サポートサーフェス(support surface)の2020年春夏コレクションが、2019年9月10日(火)に発表された。ブレることの無い“軸”のある服作りショーの舞台となったのは、東京国立博物館 表慶館。デザイナー研壁宣男が切望したというこの歴史ある建造物での開催は、2019年春夏コレクションに次ぐ、2度目となる。今シーズンのキーワードになったのは「Vanishing point」。直訳すると“消点”という意味を持つこの言葉は、一方で、デザインの“起点”のような意味も持つのではないか。研壁はそんな思いを巡らせながら、デザインの“起点”となるようなブレることのない軸を意識して、シルエット作りに取り組んだ。構築的でありながら柔らかなニュアンスを持つシルエット研壁が生み出すデザインの軸となっているのは、構築的なディテールを備えつつも、人が動いた時に柔らかなニュアンスを孕むように設計したシルエット。洋服を纏った女性の動作によって生まれる布の動きを想定し、フォルムを作り込んでいる。たとえば、ノーカラーのシャツドレスは、一枚の布を身体に覆い被せたかのようなビッグシルエットでありながら、サイドに丸みを帯びた深いスリットを入れることで、裾が軽やかに揺れ動くように仕立てている。ドット柄のパンチングを施したアシンメトリーなブラウスは、細やかなプリーツが腕の動きによって異なる表情を生み出し、エレガントなムードを放つように設計した。透け感のあるテキスタイル透け感のあるテキスタイルを起用しているのも今シーズンのポイント。歩くたびに空気をふわりと含むキュプラのシャツドレスや、格子柄のパフスリーブブラウス、バックスタイルにレース生地を配したジャケットから、素肌を覗かせることにより、フェミニティ薫るスタイルに仕上げている。研壁があまり使用することのない新鮮なボーダー柄トップスにも、シースルーのファブリックを織り交ぜた。多彩なパターンや鮮やかなカラーコレクションにリズムを生むのは、多彩なパターンや鮮やかなカラー。千鳥格子のハイウエストスカートや煌めきを纏ったマルチストライプのパンツ、カラフルな花柄のシャツドレスなどが、ランウェイに華を添える。レッド、ブルー、ピンクなど様々なカラーのフリンジを組み合わせたノースリーブワンピースも、存在感を放っていた。遊び心溢れる小物遣いコーディネートにアクセントを加える小物使いにも注目。スタイリッシュなパンツスタイルにも、上品なスカートスタイルにも、足元には一貫してスニーカーを合わせて、アクティブなムードを演出している。ブラウン、モノトーンといったベーシックカラーのパンツやワンピースには、クリア素材のベルトを取り入て、遊び心溢れるスタイリングに仕上げた。
2019年09月13日アキコアオキ(AKIKOAOKI)が2020年春夏コレクションを8月30日、プレゼンテーション形式にて発表した。ギリシャ語で「ひとつ」を意味する「monos」をタイトルとしたコレクションのテーマは、“ユニフォームと⺠族衣装”。
2019年09月09日景色がマジ、ヤバイ沖縄県第2の都市である沖縄市周辺で行われる「第28回2020おきなわマラソン」のエントリー受付が始まっています。公認コースのフルマラソンの他に10kmの部があり、伴走者を伴う視覚障がいを持つ人も参加ができる大会です。開催日は、2020年2月16日(日)。沖縄の青い海がひろがり、景色がこの上なく綺麗なのでついつい脇見をしてしまう、そんな贅沢な体験ができる大会です。前半の走りがカギを握るコースは、おきなわマラソン会場である沖縄県総合運動公園をスタート。フィニッシュも同様になります。世界遺産の勝連城跡を横目に見て、米軍基地内を走ることができることができ、沿道の声援や充実したエイドもあります。アップダウンが続く難コースで、後半には厳しい上り坂が待ち構えています。前半の走り方が重要になります。制限時間は、6時間15分、走りやすいコースではありませんが人気の大会です。(画像は公式サイトより)【参考】※おきなわマラソン公式サイト
2019年09月07日エズミ(EZUMi)の2020年春夏コレクションが、2019年9月3日(火)に発表された。タイトルは「Untitled:0339」。サンティアゴ・カラトラバの建築から着想デザイナー・江角泰俊がJALの新制服を手掛けたことでも話題を集めているエズミ(EZUMi)が、2年ぶりにファッションショーを開催。今シーズン、インスピレーションの源となったのは、サンティアゴ・カラトラバが手掛ける建築や彫刻作品だ。彼は人体構造、骨、鳥の翼など自然界の理にかなった構造形状から発想した建築作品でその名を馳せるスペインの建築家・構造家である。ベルトやドローコードを多用デザイナーの江角は、サンティアゴ・カラトラバの建築や彫刻作品における構造表現や、力のつり合いからインスパイアされた構造やディテールを、コレクションピースに落とし込んだ。具体的にはベルトやドローコードなど布をつる力を持つディテールを洋服に取り入れることで、独自のシルエットを生み出している。たとえば、コントラストを効かせたバイカラーのブラウスにはドローコードを組み込むことで、ウエストとスリーブをぐっと絞った。江角が得意とする美しいプリーツを取り入れたワンピースも、胸元にベルトをぐるりと巻き付けることで新鮮な表情を加えている。グラフィカルなチェック柄また、サンティアゴ・カラトラバの作品が持つ形態の反復による強いビジュアルは、グラフィカルなチェック柄で表現。3種類のチェックを組み合わせ、トレンチコートやドレープスカートなど多彩なアイテムに取り入れることで、コレクションをリズミカルに仕上げている。チェック柄を構成する鮮やかなカラーは、アートディレクターの多田明日香が手掛ける、人間の骨格を押し花で表現したアート作品にもインスパイアされたもの。マジェンダ、イエロー、グリーンなど豊かな色彩を織り交ぜている。
2019年09月06日アキコアオキ(AKIKOAOKI)の2020年春夏コレクションが、2019年8月30日(金)に発表された。現代のユニフォーム×東洋の民族衣装今シーズン、デザイナーの青木明子が取り組んだのは、以前から服作りのベースとしていた“ユニフォーム”に、東洋の民族衣装の要素を加えるというアプローチ。現代社会を生きる人々ならば誰でもそのシルエットが思い浮かぶテーラードジャケットやYシャツといった“ユニフォーム”を、それとはかけ離れた存在である東洋の民族衣装と掛け合わせることにより再構築した。一枚の布から生み出されるシルエットを意識コレクションのベースとなったのは、グレンチェックのテーラードジャケットや、ピンストライプのシャツなどマスキュリンな“ユニフォーム”たち。そこに、東洋の民族衣装から着想を得て、一枚の正方形の布から生み出されるドレープやボリューム感を意識したディテールを落とし込み、フェミニンなピースに仕上げている。例えばブラックのシャツは、歩くたびに空気を含み、裾が美しく揺れ動くドレスに姿を変えている。グレンチェックのテーラードジャケットも、ボリューミーなドレープを取り入れたオールインワンに再構築された。青木が今まで意識してきた西洋の構築的な服作りから脱却し、一枚の布を身体に巻き付けて服を創り出すような東洋的なアプローチを試みたという。男性的な“ユニフォーム”にフェミニティをプラスまた、下半身に布をたっぷりと使いつつも、胸元やサイド、バックスタイルを大きく開けて肌を露出させることで、フェミニティをプラス。ウエストにリボンやテープを結んだり、コルセット風のベルトを配したりと、青木が得意とするディテールを取り入れることで、男性的な“ユニフォーム”を女性的なシルエットへと昇華する手法も見て取れた。フューチャーリスティックな演出披露の舞台となったのは、宇宙を意識したフューチャーリスティックな空間。強いライトが差し込む真っ白なフロアに、鏡面を配した柱状のモニュメントが立ち並んでいた。またRMK(アールエムケー)とのコラボレーションによるメイクアップも、ブルーのアイシャドウやホワイトのアイラインを駆使した未来的な仕上がり。フューチャーリスティックな演出で、民族衣装をコンセプトとしたコレクションピースを引き立たせた。
2019年09月02日東京2020オリンピック・パラリンピック公式ライセンス商品の《東京2020エンブレムバナナカスタードケーキ》が2019年夏に販売開始されました。米粉仕立てのもっちりとしたケーキで、ほどよい甘さのバナナカスタードを包んだお菓子なんです♪来年の開催に向けて、ひと足先に気分を盛り上げてみませんか?特別感のある東京2020大会エンブレムがデザインされたパッケージ♪左:8個入り1,050円(税別)右:4個入り530円(税別)いよいよ来年に迫った東京2020オリンピック・パラリンピック。せっかくだから、今から気分を盛り上げていきたいですよね!《東京2020エンブレムバナナカスタードケーキ》はエンブレムの入った公式ライセンス商品で、手に取るだけでもなんだかワクワクしてきます。もちろん実際に東京2020大会が開催されたときには、特別感のあるお土産として想い出を持ち帰るのにもぴったりですよ♪バリエーションは画像の8個入り、4個入りの他に12個入り(1,550円/税別)もあるので、お好みに合わせて選びましょう。個包装でシェアにもおすすめ!中身はすべて個包装になっているので、手軽に食べられますよ。職場や友人への差し入れやシェアとしても◎。一つひとつに「TOKYO2020OFFICIALLICENSEDPRODUCT」の文字が入っているのもポイントです。おうちでのティータイムや観覧のおともにティータイムはもちろん、オフィスでの軽い休憩や、おうちでTVを見ながらパクっとつまむのもいいですね。口当たりはしっとり、中のカスタードクリームがなめらかです。バナナのやさしい風味とほどよい甘さに、なんだかほっとして疲れも癒やされそう♪主な販売店舗●HANAGATAYA(JR東京駅1F)●1stTreeby東京ばな奈(東京スカイツリータウン・東京ソラマチ1Fイーストヤード11番地ソラマチ商店街)●特選洋菓子館(羽田空港国内線第1旅客ターミナル2Fマーケットプレイス17)●TIATセントラル(羽田空港国際線旅客ターミナルゲート内)●Edo食賓館(時代館)(羽田空港国際線旅客ターミナル4F江戸小路)●Fa-So-LaTAXFREE(成田国際空港第2旅客ターミナル3Fナリタ5番街)●Fa-So-LaTAXFREE(成田国際空港第1ターミナル南ウイング3Fnakamise)●萬(関西国際空港第1ターミナルビル3F国内線ゲート内)※2019年7月10日(水)時点。東京土産は《東京2020エンブレムバナナカスタードケーキ》で決まり!東京2020公式ライセンス商品の、《東京2020エンブレムバナナカスタードケーキ》をご紹介しました。こうしてエンブレムの入った商品を見ると、来年の開催に向けて気分も上がりますよね♪個包装で手軽に食べられて、差し入れやシェアはもちろん自分用のお菓子としてもぴったりなので、ぜひチェックしてみてください。
2019年08月27日エンジニアド ガーメンツ(ENGINEERED GARMENTS)は、2020年春夏ウィメンズ&メンズコレクションを発表した。“フランス”から着想今シーズンのテーマは“フランス”。フランスならではの多民族性や、フランスの作家・ジャズトランペット奏者のボリス・ヴィアンから着想を得たコレクションを展開する。軽快でアヴァンギャルドな雰囲気の漂うプリントTシャツや、様々なファブリックを使ったウェアからは、多様な主張を受容するフランスの空気を読み取ることができる。ジャカードやプリントなど多彩なファブリック注目したいのは、トロピカルなハワイアン柄のファブリックや、一見パッチワークのように見える、様々な柄を組み合わせたプリント、カラフルなマドラスチェック、小花柄など、多様性を表現するかのように多彩なテキスタイル。アクティブなベージュのブルゾン、カーゴパンツには、ホワイトのシャツ、エスニックジャカードのベストを組み合わせて、着こなしにアクセントをプラスする。淡いピンクやライトブルーのストライプのジャカード生地は、凹凸のあるソフトな質感が特徴的。ポンチョとワンピースを組み合わせることで、軽快で開放的な着こなしに。目の異なるチェックを組み合わせたマドラスチェックのワンピースには、同柄のジレを重ねることで流れるようなドレープが加わり、より遊びのあるシルエットを作り出す。ツイードジャケットやボーダーカットソーなど加えて象徴的なのは、ツイードで仕立てたノーカラージャケットだ。一見するとシックなオーラを放つものの、中に着た活動的なジャケットや、ラフなワンピースと組み合わせることで、カジュアルな雰囲気に溶け込んでいく。身頃には、紋章を思わせるゴールドのブローチを複数飾り、華やかに仕上げた。また、フレンチシックを彷彿させるボーダーのフーディーやカットソー、パンツなども展開する。フラワー刺繍デニムのオールインワンやジャケットカラフルなフラワーモチーフの刺繍を配したインディゴデニムは、ジャケットやベスト、パンツ、オールインワンに用いられている。柔らかな肌触りと表情豊かなシワ感に、花の色彩が映え、春夏らしい穏やかな空気感を作り出す。オールインワンには、細かいドットの半袖パーカー、ボーダーカットソーを組み合わせることで、爽やかな雰囲気を演出する。バブアー、キーンとコラボまた、バブアー(Barbour)とコラボレーションしたアノラックパーカーやショートジャケット、コートは、洗いにかけた、独特の風合いが印象的。キーン(KEEN)とコラボレーションしたサンダルも登場する。
2019年08月20日2020年初春、全く新しい『ラ・トラヴィアータ』(椿姫)が、白河、金沢、東京の3都市で幕を開ける。【チケット情報はこちら】指揮を務めるのはスウェーデン・ヨーテボリ国立歌劇場 音楽監督でオペラ指揮のスペシャリスト、ヘンリク・シェーファー。演出を手掛けるのは海外での評価も高い“速度のある” クリエイター集団、ニブロールを主宰する矢内原美邦。ヴィオレッタには世界中の歌劇場でこれまで数々の名演を残しているエヴァ・メイが登場する。指揮のヘンリク・シェーファーは、「今回、日本で初めてオペラを指揮します!キャスト及びオーケストラの 皆さんとのリハーサルを心待ちにしています。ヴィオレッタ役のエヴァ・ メイさんは持ち前のテクニックを発揮し、役どころを魅力的に歌い上げると同時に、か弱さも表現してくれるでしょう。エネルギッシュで説得力の ある声の持ち主である宮里直樹さんとご一緒できるのはとても嬉しく、ジェルモン役の三浦克次さんはベストな声域で素晴らしいアリアを歌ってくれますし、このオペラに出てくるすべてのキャラクターの持つそれぞれ の性格の奥深さを充分に楽しんでいただけるでしょう。聴衆の皆さんとお会いできるのが楽しみです」 とコメント。演出の矢内原美邦は「この作品がいまもなお語り継がれる理由は音楽的な素晴らしさはもちろんのことですが、やはりいつの時代にも通ずる社会的な問題を孕んでいるからだと思います。 ヴィオレッタという私とは生まれも育ちもその境遇もなにもかも違う女性の生について、その死についてどう描くことができるのだろうかと、現代日本社会に生きる私は考えます。 その時代をひとりの女性として、ひとりの人間として、その人生を全うしようとした彼女の生き様をしっかりと見つめ直したいと思います」とコメントした。そして、ヴィオレッタ役のエヴァ・メイからもコメントが寄せられている。「このたび、私に幸運と成功を授け、深い縁も感じている作品に出演するため、再び日本に参りますことを大変嬉しく思っております。 ヴィオレッタは、聴衆に愛され、また私たち表現者側からも愛されている役のひとつです。 劇場にいらしてくださる皆様、このまたとない機会に、ヴェルディの音楽とヴィオレッタ・ヴァレリーの物語を楽しんでいただけたら幸いです」公演は2020年2月9日(日)福島・白河文化交流館コミネス大ホール、2月16日(日)石川・金沢歌劇座、2月22日(土)東京・東京芸術劇場にて行われる。
2019年08月20日ジョン ローレンス サリバン(JOHN LAWRENCE SULLIVAN)は、2020年春夏ウィメンズ&メンズコレクションを発表した。インダストリアル&エレクトロパンクの精神を表現「Deeper Than Night」と題した今季は、インダストリアルミュージックとエレクトロパンクの精神を表現。ノイジーな電子音楽とともに、“インダストリアル”から連想される工業的なイメージも投影し、ダークでゴスな世界観を繰り広げる。金属的な表現象徴的なのは、金属を用いたハードなデザインだ。パワーショルダーのクラシカルなコートやバイカージャケットの背中や裾、袖にはシルバージップがあしらわれ、自在に開閉する事ができる。つなぎ目を残した武骨で大ぶりなチェーンのネックレスやベルトチェーンは、スタイリングのアクセントとして用いられている。ヨシコ クリエーション(YOSHiKO CREATiON)とコラボレーションした、指を象ったリングも大胆でアイキャッチなアクセサリーだ。また、フロッキー加工やアルミの粉によって、光とともにグラデーションを描くパンツやTシャツも、無機質な表情。布地にダイレクトに人工的かつ金属的な装飾をあしらうことで、異なる物質同士を同化させた、ノイジーなムードを漂わせた。ノイジーな表情の布地ヴィンテージライクなシワ感のレザーで仕立てたセットアップや、所々褪せたような質感のデニムジャケット、風合いのある不均一な光沢感のブラックレザーコートなど、素材の表情から読み取れる退廃的な空気感も印象的だ。カットソーやシャツにあしらわれたグラフィックプリントは、デザイナー・柳川荒士の友人でもあるフォトグラファー・コリー・ブラウン(Coley Brown)が手がけたもの。陰影の中に浮かぶ木々や、枯れた花は、絵画的な美しさを見せながらも、儚い存在として写し出されている。変形可能なパターンメイキング前述したシルバージップ付きアウターも含め、変形可能なパターンで仕立てたジャケットやニット、スウェットなどが散見された。デニムジャケットやメッシュのカットソーは、袖を後ろに垂らすようにして着用し、カーキのテーラードジャケットは、バックに配したボタンを外して背中を開け、インナーを見せるようにしてスタイリング。既存の袖とは異なる部分から腕を通したトレンチコートは、パワーショルダーの造形がより際立っている。尚、前シーズンに引き続き、ランウェイショーではダークなエレクトロバンド・ダイスピープル(Dicepeople)がライブパフォーマンスを行った。
2019年08月17日この数シーズン、メンズのコレクションサーキットのなかで、ミラノの存在はウィークポイントになりつつある。ショーを行うブランドの足並みがそろわないことで、バイヤー、プレスがミラノをスキップし、パリから入るスケジュールに変更するケースが増えているためだ。ファッションジャーナリストの野田達哉が今のメンズファッション、そして次の10年の流れを探る。2020年春夏メンズコレクション総括レポートvol.3は、ミラノ編。グッチ2020年クルーズコレクションCourtesy of Gucci shot by Dan Leccaその兆候は2017年1月、グッチ(GUCCI)がメンズのショーを2月のウィメンズでのコーエドショーにシフトした頃からだろうか。それまでミラノメンズでショーを発表していたヴィヴィアン・ウエストウッド(Vivienne Westwood)、モスキーノ(MOSCHINO)、モンクレール ガム・ブルー(MONCLER GAMME BLEU)、ディーゼル ブラック ゴールド(DIESEL BLACK GOLD)、エトロ(ETRO)、ヌメロ ヴェントゥーノ(N°21)、などが次々にショーを休止。ジル・サンダーのようにパリへ発表の場を移すブランドもあり、今シーズンはプラダまでもが上海だけでのショー開催となった。そのプラダ(PRADA)もグッチ(クルーズコレクション)もプレス向けの展示会は、期間中ミラノで開催しているものの、ショーでのプレゼンテーションとは別物だ。ベッドフォード2020年春夏コレクションロンドンの80年代をカットバックさせる山岸慎平がデザインする日本のベッドフォード(BED j.w. FORD)やM1992、マリアーノ(MAGLIANO)、スンネイ(SUNNEI)、ユーザー(YOUSER)、ユナイテッドスタンダード(UNITED STANDARD)など若手ブランドも、ミラノのファッションウィーク期間中にショーを行っているものの、単独で海外の新規バイヤーを獲得するには難しい状況だ。MSGMも今シーズンはピッティ・ウオモでの開催となり、有名ブランドのショーの減少がミラノメンズ自体の動員力を下げている感は否めない。そのミラノメンズは今年も恒例となったエルメネジルド ゼニア(Ermenegildo Zegna)からスタートした。ピッティ・ウオモ最終日の夜に、それまでの日程を1日前倒しにしてミラノ・ファッションウィーク初日の前夜祭としてエルメネジルド ゼニア クチュールがコレクションを発表するスタイルになったのは2017年1月からだ。アーティスティック ディレクターにアレッサンドロ・サルトリ(Alessandro Sartori)が復帰してから、その会場と演出はゲストを毎回驚かせている。アンゼルム・キーファー(Anselm Kiefer)の巨大な作品が使用された2017-18年秋冬に始まり、2018年春夏はミラノ大学の中庭をタンジェリンカラーに染め、2018-19年秋冬はルイージ・ボッコーニ商業大学の床一面を雪に、昨年6月の2019年春夏はオスカー・ニーマイヤー(Oscar Niemeyer)の建築であるモンダドーリ本社、今年1月はミラノ中央駅を封鎖して開催した。そして今シーズンはミラノ郊外の金網で囲まれた広大な荒れ地。指定された場所までタクシーで到着するとそこからランウェイ会場までクルマに乗って案内される。産業遺産らしき錆びた鉄の巨大な構造物の残る都会の荒れ地は不気味で、周りに積み上げられたコンクリート片の間から煙が噴き上がる仕掛けまで演出されている。ゲストは直前に降った雨と、煙の臭いもあって一様に困惑顔だ。エルメネジルド ゼニアのショー会場Photo by Tatsuya Noda © FASHION HEADLINEエルメネジルド ゼニア2020年春夏コレクションPhoto by Tatsuya Noda © FASHION HEADLINEこの場所を選んだ理由をサルトリは「ゼロから新しいモノを作り出す必要はなく、廃棄されたものから新しいものを作る技術や創造性が必要」だと説明している。つまり緑地化、居住化が計画されているこの荒地が、既存のモノから新しい生地を作る取り組みを続けているゼニアのテーラーリングの新しい解釈を象徴しているというコンセプトだ。それは「#UseTheExisting」のキーワードで発信された。先シーズンのテーマであったサスティナブルから続く、「責任感を持って生きることは現代を生きる上で重要な責務」という彼のコメントは、2020年代に向けての欧州の巨大ファッション企業グループに共通するステートメントだ。ランウェイショーはYouTubeを通じて即時、世界中に公開され、その舞台美術までを半年というタームで考えるという映画監督のような作業までを、ビッグブランドのクリエイティブディレクターは求められつつある。そのマルチな役割をファッションデザインというプロダクトと考えるという仕事において、サルトリはイタリアの“サルトリアル”を理解するデザイナーとして重要な役割を担っている。その今シーズンのゼニアのコレクションは、インダストリアルの無機質なカラーを打ち出しつつ、サマーブルゾン、ニットなどオールラウンダーなアイテムをそろえ、幅広い世代に向けたスポーティなテーラーリングを展開した。ボックス型のブルゾンやオーバーサイズコートなどとともに、細身のパンツなどを展開し、マイクロポシェットなど新しい挑戦も忘れていない、ピッティ・ウオモ 96で行われたジー ゼニア2020年春夏コレクションショー© indigitalitalia.comピッティ・ウオモ 96でのジーゼニア2020年春夏コレクションプレゼンテーションPhoto by Tatsuya Noda © FASHION HEADLINE今シーズンのミラノで数多くのブランドが砂漠のテーマが目立った。コレクション自体もアーシーなサンドカラー。ノマド風なテイストだ。地球環境に警告するとともに、その未来を再び考えるということが背景にあるようだが、20年代に向けてのアフリカ、中東、中央アジアなどの新興マーケットが透けて見えなくもない。ゼニアもピッティ・ウオモにおいてジー ゼニア(Z ZEGNA)で砂漠をテーマにコレクションを発表。メンブレンに代表される超軽量素材やテックメリノのウオッシュ・アンド・ゴーなど注目素材とともに光沢のある玉虫素材などを強調。エルメネジルド ゼニア クチュールのアーストーンとカラーのラインアップは共通しており、2020年代がハイブリッドな素材開発とともにアーシー、ナチュラルなトーンは一つのマーケットとして定着する傾向を感じさせる。メンズファッション、次の10年の流れを探るvol.2へ戻るText by Tatsuya Noda
2019年08月10日デザイナー山岸慎平によるメンズブランド、ベッドフォード(BED j.w. FORD)がミラノで2020年春夏コレクションを発表。
2019年08月08日エルメネジルド ゼニア クチュール(Ermenegildo Zegna)の2020年春夏コレクションがミラノで発表された。
2019年08月07日ホワイトマウンテニアリング(White Mountaineering) 2020年春夏ウィンズコレクションが発表された。“COINCIDENCE”をテーマに今季デザイナーの相澤陽介は、レイルランニングやスカイダイビングといった、エクストリームスポーツに着想を得た。それらのスポーツで使用される“身体を守る”ためのコードが、パンクファッションやアンチテーゼの表現と重複して見えたことから、メンズ同様“COINCIDENCE”=「偶然の一致」をテーマに、様々な事象を重ね合わせたワードローブを展開していく。洋服から垂れる複数のコードノイジーな柄の目立つメンズとは一変、今季のウィメンズウェアは余分なモノを排除したミニマルな表情が印象的。ホワイト、ベージュ、ネイビーなどベーシックなカラーパレットを基軸に、モノトーンや同系色で揃えたスタイリングが目立つ。そんな着こなしのアクセントとなっているのが、今季デザイナーが目を付けた“コード”。洋服の裾やサイドからヒラリと揺れるそれらのコードは、シンプルな洋服に躍動感をもたらし、アクティブな印象を添えてくれる。異素材のドッキングがもたらすものまた単調なパレットの中でも、女性らしさをさり気なく表現しているのが、素材のドッキングである。本来ラフなスウェット生地のホワイトのチュニックには、艶めくシャツ地のパフスリーブを組み合わせて、フェミニンなムードをプラス。またリネン100%のツイル生地で仕立てたブラックのマニッシュなワイドパンツには、なめらかなドレープを描くレーヨンをサイドに差し込んだことで、ミニマルなスタイリングでもエレガントに着こなすことができる。洋服に潜むミリタリーテイスト時にはミリタリーなムードも香らせて。ブラウンのスウェットシャツは、後部のアームのみギャザーを施して、MA-1のような独特なデザインを表現。また光沢感のあるプリーツと組み合わせたラップスカートや、ヨーク部分と袖のレイヤードで構築的なシルエットに仕上げたジャケットは、ミリタリーライクなカーキ色が多用されている。アイキャッチな花柄コレクションの中でひと際存在感を放っていたアロハ調の花柄のテキスタイルは、メンズコレクションでも展開されていたもの。ロング丈のティアードスカートには、オリジナルのボタニカル生地を組み合わせて、アイキャッチな一着に仕上げていた。
2019年08月06日ヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)による、ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)の2020年春夏プレメンズコレクションルックが公開。Photographer: Nick Sethiまた、2019年秋に発表した定番ライン「ステープルズ エディション バイ ルイ・ヴィトン」の新作も、2020年春夏プレコレクションの一部として登場。
2019年07月25日ファッションジャーナリストの野田達哉が今のメンズファッション、そして次の10年の流れを探る。2020年春夏メンズコレクション総括レポートvol.2は、ピッティ・ウオモ編。Credits to: AKAstudio - collectiveヘリテージとテクノロジーの融合を披露したジバンシィ毎シーズン、ロンドンとミラノの間に開催されるピッティ・ウオモ(PITTI IMMGINE UOMO)は第96回目の開催となり、6月12日から16日までの4日間、フィレンツェのフォルテッツァ・ダ・バッソで開催された。インターナショナル・トレード・フェア自体が世界的に難しい状況を迎える中での開催。欧州全体を覆う消費不振、ドイツ、中国などが経済政策にブレーキをかけたことによる減速傾向は誰しもが予測することだ。実際に日本をはじめとしたドイツ、アメリカ、英国、スペイン、また地元イタリアからのバイヤーの来場者は数パーセント減少した。その逆風のなかで大手バイヤーとプレスを同展に向かわせたのはスペシャルイベントの内容が大きい。今回はジバンシィ(GIVENCHY)が初めて単独のランウェイ形式で発表するメンズのファッションショーがその大きな役割を担った。会場となったフィレンツェの丘の上、ヴィラ・パルミエーリの広大な庭園で日没を待って行われるショー、その後のカクテルパーティーはファッションピープルたちをフィレンツェに向かわせる大きな目的として十分だ。そのジバンシィのメンズは、ピッティ・ウオモに出展するイタリアンクラシコのブランドと共通した次の10年に向けたアプローチを見せた。韓国の繊維メーカーによる超軽量ナイロンのボンディング加工によるアノラックや風をはらむゴシック調のカリグラフィーがプリントされたパーカー、オニツカタイガー(Onitsuka Tiger)とのコラボスニーカーなど、テクノロジーに裏付けされた技術とブランドのヘリテージを提案するにはピッティ・ウオモというステージ以外はないというのは、高級メンズウエアに携わる関係者の共通した思いだろう。ジバンシィ2020年春夏メンズコレクションCredits to: Givenchyジバンシィ2020年春夏メンズコレクションCredits to: Givenchyジバンシィ2020年春夏メンズコレクションCredits to: Givenchy次のミラノを担うMSGMとマルコ・デ・ヴィツェンツォ地元イタリアのデザイナーではエムエスジーエム(MSGM)がピッティ・ウオモでは2回目となる凱旋ショー、マルコ・デ・ヴィチェンツォ(Marco de Vincenzo)が初のメンズコレクションを発表した。MSGMは体育館にデジタルサイネージのプールを作り、最新のメンズのマーケットトレンドを絶妙にサンプリングしたバイヤー評価の高いコレクション。MSGM 2020年春夏メンズコレクションCredits to: Giovanni GiannoniMSGM 2020年春夏メンズコレクションCredits to: Giovanni GiannoniMSGM 2020年春夏メンズコレクションCredits to: Vanni Bassetti元フェンディのアクセサリーのデザイナーだったマルコ・デ・ヴィチェンツォは既にミラノで高い評価を得ているウィメンズとのジョイントショー。美しいカッティングのテクニックにより独自の世界を見せた。超ハイウエストのリジッドデニムパンツ、ピンクのワイドパンツにトランスペアレントな同色シャツとシューズ、やわらかな素材使いなど、ストリートとは一線を画したイタリアのデザイナーらしいコレクションを提案した。マルコ・デ・ヴィツェンツォ2020年春夏コレクションCredits to: Giovanni Giannoniマルコ・デ・ヴィツェンツォ2020年春夏コレクションCredits to: Giovanni Giannoniさらにピッティ宮殿ではオリビエ・サイヤール監修により、ピッティ・ウオモの過去30年にわたる歴史を振り返る展示「A SHORT NOVEL ON MEN’S FASHION」を行い、ヨウジヤマモト、アンダーカバー、ホワイトマウンテニアリング、ヴィズヴィム、サルバムなどこのフィレンツェでショーを行ったブランドのコレクションが9月26日まで展示されている。A SHORT NOVEL ON MEN’S FASHIONの展示から© ADMIN Web展示されているアンダーカバーの2018-19年秋冬コレクションEC展開するスターリング・ルビーの新ブランドに見る現代アートの“価値”また、ラフ・シモンズがコラボしたことによりモードシーンで知られるようになったLAを拠点とする現代美術作家のスターリング・ルビー(Sterling Ruby)も、今回ピッティ・ウオモのゲストデザイナーとしてフィレンツェ郊外のヴィラで新ブランド「S.R. STUDIO. LA. CA.」を発表。会場にはオフ-ホワイトのヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)も姿を見せた。S.R. STUDIO. LA. CA. 2020年春夏コレクションCredits to: Vanni BassettiS.R. STUDIO. LA. CA.のショーに来場したヴァージル・アブローCredits to: Vanni Bassettiアートとファッションブランドのコラボは今では決して珍しくないが、作家自身がファッションブランドを立ち上げるというのは、まだまだレアケースだ。ピッティ・ウオモでは今年1月に中国系アメリカ人の起業家兼現代アーティストとして知られるジョン・クーン(JOHN KOON)がクリエイティブディレクターを務め、NYのストリート・グラフィティアーティストのハリフ・グズマン(Harif Guzman)を起用したアパレルブランド「ハキュラ」のショーを行ったが、それに続いてのゲストアーティストとなった。S.R. STUDIO. LA. CA. 2020年春夏コレクションCredits to: Giovanni GiannoniS.R. STUDIO. LA. CA. 2020年春夏コレクションCredits to: Giovanni GiannoniS.R. STUDIO. LA. CA. 2020年春夏コレクションCredits to: Giovanni Giannoniその「S.R. STUDIO. LA. CA.」のコレクションはさまざまな加工を施したデニムが中心。ブリーチ、オーバーダイ、熱転写プリント、ハンドペインティングにローゲージの手編みセーターなどアメリカのワークウエアをベースにしたアイテムをデフォルメし、オーバーサイズで再構築するというDIY的なストリート手法。ショー終了後、各国のECですぐに販売がスタートした。このシー・ナウ・バイ・ナウのスタイルは今後インディペンデントなブランドにとっての定石となるだろうが、ECバイヤーとリアル店舗のバイヤーたちの共存がトレードショーにどう影響を与えるのかは、このブランドがケーススタディになるのかもしれない。中国で暴動騒ぎになったユニクロとコラボしたKAWSは、日本ではよく知られたクリエイターのため“今更”という思いも強いのがファッション関係者の共通する思いだろうが、グラフィティーに代表されるストリートのアートカルチャーは、ハイブランドにとってまだまだ宝の山の存在だ。今シーズン、ディオールが大々的にコラボに起用したダニエル・アーシャムなど、現代美術市場に籍を置くアーティストを起用してのマーケティングは、これまでのモデルやセレブに変わる2020年代のファッションビジネスのベースとなる可能性をはらんでいる。それは「下がらない価値」がキーポイントだろう。トリはレニー・クラヴィッツ、地元ブティック90周年のファッションスペクタクル1年前のレポートで「フェス化するピッティ・ウオモ」という記事を書いたが、今回のピッティ・ウオモの公式イベントのトリとして最も大規模に行われたのが地元セレクトショップ、ルイザ・ヴィア・ローマ(LUISA VIA ROMA)の90周年イベントだ。ミケランジェロ広場に特設で設けられた会場には、一般にもチケットが販売され約3,500人が集まった。カール・ラガーフェルドからスタートしたショーはジョルジオ アルマーニ、グッチ、ディオール、フェンディ、ヴァレンティノ、トム ブラウン、バーバリー、マーク ジェイコブス、トム フォード、ヴェトモンなど約50ブランド、90ルックスが登場し、近年にないゴージャスさ。ジジ・ハディッド(Gigi Hadid)、ベラ・ハディッド(Bella Hadid)、エヴァ・ハーツィゴヴァ(Eva Herzigova)、マリアカルラ・ボスコーノ(Mariacarla Boscono)、イリーナ・シェイク(Irina Shayk)といったトップモデルたちがそろうフィナーレは圧巻。スタイリングはカリーヌ・ロワトフェルド(Carine Roitfeld)が手掛けた。ベラ・ハディッドイリーナ・シェイクジジ・ハディッドマリアカルラ・ボスコーノ景気低迷というニュースが空虚に感じるのは、イタリアブランドのパーティーでは毎度のことながら、セレクトショップの冠イベントがこの規模で行われるのがフィレンツェの魅力だ。ショー終了後にはレニー・クラヴィッツ(Lenny Kravitz)が約40分間の渾身のライブを行い、ランウェイステージをカメラマン席に向かって歌いながら歩いてくる姿はまさにピッティ・ウオモの出張フェス。1年前パリのグランパレでルイ・ヴィトンのランウェイをカニエ・ウエスト(Kanye West)とハグして涙しながら歩いたヴァージル・アブローが重なったが、トレードショーのフェス化も多様性のひとつの象徴かもしれない。レニー・クラヴィッツイタリアンのファッション界に光を与える中国の存在また、今回のゲストネーションとして本会場で11ブランドがエキジビションを発表した中国は、 各ブースで中国の若いクリエイターたちが積極的にバイヤーやプレスにアプローチする姿に活気がうかがえた、ストリートやオタクカルチャーに影響を受けた作風とともに、時間をかけたハンドメイドのテクニックは共通している。「GUEST NATION 2019 CHINA」ショーは中国出身のJun Zhouと、Yushan Liがデザインするプロナウンス(PRONOUNCE)が単独で開催。現在ミラノと上海をベースに活動し、それぞれロンドンカレッジ・オブ・ファッションとマランゴーニ、セントマーチンを卒業し2016年よりブランドデビューした。コレクションはモンゴルのハンドニット。ウォッシュ加工したデニム、メッシュ、フォトプリント、フェイクレザーなどを大胆にカットワークし、マオスーツ、手描きモチーフや中国のレリーフを思わせる素材などで騒々しくみえるクリエーションが、若々しいエネルギーを感じさせる。コンバースとコラボしたジャックパーセルもショーでは発表された。プロナウンス2020年春夏コレクションCredits to: Giovanni Giannoniプロナウンス2020年春夏コレクションCredits to: Giovanni Giannoniプロナウンス2020年春夏コレクションCredits to: Vanni BassettiEUの反対を押して中国の一帯一路の政策への正式な支持を表明したイタリア。今年6月にはフェンディ、プラダなどが上海でファッションショーを行い、中国の若いクリエイターたちを支援することで低迷する経済に活力を与えようとする意図は明快だ。その取り組みはイタリアのファッション業界にとって今のところ、新しい光として歓迎されているようだ。メンズファッション、次の10年の流れを探るvol.3を見るメンズファッション、次の10年の流れを探るvol.1へ戻るText by Tatsuya Noda
2019年07月12日ファッションジャーナリストの野田達哉がメンズファッション、次の10年の流れを探る。2020年春夏メンズコレクション総括レポートvol.1では、ニューヨーク、ロンドンコレクションを紐解く。NYコレクションが開催を1ヶ月早め、シーズントップを切ったアレキサンダー ワンファッションを語る上でディケード(10年間)は一つの大きな括りとなる。レディ・トゥ・ウエア(既製服)が一般化した1930年代以降、紳士服・婦人服ともに、流行は各年代で総括され、それがスパイラル状にリバイバルするという歴史的傾向は、サイクルの長短はあるにせよ繰り返されてきた。2020年代最初のシーズンとなる2020年春夏メンズのファッションウィークは今シーズンよりこれまでロンドン、ミラノ、パリに続き、最後に開催されてきたNYが最初の週にスケジュールを異動。従来より約1ヶ月繰り上がり、5月31日にアレキサンダー ワン(alexanderwang)がロックフェラーセンターでコレクションを発表した。LAで単独コレクション開催、パリとLAに新店オープンしたサンローランサンローラン(SAINT LAURENT)は6月6日(日本時間6月7日)にLAのマリブで独自でコレクションを発表。サンローラン2020年春夏メンズコレクションサンローラン2020春夏メンズコレクションサンローラン2020春夏メンズコレクション6月8日、クリエイティブ・ディレクターのアンソニー・ヴァカレロ(Anthony Vaccarello)がキュレーションする新たなコンセプトショップ「SAINT LAURENT RIVE DROITE(サンローラン リヴ・ドロワット)」をパリのサントノーレ通りとLAのロデオドライブにオープンした。これはインターネットでランウェイをライブ配信することが普及し、世界中のアーリーアダプターが情報を共有できる時代におけるサンローランらしい方法論なのだろう。その数週間後には新しいスニーカーがオンラインショップで販売され、SNS時代における情報の連続性という点では、ファッションウィークに拘泥しない新たなメゾンのあり方を暗示しているのかもしれない。SAINT LAURENT RIVE DROITESAINT LAURENT RIVE DROITEロンドンで安定したコレクションを見せるジョン ローレンス サリバンロンドンファッションウィークは6月7日、キコ コスタディノフ(KIKO KOSTADINOV)を皮切りにスタート。日本からはジョン ローレンス サリバン(JOHN LAWRENCE SULLIVAN)が初日にコレクションを発表した。ロンドンで発表するようになり6シーズン目を迎える同ブランドはウィメンズも同時発表。今シーズンは“DEEPER THAN NIGHT”をテーマに黒を基調にしながら、赤、パープル、エンジといったカラーを入れながらエッジの効いた硬質な世界を提案した。ロングでオーバーサイズのアイテムを、今シーズンはジップ使いで動きとシルエットに変化を持たせている。マーケティング色が強まるミラノ、ダイバーシティー(多様性)が強くなりつつあるパリではなく、ロンドンという都市がこのブランドの安定した創造性とイメージに強く寄与している。メンズファッション、次の10年の流れを探るvol.2 ピッティ・ウオモ編へText by Tatsuya Noda
2019年07月11日クリエイティブ・ディレクター、アンソニー・ヴァカレロ(Anthony Vaccarello)によるサンローラン(SAINT LAURENT)が6月6日、アメリカ・ロサンゼルスで2020春夏メンズコレクションショーを開催。会場には、キアヌ・リーヴスや、ヴィンセント・ギャロやヘイリー・ビーバー、マイリー・サイラスといったゲストが集った。
2019年07月10日エムエスジーエム(MSGM)の2020年春夏メンズコレクションが、イタリア・フィレンツェで開催された第96回ピッティ・イマージネ・ウオモ(PITTI IMMAGINE UOMO96)で発表された。Credits to: Giovanni GiannoniCredits to: Giovanni GiannoniCredits to: Giovanni GiannoniCredits to: Giovanni GiannoniCredits to: Giovanni Giannoni
2019年07月10日デザイナー森下公則による08サーカス(08sircus)2020年春夏メンズコレクションのルックが公開。
2019年07月09日アレキサンダー ワン(alexanderwang)が、2020年春夏コレクション(2020年 Collection 1)をニューヨークのロックフェラー センターで発表。
2019年07月05日メゾン キツネ(MAISON KITSUNÉ) 2020年春夏ウィメンズコレクションが、フランス・パリでメンズコレクションと共に、プレゼンテーション形式で発表された。ポジティブなムードをとじこめてデザイナー ユニ・アンによる2度目のコレクションとなる今季は、メゾン キツネを象徴するクラシカルなプレッピースタイルに、意外性のあるカラーや柄、素材をミックス。春夏らしいポジティブなムードを閉じ込めた楽し気なコレクションが展開される。ポップな色・柄をミックスカラーパレットは、ミネラルカラーとアースカラーをベースに、パステルレインボーと柔らかなホノグラムをミックスして春夏の爽やかなムードを演出。薄いグレーのロングコートに合わせたトップスとボトムスには、大胆なチェック柄×ストライプ柄を組み合わせ。異なる柄同士ながらも、イエロー、ブルー、ピンクとどちらも同系色を使用しているので、不思議と纏まりのあるビジュアルに仕上がっている。エネルギッシュなオレンジを着こなす淡いパレットのコレクションに、差し色として取り入れられたのが、太陽のようにエネルギッシュなオレンジ。クリーンなシルエットのオレンジのシャツワンピースは、きっちりと襟元までボタンを留めて一枚でさらりと着こなした。一方でウエストに通したベルトは、だらりと垂れ下げてラフなムードをプラスする。トランスペアレントなアイテムも登場春夏らしいトランスペアレントな素材を取り入れたルックには、ブランドらしい捻りをきかせた。艶やかなオレンジのタートルネックのトップスには、テクニカル素材で仕立てた硬質なトランスペアレントなボトムスを組み合わせて快活さを加えて。また色違いのボトムスに、レモンカラーの柔らかなシアーブラウスを合わせたルックも登場。“肌を透かせる”という共通項を持ちながらも、全く異なるムードを纏うアイテム同士の掛け合わせは、フレッシュな印象をもたらしてくれる。引き続き漂うジェンダーレスなムードコレクション全体を通して感じられるのは、前シーズンに続くジェンダーレスなムード。身体のラインを強調させないルーズなシルエットのワードローブは、肩肘張らないリラクシングなスタイルを創出する。
2019年07月01日シアタープロダクツ(THEATRE PRODUCTS)が2019年春夏シーズンのセールを開催。2019年6月28日(金)より、シアタープロダクツ表参道本店および新宿伊勢丹にて実施される。セールの対象アイテムとなるのは店内の春夏アイテム。オフ率は最大で50%オフとなり、普段よりもお得なプライスでアイテムを購入することが出来る。店頭に並ぶ最新作、シアタープロダクツの2019年春夏コレクションは、日用品やインテリア、雑貨からインスピレーションを得た洋服やアクセサリーを展開。キーカラーの“マヨネーズカラー”に彩られたワンピースをはじめ、テーブルクロスやラグ、バスマットをモチーフにしたユニークなピースが揃う。是非この機会に、店頭に足を運んでお気に入りの一着を見つけてみて。【詳細】シアタープロダクツ 2019年夏セール開催期間:2019年6月28日(金)~実施店舗:シアタープロダクツ表参道本店/新宿伊勢丹オフ率:最大50%<店舗情報>・シアタープロダクツ表参道本店住所:東京都渋谷区神宮前4-26-24TEL:03-6438-1757・シアタープロダクツ新宿伊勢丹営業時間:10:00~20:00住所:東京都新宿区新宿3-14-1 伊勢丹新宿 本館2階 TOKYOデザイナー(婦人服)TEL:03-3352-1111
2019年07月01日ドーバー ストリート マーケット ギンザが2019年春夏シーズンのセールが開催。2019年6月28日(金)より随時実施される。6月28日(金)は、バーバリーや、メゾン マルジェラ、ミュウミュウ、プラダ、ラフ シモンズ、リック・オウエンスなどのアイテムが対象。その他国内で正規の取り扱いが少ないヴェトモンやシモーネ ロシャもプライスダウンした価格で提供する。7月1日(月)からは、バレンシアガとオフ-ホワイト c/o ヴァージル アブローのセールがスタート。また、7月7日(日)からは、コム デ ギャルソンのアイテムも対象となる。コム デ ギャルソン・シャツや、コム デ ギャルソン・オム プリュス、ジュンヤ ワタナベ・コム デ ギャルソンといったブランドも普段よりお得なプライスでゲットすることが可能だ。【詳細】ドーバーストリートマーケット 2019年春夏シーズン セール開催日:2019年6月28日(金)~開催店舗:ドーバー ストリート マーケット ギンザ対象ブランド:・6月28日(金)~バーバリー、クレイグ グリーン、メゾンマルジェラ、ミュウミュウ、プラダ、ラフ シモンズ、リック・オウエンス、サカイ、シモーネロシャ、ザ・ロウ、トム ブラウン、アンダーカバー、ヴェトモンなど・7月1日(月)バレンシアガ、オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー・7月7日(日)~コム デ ギャルソンブランド<店舗情報>ドーバー ストリート マーケット ギンザ営業時間:11:00~20:00住所:東京都中央区銀座6-9-5 ギンザコマツ西館TEL:03-6228-5080
2019年06月30日ヘロン プレストン(HERON PRESTON)の2020年春夏コレクションが、パリ・ファッション・ウィーク・メンズの初日の6月18日に行われた。開演前に会場に流れるのは、ニューヨークの地下鉄の騒音、スクリーンにも80年代のニューヨークストリートの映像が流れる。パリで初の公式ショーとなった今年1月の2019-20年秋冬コレクションは空港ロビーがテーマだったが、今回は自身が過ごすニューヨークをイメージに、“コンクリートジャングル”がテーマ。メンズ、ウィメンズ合同のコーエドショーのコレクションで進行した。ゴアテックス(Gore-Tex)、リーバイス(Levi’s)とのコラボや、ニューヨークのグラフィティアーティスト、ロバート・ナヴァ(Robert Nava)のペインティングをプリントしたデニムやシャツ、ジャケット、ヴィンテージのリメイクデザイナーでもありインフルエンサーのサミ・ミロ(SAMI MIRO)とのコラボなどコレクションの幅が広がった。ブランドのシグニチャーカラーのオレンジをベースに、リフレクターやネックラインのロゴプリントなど、ブランドのアイデンティティをはっきりと打ち出し、ラグジュアリーストリートのメインストリームを行く。Text by Tatsuya Noda
2019年06月28日マルセロ・ブロン カウンティ・オブ・ミラン(MARCELO BURLON COUNTY OF MILAN)の2020年春夏コレクションショーが開催された。
2019年06月27日ポール・スミス(Paul Smith)は、2020年春夏ウィメンズコレクションを、2019年6月23日(日)に、フランス・パリで発表。メンズコレクションも同時に発表された。バランスで表情が変わるジャケットスタイルハンサムなジャケットは、ジャケットの丈とボトムスのボリュームのバランスで様々な表情へと変化していく。例えば、コンパクトな丈のダブルジャケットに、優雅なドレープのワイドパンツを組み合わせると、クリーンかつ凛とした佇まいに。また、腰を覆う程度のやや長めの丈に仕立てたカラージャケットは、スマートなロングパンツと合わせると、コンフォートで都会的な印象になり、フレアなショートパンツと合わせると、トラッドなイメージが際立つ。ただ“マニッシュ”なだけではない、ジャケットスタイルの引き出しの多さからは、計算されたデザインの丁寧さが見て取れる。際立つ色使い色彩のパワーを感じるワントーンコーデ柔らかく巧みな色使いにも注目。メンズにも見られたワントーンのコーディネートでは、色彩そのものが持つパワーを前面に表している。ホワイト、イエロー、ピンクといった明るい色彩は華やかさを演出し、ディープブルーやブラウンといった濃いカラーは、インパクトを与え余韻を残していく。プレイフルな配色また、プレイフルな色の組み合わせも魅力的なポイント。レモンイエローのブルゾンの下から、レイヤードしたピンクの裾を出し、ライトブルーのショートパンツを合わせたスタイリングは、コーディネートでカラーの層を表現。ポップでアイキャッチなスタイリングに仕上げている。カーキのコート、ブラウンのジャケットといったアースカラーに差し込まれた淡いピンクのショートパンツは、コーディネートを一気に軽やかに。スモーキーなピンクのセットアップにも、イエローのプリントシャツが明るさをもたらしている。グラフィカルなコントラストグラフィカルなフラワープリントは、リラックスしたドレスやアクティブなウェアに投影。軽やかでスポーティーなコートにはブラックベースのプリントを施し、中に着たウェアは色を反転させることで、コントラストを描く。
2019年06月27日アン ドゥムルメステール(ANN DEMEULEMEESTER)がパリで2020年春夏メンズコレクションショーを開催した。
2019年06月26日