重ねるごとに、肌に秋らしいムードを仕込む。Celvokeのカラーコンシーラー
秋というのはなんとも気持ちが忙しい。
ひんやりと通り抜ける秋の気配や実り豊かな幸福感、忍び寄る物悲しさにも身を委ねその日のムードを楽しむのはどうだろう。
■一見変わりのないものごとも、秋の木々のようにすこしずつ変化している
そう、たとえば、肌寒さに慌てて重ねたニットonニットのニュアンスを楽しんだり、ビンテージショップで買ったブラウスから、その大きなサイズ感と漂うスパイシーな香水の香りに異国のマダムの生きざまを感じたり。蚤の市で見つけたブルー・グレーの陶器に深入りのコーヒーをいれて、その色合いと部屋中に広がる香りをいつまでも楽しむのもいい。
なんて考えながら、ふと夕方のひんやりとした空気とともに、ふいに物悲しさが襲ってきた。慌ててコーヒーをすすったけれど、すっかり冷めて、冷たい苦味が喉を通る。夏の終わりから始めたいくつかのことがなにも進んでいないような気がして、ここのところ虚しさを感じていた。いっそすべてを投げ出してしまおうか、といじけてみる。
けれど、一見変わっていないようなものでも静かに色づき、深みを増し、実っているということを教えてくれるのも秋なのだ。私がいま進めていることだって、長い目で見れば紅葉のようにいずれ色を深め、私の一部になりうるかもしれない。