風邪からメンタルケアまで 自然治癒力を高める「ホメオパシー」って本当にいいの?


メンタルケアにも応用できるレメディー

レメディーには症状を引き起こす物質が含まれていますが、その量はごくわずか。植物などの抽出液をアルコールと蒸留水をまぜたものに100分の1まで希釈し、その液体を振ったり叩いたりして混ぜるそう。これを12回繰り返し砂糖玉にしみこませたものがレメディーです。

これだけ薄めているのですから、元となる物質が検出されることはほとんどなく、レメディーそのものには熱などの症状を引き起こす力はないのだとか。しかし、自己治癒力を起こすきっかけになるといわれています。

これは病的な症状だけでなく、悲しみや怒りなどのメンタル面にも応用でき、メンタルケアにホメオパシーを取り入れるケースもあるようです。


科学では解明されないことが多い療法

薬を投与する対症療法と比べると、ホメオパシーは体にやさしい医療といわれ、欧米では「ホメオパス」という専門家がいるほど普及しています。しかし、科学では解明されていないことが多いことから、この効果を疑問視する声があるのも事実です。

厚生労働省の「『統合医療』情報発信サイト」によれば、ホメオパシー治療薬はアメリカで医薬品として管理対象に指定されているものの、FDA(アメリカ食品医薬品局)ではこの安全性と有効性を評価していないのだとか。

また、同サイトでは「通常医療の治療の代わりにホメオパシーを利用する、または、病的疾患について医療機関を受診することを先送りにするために、ホメオパシーを利用しないでください」と訴えています。

どの療法にもいえますが、「なんとなく良さそう」というだけで取り入れるのは危険。その概念やメリット・デメリット、また自分の体調・体質をじゅうぶんに把握したうえで判断することが大切です。

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