産業技術総合研究所(産総研)は12月7日、半導体ICチップの偽造を防ぐ「ICの指紋」を低コスト、高信頼性、コンパクトに実現できる素子とそれを用いた回路技術を開発したと発表した。同成果は、同研究所 ナノエレクトロニクス研究部門 ナノCMOS集積グループ 大内真一 主任研究員、柳永勛 上級主任研究員、松川貴 研究グループ長、エレクトロインフォマティクスグループ 堀洋平 主任研究員らによる研究グループによるもので、12月9日(現地時間)にワシントンD.C.にて行われる「国際電子デバイス会議(2015 International Electron Devices Meeting:IEDM)」にて発表される予定。今回開発された「指紋」発生回路は、「指紋」となるICチップの固有番号を、「多結晶シリコンFinFET」で構成したSRAM回路によって発生するもの。このSRAM回路の起動時の初期値が0になるか1になるかは、製造時の素子性能のばらつきを反映して決まり、起動ごとに同じ値を示す。「指紋」発生回路には複数のSRAM回路が用いられ、SRAM回路数のビット数の番号を発生させることができる。個々のSRAM回路の初期値は製造工程でランダムに決まるため、発生した番号はICチップに固有の番号となる。固有番号ビット数を多くすれば同じ固有番号を持つ確率は小さくなるので、そのICチップを複製や偽造することはできない。今回の研究では、多結晶シリコンFinFETを用いた「指紋」発生回路が、通常型FinFETの回路の3倍以上の安定性で固有番号を発生でき、高い確度でICチップを認証や同定できることが明らかになった。通常型FinFETの回路で128ビットの固有番号を同等の安定性で発生させる場合に比べ、多結晶シリコンFinFETの導入によって、少なくとも約15000トランジスタ分の回路を省略できると見積もられる。同技術で用いられる多結晶シリコンFinFETは、作製工程の初期段階にIC基板の一部に多結晶シリコン薄膜を堆積させた後、標準的なFinFET素子と同一の製造工程で同時に形成されるため、短工程で終了することができる。また、製造工程の条件が変化した場合でも発生される固有番号に偏りは生じないという。同研究所は今後、製造工程の後工程で認証用回路のトランジスタを挿入する、デバイスレベル三次元構造への適用を検討していくとしている。
2015年12月07日電通総研は11月5日、就寝前にふとんに入ってからのメディア接触、とりわけ映像(テレビ番組やネット動画など)の視聴習慣に着目した「就寝直前の映像視聴実態調査」を実施し、その結果を公表した。同調査ではまず、事前調査として9月25日~28日の期間に、全国の15歳~49歳までの男女1万人を対象に「就寝前にふとんに入ってからテレビやネット機器で映像を視聴する習慣」の有無について質問。これによると、テレビやネット機器で映像を視聴する習慣があると答えた人は、全体のおよそ3人に1人で、10代では男女ともに約半数(男性49.6% / 女性50.0%)に上る。視聴方法別に見ると、全体で最も多かったのは「テレビで放送中の番組を視聴する(19.6%)」で、テレビのリアルタイム視聴が依然としてポピュラーな映像視聴方法であることがわかった。また、ほとんどの視聴方法において、男女を問わず10代・20代の若年層が30代・40代よりも活発なことがわかった。特に、男女10代においては、すべての映像視聴方法の中で動画共有サイトを最もよく利用しており、スマートフォンやタブレットなどのネット機器の普及により、若い世代の間ではベッドサイドでの新たなメディア利用シーンが生み出されていることがうかがえる。○ユーザーは何を見ている?同調査では、事前調査にて映像視聴習慣のあると回答した1,000人に対し「視聴ジャンルや視聴時の気分」について聞き取りを実施。就寝直前に習慣的に映像視聴している人が視聴する映像の分野について、視聴機器を問わず46のジャンルで質問したところ、「バラエティー(45.1%)」が最も多く、次いで「お笑い(34.0%)」「アニメ(映画を除く)(33.7%)」という結果に。10位以下には、「インターネット情報」や「衝撃映像/レア映像」「ゲーム情報」「
2015年11月06日産業総合研究所(産総研)は11月2日、空間の利用者と複数の設計者が協調して空間をレイアウトできるシステム「Dollhouse VR」を開発したと発表した。同システムは、産総研 人間情報研究部門 デジタルヒューマン研究グループ 多田充徳研究グループ長、サービス観測・モデル化研究グループ 蔵田武志研究グループ長らと、東京大学大学院情報理工学系研究科 五十嵐健夫教授らの研究グループが、がんこフードサービスと共同で開発したもの。兵庫県神戸市で開催されるコンピュータグラフィックスとインタラクティブ技術に関する国際会議「SIGGRAPH ASIA 2015」のEmerging Technologies(技術展示部門)で11月3~5日に発表される。同システムは、「空間レイアウトインターフェース」と「没入型インターフェース」で構成されている。空間レイアウトインターフェースでは、予め用意されている家具や壁などのバーチャルなオブジェクトを、設計者がタッチパネルを用いて設置・追加・消去したり、設置場所を変更したりできる。また、没入型インターフェースは、設計者がレイアウトした空間へ、体感者が一人称視点で没入できるインターフェースで、市販の頭部搭載型ディスプレイを装着してバーチャルな空間を見回しながら、ジョイスティックを操作して空間内を自由に移動できる。なお、タッチパネルには、体感者のキャラクターが表示されるので、設計者は体感者の位置や動きを確認することができる。さらに、操作を行う設計者と設計された空間の体感者をシームレスにつなぐためのコミュニケーションを支援する二つの機能も備えている。ひとつ目は、指さし動作を視覚化して設計者と体感者で共有する機能。設計者がタッチパネル上に指を置くと、体感者のディスプレイにもその指が表示される。二つ目は、設計者の表情や議論している様子がタッチパネルに備わっているWebカメラにより撮影され、リアルタイムにバーチャル空間の天井に表示させることができる機能。今回の開発では、全国に店舗を展開しているがんこフードサービスと連携し、システムの必要要件の摘出から、実装・実証実験までを共同で行った。実証実験では、同社が新規オープンを予定していた店舗を同システムで再現。店舗の空間レイアウトに携わる同社の従業員が、同システムを用いて、空間レイアウトの検討を行ったという。
2015年11月02日産業技術総合研究所(産総研)は11月1日、部素材のバリューチェーン強化を目指す「材料・化学領域」の3つ目の研究センターとなる「機能材料コンピュテーショナルデザイン研究センター(CD-FMat)」を設立したと発表した。同研究センターは、機能性部材・デバイスの相反する機能を解明する新たな計算手法の開拓だけでなく、計算手法に大規模化や粗視化の導入を行っていくことを目的に設立されたもの。ミクロからマクロにつながるマルチスケール計算材料設計手法を構築し、「材料の機能、物性パラメータ」、「材料の化学構造」および「材料の合成プロセス」の関係を決定するための技術開発を推進。企業などが研究課題を持ち込んで集中研究を行うためのコア機能として、材料設計手法を開発し産業界への普及を図るとともに、大学・研究機関とも協力しつつ、開発した設計手法をより広く応用するオープンイノベーションハブを構築するとしている。また、5月1日に設立された「人工知能研究センター」と連携し、材料開発研究のインフォマティクス化を強力に進めていくとしている。
2015年11月02日anan読者200人超で作る「anan総研」。今回のテーマは「ここだけの秘密」。anan総研メンバーの6割近くが「絶対に言えない秘密」があると回答。「本心も悩みも一切他人に言わないので、秘密なんて数え切れないほどあります(笑)」(30歳・事務職)と、なかには強者もチラホラ。一体どんな秘密なのでしょうか?Q:誰への秘密?1位パートナー2位家族3位友人4位同僚・上司5位すべての人Q:その秘密、バレたらどうなる?A:「どんびきして夜の生活がなくなるのでは…」(30歳・事務)、「破局」(22歳・学生)、「引かれるし怒られるし別れさせられると思う(笑)」(28歳・事務)、「最初は拒否反応があると思うが、時間が経てば、解決すると思う」(34歳・アパレル)、「20年前だからセーフ…なのかな?」(32歳・学生)。Q:こっそり聞きました。ここだけの秘密。A:「昔、有名人と付き合っていた」(29歳・営業)、「彼はただテレビで見るレベルのファンだと思っているけど、実は有名人のおっかけをしている」(30歳・事務)、「パトロンがいた!」(28歳・事務)、「彼と結婚する前に、前に好きだった人ともう一度会おうかなって思っていること」(26歳・事務)、「秘密の恋の話。あー、これはananの方にもお話しできません(笑)」(24歳・芸能)。Q:親しい人の「あり得ない…」秘密を知ったことは?A:「友人が、不倫相手がきっかけで就職先を見つけていたこと」(25歳・マーケティング)、「私と付き合う前に、彼氏が親友とセフレだった」( 22歳・学生)、「同級生が整形をしていた…」(29歳・主婦)、「両親が年齢を詐称していました(笑)」(34歳・アパレル)、「付き合う直前までいった人にDV歴があった」(28歳・設計)。※『anan』2015年11月4日号より。文・薮内加奈(C)nandaBGD
2015年11月02日産業技術総合研究所(産総研)は10月19日、従来より公開している化学物質リスク評価のための大気モデルADMERおよび河川モデルSHANELに、化学物質の漏洩事故を想定した新たな機能を追加し、ADMER Ver.3.0.およびSHANEL Ver.3.0として公開した。ADMERは気象、人口などの基礎データを内蔵し、排出量と簡単な物性を入力すれば化学物質の大気中温度、沈着量などを詳細な空間解像度で推定することができ、国、自治体、企業などで活用されている。今回の機能向上では、自然災害や産業事故で汚染物質が突発的に放出されるような場面でも利用できるように、時間解像度の向上による短期間評価への対応や、ワーストケース条件の抽出、各地点での全ての発生源からの影響の割合を知ることができるソースリセプターマトリックス解析機能などを追加し、短時間の汚染状況の推定に対応した。一方、SHANELは河川流域での化学物質のリスク評価に必要な河川水中濃度を推定するモデルで、全国の人口、土地利用、下水道などの3次メッシュ(約1km格子)単位の流域データを搭載し、気象データや化学物質の排出量と基本的な物性を入力するだけで河川水中の濃度をコンピュータ上で計算することができる。主に大手洗剤企業などで界面活性剤の生態リスク評価に活用されてきたが、今回の機能向上ではより短期間の評価を可能とするとともに、空間解像度の向上により従来よりも小規模な範囲での解析を行えるようなった。また、流量が少ないワーストケースでの濃度推定を短時間で行える機能も追加されている。産総研は今後、両モデルを日本国内だけでなく、日本企業が海外でも活用できるように、国際版の開発を進めるとしている。
2015年10月20日なんでもいいから、ほめて! というのも悪くはないけど。やっぱり、ココをほめてほしいのが女心? そこで今回は、マイナビニュース会員の女性272名に、好きな人にほめられたらうれしいところを聞いてみた。Q.好きな人にほめられて一番嬉しいのはどこですか?1位 仕事をがんばってるね 21.3%2位 趣味や自分の世界があっていいね 13.6%3位 顔が整ってるね 11.4%4位 頭がいいね・知識量が豊富だね 9.6%5位 常識がしっかりしてるね 8.8%Q.具体的にどうほめられると嬉しいですか? また、実体験がありましたら教えてください1位 仕事をがんばってるね・「頑張ってると言われるとそれだけでうれしい」(30歳/機械・精密機器/事務系専門職)・「毎日遅くまで頑張ってるね」(22歳/金融・証券/専門職)・「外見ではなく、自分の行動が認められると感じるから」(34歳/金属・鉄鋼・化学/事務系専門職)・「誰も気づいていないような地味な仕事をしていることをほめられるとうれしい」(28歳/金融・証券/専門職)・「見てくれている感じがするから」(29歳/自動車関連/技術職)2位 趣味や自分の世界があっていいね・「そういう経験はないが、趣味をほめられると内面をほめられているようでうれしい」(32歳/商社・卸/秘書・アシスタント職)・「自分を認めてくれているみたいでうれしい」(25歳/小売店/販売職・サービス系)・「自分をしっかり持っているねとほめられるとうれしい」(37歳/その他/事務系専門職)・「趣味や生き方が楽しそうと言われるとうれしい」(27歳/電機/営業職)・「珍しい趣味を肯定してくれる人はうれしい」(34歳/医療・福祉/専門職)3位 顔が整ってるね・「かわいいね、とかきれいだね、は単純にうれしい」(32歳/不動産/専門職)・「顔に自信がないので、かわいいとほめられるとうれしい。みんな口説いてくるときはかわいいと言ってくれるけど」(23歳/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)・「整っているかどうかよりも、自分のタイプだと言われること」(23歳/情報・IT/技術職)4位 頭がいいね・知識量が豊富だね・「やっぱり他の人より知識もあって回転も速いね、といわれるとなんだかうれしい」(35歳/ホテル・旅行・アミューズメント/事務系専門職)・「頭の良さなどは、普段のがんばりが出るものだから、それを認められてると思うとうれしくなる」(37歳/医療・福祉/専門職)・「頭の回転が速いと言われたらうれしい」(26歳/金属・鉄鋼・化学/営業職)5位 常識がしっかりしてるね・「周りの女子よりもしっかりしてるし、マナーもできてるし、みんな見習うべきだよねと言ってもらえたこと!」(23歳/運輸・倉庫/事務系専門職)・「良いご両親がいるんだね」(32歳/金融・証券/営業職)・「常識があって品格のある女性であることを目指しているから」(32歳/商社・卸/秘書・アシスタント職)■総評女性が好きな人にほめられてうれしいのはどこなのか? 1位になったのは「仕事をがんばってるね」(21.3%)、2位は「趣味や自分の世界があっていいね」(13.6%)。1位は男性とまったく同じ結果となった。一方で男性の2位は「頭がいいね・知識量が豊富だね」。女性らしい、または男性らしい結果といえそうだ.女性の結果を男性と比較すると、男性よりばらけているという印象。男性は1、2位で半数近くを占めているが、女性は1位こそ抜けているが、2位以下はほぼドングリの背比べ状態。また見かけに関する「顔」「スタイル」「ファッションセンス」などは男性より少し高めの結果となった。具体的なコメントもチェックしよう。仕事と回答した人は、やはり日ごろの頑張りをほめられるとうれしいという意見が多い。趣味をほめられると、生き方や内面性を認められたと感じる人も多いようだ。また、常識があると回答した人の中には、親のしつけが認められることを喜ぶという親孝行な人も見られた。※画像は本文と関係ありません調査時期:2015年8月21日~2015年8月27日調査対象:マイナビニュース会員 女性限定調査数:女性272名調査方法:インターネットログイン式アンケート
2015年09月09日産業技術総合研究所(産総研)は8月12日、単層カーボンナノチューブ(単層CNT)、ゴム、ゲルといった柔らかい炭素系材料だけで構成されるトランジスタを開発。ハイヒールで踏まれるという大きな圧力に対しても壊れずに特性を維持するなど、さまざまな負荷(伸縮、曲げ、ねじり、圧縮、衝撃)をかけても壊れないことを確認したとする。同成果は、産総研 ナノチューブ実用化研究センター CNT用途チームの関口貴子 主任研究員、田中文昭 元産総研特別研究員らによるもの。詳細は米国の学術誌「Nano letters」(オンライン版)に掲載された。今回の研究は、単層CNTを用いた技術開発の一環として、その電気的特性とネットワーク構造を利用して、伸縮性のある導電性単層CNTゴム複合材料をトランジスタの電極とし、同時にトランジスタのチャネルに半導体的性質を持つ単層CNTを用いて、柔らかい材料だけからなるトランジスタの開発に取り組んだというもの。具体的にはソース、ドレイン、ゲートに用いる電極に導電性単層CNTゴム複合材料、チャネルに半導体的性質の単層CNT、絶縁層にイオンゲル、基板にシリコンゴムを用いたサイドゲート型トランジスタを製造。特性としては、オン電流が-50μA、オンオフ比は104で、これまで報告されているフレキシブルトランジスタと同等の性能だとする。また、実際にハイヒールで踏まれた際の圧力(約2.5MPa)前後のトランジスタ特性を調べたところ、オン電流、オンオフ比などのトランジスタ特性にほとんど変化がないことが確認されたという。なお、産総研では今後、トランジスタだけではなく、柔らかいセンサやエネルギーデバイスと統合することで、医療用の人体圧力分布センシングシステムなど、ヒューマンモニタリングシステムの開発を行うとしている。
2015年08月13日産業技術総合研究所(産総研)は、光によって発熱できるカーボンナノチューブ(CNT)と特定の温度で内包分子を放出する温度感受性リポソームを組み合わせて、線虫Caenorhabditis elegans体内の細胞機能を制御できる分子複合体(ナノロボット)を開発したと発表した。同成果は、産総研 ナノ材料研究部門の都英次郎 主任研究員らと、バイオメディカル研究部門の戸井基道 研究グループ長、大阪府立大学 大学院工学研究科の河野健司 教授らによるもの。詳細はドイツの化学誌「Angewandte Chemie International Edition」に掲載された。カーボンナノチューブ(CNT)は、そのまま水中に分散させようとすると、強い分子間の相互作用により束状や粒状に凝集してしまうが、今回の研究では、CNTの光発熱特性を最大限に利用し、かつ、リポソームと組み合わせて分子複合体を作製することを目的に、アビジンやポリエチレングリコール(PEG)、リン脂質(PL)から構成される分子(アビジン-PEG-PL)を単層CNTの表面にコーティングし、水中へ分散させ、温度感受性を与えたリポソームの自己組織化を利用しCNTとリポソームからなる分子複合体を作製したという。この分子複合体はナノスケールのロボットに例えられる「ナノロボット」に相当し、近赤外領域の光エネルギーを与えると内包している分子(薬物など)を放出し、この薬物により細胞機能を制御できることから、およそ1000個の細胞からなる線虫を対象にナノロボットの運動抑制効果の検証を行った結果、近赤外レーザー光を照射すると、線虫の動きが鈍化していき、最終的には停止することを確認したという。また、細胞毒性と生体適合性を調べたところ、問題ないことが判明したほか、CNTの表面に結合したリポゾームが生体適合性を向上させることも明らかになったとする。なお研究グループでは今後、今回の技術の応用として、生体組織のごく限られた領域だけに存在する細胞機能を個々に調べることで、がんや免疫疾患などの分子・細胞レベルでの病態解明につながる研究用ツールの開発を目指したいとするほか、生体内におけるナノ物質の健康面への影響は不明瞭な点もあるため、CNTを用いて作製するさまざまな物質の細胞毒性評価や生体適合性評価を進め、生体内で安心・安全に利用できる材料やシステムの開発を目指すとしている。
2015年07月10日オージス総研は7月7日、これまで提供してきたアジャイル開発トレーニングコースに「Discover To Deliverに基づくアジャイル要求トレーニング」を追加し、7月23日から提供を開始すると発表した。「Discover To Deliver」は、米EBG Consultingが提唱している手法で、プロダクトに対するニーズとその実現スケジュールを3つの時間軸と7つの側面から分析し、利害関係者間ですばやく合意を得るための枠組み。同トレーニングは、米EBG Consultingの日本語版教材をもとに、同社認定講師からDiscover To Deliverを日本語で学び、納得感のある要求(ユーザーストーリー)を検討、合意する方法をグループワークで体験することができるもの。7月23日~24日の2日間にわたって、東京/品川インターシティ(オージス総研東京本社)にて開催される。受講料は10万円(税別)。
2015年07月07日ICT総研は6月22日、2014年度のスマートデバイスの市場動向調査の結果を発表した。調査結果によると、2014年度のスマートデバイス出荷台数は、前年の3679万台から微増の3683万台にとどまった。出荷台数規模としては過去最多だが、急激な勢いで拡大していた2013年度までと比べると、市場規模の拡大ペースは鈍化する結果となった。同社は、鈍化の原因について、格安SIMカード市場が伸びたことでスマートフォンの販売台数が減少したことと分析している。スマートフォンの販売台数は前年比で93%、7%の減少となった。ただ、今後もスマートデバイスの出荷台数の増加は確実視しており、2018年度には2014年度比21%増の4470万台となる見込みだという。スマートデバイス以外の端末であるフィーチャーフォンとノートPCは依然として減少傾向が続いている。その理由としては、スマートデバイスへの乗り換えが挙げられている。タブレット端末は堅調な伸びを示していいる。スマートデバイスに占めるタブレット端末の割合は、2013年度が19.4%であったの対し、2014年度は24.9%となった。2015年度のタブレット端末の年間出荷台数は1054万台となる見込みで、同年のノートPCの出荷台数見込み(793万台)を逆転すると推測している。タブレット端末は、マイクロソフトの「Surface 3」など法人市場へのラインアップも充実し、セキュリティや運用コストに対する不安も徐々に解消されつつあるなど、法人向け市場も拡大傾向が続いている。2014年度はスマートデバイス全体の10.4%(383万台)が法人向け出荷となった。法人市場は、新規需要、ノートPCの代替需要ともに今後さらに増加していく見込みで、個人市場よりも伸び率が高いと見られる。そのため、法人市場への浸透が、今後のスマートデバイス市場拡大のカギになるという。○腕時計型端末を欲しい人が多い今回、ユーザーが現在所有している端末および1年後にどんな端末を所有したいのかについても調査を実施。インターネットユーザー1102人対し、Webアンケートの形式で質問した。その結果、現在1人当たり平均1.6台のモバイル端末を所有していることがわかった。端末は、スマートフォンが59.9%で最多となり、フィーチャーフォンが44.7%、タブレット端末(Wi-Fiモデル)が21.9%で続いた。タブレット端末の合計(回線付きモデルとWi-Fiモデルの合計)は29.7%で、モバイルノートPC(15.8%)の2倍近い割合となった。。1年後に所有していたい端末では、フィーチャーフォンが27.6%と大きく割合を落としているが、一方で「腕時計型端末」が7.4%と、現在所有から4.6倍のポイントを記録した。Apple Watchが4月に発売されたことで、腕時計型端末の市場は今後大きく成長していくことが期待されており、このアンケートでもその傾向が現れる結果となった。
2015年06月23日キーエンスは、形状測定の用語や基礎技術が学べるサイト「ココが知りたい! 形状測定」を公開した。製品の小型化やデザインの多様化が進む中、製造現場では複雑な形状の測定に対する重要性が高まっている。その一方で、複雑な測定機を扱える技術者の減少や、従来とは違った方法での測定方法の模索などが課題となっている。「ココが知りたい! 形状測定」はこうしたニーズに応えるため、「測定機の基礎や用語」について初心者でもわかりやすい解説が加えられている。また、同社の測定機を実際に導入したユーザーのインタビューなども交え、基礎から実例までを幅広く学べるサイトとなっている。全国の現場から同社に直接寄せられた声を基に制作されたという同サイトは、「三次元測定機」や「粗さ」「共焦点レーザー顕微鏡の原理」などの基礎用語解説が主な内容となっている。また、さらに詳細な内容を記した資料や、ユーザーインタビューも無料でダウンロードでき、今後はより多くの解説トピックを追加していき、役立つサイトを追求していく予定という。キーエンスは、業界では稀な「世界直販体制」を敷いており、測定技術に関するソリューション提案においても「現場に根差した現実的な提案力」で高く評価されている。同社は「今後も、製造業の測定分野に大きく貢献していく」としている。
2015年06月12日『Tokyo 7th シスターズ』(以下、『ナナシス』)のファーストライブ「Tokyo 7th シスターズ 1st Anniversary Live 15’→34’ ~H-A-J-I-M-A-L-I-V-E-!!~」が2015年5月31日、ZEPP TOKYOにて開催された。『ナナシス』は、Donutsが提供するアイドル育成リズム&アドベンチャーゲームアプリ。アイドルという文化が失われつつある近未来・2034年の都市「Tokyo 7th」を舞台に、再びアイドルとして立ち上がろうとする少女たちの物語が描かれている。これまでイベント露出の控えめだった「ナナシス」だが、徳島のアニメイベント「マチ★アソビ」での2回のイベントでは観客の熱量、注目度ともに増しているほか、昨年末のコミックマーケットでリリースされたCDは即座に完売するなど、ブレイク前夜ならではの空気を放っているコンテンツのひとつだ。『ナナシス』には多数のユニットが登場する。現在CDやライブ展開の中心になっているのは、プレイヤーが二代目支配人としてマネージメントしている現世代のアイドルユニット「777☆SISTERS」(すりーせぶんすしすたーず・12人)と、『ナナシス』世界にかつて存在し、初代支配人(CV:藤原啓治)がマネージメントしたトップアイドルユニット「セブンスシスターズ」(6人)の2組。現世代のアイドルたちにとって「セブンスシスターズ」は目標であり憧れの存在であるいわばレジェンドアイドルだ。現世代を中心に2つの世代のリンクした物語が綴られ、共に水瀬いのりが演じる、「セブンスシスターズ」のセンター・七咲ニコルと「777☆SISTERS」のマネージャーとして現支配人をサポートする六咲コニーがふたつの時代をつなぐ鍵になっている。今回のライブには「777☆SISTERS」から篠田みなみ(春日部ハル役)、高田憂希(天堂寺ムスビ役)、加隈亜衣(角森ロナ役)、中島唯(野ノ原ヒメ役)、井澤詩織(芹沢モモカ役)、清水彩香(臼田スミレ役)、道井悠(神城スイ役)、今井麻夏(久遠寺シズカ役)、大西沙織(アレサンドラ・スース役)、中村桜(晴海サワラ役)、高井舞香(晴海カジカ役)、桑原由気(晴海シンジュ役)が、「セブンスシスターズ」からは水瀬いのり(七咲ニコル役)、渕上舞(羽生田ミト役)、前田玲奈(御園尾マナ役)、黒瀬ゆうこ(寿クルト役)、川崎芽衣子(若王子ルイ役)、辻あゆみ(遊佐メモル役)が、それぞれ全員揃って登場した。さらに、アイドルが消えた世界における「777☆SISTERS」のライバルであるガールズロックバンド「4U」から長縄まりあ(佐伯ヒナ役)と吉岡茉祐(鰐淵エモコ役)が、独特の世界観を持った双子アーティスト「KARAKURI」から秋奈(空栗ヒトハ/フタバ 役)が出演し、総勢21名のライブとなった。「777☆SISTERS」が歌うオープニングナンバー「H-A-J-I-M-A-R-I-U-T-A-!!」でライブはスタート。『ナナシス』としての初ライブに緊張も強く感じるが、振付で大きく手を振って客席とシンクロする内に、だんだん楽しそうな表情が見えてくる。そしてキャスティングの妙をライブで感じたのが、続く「セブンスシスターズ」のステージだ。「Sparkle☆Time!!」で客席のクラップを呼び込みながら、「てめーら、元気ですかー!」「"H-A-J-I-M-A-L-I-V-E-!!"楽しくいくよ!」と客席を煽ったのは、ステージセンターに立つ水瀬いのりと渕上舞。これからの伸びしろが大きい新人・若手中心のキャスティングの『ナナシス』のステージの中では、先輩たち、特に渕上のステージでの経験値と輝きは別格とも言える存在感がある。その印象が自然と「セブンスシスターズ」が持つ特別さを浮き立たせるのはどこかメタ的でもある。『ナナシス』ライブならではと感じたのは、ユニット曲の多様性だ。「777☆SISTERS」メンバー12人は、「NI+CORA」「SiSH」「サンボンリボン」「WITCH NUMBER 4」の4つのユニット内ユニットとしても楽曲を披露したが、キャラクターを表現する一般的なキャラクターソングとは違い、「ユニットや楽曲のコンセプトが明確にあり、そのコンセプトの中でキャラクターがどう歌い、表現するか」という見せ方をしているように思う。同じユニットであっても、たとえば「NI+CORA」の「オ・モ・イ アプローチ」では独特の空気感とシンメトリーの動きで魅せ、「Girls Talk!!」では客席の合いの手を交えながらとことんポップでコミカルな色を見せる。SiSHが「お願い☆マイボーイ」でボーカルにもエフェクトのかかったボカロっぽいサウンドを聴かせれば、「サンボンリボン」は三姉妹がセンターを入れ替えながらゆったりと優しい世界を作り出す。衣装や振付に近未来感がある「WITCH NUMBER 4」は「SAKURA」のどこか切なさをはらんだ歌声で客席を桜色に染めあげて見せた。そして今回のライブに強烈なアクセントとなったのが、アイドルではない存在としてライブに"乱入"した、「4U」と「KARAKURI」の存在だ。「4U」は、アイドルの存在と価値を否定するガールズロックバンド。今回はギターの九条ウメ役の山下まみが出演できなかったため、かわりに作中で「4U」と戦った春日部ハル役の篠田みなみが特別参戦。それぞれが担当する楽器をかき鳴らすポーズを見せながらの熱唱を見せた。本来の「4U」としては2/3だったが、ボーカリストとして圧倒的な存在感と華がある吉岡と、ふわっとした人の良さが漂う長縄のファニーボイスがメインとコーラスを入れ替えながら絡みあう様子はとても魅力的で、3人が揃った「4U」の完成形をイメージせずにいられない。「KARAKURI」のヒトハとフタバを演じる秋奈は、パープルのドレスに編みこみのスリットが入ったタイツ、エナメルのヒールという隙のない装いで、何より鮮やかな金髪が目を引く。ダンサーを引き連れてのパフォーマンスは、どこか非現実的な「KARAKURI」のアイコン感を良く再現していたように思う。キャラクター性とユニットコンセプトががっちり噛み合った2組は「アイドル」たちを食いかねないほど魅力的で、『ナナシス』の多様性を体現していた。ラストの楽曲の前には、特報として777☆SISTERSの1stシングルリリース(7月29日、ビクターエンタテインメントより発売)、一迅社「まんが4コマぱれっと」誌上でのコミカライズ展開、KADOKAWA「月刊コンプティーク」誌上でのノベライズ展開、そして8月14日から開催されるコミックマーケット88への出展などが特報として発表された。この夏、『ナナシス』がさらなる加速を見せることは間違いなさそうだ。3時間以上に及んだライブは、出演者全員と客席が共に歌う「Star☆Glitter」で締めくくられた。このライブの全ては、最後のこの一曲と、出演者たちが全力の肉声で伝えた「ありがとう」の言葉にたどり着くためにあったのかもしれない。「最後の曲のタイトルの意味は、星のまたたきです。またたきは一瞬です! そして、『ナナシス』のテーマも輝ける一瞬です。皆さんと一緒にこの曲の名を呼ぶ一瞬を、私たちは決して忘れません。みんなも一緒に歌って、盛り上がっていきましょう! 準備はいいかー? 『ナナシス』のスタートは、この曲から始まりました──「Star☆Glitter」!」(水瀬いのり)
2015年06月02日産業技術総合研究所(産総研)は5月18日、肉用牛の僧帽筋の霜降り度合いを牛が生きたままの状態で計測できる装置のプロトタイプを開発したと発表した。同成果は産総研地圏資源環境研究部門の中島善人 上級主任研究員によるもので、3月18日付(現地時間)の学術誌「Applied Magnetic Resonacne」に掲載された。飼料の種類や量が牛肉の霜降り具合にどう影響しているかを調べるには、牧場で牛の霜降り度合いの経年変化を追う必要がある。また、競り市に出た肉用牛の適正な価格を正確に把握するには屠畜前に計測しなければならず、霜降り具合を牛を傷つけずに短時間で計測できる装置が必要とされている。現状では、超音波画像診断装置でスキャンする手法が主流だが、脂肪と筋肉の混合比率を定量的に計測することは難しく、新しい原理による計測法が望まれていた。今回開発された装置は産総研が資源開発・地盤工学への応用を目的に研究を進めていた片側開放型という特殊な形状の磁石を採用したプロトン核磁気共鳴スキャナーに着想を得たもの。この技術を使用することで、脂肪組織中の脂肪分子と筋肉組織中の水分子を定量的に識別することができる。霜降り具合は体表から10cm以上の深さにあるロース芯の霜降り状態で決まるが、片側開放型のプロトン核磁気共鳴スキャナーで計測するのは困難なため、今回は代替案としてより体表に近い筋肉である僧帽筋を対象に開発を行った。装置は片側開放型用の希土類永久磁石や高周波コイルなどで構成されており、高周波ノイズ対策を施されている。感度領域のサイズは、1.9×1.9×1.6cm3の直方体で、探査深度は3cmとなっている。研究では僧帽筋の試料を約10秒で計測することができた。短時間で計測が可能なため、牛を静止させるための鎮痛剤や麻酔剤が不要と考えられるという。今後、生きた肉用牛の計測を検討していく予定となっているほか、肉用牛の霜降り計測専用ではなく、牛の筋炎といった大型家畜の病気の非侵襲診断にも使える可能性もある。また、霜降り具合が重要視されているブランド豚やマグロなどへの適用、さらに、高級食材だけではなく、水と油を含む大きな物体をその場で非破壊計測できる特性を活用して、老朽化したインフラのメンテナンスや油汚染土壌試料の計測など土木方面への応用も目指すという。
2015年05月19日つくば市と産業技術総合研究所(産総研)は4月27日、産総研が開発したモビリティロボットシェアリングシステムを利用したセグウェイによる移動支援サービス試験のエリアを研究学園エリアにも拡大すると発表し、同日より共同実証試験を開始した。同市は2013年9月より、産総研の職員がつくばエリア(TXつくば駅-産総研間)を移動する際にモビリティロボットシェアリングシステムを用いることで、出張などの利便性を向上させる実証試験を行っている。今回、充電ステーションをこれまでの2地点から4地点(TX研究学園駅と市庁舎に増設)へ増やし、多点間の運用となることで、システムの動作検証や実用可能性の検討をさらに進めることができるようになる。また、規制の緩和により、一定の要件を満たしたモビリティロボットに関しては、搭乗したまま保安要員として業務を行えることができるようになった。つくば市と産総研は「セグウェイだけの移動が可能となることで、シェアリング活用時の利便性が向上し、実社会での利用に一歩近づいた形となった」とコメントしている。同じく27日、東京急行電鉄(東急電鉄)とセグウェイジャパンが公道走行に関する特例措置を受けたことを発表した。これは産業競争力強化法に基づく「企業実証特例制度」を活用したもの。民間が主体となって受ける規制緩和としては全国初の事例で、つくば市が行っている実験の規制緩和の条件に比べて新たに歩道幅員に関する追加の規制緩和を受けた内容だという。両社は今回の特例措置を受けたことで、2015年度上期にセグウェイを活用した二子玉川駅周辺エリアのシティガイドツアーを開始する予定。セグウェイジャパンは同ツアーの実現を通じて「歩行者と共存する空間での高い親和性」を示した実績を基に、今後全国規模の規制緩和を推進していく考えだ。
2015年04月28日ICT総研が16日に公開した「公衆無線LANサービス(Wi-Fiサービス)市場に関する調査結果」によると、スマートフォンユーザーのうち56%が公衆無線LANサービスを利用しているという。同社が2015年3月に4,412人を対象として実施したアンケート調査では、スマートフォンユーザー2,159人のうち、56.1%にあたる1,212人が公衆無線LANサービスを利用していると回答した。同社は、スマートフォンユーザーの多くが契約時にキャリアの公衆無線LANサービスに加入することもあり、契約者数は今後も増え続ける見通しだと分析している。しかし、屋外でのWi-Fi利用設定をオフにするユーザーも多いため、契約数と利用者数は乖離しているという。また、公衆無線LANサービスの2014年度末(2015年3月末)利用者数は2,278万人で、そのうち個人利用者は1,987万人、ビジネス利用者は291万人だった。同社は、今後も利用者数は増加し、2015年度末には22%増の2,779万人、2016年度には3,000万人、2018年度には4,000万人を超えると予想している。そのほか、公衆無線LANサービスのユーザー満足度も調査。キャリア系事業者の公衆無線LANサービスでは、「OCN ホットスポット」(NTTコミュニケーションズ)が59.5ポイントで1位、「フレッツスポット」(NTT東西)が57.3ポイントで2位、「ソフトバンクWi-Fiスポット」が57.1ポイントで3位となった。施設運営事業者では、「atSTARBUCKSWi2」(スターバックスコーヒージャパン)が65.8ポイントで1位だった。(記事提供: AndroWire編集部)
2015年04月17日鉄道総合技術研究所(鉄道総研)は4月15日、クボテック、古河電気工業、ミラプロおよび山梨県企業局と開発を進めてきた次世代の大容量蓄電システムとして期待される「超電導フライホイール蓄電システム」の実証機を完成させ、試運転を開始したと発表した。フライホイール蓄電システムは、装置内部の円盤(フライホイール)を回転させることで電力を運動エネルギーとして蓄え、必要に応じて回転力を再び電力に変換するシステム。今回開発された実証機は鉄道総研が考案した高温超電導コイルと高温超電導バルク体で構成される「超電導磁気軸受」を用いることで、フライホイールを非接触で浮上させることで、大型のフライホイールを用いても損失が少なく、長期間の安定した運用を可能にしたものとなっている。実証機の性能としては、出力300kW、蓄電容量100kWhで、内蔵したCFRP製フライホイール(直径2m、重量4t)を最高6000回展/分で超電導磁気軸受により回転支持する仕組みを採用している。この超電導磁気軸受は、回転軸側、軸受け側の両方に超電導材を用いており、これによりコンパクトながら大荷重を支えることを可能としたという。なお鉄道総研では、今回の開発にかかる成果の詳細について、5月27日より開催される予定の「第91回 低温工学・超電導学会研究発表会」にて発表を行う予定だとしている。
2015年04月16日●全国50カ所の速度計測、ワイモバイルがUQ WiMAXに勝利ICT総研は3月4日、全国50カ所で実施したモバイルWi-Fiルーター(モバイルルーター)の通信速度、およびモバイルルーターの購入検討者を対象とした意識調査の結果を公表した。同調査では、モバイルルーターの主要2キャリアであるワイモバイルとUQコミュニケーションズ(UQ WiMAX)の最新機種を用いて、全国50カ所で通信速度を計測。さらに、利用検討者に対し、料金プランを提示のうえ、利用したいプランを選んでもらうWebアンケートも並行して実施した。結果をまとめると、通信速度ではワイモバイルが下り平均25.22Mbps、上り平均7.93Mbpsを記録し、UQ WiMAXの下り平均22.37Mbps、上り平均4.48Mbpsを上回り、上り・下り速度ともに優勢だった。また、利用検討者の意識調査でも、ワイモバイルの料金プランが魅力的とする意見が多い結果となった。本稿では、当調査結果について詳しく紹介するとともに、ワイモバイルが通信速度・意識調査ともに優勢となった理由を考察していきたい。○全国50カ所の速度調査では、ワイモバイルがUQ WiMAXに勝利ICT総研が実施した今回の通信速度調査では、ワイモバイルとUQ WiMAXの最新機種のモバイルルーターを使用して、全国7都市50地点で通信速度を計測した。50カ所の測定地点は、4月からの新生活で重要となる、各エリア拠点都市の主要駅、ビジネス街、大学などを選定。計測方法は、モバイルルーターとAndroidタブレット「Nexus 7」をWi-Fi接続し、「RBB TODAY スピードテスト」アプリで下り速度、上り速度を各3回ずつ測定する方式を採用した。結果を見てみると、全国50カ所の平均速度では、ワイモバイルが下り25.22Mbps、上り7.93Mbpsとなり、UQ WiMAXは下り22.37Mbps、上り4.48Mbpsで、上り・下り速度ともにワイモバイルがUQ WiMAXを上回った。とりわけ、UQ WiMAXが上り速度で苦戦する結果となった。また、各計測地点の通信速度では、ワイモバイルはすべての地点で下り10Mbps以上となり、下り10Mbps台が8地点、20Mbps台が35地点、30Mbps台が7地点と、全体的に安定した速度を記録した。一方、UQ WiMAXは、下り20Mbps以上を記録した地点が34カ所あったものの、下り10Mbps未満となる地点が3カ所あり、全体の平均を押し下げている。なお、ワイモバイルは全国50地点すべてで高速通信「AXGP」または「LTE」の電波を受信でき、UQ WiMAXも全国50地点すべてで高速通信「WiMAX 2+」の電波を受信できたという。ここで、両社のモバイルルーターの通信方式をおさらいしておくと、ワイモバイルのモバイルルーターでは、ワイモバイル(旧イー・モバイル)の1.7GHz帯LTE、ソフトバンクの2.1GHz帯LTEに加えて、ソフトバンクグループのWireless City Planningが提供するAXGPを利用でき、通信速度は理論値で下り最大165Mbpsとなっている。一方、UQ WiMAXのモバイルルーターでは、WiMAX 2+およびWiMAXを利用でき、オプション料金を支払うことで、KDDIのau 4G LTEも利用可能。WiMAX 2+の通信速度は理論値で下り最大220Mbpsとなる。下り速度の理論値では、UQ WiMAXがワイモバイルを上回るが、今回の通信速度調査では、ワイモバイルが優勢という逆の結果になった。これは、ワイモバイルとソフトバンクのLTE、さらにAXGPという3つの高速通信ネットワークに対応するワイモバイルのモバイルルーターが、カバーエリアの面で優位であったことが要因と考えられる。対するUQ WiMAXのWiMAX 2+は、東名阪エリアからスタートし、全国主要都市へと拡大中だが、カバーエリアの面ではまだ十分とは言い難い。ワイモバイルのカバーエリアの広さが、UQ WiMAXの理論値のアドバンテージを打ち破り、実測の通信速度では上り・下り速度ともに上回る結果につながったと言えるだろう。●意識調査でも支持を集めるワイモバイル○利用検討者は、使い放題で割安のワイモバイル「Pocket WiFiプラン+」を支持Webアンケートで実施された意識調査では、まず、現在モバイルルーターを利用していない1,000人に対して、「月額料金が安かったら、モバイルルーターを利用する可能性はあるか?」を質問。その結果、40.7%が「利用を検討したい」と回答した。利用用途としては、「固定インターネットの代わり」とする回答が約3分の1となり、自宅の固定回線の代替としてモバイルルーターを検討する人が多いことがわかる。次に、モバイルルーターの利用を検討したいと回答した407人に対し、ワイモバイルとUQ WiMAXそれぞれの新料金プランを提示し、どちらが魅力的に見えるかを質問した。なお、対象の料金プランは、ワイモバイルが「Pocket WiFiプラン+」、UQ WiMAXが「UQ Flat ツープラス ギガ放題」。その結果、ワイモバイルを利用したいという回答が45.7%となり、UQ WiMAXの11.8%を大きく上回った。また、「どちらも利用したいと思わない」という回答は42.5%だった。前述の通り、両社のモバイルルーターの通信速度は、理論値でワイモバイルが下り最大165Mbps、UQ WiMAXが下り最大220Mbpsとなっているが、これらはいずれもキャリアアグリゲーション(CA)という技術により実現している。CAとは、周波数帯の異なる複数の電波を束ねることで、通信速度を高速化する最新技術。ワイモバイルのPocket WiFiプラン+は、CAに対応する端末の専用プランとなり、2年契約で「おトク割」を適用することで、2年間の月額料金が3,696円となるのが特長だ。一方、UQ WiMAXのUQ Flat ツープラス ギガ放題は、下り最大220MbpsのWiMAX 2+が使い放題で利用できることが特長のプランで、月額料金は4,380円。なお、キャンペーンにより、最大3カ月は月額3,696円で利用できる。当初の3カ月の料金はワイモバイルとUQ WiMAXともに月額3,696円で同様だが、4カ月目以降はワイモバイルのほうが約700円割安になるため、この料金の差が、ワイモバイルが支持を集めた一因だと考えられる。また、UQ WiMAXの場合、KDDIのau 4G LTEを利用するには、LTEオプション料金として、月額1,005円が追加で必要となる。対するワイモバイルは、最初からLTEとAXGPを利用可能であり、追加料金を支払うことなくLTEを利用できることもメリットとなっている。なお、ワイモバイルの場合、月間の通信量が7GBを超過した場合、通信速度制限が行われるが、速度制限が行われたときに通常の速度に戻す追加料金(500円/500MB)がキャンペーンにより最大2年間無料となるため、2年間は実質使い放題で利用可能となっている。そのため、使い放題が特長のUQ WiMAXのプランと比べても遜色ない内容と言える。ただし、月間の総量制限とは別に、ワイモバイルでは前日までの3日間の通信量が1GBを超えた場合に、当日6時から翌日6時まで速度制限が行われる場合がある。一方、UQ WiMAXでは3日間の通信量制限がないため、この点ではUQ WiMAXが優位と言える。一般的な使い方では3日間の通信量が1GBを超えることはないと思われるが、ヘビーユーザーであれば留意しておくとよいかもしれない。***ICT総研が実施した全国50カ所におけるモバイルルーターの通信速度調査では、ワイモバイルが上り・下り速度ともにUQ WiMAXを上回る結果となった。理論上の最高速度ではUQ WiMAXが優位であることを踏まえると、モバイルルーターを選ぶ際には、ネットワークや機種のスペックだけで判断するのではなく、通信速度調査などの実測値を参考にするのが賢明と言えそうだ。また、料金プランについても、利用できるネットワークの種類やカバーエリア、キャンペーンなどを考慮し、よく比較検討したうえで、もっともお得なモバイルルーターを選択するとよいだろう。
2015年03月06日トレンド総研は24日、ケータイ(フィーチャーフォン)ユーザーの男女500人を対象に、ケータイのメリットや使い続ける理由などを聞いた「携帯電話に関する意識・実態調査」の結果を発表した。同調査から、ケータイのメリットや使い続ける理由については「使い慣れている」が最も多く、続いて「月額利用料の安さ」が続いた。ケータイのメリットや使い続ける理由について聞いたところ、「使い慣れているから」(72%)が最多だった。次いで「月額利用料の安さ」(69%)、「"ケータイ"で特に不自由はない・満足しているから」(51%)が続いた。「バッテリーのもちがよいから」(34%)、「(テンキー/ボタン式の)操作性がよいから」(24%)など操作性に触れた回答も目立った。また、ケータイにこだわっているポイントの有無について聞いたところ、全体の84%がこだわりのポイントがあると回答したという。具体例として、「ワイシャツの胸ポケットに無理なく収まるサイズ感がよい」(39歳・男性、ケータイのみ利用)、「緊急時に使えないと困るので、バッテリーの持ちを重視して"ケータイ"を持っていて、スマホとの2台持ちをしている」(38歳・男性、スマホとケータイの併用)。続いて、ケータイ1台のみを使うユーザーを対象に、スマートフォンの利用意向を調べたところ、スマートフォンへの乗り換え意向は約25%で約4人に1人と少数だった。スマートフォンを使いたい理由としては、「Webサイト(パソコン用サイト含む)を利用・閲覧したいから」(40%)、「スマートフォン用のアプリを使いたいから」(30%)が上位に並んだ。今後のケータイの継続利用については、92%がケータイを使い続けたいと思うと回答。ただし、「2台持ちは全く考えていないので、両方のいいところを備えたものを期待している」(64歳・女性・ケータイのみ利用)、「スマホの操作性がより簡単になればいいと思う」(59歳・男性・ケータイのみ利用)といった声があり、現状に満足しているわけではなく、スマートフォン、ケータイに対する要望がうかがえるコメントもあったとしている。
2015年02月24日トレンドマイクロは2月18日、「.tokyo」ドメインを悪用した不正サイトを初めて確認したと発表した。「.tokyo」ドメインは、GMOインターネットグループが展開する地域名のトップレベルドメイン。2014年4月より提供が開始され、国内の都道府県のトップレベルドメインとして「.nagoya」に次いで2番目となる。ドメイン名を見れば「東京発」であることがわかることから、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの情報発信ツールとしても期待が寄せられている。トレンドマイクロは、「.tokyo」ドメインを悪用しする不正サイトを2月11日を発見し、その後2月16日まで調査した。合計1万1800件のアクセスを確認した。アクセスの内訳は日本からが7800件で、不明が4000件であった。不正サイトは、中古のブランドバックの販売を謳うもので、サイト内に多くの海外ブランドの名前、商品が写真付きで掲載されている。実際の被害があったかは明かされていない。トレンドマイクロのセキュリティ製品では、この不正サイトへのアクセスをブロックしている。トレンドマイクロでは、不正サイトに騙されないための防御策として、危険なWebサイトをブロックするためのセキュリティ製品をインストールすること、不審なサイトへのアクセスや、極力怪しいメールの開封をしないことの2つを呼びかけている。
2015年02月19日MM総研は2月5日、ウェアラブル端末における日本国内および米国の市場展望を発表した。今回の調査は、米国と日本のウェアラブル端末の消費者のニーズを比較するためのもの。回答数は日本1000人、米国500人のスマートフォン利用者にウェブアンケートを実施した。調査に当たり、ウェアラブル端末を「身に着けることができるコンピュータ」で、「ネットワークに接続できる機器(スマートフォンなど他の通信機器と連携するものも含む)」と定義している。調査結果は以下の通り。○ウェアラブル端末の知名度は日本48.9%、米国94.2%ウェアラブル端末の知名度の質問で「よく知っている」「知っている」「名前は聞いたことがある」と回答した人の合計は、日本が48.9%と前回調査より21.0ポイント上昇、米国は94.2%となり10.8ポイント上昇し、米国が日本を大きく上回った。個別の製品では、アップルが発表した腕時計型端末「Apple Watch」の知名度は日本で58.2%、米国で89.2%。ソニーモバイルコミュニケーションズの腕時計型端末「SmartWatch」の知名度が日本43.3%、米国83.6%で、個別製品についても米国が高い結果となった。○期待する企業は日米ともにグーグル、アップル。日本ではソニーも上位にウェアラブル端末の開発、製品化で期待する企業を調査。メガネ型端末では、日本がグーグル(20.0%)、アップル(18.4%)、ソニー(13.4%)の順であったの対し、米国がグーグル(56.4%)、アップル(33.6%)、サムスン(28.6%)の順となった。日米ともにグーグル、アップルへの期待が高いが、日本ではソニー、米国ではサムスンに対する期待が高いことがわかった。腕時計型への期待は、日本がアップル(17.4%)、ソニー(17.2%)、カシオ(14.4%)、米国がサムスン(37.2%)、アップル(29.0%)、ソニー(27.4%)の順だった。○メガネ型端末の利用シーンは日本では「ルート検索」、米国では「SNS共有」がトップメガネ型端末で利用してみたい機能は、日本が「地図を表示してルート検索をしたり、道案内をしたりする」が31.4%、米国では「目の前にある風景を撮影して、SNSで共有する」(41.2%)がトップだった。このほか日本では「駅の中で乗り換えの時間だけでなく、場所の案内もしてくれる」(25.8%)、「視線の先にあるものの名称や関連情報が表示される」(17.9%)、米国では「地図を表示してルート検索をしたり、道案内をしたりする」(36.8%)、「目の前にいる人を撮影して、Facebookなどでタグ付けして共有する」(35.8%)などが上位に食い込んだ。○腕時計型の利用シーンは「天気予報チェック」が日米ともにトップ時計型端末で利用してみたい機能は、「天気予報を教えてくれる」が日本で25.2%、米国で46.8%といずれもトップだった。このほか日本では「通話やメッセージの受信が通知される」(21.3%)、「お店や駅の改札などで、近づけるだけで支払いができる」(20.3%)、米国では「通話やメッセージの発信ができる」(46.0%)、「通話やメッセージの受信が通知される」(43.4%)が上位となった。○日米ともに情報漏えい・プライバシー侵害が課題にウェアラブル端末における情報漏えいやプライバシー侵害などについて、事業者から個人情報が漏れることに関して「不安に感じる」「やや不安に感じる」の合計が、日本では66.2%、米国では61.8%となった。ウェアラブル端末を利用していない場合でも、端末所有者から盗撮や追跡をされることがありうるが、その不安は日本が67.2%、米国が65.2%で両国ともに高かった。○業務利用は「ハンズフリー」に期待、導入可能性は流通などが高いメガネ型端末の業務利用については、日本では「手を使わずに機械の操作ができる」が35.5%で他を大きく上回り、「ハンズフリー」であることへの期待が高いことが分かった。一方の米国では、「手を使わずにマニュアルが読める」が44.4%でトップだった。また、自らの業種の現場で今後導入の可能性があるかどうかを尋ねたところ、日本では流通、通信・IT関連、米国では不動産、金融の順で高かった。○2015年度は134万台、2020年度に573万台に拡大すると予想MM総研では、消費者調査とウェアラブル端末事業者の動向を踏まえ、市場規模(販売台数)の予測を実施。現段階では、身体データを収集して健康状態を確認できるリストバンド型の端末や、頭部に装着して周辺を撮影できるウェアラブルカメラと呼ばれる製品が中心だ。2015年度以降はアップルが発表した腕時計型端末「Apple Watch」など、16年度にかけて市場が拡大する可能性が高い。日本の市場規模は2015年度に134万台、2020年度に573万台に拡大すると予想している。
2015年02月06日MM総研は1月7日、「法人ユーザーにおける携帯電/スマートデバイスの導入配布状況・ニーズに関する調査(2014年度版)」を実施し、その結果を発表した。調査は、従業員数100人以上の大手・中小企業および学校・医療福祉法人の総務部門を対象とし、500社(500人)の回答を得られた。また、比較用として従業員数10人以上100人未満の中小企業244社(244人)にも調査を実施している。調査方法はWebアンケートで、期間は11月7日~12日。アンケート結果によると、スマートフォンの導入企業の割合は、本格導入が前年調査(2013年9月~10月に実施)から2.5%増加の22.4%となり、テスト・部分導入を含めた導入企業は、1.3%増の31.4%、検討中は5.1%減の10.6%に縮小した。一方で、法人向けのフィーチャーホンの需要も高く、3年後の稼働台数は54%残る見通しとなっている。法人名義の携帯電話・PHS、スマートフォンのいずれかを現在、従業員や役員などに「配布している」企業は71.2%、「配布していない」企業は28.8%だった。スマートフォン絞り込むと、配布している企業は「本格的に導入済み」が22.4%で、「テストまたは部分導入済み(9.0%)」を合わせて全体では31.4%であった。一方、配布している企業のうち、導入を「準備中(1.4%)」、「検討中(10.6%)」とした企業は12.0%で、「まだ考えていない」が25.4%、「必要なし」が31.2%だった。スマートフォンを導入する企業の割合は昨年の1.3%増に留まり、市場でのスマートフォンの勢いからすると伸びが少なく、予想外の結果となった。また、導入予備軍となる「準備中」は、1.4%で変わらなかったが、「検討中」の割合は前回から5.1%縮小しており、今後も増加ペースが落ちていくこと、テスト・部分導入の裾野の急激な広がりは期待できないことがわかった。従業員配賦率(総従業員数に占める携帯電話・PHS、スマートフォン配布台数の割合)の推移を現在・1年後・3年後で比較すると、現在が22.4%で、1年後には25.1%、3年後には27.3%まで拡大する見通し。スマートフォンの配布率のみに絞り込むと、現在は平均5.8%、1年後には9.7%、3年後には12.5%と増加する見通し。また、携帯電話・PHSを含めた端末全体におけるスマートフォンの比率も着実に拡大しており、現在の26%から、1年後に39%、3年後に46%となる見通しとなっている。タブレット端末の従業員配賦率は、現在が平均2.6%で、1年後は4.3%、3年後に6.2%と増加する見通し。増加の推移は、スマートフォンの半分程度であった。現在のところ、「本格的に導入利用済み」が12.2%で。「テストまたは部分導入利用済み」の7.8%を合わせても20%に留まっている。一方で配布していない企業のうち、導入を「準備中」(2.8%)と「検討中」(14.8%)を合わせた導入予備軍が17.6%で、「まだ考えていない」が28.8%、「必要なし」が33.6%だった。「検討中」の割合は、スマートフォンよりも高く、タブレット端末のほうが今後もテスト・部分導入の傾向が強いことがわかった。
2015年01月09日産業技術総合研究所(産総研)は1月7日、脳損傷で失われた運動機能を肩代わりする脳の変化を解明したと発表した。同成果は、産総研ヒューマンライフテクノロジー研究部門システム脳科学研究グループの村田弓 研究員、肥後範行 主任研究員と理化学研究所ライフサイエンス技術基盤研究センターの林拓也 ユニットリーダー、尾上浩隆 グループディレクターらが、自然科学研究機構生理学研究所の西村幸男 准教授、伊佐正 教授、京都大学霊長類研究所の大石高生 准教授、浜松ホトニクス 中央研究所の塚田秀夫センター長らと協力して得られたもの。1月7日付の米科学誌「Journal of Neuroscience」オンライン版に掲載された。今回、モデル動物の大脳皮質運動野で手の運動機能を担う領域に損傷を作成後、リハビリによる運動機能の回復過程での脳活動の変化を調べた。指先でものをつまむといった動作はヒトと一部の動物のみが持つ高度な運動機能で、手の運動機能を担う領域が損傷すると回復は不可能と考えられていたが、リハビリの結果、約1カ月後に運動機能が回復した。これは、リハビリの回復過程で損傷した領域の機能を補うために脳に何らかの変化が生じたためと考えられた。同研究グループが陽電子放出断層撮影(PET)を用いて、動作が回復した直後の脳の変化を調べたところ、損傷した領域の活動は減少していたが、損傷前よりも活動が上昇した脳領域が複数認められた。また、損傷後数カ月経過した回復の安定期の脳活動を調べたところ、損傷近くの領域で活動の変化が見られた。さらに、この脳の変化が機能回復に貢献しているかどうかを検証するために、回復直後と回復安定期に、変化が認められた領域の活動を薬剤によってブロックした。その結果、手の運動障害が再発したことから、これらの領域の脳活動の変化が、損傷した手の運動機能を担う領域を肩代わりしていることが確認された。同研究グループは「今回の研究成果は、脳機能のメカニズムに基づいた新しいリハビリであるニューロリハビリテーションを構築する上で鍵となる」とコメントしている。
2015年01月08日産業技術総合研究所(産総研)は12月16日、LSIの3D積層技術の実現に向けて、新たな多結晶膜形成技術を開発し、N型多結晶ゲルマニウム(Ge)トランジスタの性能を大幅に改善したと発表した。同成果は、同所 ナノエレクトロニクス研究部門 新材料・機能インテグレーショングループの森貴洋研究員らによるもの。詳細は、12月15~17日に米国サンフランシスコで開催される国際会議「2014 International Electron Devices Meeting(IEDM2014)」にて発表される。多結晶Geは、広く用いられている多結晶シリコン(Si)に比べ、より低温(500℃以下)で形成できる。そのため、熱的ダメージを与えずに集積回路上にCMOS回路を直接積層でき、3D-LSIの要素技術として有望である。さらに、Ge中の電子や正孔の移動度はSiよりも高いため、高速動作や低電圧動作が期待される。一方で、集積回路動作にはN型とP型のトランジスタが必要で、多結晶GeのP型トランジスタではすでに通常の単結晶Siトランジスタに迫る十分な性能が得られている。しかし、N型トランジスタの電流駆動力は通常のSiトランジスタよりも1桁以上低いという問題があった。今回開発した技術では、電流駆動力を従来の約10倍に増大できたため、多結晶Ge集積回路の動作速度が実用レベルになると期待され、3D-LSIの実現に貢献することが考えられるとコメントしている。
2014年12月18日産業技術総合研究所(産総研)は12月15日、立体型トランジスタ(フィンFET)の低周波ノイズをこれまでの最小レベルに低減する技術を開発したと発表した。同成果は、同所 ナノエレクトロニクス研究部門 シリコンナノデバイスグループの松川貴上級主任研究員、昌原明植研究グループ長らによるもの。詳細は、12月15~17日に米国サンフランシスコで開催される国際会議「2014 International Electron Devices Meeting(IEDM 2014)」にて発表される。トランジスタの低周波ノイズはフリッカノイズとしても知られ、トランジスタの面積に反比例して増加するため、アナログ集積回路の縮小の妨げになっていた。また、寸法を小さくすることにより性能が向上したトランジスタをアナログ集積回路で活用する際の障害になっていた。今回、均質な状態が得られる非晶質金属ゲートを導入したフィンFETにおいて低周波ノイズを従来技術の約1/5へ低減することに成功した。同技術により、アナログ集積回路の低コスト化につながるチップサイズ縮小と高性能化が期待できるとコメントしている。
2014年12月17日MM総研は11日、「ITデジタル家電購入意向調査(2014年冬ボーナス商戦編)」の結果を発表した。ボーナスの使い道として商品・サービスの購入を挙げた人においては、昨冬よりIT・デジタル家電製品の購入意向が増加した。調査の対象は、インターネットアンケートサービス「NTT コム リサーチ」の会員モニターで、全国の20歳以上の就業者1,115人。冬のボーナスの増減を調査したところ、「横ばい(昨年と変わらない)」と答えた人が45.1%で最も多かった。「前年比1%増~9%増」から「前年比50%増以上」と回答した人は合わせて13.7%で、昨冬の調査時の8.7%から5ポイントの上昇を見せた。対して今冬のボーナスが「前年比1%減~9%減」から「前年比50%減以上」と回答した人は合わせて8.7%だった。今冬のボーナスで購買意欲が「大変上がった」「やや上がった」と回答したのは合わせて13.2%で、「変わらない」と回答したのは65%、「大変下がった」「やや下がった」と回答したのは合わせて21.8%。購買意欲が「下がった」人の方が「上がった」人より多かった。今冬は大手企業を中心にボーナスの増額に踏み切る企業が増加した一方で、2014年4月の消費税増税や円安に伴う物価上昇などの影響から購買意欲は足踏み状態にある、とMM総研は分析している。今冬のボーナスの使い道を調査したところ、「貯蓄・運用」が最も多く59.1%、続いて多かったのは「商品・サービスの購入」をすると回答した人で37.3%であった。「商品・サービスの購入」をすると回答した人に、購入商品の分野を尋ねたところ、ノートパソコンや薄型テレビ、スマートフォンなどを含む「IT・デジタル家電」と回答したのが35.3%で、昨冬の33%から2.3ポイント増えた。「IT・デジタル家電」の項目ごとに購入意向を調べたところ、薄型テレビが最も多く9.7%。薄型テレビは昨冬の5.2%から4.5ポイント伸びた。薄型テレビの購入意向を示した29人のうち、20人が「4Kテレビ」を購入する意向を示しており、国内大手テレビメーカーの4Kテレビ製品が出揃って比較検討しやすくなった点、1インチあたりの価格が低下した点が影響している、とMM総研は見ている。薄型テレビに続くのは、ノートパソコンが9%、スマートフォンが8.3%。ノートパソコンは昨冬の6.8%から2.2ポイント、スマートフォンは昨冬の6.1%から2.2ポイント増加した。
2014年12月12日産業技術総合研究所(産総研)は11月11日、貴金属と酸化物が接合したナノ粒子の生成技術を開発したと発表した。同成果は、同所 ナノシステム研究部門 フィジカルナノプロセスグループの古賀健司主任研究員、先進製造プロセス研究部門 加工基礎研究グループの平澤誠一主任研究員らによるもの。詳細は、英国物理学出版局(IOP Publishing)の学術誌「Materials Research Express」のオンライン版に掲載された。貴金属と卑金属で構成される合金のナノ粒子を酸化させると、卑金属成分のみが酸化されることによって、貴金属と酸化物の分離が起こる。この際、一方向に酸化物の成長を促すことによって、酸化物ナノ粒子の一部に貴金属が接合した粒子が生成されることを、貴金属と酸化ニッケル(NiO)をモデルとして今回実証した。同技術によって、ナノスケールの貴金属と酸化物の接合が、複雑な化学プロセスを使用することなく可能になるという。今後、研究グループでは、より多くの種類の酸化物と貴金属が接合したナノ粒子の生成を行い、酸化現象のより深い理解を目指す。また、半導体酸化物と貴金属が接合したナノ粒子については、ガスセンサや触媒特性などの評価も行う予定であるとコメントしている。
2014年11月12日産業技術総合研究所(産総研)とニコンは11月10日、目盛り誤差1nm以下のリニアエンコーダを開発したと発表した。同成果は産総研 計測標準研究部門 長さ計測科 ナノスケール標準研究室の堀泰明 主任研究員、権太聡 研究室長、同長さ標準研究室の尾藤洋一 研究室長とニコンによる共同研究によるもので、11月9日~14日まで米ボストンで開催されている「29th Annual Meeting of the American Society for Precision Engineering (ASPE)」で発表される。リニアエンコーダは、1nm以下の高分解能の「ものさし」であり、表面に刻線のある基板と読取り装置との組み合わせで、長さや位置を非常に正確に測定できる。表面に刻線のある基板には数μm~数十µmの間隔で凹凸の刻線があり、その間隔を読取り、さらに電気的に等間隔に分割することで高分解能の目盛を得ている。これらの目盛は等間隔に並んでいるが、微視的には歪みが生じているため、これまでナノメートルオーダーの誤差は避けられなかった。今回、ニコンが開発した独自の目盛読取り方式による誤差低減技術と、産総研が開発したレーザー干渉を利用した正確な目盛の誤差の評価技術とを組み合わせることによって、1nm以下の誤差を実現した。同技術は今後、半導体素子や光学素子の加工精度の向上への貢献が期待されるという。
2014年11月10日ICT総研が4日に発表した、「2014年度 モバイルニュースアプリ利用動向」に関する調査結果によると、利用率1位は「Yahoo!ニュース」、2位は「Gunosy」、3位は「SmartNews」だった。同社は、PCやスマートフォンのYahoo!ポータルサイトを利用しているユーザーは、5,000万人以上いるため当然の結果であると分析している。同調査結果によると、モバイルニュースアプリの利用者数は、年々増加しており、2012年度末には303万人だったが2013年度末には1,294万人に上った。今後も増加傾向は続き、2014年度末には2,242万人、2015年度末には3,286万人まで増加すると見込まれている。同社が2014年10月に行ったアンケート調査では、4,294人のアンケート対象者のうち41.9%が「1年以内にニュースアプリを利用したことがある」と回答。アプリ別で、最も利用率が高かったのは「Yahoo!ニュース」で31.7%、続いて「Gunosy」で7.3%、3番目は「SmartNews」で6.8%だった。また、主要ニュースアプリの満足度調査も実施。1位は「SmartNews」で77.7ポイント、2位は「Flipboard」で77.3ポイント、3位は「Yahoo!ニュース BUSINESS」で76.7ポイントと、利用率とは違った結果となった。満足度1位となった「SmartNews」について、同社は、電波の悪い場所でも記事を読める「Smartモード」など、スマートフォンに最適化されたユーザーインターフェースが理由だと分析している。(記事提供: AndroWire編集部)
2014年11月05日MM総研は11月4日、国内クラウドサービスの市場規模・予測と需要動向に関する調査結果を発表した。これによると、2013年度の国内クラウド市場は前年度比22.6%増の6,257億円となり、2015年度には1兆円を超え、2018年度には2013年度比2.9倍の1兆8,081億円に達すると予測されている。パブリッククラウド(SaaSおよびIaaS/PaaS)の市場は2013年度1,869億円で前年度比34.2%増となった。同社は、IaaS/PaaSの急成長を背景に、パブリッククラウドは2018年度まで年平均21.2%で成長し、2013年度比2.6倍の4,882億円に達すると予測している。プライベートクラウド(ホステッド、オンプレミスおよびコミュニティ)は2013年度4,388億円で前年度比18.3%増となった。コミュニティクラウドやホステッド・プライベートクラウドの拡大により2017年度に1兆円を超え、2018年度には2013年度比3.0倍の1兆3,199億円になると予測されている。クラウド市場におけるプライベートクラウドの比率は2013年度70.1%を占めるが、2018年度には73.0%と緩やかにシェアを高め、引き続きクラウド市場を牽引する傾向が見られるという。新規システム構築時にクラウドの活用検討する法人ユーザーは、2013年調査時の69.1%から78.1%へ9ポイント増加し、「クラウドファースト」が浸透してきていることが鮮明になった。原則的にプライベートクラウドやパブリッククラウドを利用する割合は40.5%(2013年調査時35.0%)、クラウドを検討に入れる割合は37.6%(同34.1%)となった。同社は今後、非クラウド環境のオンプレミス型もクラウドのメリットを積極的に勘案してクラウド側へシステムを移行していく企業が増加すると推測される。また、パブリッククラウドを利用しない企業の理由は「情報漏洩などのセキュリティが心配」が最も多く3割を超え、セキュリティへの不安が利用障壁となっていることがわかった。次いで「運用コストが高くなってしまう」、「既存システムとの一体的な運用が難しい」と続き、運用面の不安が上位を占めた。パブリッククラウドのIaaS/PaaSを利用・検討している法人ユーザー(n=701)が選ぶサービスは「Amazon Web Services」が33.7%と最も多く、3社に1社に上ることが明らかになった。ホステッド・プライベートクラウド(n=695)では「Bizホスティング Enterprise Cloud」(NTTコミュニケーションズ)が19.0%と最も多く、Amazon、NTTコミュニケーションズ共に2013年調査時の利用・検討率を大きく上回る結果となった。また、オンプレミス・プライベートクラウドの構築サービスを利用・検討している法人ユーザー(n=659)では、ベンダーとして「IBM」(18.7%)が最も多く挙げられた。
2014年11月04日