「ステロイド塗り薬」の使い分けと塗り方。皮膚科医が解説します
塗り薬としてのステロイドは、かゆみなど炎症があるところに、その炎症を抑える働きを期待して処方されるものだということは、前回お話しましたね。
実は、そもそもの炎症そのものが治る過程で赤味を帯びた状態から、くすんだ茶色かかった色になり、炎症の程度によって、皮膚が少しむけたような状態になり、徐々に治っていきます。
特にもともとの炎症が強かった場合には、「炎症後色素沈着」といったややくすんだ色素が残ることがあります(※)。
※この状態になった場合は、日焼け止めを数時間おきに塗るなど、日焼け対策をすることが大切です。
つまり、ステロイドのせいではなく、もともとの炎症のために起き得ることだといえます。ステロイドを塗ったことによって炎症が落ち着き、その過程で赤々した色から茶色かかった色になるので、「ステロイドのせいだ」と思いやすく、このように言われることがあるのでしょう。
この他にも「ステロイド薬は体内に蓄積する」と耳にして、心配する方もいらっしゃいましたが、これも間違いです。
以上が、ステロイド塗り薬のお話となります。
今後、皆さんが必要なときに、正しい使い方をするときの参考にしていただけたらと思います。