・晴海のCROSS DOCK HALLで発表された。ミリタリーウェアをベースにミリタリー、ワーク、アウトドアといった、HYKE が原点に持つ要素は今季も健在だった。まずトップバッターを飾ったのは、軍服に着想を得たロングジャケット。淡いカーキで優しく染め上げられたアウターは、ふんわりと膨らむスリーブや、ベルトでキュッとウエストマークされた女性らしいシルエットが印象的。本来男性が着用するアーミー服の力強さを排除するかのように、フェミニティに近づけるアプローチが見て取れる。女性らしさを香らせるアプローチ続くアウターや、ロングワンピース、プルオーバーといったピースも然り。大胆にあしらわれたスリットや、バックに入るカッティング、胸元に編み込まれたリボンなど、女性らしいディテールを組み合わせている。また単色で統一されたミニマルな表情ながらも、シースルーやブランドの得意とするプリーツ素材を多用することで、素材からも女性らしさを引き出していく。特筆すべきスタイリングは、毛足の長いフリンジをあしらったロングスカートを差し込んでいること。アウターやワンピースの隙間から顔を覗かせるそれらのスカートは、モデル達が歩みを進める度に、ゆらりゆらりと柔らかな曲線を描き、女性らしさ溢れるしっとりとした動きを強調している。ユニフォームを再解釈したピースも中盤に差し掛かると、ミリタリーの要素は弱まり、その代わりに、ユニフォームを再解釈したユニークなピースが現れる。デニムジャケットは、細身のモデルをすっぽりと覆うビッグサイズ、プレッピーライクなニットベストは、踝まで伸びるロング丈にアレンジ。またブラウスとスカートを合わせたフォーマルライクなオフィスワーク着には、シースルーを差し込んで軽やかに仕上げた。カラーパレットカラーパレットは、例年通りのアースカラーに加え、パステル調の鮮やかなパープルやピンクも登場。また縦縞・横縞といったボーダー柄が多く散見されたのも特徴的だった。アディダスとコラボレーション!毎年多くのブランドとのコラボレーションで注目を集めるHYKEだが、今年は前シーズンで終了したザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)に代わって、アディダス(adidas)とのコラボレーションウェアを発表。2020年秋冬と合わせた2シーズンで展開されていくが、初お披露目となる今季は、“ランニング”をコンセプトに、スポーツウェアらしい機能的なテクニカル素材を起用。けれどやはり女性らしさを忘れたくはないから、プリーツをのせたり、スカートとスタイリングしたりして、日常で楽しめるウィメンズウェアへと変身させている。人気ブランドとコラボした、バッグ、シューズ、アイウェアもそのほか前シーズンに続く、人気ブランドとのコラボレーションアイテムも続出。足元には、ビューティフルシューズ(BEAUTIFUL SHOES) とタッグを組んだミュールやベアフットサンダルを、手にはチャコリ(CHACOLI)とコラボレーションしたビッグサイズのトートやショルダをチョイス。また前季に続く、2シーズン目となるアイウェアブランド・ジュリアス タート オプティカル(JULIUS TART OPTICAL)とのコラボレーションモデルも登場。テンプルを太めに設定した存在感溢れるアイウェアは、バイカラーでアレンジされていた。
2019年10月18日バルムング(BALMUNG)は、Rakuten Fashion Week TOKYO 2020 S/S2日目となる2019年10月15日(火)に2020年春夏コレクションを発表した。無彩色で彩られた“温度のない世界”壊れたテレビ、障子のないふすま、コードの外れたライト。会場の中央に無機質に置かれたのは”不完全な”日用品だ。デザイナーHACHIが今シーズン作った舞台は、人が消え忘れ去られた街のように、温度のない世界だった。この”温度のない感覚”はコレクションピースにも連動している。ウェアのほとんどは、白やグレーなどの無彩色で彩られ、温かみを感じられない。時折飛び出す、街の一角を切り取ったようなフォトプリントや、スポーティなロゴ、洋服をモチーフにしたようなマークが、何かメッセージを隠した暗号のようにもみえる。フィット&フレアなユニークシルエット色彩を制限された中、洋服の個性を生むのはシルエットだ。スリムなパンツは無理やり引きちぎられたかのように裾がカッティングされ、ビックサイズのワンピースは羽のように袖が広がっている。身体のラインを露骨に出すレギンスやインナートップス、モデルの体型を無視したようにオーバーサイズのアウターやトップス。個性をぶつけ合うように、フィット&フレアのフォルムを組み合わせることで、遊び心溢れるスタイルを作り出している。パッチワーク&ステッチをアーティスティックに組み合わせ洋服そのものは、まるで絵やアート作品を作るように創作的に仕上げられている。極短のパンツ、スリット入りのワンピースなどには、シースルー素材ややや厚みのあるリブニットなど、異素材がランダムにパッチワークされている。本来内側にあるはずのポケットは外に飛び出し、立体的な凹凸に。そのポケットを強調させるようにステッチが施され、繰り返される装飾によって洋服そのものが複雑に見えてくる。キルティングのビッググローブバルムングらしい近未来なエッセンスは、今季も継続。オーロラのように輝くシースルー素材とシルバーのキルティング地で、洋服や小物を作った。特に印象的なのは、大きなグローブ。このビッググローブは“異質”で、どこか異世界へトリップしたような不思議な気分にさせてくれる。合わせた透明素材のシューズもまた、近未来の要素に満ちている。
2019年10月18日ステア(STAIR)の2020年春夏コレクションが、2019年10月15日(火)に東京・南青山にて発表された。“瞳に映る世界”に想い巡らせて「瞳に映る世界は、誰ひとり同じではない」と考えるデザイナーの武笠綾子が、その曖昧で不完全な境界線にある“視界”の世界を落とし込んだ今季。テーマは「SIGHT(=視界)」と掲げた。カラーはグレイッシュやベージュのトーン、そしてアースカラーをメインに採用し、時折見えるはっきりとした確かな存在を少量のネオンカラーで魅せようとした。グレーのセットアップやスカートのヘムにはオレンジのパイピングが施され、ブラウスのディテールには、なめらかなファブリックに混ざり込んで、まるでレース素材のように実用的なオレンジ色のスポーティメッシュが配されている。朧気な世界を示すファブリックは、薄いニットやクリアなポリ素材など様々。フラワーモチーフや木目調のテキスタイルなど、自然を想わせる表現は、目に映るものと目に映らないものを混合させるための手段として採用した。たゆたうファブリックにのせたグラデーションは、曖昧な世界そのものだ。儚さだけではない強さの部分ゆらぎのある未完成なものから読み取る儚さは、女性がもつ繊細な美しさとリンクさせて、エレガンスなワンピースやスカートを生み出した。ただ、レースやラッフルなどは使わず、今季は直線的な要素を抱合するマクラメ編のニットやフリンジ、そしてプリーツを採用している。その表現は、“移ろう何か”を意図しながらも、甘さのない女性の芯の強さを感じさせる。
2019年10月18日ヒロコ コシノ(HIROKO KOSHINO)の2020年春夏コレクションが、2019年10月15日(火)、東京都現代美術館にて発表された。インスピレーションは"楽器"から今季、コシノヒロコがインスピレーションを得たのは、“楽器”。鋭い直線、優美な流線形など"楽器"の持つ美しいシルエットを洋服たちに落とし込んだ。そんな着想源をベースにした洋服たちの中でも特に目を惹くのが“ピアノ”のモチーフ。モノクロカラーの鍵盤を滑らかな生地感のドレスやスカート、ジャケットなど様々なアイテムに描いた。直接的に鍵盤を表現したものから、モノクロカラーで鍵盤を想起させるパターンなど、その取り入れ方は様々。まるで一つのコラージュアートのようなワンピースドレスには、体躯を斜めに大きく横断するモノクロのボーダーを配した。絵画と音楽という2つの芸術的要素をミックスしたシャツのインパクトも大きい。水彩画タッチのパターンを総柄で描き、スタイリングの主役となるアイテムを生み出した。楽器が奏でる優美な音はフォルムに“楽器”そのものだけでなく、それらが奏でる美しい音たちも重要な着想源となった。コレクション内に散見される、直線と曲線を組み合わせ、ゆったりとなだらかなフォルムを描くピースはその好例。直線と曲線を組み合わせることで、一つの楽曲の中に共存する異なったリズムを表現しているように思える。平面と立体の交差“楽器”以外にも、コシノが注目した要素が“平面と立体の交差”だ。テキスタイルの平面に描く、立体的な造形物のモチーフ。本来相対する性質を持つ2つの要素を掛け合わせることで、コシノが思い描く美学を表現している。蛇腹状に構築し、本物の鍵盤の様に立体感を演出したスカートや、裾だけレイヤードで仕上げたシャツなど“立体×平面”はあらゆる部分に反映されている。絶妙なバランス感覚でミックスした相対する2つの性質が、より表情豊かなスタイリングを作り上げる。ビビッドなカラーがアクセントモデルたちが纏ったエレガンスな雰囲気の中にアクセントとして取り入れたのが、ビビッドなネオンカラー。バッグやシューズといったアクセサリーを中心に、ウェアのパーツの一部など様々な箇所にワンポイントでグリーンやイエロー、ピンクのカラーを挿した。
2019年10月18日ボディソング(bodysong.)の2020年春夏コレクションが渋谷ヒカリエで2019年10月15日(火)に発表された。今回は、「ずっと真夜中でいいのに。」とのコラボレーションによるショーだ。ずっと真夜中でいいのに。の音楽を背景に「正しい偽りからの起床」でデビューし、その後フジロック・フェスティバル’19に出演するなど活動を広げる音楽ユニット「ずっと真夜中でいいのに。」。このショーのために彼らが準備した音楽は、ギターとドラム、そして日常の中の雑音や金属音で編成された垣根のない1曲だ。紙を引き破る音、電子レンジを破壊する音、流れるのは不協和音にも似た不安定な旋律。“破壊的な音楽”が、“破壊的な服”に寄り添っていくーー。破壊と構築の狭間今季はインダストリアルな要素が強い。工業用資材のようなグレーの素材を張り付けたパンツやシャツ、工事現場の人々が身に着ける安全帯を想わせるベスト。デニムはPVCのボンディングによって、工業的に再解釈されている。過剰なまでのレイヤードは、破壊されたあとの再構築の名残だろう。クロップド丈のダッブル風ベストにはワークウェアを肥大化させたアウターと、シャツをセット。さらにバックには、まるで燕尾のようにナイロン素材のファブリックが顔を出している。雑多なディテールもまた、“破壊的な服”を思わせ、デニムパンツは、前後で切り替えて、敢えて丁寧につなぎ合わせることをしていない。アウターの袖はジッパーで取り外せる仕組みで、そのジッパーを開けて着こなすのも今季のコンセプチュアルな部分に通じている。垣根のない服で楽しむファッションワークウェアを基軸にしながらも、時折見せるアイビーやフォーマルのアイテムは、垣根のない服を象徴するスタイリング。それは、体全体でファッションというひとつのメロディーを奏でていく姿勢だ。破壊的かつ構築的なテクニックを繰り返して“美しい旋律”へと変化させていく。
2019年10月18日ノントーキョー(NON TOKYO)は、ブランド初のランウェイショーを開催。Rakuten Fashion Week TOKYO 2020 S/S2日目となる2019年10月15日(火)に2020年春夏コレクションを発表した。幼き頃、一度は耳にしたことがあるのでは…?ショーの始まりは心躍る、セーラームーンの音楽からスタート。主題歌のイントロだけをサンプリングしたというオリジナルのミュージックは、これから始まるショーへの期待を高めてくれた。ファーストルックは、セーラー戦士さながらのライティングとともに登場。サーチライトでモデルが見え隠れする演出は、エンターテイメント性がたっぷりだ。女の子のヒーロー「愛の戦士」現れたのは、キラキラ、フリフリ…の“女の子が大好き”がつまったドレス。超ボリュームのパフスリーブワンピースにはたっぷりのフリルをあしらっている。ピュアな純白のドレスには、リボン型のカラフルストーンピアスをコーディネート。女の子なら一度は憧れた、そんなキュートなヒーローの姿がそこにはあった。今季はセーラームーン、プリキュアなど、女の子のヒーローが着想源。花柄、オーガンジー、キラキラのストーン、リボン、フリル…などカワイイを全部詰め込んで「愛の戦士」を作り出した。“カワイイ”が詰まったヒーロールック白色のノースリーブドレスやカラフルなティアードドレスなど、フェミニンなウェアを多数ラインナップ。カジュアルなTシャツには、フリル付き胸ポケットをあしらい、フーディはフレアなAラインに整えることでキュートにアレンジしている。ワイドパンツはこれでもかと生地をたっぷりと使って、ロングスカートさながらのフォルムに。ただ、カワイイを追い求めるのではなく“戦士”の要素は、迷彩柄のロングコートやベストといったミリタリーウェアで表現。強くなりすぎないよう、迷彩柄の上には大ぶりな花模様を重ねて、女の子らしさを織り交ぜた。得意のリメイクでスニーカーがヒールにノントーキョーが得意とするリメイクは、フットウェアで顕著に表れた。ユーズドのスニーカーを解体して、シューレースを3つあしらいカスタム。さらに、機能性を追求したスポーティーなソールから、ピンヒールやウエッジソールへ変えて、女の子のためのスポーティシューズを完成させている。ヒーロー戦士さながらのヘアメイクこれまでルックや展示会で新作を披露していたノントーキョーが、ショーを行うにあたりこだわったのはエンターテイメント性。音楽、照明はもちろんだが、セーラームーンを想起させるキュートなヘアや、マットなピンクリップ、ハートモチーフを隠したメイクからも、デザイナー市毛綾乃の強い思いが感じられた。
2019年10月18日タチアナ・パルフェノワ(TATYANA PARFIONOVA)の2020年春夏コレクションが、)Rakuten Fashion Week TOKYO 2020 S/S初日に発表された。幼少期の思い出を着想源に洋服の制作はもちろん、世界三大美術館の1つであるエルミタージュのプロジェクトへの参加や、映画の衣装制作など幅広い分野での活動を続けるタチアナ・パルフェノワ。初めてコレクション発表の場に東京を選んだ今回、デザイナーの子供の頃の思い出をインスピレーション源に、“水”や“川”、“黒トンボ”をキーワードに掲げた37パターンのドレスが展開された。ドレスに浮かぶ“絵画”のような絵柄始まりの合図と共にランウェイに現れたのは、まるで“絵画”のような美しいドレス。テキスタイルには、太陽の光を反射する水面を表現しているかのように、透き通るシースルーや、キラキラと輝くスパンコール、流れるようなシルク生地を自由にミックス。その上には水に浮かぶスゲやシダを手刺繍であしらって、うっとりとするような絵柄を完成させている。思い出を物語るドレス淡い水色が目を惹く膝丈のドレスは、白鳥の羽根のようになびく毛足の長いスリーブが印象的。前身頃には、透き通る川の周りを黒トンボ達が飛び回る、どこか懐かしい情景がデザインされている。また複数の水の輪が水面に浮かぶドレスは、雨の日の風景を切り取っているのかのよう。デザイナーの大切な思い出の一部を映し出しているかのような“絵画”によって、会場全体にノスタルジックな雰囲気が漂う。デコラティブ×セクシーリボンやフリルをたっぷりとあしらった、デコラティブな手法を得意とするブランドならではのドレスも登場。けれど時にセクシーさも演出したいから、バックやウエストをみせる大胆なカッティングや、モデルの身体のラインをくっきりと映し出すシア素材で、女性の魅力を引き出していく。多彩なカラーを味方にカラーパレットは、淡い色調のグリーンやブルー、ピンク、ベージュ、オレンジなどを中心に。時に多彩な色彩を組み合わせたカラフルなカラーブロックや、艶やかな花が咲き誇るオリエンタルな絵柄、前後でカラー&素材が異なるデザインなど、デザイナーの遊び心を感じさせる個性豊かなカラードレスも登場した。
2019年10月17日ティート トウキョウ(tiit tokyo)2020年春夏コレクションが、2019年10月14日(月・祝)Rakuten Fashion Week TOKYO 2020 S/S初日に発表された。テーマは、かすんで見えるもの、ぼんやりしているものを意味する「Blurs」。デザイナーの岩田翔と滝澤裕史は、今シーズン新しい洋服の作り方に挑んだ。真っ白なキャンバスに一から描くのではなく、元から存在する風景の中で新しいものを作り出すこと。「都市空間の中でどのようにファッションを発信していくべきか」という問いに対する一つのアプローチとして、これまでのシーズンとは異なる、新しいファッションの構築に取り組んだという。ぼんやりとした雨の日の都市を着想源にインスピレーションとなったのは、わたしたちが生活している都市の風景。雨が打ちつける窓ガラスや水溜りに映ったマンション、雨露越しにみる街路灯など、いつもとはちょっと違って見える雨の日の街の一角を切り取り、今シーズンのコレクションを進めた。岩田翔と滝澤裕史が描く、雨の日はなんとも優しい印象だった。水溜りのように見えるマーブル模様や、降り注ぐ雨を想起させるストライプ模様などは、色鉛筆画のように淡くソフトな色合いで表現され、ブラウスやロングワンピースになって登場している。驚くほど軽い質感のテクニカル素材を使ったジャケットやロングコートは、歩みにあわせてゆらゆらと舞い、その休みなく動きまわる様は、雨の中足早に進む都市の人たちを表現しているようだ。新たな魅力を纏った市松模様また、今季アイコニックに取り入れられていたのが市松模様。誰もが見たことのある当たり前のモチーフを様々なニュアンスでリデザインした。細かな刺繍を埋めるように並べて作ったニットや、肌を透かしてみせるシースルーのトップス、ふんわりとしたフォルムのフリルワンピースなどに起用されている。ユニフォームのように登場するシャツ&スラックス曖昧さ。そんなインスピレーション源は、メンズ服とウィメンズ服の“ぼんやりとした性差”で具現化された。テロッとした肌触りのやさしいロングシャツとワイドパンツ、ストラップ付のスポーツサンダルをまるでユニフォームのようにメンズモデルもウィメンズモデルも纏っている。ドレスルックにあわせたポインテッドトゥパンプスも、フラットソールでアクティブに。そういったフットウェアのチョイスも、カジュアルなスポーツスタイルを好む、現代の都市の姿を表しているようだ。
2019年10月17日Rakuten Fashion Week TOKYO 2020 S/Sが、2019年10月14日(月・祝)開幕。オープニングを飾ったのは、X JAPANのYOSHIKIによる着物ブランドヨシキモノ(YOSHIKIMONO)だ。日本の伝統服・着物をアレンジ伝統と革新の融合をコンセプトに、日本のトラディショナルな着物文化の中に、革新的なデザインを持ち込み、新しいファッションを発信しているヨシキモノ。約3年ぶりとなるランウェイショーでは、これまでよりもさらにモダナイズさせた、新感覚の和服を提案している。序盤から続くのは、ミニ丈のベアドレスだ。遊び心あふれるアシンメトリーなフォルム、肌を美しく見せるカッティング、波打つように綺麗に寄ったドレープ。どの観点から見ても、和服が起点であることを忘れさせるほど、新しい表情に満ちている。テキスタイルにのるのは、慎ましやかな和柄を着想源としながらもアレンジを加えた、新しいパターン。ビビッドな赤や黄色、キラキラと光るシルバー、シックなモノトーンなどで色付けされたそれらの模様は、極短のベアドレスの色気をより一層引き出している。ドレスのように着こなしクラウンや花のモチーフ、シルバーパーツ、ファーなどでデコレーションしたチョーカーとロングブーツをコーディネート。まるでドレスのように着こなすことでヨシキモノのウェアは、より一層着物文化の発展へとつなげていく。帯が立体的なデコレーションにミニ丈のベアドレス続いて登場したのは、ロング丈のベアドレスだ。箔プリントを纏ったゴージャスなスタイルは、イブニングドレスのようにエレガント。帯を思わす、立体的なバックスタイルの装飾でほんのりと和服の香りを匂わせている。「進撃の巨人」が着物に終盤にかけては、ヨシキモノが提案する新しい着物が登場。伝統的なスタイルを維持しながらも、漫画風のコラージュやアニメプリントをあしらうことで、現代のジャパニーズカルチャーを同時に発信している。アニメ「進撃の巨人」が大きく描かれた着物や、YOSHIKIがモデルのマーベル・コミック「Blood Red Dragon」が全面にあしらわれた着物がラインナップした。最後は、YOSHIKIのピアノ演奏とともフィナーレへ。YOSHIKIが奏でる美音とともに、赤い花々が降り注ぎ、その麗しいムードに合わせるように白色の着物を纏ったモデルがランウェイを舞っていた。
2019年10月17日バレンシアガ(BALENCIAGA)の2020年春夏コレクション。Courtesy of BALENCIAGA
2019年10月17日マラミュート(malamute)の2020年春夏コレクションが、2019年10月11日(金)に発表された。テーマは「The Restless Waves」。日常の“感覚や感情”に耳を澄ませてここ数シーズン、映画や小説などのカルチャーからインスピレーションを得てきたデザイナーの小髙真理。今季はそれとは異なるアプローチを取り、自分の日常の中にある感覚や感情をすくい上げることからクリエーションをスタートした。そこで気づいたのが、アウトドアの日の爽快感と、インドアの日に1人で過ごすリラックスしたムード、この2つを行き来することで生まれるそわそわとした落ち着かない感覚だ。この感覚を、どこまでも開放的な海と、人々の生活の場でもある陸、その境界にある波にたとえて、コレクションテーマを「The Restless Waves」と設定した。“波”をモチーフにメインモチーフとなるのは波。アウターのバックスタイルにはラッフルをあしらいフレアシルエットを生み出して、スカートの裾にはいくつものカッティングを施して、モデルが歩くたび寄せては返す波のようにゆらゆらと揺れ動くディテールを生み出している。ブランドが得意とするニットのトップスには、うねりのある波形のマルチストライプを走らせた。マテリアルには、ロングワンピースに採用したキュプラのチェック柄オリジナルジャカードや、特別な加工を施すことによってナチュラルなシワ感を表現したレーヨン混のツイル素材などを起用。いずれも再生繊維を使用した環境に配慮した素材だ。またスポーツ素材で編み込んだ高伸縮のシースルー素材トップスも目を惹いた。このタイトフィットのスキンカラーキャミソールは今季を象徴するアプローチの1つである無縫製で仕上げたもので、スポーティーな要素と人肌のように柔らかなムードが同居している。メインカラーはグリーンキーカラーはグリーン。ジョルジュ・デ・キリコの絵画『愛の歌』が持つ違和感にインスパイアされ、絵の中に描かれているボールの緑色をカラーパレットに取り入れている。その他にもセルリアンブルーやホワイトなど太陽光が差し込んでいるかのような爽快感のある色や、ベージュやブラウンといった曇りや雨の日の土臭さをイメージした色を採用。様々なカラーを絶妙に織り交ぜて、コレクション全体に繊細なグラデーションをもたらした。インスタレーションや音楽にもこだわり今シーズンは演出にもこだわり、コレクションに通ずる感情のざわつきを表現している。会場である東京・北青山の京都造形芸術大学 外苑キャンパスには、空間に歪みを生み出すかのような吉添裕人による真っ黒な球体インスタレーションを設置。音楽はショー開始直前までアコースティックな音色のライブパフォーマンスでリラックスしたムードを演出したが、ショーミュージックには様々なノイズがリミックスされた緊張感のある音楽を起用した。
2019年10月14日とらや(TORAYA)は、2020年の干支「子」にちなんだ和菓子を、2019年11月下旬よりとらやにて順次発売する。2020年干支「子」モチーフの羊羹や饅頭ねずみの姿を表した干支羊羹「春陽の子」2019年11月下旬より登場するのは干支羊羹 「春陽の子」。黒煉羊羹を使い、春の訪れに胸を躍らせるねずみの姿模った。また、黄煉羊羹は、やわらかな春の陽射しを表している。ねずみのイラスト入り小形羊羹11月20日(水)より発売する小形羊羹は、ちょこんと座るねずみや3匹の小さなねずみのイラストを描いた特別バージョンで登場。パッケージには、黄色や緑、赤といったカラフルな色を配した。小倉羊羹の「夜の梅」、黒砂糖入羊羹の「おもかげ」、抹茶入羊羹の「新緑」の3つの味わいを用意する。まん丸ねずみの白餡入り焼き菓子「ふくらねずみ」12月16日(月)から発売する「ふくらねずみ」桃山製 特製白餡入は、ほんのり焼き目の入った桃山製でふっくらとした丸いねずみを模った1品。春の訪れを心待ちに、冬の野を見回しているねずみの様子を表現している。ねずみの焼き印入り道明寺饅頭「豊穣の使い」同じく12月16日(月)より発売の「豊穣の使い」道明寺製 白小倉餡入は、米俵を表した黄金色の道明寺饅頭。豊穣の神である「大黒天」の使いといわれるねずみの焼き印を押し、新しい年の五穀豊穣を願った菓子に仕上げた。2020年歌会始のお題「望」にちなんだ菓子もまた、年初めに天皇が開催する歌会“歌会始”2020年のお題「望」にちなんだ2種類の菓子も登場。御題羊羹「望の光」は、黄の琥珀羹・道明寺羹・煉羊羹の3つの黄色い羊羹で、まっすぐに射し込む陽の光を表現した。また、「望みの春」湿粉製は、春の景色を見続けたいという望みを込めた菓子。萌え出る芽を緑の羊羹製で、つぼみがほころぶ様子を紅と黄のそぼろで表している。【詳細】とらや2020年干支・御題菓子■干支羊羹 「春陽の子」販売期間:2019年11月下旬~2020年1月下旬(予定)販売店舗:全店 ※一部店舗では販売なし。価格:中形 1,944円(税込)、竹皮包 3,888円(税込)■干支パッケージ 小形羊羹販売期間:2019年11月20日(水)~2020年1月上旬(予定)販売店舗:全店価格:各1本 260円(税込)、5本入 1,404円(税込)■「ふくらねずみ」桃山製 特製白餡入販売期間:2019年12月16日(月)~2020年1月15日(水)販売店舗:関東・近畿地方の生菓子取り扱い店価格:1個 486円(税込)■「豊穣の使い」道明寺製 白小倉餡入販売期間:2019年12月16日(月)~2020年1月15日(水)販売店舗:生菓子取り扱い店 ※御殿場店は2019年12月29日(日)~2020年1月15日(水)価格:1個 486円(税込)■御題羊羹「望の光」販売期間:2019年11月下旬~2020年1月中旬(予定)販売店舗:全店 ※一部店舗では販売なし。価格:中形 1,944円(税込)、竹皮包 3,888円(税込)■「望みの春」湿粉製販売期間:2019年12月16日(月)~2020年1月15日(水)販売店舗:生菓子取り扱い店 ※御殿場店は12月16日(月)~12月28日(土)価格:1個 454円(税込)
2019年10月13日ルメール(LEMAIRE)の2020年春夏コレクションがフランス・パリで発表された。ウィメンズと共に、メンズのピースもショー形式で披露。オールブラックで魅せる今シーズンのショーは、パリの空模様を反映したかのような雨音、そして雷の音が鳴り響き渡るとともにスタート。コレクションは漆黒の世界からはじまる。ファーストルック、その次、またその次…と現れるモデルたちは皆、オールブラックのスタイルで立て続けに登場するのだ。その数は40体あるルックの半数にもおよぶ。クリストフ・ルメールが得意とする柔らかなニュアンスカラーは息をひそめた。黒という色が持つ重たい印象も、ルメールの手にかかれば、軽やかでクリーンな印象に。また、続々と顔を出すオールブラックのルックは素材やシルエットを変え、決して単調になることなく豊かな表情を覗かせている。たとえば、ふっくらとしたシルエットのスカートには、光沢感のあるピンストライプのファブリックを採用。それに合わせたタンクトップは前方から見るとミニマルなデザインだが、バックは背中を大胆に開けたクロスストラップ仕様になっており、洗練されたフェミニティを感じさせる。小物類で遊び心をプラス小物類にも注目。ストラップサンダルや、ウッドビーズのハンドバッグ、ビッグサイズのホーボーバッグなども、オールブラックコーデをエフォートレスなムードに導くのに一役買っている。ルメールの感性が光るアウター中盤からラストにかけては、ベージュやカーキなどルメールらしい優し気な色彩が現れる。アウターの中でもひと際目を惹いたのがトレンチコートだ。それらは日常生活に自然に溶け込むようなベーシックウェアであるのに間違いないのだが、バックスタイルに深いスリットが入っていたり、風を優雅に受けてなびくテキスタイルで仕立てられていたりと、袖を通す人々の動きまで計算しつくした、ルメールの手腕が光るピースであった。
2019年10月12日セドリック シャルリエ(CÉDRIC CHARLIER)が、フランス・パリで発表した2020年春夏コレクション。アメリカ西部への旅今シーズンのインスピレーション源になったのは、アメリカ・アリゾナ州、ユタ州へのロードトリップ。壮大な風景、燃えるような夕日、乾燥した山々、透き通った空などをコレクションピースに投影した。ランウェイには大地を連想させるブラウンのスカートや、青い空を彷彿とさせるブルーのワンピース、夕日のようなオレンジ色のセットアップなどが登場する。「マカロニ・ウェスタン」の要素を加えて1960年代から70年代にイタリアで制作された西部劇を意味する「マカロニ・ウェスタン」映画の要素を織り交ぜているのも特徴。長いフリンジをあしらったノースリーブニットやデニムスカート、ハーネス風のレザーアクセサリー、ウェスタン調のシューズが目を惹く。フェミニンなスカラップフェミニンなムードをもたらすスカラップレースも、今季を象徴するディテールの1つ。スカートには裾に、ブラウスには胸元から袖にかけてフリルを重ねるように配し、ウェスタン調にロマンティックな雰囲気をプラスした。サテンとデニムをミックスメインマテリアルは、エレガントな光沢を纏ったサテンとカジュアルな印象のデニム。ペイズリー柄を用いたサテン地のスカートや、細かなプリーツを入れたデニムアウターなどを投入し、異なる魅力の素材をミックスしたスタイルをコレクション全体で楽しんでいる。
2019年10月11日まとふ(matohu) 2020年春夏コレクションが、2019年10月7日(月)にまとふ 表参道本店にて発表された。テーマは「藍の源流」。徳島を舞台に、“藍染め”を巡る旅2019年春夏コレクションより、映像+プレゼンテーション形式でコレクションを発表しているまとふ。「手のひらの旅」と名付けられているこのプロジェクトシリーズは、今回四国の徳島を舞台に、古くから伝わる日本の伝統染色“藍染め”へと目を向けた。日本人なら誰しも一度は耳にしたことがあるであろう“藍染め”。しかし近年市場に出回っているその殆どは、化学染料などを使用した人工的な産物であるらしい。今回デザイナーが訪れた徳島は、かつて藍を原料とした染料「すくも」の国内最大の生産地として栄えていた場所。時代の移り変わりと共に、今では「すくも」を作る藍師たちは、県内全体で5人へと激減してしまったが、植物の栽培から染色までの過程を全て手作業で行う伝統的な技法は世代を超えて守り続けられている。植物の生命から生み出される、深くて優しい天然の色合い。今季のコレクションは、そんな“ジャパニーズブルー”に染まった美しいワードローブを主役にした。和紙のテキスタイル×藍染めのジャケット展開されるのは、日本の伝統的な染色技法を駆使しながら、モダンな空気を纏った日常着。上下で濃淡の異なるデザインのジャケットは、藍に浸ける回数を変えて作る段染めで仕上げたもの。素材には、和紙からできた糸を使用したことで、よりクラフト感溢れる温かみのある表情へと仕上げている。またボーダー柄のボトムスにもひと手間加えて。本来綿だけで仕立てるしじら織に、シルクを混合させることで、高級感溢れるなめらかな風合いへとアップデートした。ろうけつ染めで仕上げた長着ポップなイエローのボトムスと組み合わせた藍染めの長着は、光の残像のように白く浮かぶ絵柄が印象的。職人たちが蝋(ろう)を何重にも重ねて仕上げる“ろうけつ染め”と呼ばれる技法を駆使して生まれたこだわりの一着だ。“吉野川”を連想させる涼し気なセットアップ異なる4色の藍染め糸が“さざ波”を描くように仕立てたセットアップは、徳島を代表する清流・吉野川を連想させる涼し気な一着。足元は敢えてスニーカーをチョイスしたことで、より軽やかなムードに仕上げている。藍染めのアクセサリーもこれらのワードローブと合わせて展開されたのは、アルミを藍染めしたという真新しいアクセサリー類。日本の伝統的な色合いに染まった、ピアスやブレスレット、ネックレスといったアイテムからは、古きよきものを現代に蘇らせるブランドの真髄が感じられた。
2019年10月10日ジョウタロウ サイトウ(JOTARO SAITO)の2020年春夏新作コレクションが発表された。テーマは「Balance Control」だ。テーマ「Balance Control」デザイナー・斉藤上太郎が今考える、シンプルさと大胆さを兼ね備えた新たな"バランス"を表現した着物23ルックが発表された。現代の都市を闊歩するような、力強さのあるモダンなデザインが印象的だ。シンプルなデザインと印象的な色合い青い光と共に登場したメンズのルックは、黒の生地に、木の枝のシルエットをデザインした着物。シンプルで落ち着いた雰囲気の中に、木の枝が広がっていく力強さを感じる。羽織の裏地の赤いペイント柄がアクセントになり、和の雰囲気とモダンな雰囲気が融合していた。ピンクとゴールドの2色を、着物のパーツに合わせるかのように配色したレディースのルックが登場。全体に明るい色味を使いながらも、黒の枝とシダの葉のデザインで深みをプラスする。帯のピンク・水色・白のペイントアートのような柄は、現代的でダイナミックな印象を与えている。直線的な柄に鮮やかなカラーを中盤では、直線的な柄と鮮やかな色を取り入れた、黒・白・グレーを基調とする着物がラインナップ。木目のような線が肩から裾にかけて流れ落ちるようなデザインのルックは、メンズとレディースで1着ずつ用意される。淡いグレーの生地に、黒の木目模様と赤や白のペイント柄を施して、しなやかな木目模様に勢いを加えた。帯は、着物と色違いの赤い木目模様。同じ柄の帯を合わせるという、斉藤上太郎らしい斬新なアイディアだ。モダンな植物柄終盤には、大きな花柄を着物全体に散りばめたデザインが多く見られた。昔ながらの日本の着物でも使われることの多い花柄だが、ジョウタロウ サイトウのデザインでは、花のシルエットがはっきりとした線で描かれ、現代的で鮮やかな色合いに仕上げている。曲線的な花柄に対し、直線的な格子柄の帯を合わせることで、インパクトのある新たな"バランス"を表現しているかのようだ。さらに、都会的な要素を加えるのがクラッチバッグ。白とグレーのストライプに、黒のモダンな花柄を描いたシックなデザインとなっている。
2019年10月10日ラコステ(LACOSTE)の2020年春夏コレクションが、2019年10月1日(火)、フランス・パリで発表された。メンズ&ウィメンズの合同ショーである。会場はローラン・ギャロスの新コート2019-20年秋冬コレクションでデビューショーを行ったクリエイティブディレクター、ルイーズ・トロッターによるセカンドシーズン。舞台となったのは、ブランドとも縁の深い、テニス全仏オープンの会場ローラン・ギャロスだ。ランウェイを設置したのは、2019年にオープンした新コート「コート シモーヌ・マチュー」。オートゥイユ温室庭園に隣接し、緑の木々に囲まれた会場内では、ショーが始まる直前まで、ラコステのアイコニックなポロシャツを纏ったプレイヤーたちがテニスを楽しんでいる。テニス&ゴルフウェアを再構築今季ルイーズ・トロッターが取り組んだのはブランドの原点でもある“テニス”と“ゴルフ”、この2つのスポーツウェアを再構築すること。ジョン・F・ケネディ・ジュニアや、創業者ルネ・ラコステと同様にテニス世界女王として知られるスザンヌ・ランランがラコステのポロシャツを着用したシーンにインスピレーションを得たものでもあり、どこか懐かしいノスタルジックなムードも感じさせる。シルエットはゆったりとしたものが主流で、ポロシャツは肩の位置をぐっと落としたオフショルダーのビックサイズ。襟付きのワンピースは、地面についてしまうほどのロングレングスだ。またテーラードジャケットも度々投入されており、リラクシングなスポーツウェアにエレガントなムードをプラスしている。ポロシャツはクロコダイルをビックサイズに1927年の誕生以来ラコステのアイコンとなっているピケ素材のポロシャツは、ニットやレザーと組み合わせることによりアップデート。ロベール・ジョルジュが1926年にデザインしたラコステのクロコダイルモチーフは、大きくデフォルメして胸元にオン。ポロシャツはカラーブロックを採用したプレイフルなデザインに仕上がっている。パステルカラーに幾何学模様でアクセントカラーはパステルグリーン、ブルー、ピンク、イエローなど、爽やかなカラーが中心。またカラーブロック以外にも、アールデコを彷彿とさせるジオメトリックなドレスや、“L”のモノグラムをあしらったポロシャツなどが顔を出し、コレクションにリズムを生み出していた。
2019年10月05日ミュウミュウ(MIU MIU)の2020年春夏コレクションが、2019年10月1日(火)に、フランス・パリで発表された。洋服にプレイフルな意外性を今シーズンのミュウミュウが行ったのは、着る人が洋服との対話を楽しめる服作り。アイテムのシルエット自体はシンプルだが、そこに意外性のあるディテールを施すことで、洋服に袖を通す人が自由なスピリットで無邪気にファッションを楽しめるようなコレクションに仕上げている。躍動感のあるフリルやギャザーベースとなっているのはエプロンなどのユニフォーム。フォルムはベーシックなエプロンの形状を保っているが、スカート部分に複雑に手繰り寄せたギャザーのパーツや躍動感のあるラッフルをデコレーションした。このエプロンドレスに合わせてスタイリングしたニットカーディガンは、あえて布を解れさせた不完全な状態で、遊び心を演出している。ルックに動きをもたらすギャザーやフリルのディテールは、今シーズン多用されたものの1つで、時にはショルダー部分に、時にはウエストから裾にかけて流れるようにあしらわれた。どれ一つとして予定調和的な装飾は無く、即興的に縫い付けられているかのような雰囲気を持つのが特徴だ。ビジューの装飾でプレイフルにベーシックなものと予想外の要素の思いがけない組み合わせは、シルエットだけでなく素材にも見て取れる。ジャケットやドレスはコットン、キャンバス、ウールといったデイリーウェアの定番素材で仕立てられているが、そこにあしらう装飾でプレイフルな印象へと導いた。きらきらと輝くフラワーモチーフのビジューや、存在感溢れるカラフルなボタンが、楽し気なムードをもたらしている。
2019年10月05日アレキサンダー・マックイーン(Alexander McQueen)の2020年春夏コレクションが、2019年9月30日(月)、フランス・パリで発表された。「時間」がキーワード今シーズン、クリエイティブ・ディレクターのサラ・バートンがキーワードにしたのは「時間(Time)」。忙しなく時間が過ぎていく現代社会に対し、洋服を作る過程や手入れをする時間を大切にしようというメッセージを投げかけている。手仕事の光るピースランウェイに現れたコレクションピースは、クチュリエの手仕事が感じられるクラフトマンシップに溢れたものばかり。コルセットのようなディテールを取り入れたチュールドレスには、繊細なゴールドのフラワー刺繍を施して。オーガンザを幾重にも重ねたドレスは、一枚一枚鮮やかなグラデーションに染め上げたテキスタイルで、花びらのように美しいボリュームを生み出している。張り感のあるリネンを多用ウール、オーガンザ、シルクといったマテリアルが起用されることの多いブランドだが、今シーズンはリネンも印象的に取り入れられている。ファーストルックとして登場したホワイトのドレスは、リネンに特別な加工を施すことで、張り感やシワ感のある立体的な表情に仕上げた。ボディにはアレキサンダー・マックイーンらしいフェザーステッチもあしらわれており、長い時間をかけて一枚のドレスを完成させていることがわかる。対話から生まれる服作る過程を重視するサラ・バートンの姿勢は、あるドローイングをベースとしたエンブロイダリードレスからも見て取れる。このグラフィックは、ロンドンでたびたびセントラル セントマーチンズの学生を招いて講義を行う彼女が、生徒のドローイングからインスピレーションを得て制作したものだ。自分一人で黙々と洋服を作るのではなく、職人やスタッフ、生徒と会話し、アイデアを交換し合いながらコレクションを完成させた。新作「ストーリー」バッグバッグには、新しい「ストーリー(story)」バッグが登場。ドアノブのようなゴールドのハンドルが特徴で、ビッグサイズのショルダーバッグやチェーンバッグ、クラッチバッグなどのバリエーションが用意された。またマグノリアの花をモチーフにしたソールを取り入れたパンプスも目を惹いた。
2019年10月04日ステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)は2020年夏コレクションを、フランス・パリで発表した。これまでで最もサステナブル会場は今シーズンもオペラ座でおなじみのガルニエ宮。今季はオペラ座の華やかな内壁に動物が交尾をする様子を投影し、サスティナビリティをユーモアたっぷりに伝える演出を施した。コレクションそのものも“これまでで最もサステナブル”と謳う通り、再生ポリエステル、オーガニックコットン、サステナブル ラフィアなど環境に配慮したエコフレンドリーな素材を今まで以上に取り入れたものだ。花びらのようなスカラップ今季掲げたのは自由奔放なスピリットを持ち、ワイルドなエネルギーが満ち溢れた女性像。そんな人物を、滑らかなシルエットと力強いグラフィックという二面性のある表現で、ランウェイに映し出していく。ディテールで目を惹くのは、アウターやシャツなどにあしらわれたスカラップレース。花びらのようなフォルムのスカラップは、モデルが歩くたびに揺れ動き、流れるように優美な洋服のシルエットを引き立てている。丸みを帯びたフォルムスカートやパンツは、生命力やフェミニティを表現したという丸みを帯びたシルエットが印象的。バッグも丸いフォルムが魅力で、巨大なメタルフレームにエコオルターナッパレザーをハンドメイドで巻き付けた半円形バッグなどが登場した。ストライプを効かせてエネルギッシュなグラフィックを象徴するのがストライプ。ニットウェアには、大胆なカラーコントラストで描いて。ステラ マッカートニーがイギリスの田舎をサイクリングしていた時に撮影した花の写真をプリントしたドレスには、放射状のストライプをあしらっている。足元はグラディエーターサンダル足元は、ウッドブロックヒールを採用したエフォートレスなグラディエーターサンダルが主流。スクエアトゥのニーハイ、アンクル丈、ミュールなど様々なバリエーションが用意されている。
2019年10月04日A.P.C.(アー・ペー・セー) 2020年春夏ウィメンズ&メンズコレクションが、2019年9月30日(月)、フランス・パリで発表された。会場はお祭りのような雰囲気会場に足を踏み入れると、そこは楽し気なお祭りのような雰囲気。ゲストにはチェック柄のブランドロゴ入りカップでコーヒーやレモネードが振舞われ、ランウェイ横には3つのブースが設置されている。それぞれのブースはこれから発売される3つのコラボレートコレクションを披露するもの。カナダ発のクリエイティブスタジオ「jjjjound」、これまでにもタッグを組んできたカーハート(CARHARTT)、ロサンゼルスの人気ショップ「RTH」とのコラボレーションウェアやバッグなどが並べられている。多彩なコラボレーション今シーズンにはランウェイにもコレボレーションが盛りだくさんで、スイコック(SUICOKE)とのサンダルや、ジェシカ・オグデンとのキルトコレクションの新作、イタリアのアイウェアブランド・ペルソール(Persol)とのサングラスなどが姿を現した。フレンチシックにカラフルな遊び心をウェアはAラインのコートやモッズコート、花柄シャツなどフレンチシックを体現するベーシックがベース。そこに鮮やかなレッドやグリーン、ブルー、イエローといったプレイフルな色彩をのせることで春夏らしいリズミカルなムードを生み出している。クラシカルなジャケットなどのバッグスタイルには「POETIC PERS I STANCE」「POSITIVELY NORMAL」といったロゴをカラフルな糸で刺繍して遊びこことを加えた。人気デニムやバッグの新作A.P.C.のシグネチャーであるデニムも存在感を放っており、テーパードシルエットのジーンズや、フロントにボタンをあしらったタイトスカート、ジャンプスーツなどが登場。“半月”をモチーフにした丸みのあるシルエットが人気の「ハーフムーンバッグ」からは、ベルトバッグが登場した。
2019年10月04日ビューティフルピープル(beautiful people) 2020年春夏コレクションが、2019年9月30日(月)、フランス・パリで発表された。テーマは「Side C vol.3」。「サイド C」の試みを継続今シーズンも2019年春夏コレクションから継続して取り組んでいる「サイド C(Side C)」という仕立ての考え方や型紙設計のアイデアを踏襲。今季はライニングやパーツを取り除き、通常の洋服には無い“第三の入り口”を作ることによって、着る人が気分やシーンに合わせて着こなしを変えることができるようなピースを展開していく。自由自在に変化する服ショーの冒頭でもこのことを伝えるデモンストレーションが取り入れられた。舞台にはデザイナーである熊切秀典本人が登場し、モデルが纏ったワンピースを脱がしては着せ、また脱がしては着せ、1枚の洋服が着方によって何パターンもの表情を見せることを伝えていく。ランウェイに現れたニットトップスはショルダーから脇下にかけてカッティングを施しており、その穴から腕を通すことによって、ノースリーブのベストのように着こなすことができる。また前から見えるとチェック柄のキャミソールドレス、後ろから見るとレースで仕立てたショートスリーブのワンピースのような、フロントとバックを入れ替えることによって異なる印象を引き出すピースも用意された。刻々と変化する空の色をプリント日の出から夕暮れまでの空の色を映し出したという鮮やかなグラデーションプリントも、今季のポイント。24時間刻々とその色を変えていく空の様子を、「サイド C」のアイデアを取り入れた熊切の服が、着る人の思いつきによってその形を変えていく姿に重ね合わせている。
2019年10月04日アニエスベー(agnès b.)の2020年春夏ウィメンズコレクションが、2019年9月30日(月)、フランス・パリで発表された。メンズとの合同ショーである。女性の日常に寄り添う服今シーズンも、現代を生きる女性が洋服を身に纏う様々なシーンを想定し、ブランドが得意とするフレンチシックなスタイルを展開。ショー序盤には、ブラックをベースにオレンジを効かせたアクティブなスポーツウェアや、レザーのジレをレイヤードしたマスキュリンなジャケット&パンツのセットアップなどを提案した。終盤に姿を現したのはブランドのアイコニックなフレンチボーダーTシャツを取り入れたミリタリーなサファリルックや、身体のラインを美しく見せてくれるビビッドピンクのドレス。テイストは様々だが、女性の日常に寄り添ったデイリーウェアであること、アニエスベーらしいエスプリの効いたエレガントなピースであることが共通項だ。プリント&パターンで遊び心をアニエスベーを象徴するプリントシリーズからは、テーブル&チェアを置いた庭を切り取ったかのようなモノトーンのドレスや、鮮やかな街並みを映したロングスカート、波に揺られてきらきらと煌めく水面のトップスなどが登場。終盤に顔を出したウエディングドレス風のホワイトドレスには、18世紀に使われていた陶器の破片を散りばめている。洋服の上に乗るパターンも多種多様。地図を描いたスカーフのようなテキスタイルで仕立てたワンピースや、グラフィカルなキャミソールトップス、アフリカンプリントのトートバッグなどがランウェイを彩る。
2019年10月04日sacai(サカイ)の2020年春夏コレクションが、2019年9月30日(月)、フランス・パリで発表された。世界地図をモチーフに今シーズンのテーマは「One nation under a groove. 」。ジョージ・クリントン率いるファンクバンド「ファンカデリック」の楽曲だ。人々の調和や団結を訴えるこの楽曲に、洋服のさまざまな要素を組み合わせ調和させていくブランドの服作りの姿勢を重ね合わせた。「人類はよりよい未来へ向かっている」というメッセージを伝えるべく放たれたファーストルックは、鮮やかな世界地図をモチーフにしたドレス。透け感のある軽やかなテキスタイルが、モデルが歩みを進めるたびに空気を含んで揺れ動く。ドットやストライプもあったが、それらは比較的オーセンティックなパターンであり、この鮮やかでプレイフルな地図プリントが今季のシグネチャーと言えるだろう。エレガントでクリーンな印象アイテムは、sacaiらしい“ハイブリッドの美学”が投影されたものであるが、今シーズンはクリーンでエレガントなムードが漂っているように感じる。たとえばミリタリーなフライトジャケットには真っ白なファブリックを使用して、スリーブや背中に女性らしい丸みを帯びたシルエットが出るように仕立てている。上品な印象をもたらすレディライクなツイード素材のセットアップは、時には透け感のあるオーガンザをコンビネーションして、時にはたっぷりのフリンジをダイナミックにあしらって、ミックススタイルに。カラーはモノトーンで統一し、ややシャープな印象に仕上げている。また今シーズン一際目を惹いたのが、シフォンのブラウス、カーキパンツ、トレンチを1つのドレスに再構築したピース。一見するとそれぞれのアイテムをレイヤードしているルックにも見えるが、トップスとパンツの境目がつながっていたり、アウターのバックスタイルにパンツのヒップにあたるディテールがあしらわれていたりと、sacaiらしい感性が光る。地球儀風バッグや厚底サンダルバッグには、今季を象徴する世界地図をプリントした球体バッグが登場。その形状もあいまって地球儀を彷彿とさせる遊び心溢れるアイテムだ。シューズで目を惹いたのはボリューミーな厚底ソール。ロープのようなストラップを結んだものや、ベルトストラップを配したもの、ミニマルなショートブーツなどが足元を彩る。
2019年10月03日ヴァレンティノ(VALENTINO)の2020年春夏ウィメンズコレクションが、2019年9月29日(日)、フランス・パリで発表された。シェイプやボリュームにフォーカス今シーズン、クリエイティブ ディレクターのピエールパオロ・ピッチョーリが向き合ったのは、ヴァレンティノが誇るクチュールの技術を最大限に生かした洋服のシェイプとボリューム。このテーマをより一層引き立てるため、絵画をモノクロームで描く「グリザイユ」という画法にインスピレーションを得たアプローチを取った。洋服の形を際立たせる白そのことはショー序盤に続々と登場する純白のドレス群やシャツが証明している。色や柄、華美な装飾をあえて排除し“引き算”することによって、洋服のフォルムを浮き彫りにしたのだ。フリルを幾重にも重ねたりギャザーを寄せたりすることによってボリューミーなスリーブを生み出したドレスや、布をたっぷりと使ったパフスリーブのシャツドレスは、素材までもがコットンという普遍的なファブリックで統一されており、ヴァレンティノのクチュール技術が持つ表現の豊かさを推してくれる。ネオンカラーやエネルギッシュな植物&動物柄も純白の世界に変化が訪れるのは、ハッとするほど鮮やかなネオンカラーのミニドが現れてから。カラフルな色彩や煌めく装飾が徐々に顔を出し、エネルギッシュな花々や草木、野獣を描いた躍動感のあるパターンがドレスに落とし込まれた。それでもラストを飾るのは、やはり今季を象徴するホワイトのドレス群。ネオンカラーを効かせた力強い植物の刺繍のドレスや、チュールを複雑に手繰り寄せたドレスで今シーズンを締めくくった。
2019年10月03日エルメス(HERMÈS)の2020年春夏ウィメンズコレクションが、2019年9月28日(金)、フランス・パリで発表された。現代を生きる全ての女性のために今シーズン、エルメスが追い求めたのは現代の女性に相応しい「美」。特定の女性像を創り上げるのではなく、現代社会で自分らしく輝く女性たち全員に向けた、モダンでコンテンポラリーなコレクションだ。メインマテリアルはレザー最新コレクションで多用された素材は、メゾンを象徴するレザー。ヌバックのノースリーブトップスや、ラムスキンにパンチングを施したワイドパンツ、カーフのジャケットなど、メゾンが誇る職人技が施された多彩な素材を活かし表情豊かに仕上げている。新しく登場したのは、立体的なプリーツが美しいドレスなどに採用された「ヘリテージレザー」。“ヘリテージ”というネーミングが示す通り、重厚感のある表情を纏ったレザーは、使い込むほどに身体になじみ、経年変化を楽しむことができる。バックスタイルでフェミニティを薫らせてアイテムはジャケット&パンツのセットアップやサファリジャケットなど、メンズのテーラーリングやワークウェアに着想を得たものが多い。タフな印象のレザーを用いたマスキュリンなシルエットがベースにありながら、フェミニティ香るスタイルを完成させる鍵になっているのがバックスタイルだ。たとえばノースリーブのトップスは、ストラップをバックでクロスさせるようにして肌を露にしている。背中の生地を大胆にカッティングし、素肌を覗かせているトップスもあった。フロントはマニッシュかつシックな印象であるが、バックスタイルでセンシュアルな女性らしさを演出している。また素材についても、レザーの他にオーガンザを投入し、軽やかなムードをプラスしていた。トーンオントーンのスタイリングカラーは上品なニュートラルカラーをベースに、アフリカの樹木からインスピレーションを得たブビンガピンクやニュアンスのあるグリーンなど。ルックの中でモスグリーンと深みのあるダークグリーンを組み合わせるなどトーンオントーンのスタイリングが目を惹いた。エフォートレスなサンダルやバッグ足元には一貫してフラットなストラップサンダルを合わせてエフォートレスな印象に。バッグはエルメスのシグネチャーであるスカーフ「カレ」をレザーパーツを使って結びホーボーバッグ風に仕上げたものや、キャンバスとレザーを組み合わせたミニボストン、H型の留め具が特徴の構築的なハンドバッグなどが登場した。
2019年10月03日イーチ アザー(EACH OTHER) 2020年春夏コレクションが、2019年9月29日(日)、フランス・パリで発表された。躍動感のあるドローイング今シーズン、まず目に飛び込んでくるのは躍動感のあるドローイングやカラフルなパターン。ショー序盤は、ホワイトのロングシャツをキャンバスに黒い線を走らせ、オレンジ色のペイントを施したもの、ブラックシャツの前身ごろにホワイトのイラストを描いたものなどが姿を現す。ドローイングがのるアイテムは、一枚の布を身体に巻き付けているかのようなワンショルダードレスや、軽やかに空気を含むアウターがメイン。風を受けて優雅になびくエレガントなピースに、大胆なグラフィックをあしらうことで、意外性のある表情を引き出している。カラフルなパターン続いて現れるカラフルなパターンも存在感を放っており、イエロー、オレンジ、グリーンといった色彩を無数に散りばめたブラトップやボトムスが、コレクションをエネルギッシュなムードで満たしていく。ロゴや柄をあしらったスカーフを結ぶようにして形作ったバッグも、今シーズンを象徴するアイテムとして、ランウェイに度々顔を出した。ベーシックなテーラリングをアレンジアイテムそのものに目を向けると、ダブルブレストのジャケットや、トレンチコート、シャツなど、ベーシックなテーラリングが主流。ただしジャケットのショルダー部分を外して肩を露にする仕掛けを施したり、レザーでシャツを仕立てたりと、ディテールやマテリアルでひねりを加えている。
2019年10月03日