「ステロイド塗り薬」の使い分けと塗り方。皮膚科医が解説します
こんにちは。皮膚科医の赤池智子です。
前回までは、ステロイド薬の働きや副作用についてお話ししました。
今回は、皆さんが最も手にすること、目にすることが多いと思われる「ステロイド塗り薬」について。
クリームやローションなど、いろいろなタイプがあるけれど、使い分けはどうすればいいのか、どれくらいの量をどんな風に塗れば良いのか、さらに、よく聞かれる質問についてお話しします。
■塗り薬は主に3タイプある
大きく、軟膏(なんこう)、クリーム、ローションの3つのタイプが一般的です。
軟膏はワセリンがベースとなって、有効成分が混ざっています。使用感はやや重く、ベタつきが気になる方もあるかもしれません。
クリームやローションは、油と水が混ざり(乳化:にゅうかと言います)吸収されやすく、肌に塗ると、伸びやすく塗りやすいです。軟膏に比べるとすーっと馴染みやすい使用感があると思います。
基本的には使用感や、塗る面積に応じて塗りやすさなどで、使い分けていただいて大丈夫です。ただ、皮膚の炎症が強く、掻きむしってしまい、ただれが見られる場合などは、最も低刺激な軟膏基材が肌を守ってくれるでしょう。
クリーム、ローションは肌の状態によっては、刺激になることもあると知っておいてください。