2018年8月24日 06:00
日本は規制が緩い?欧米で議論呼ぶ除草剤メーカー側の言い分
前出の山田さんは、こんな指摘をする。
「ヨーロッパではグリホサートの使用禁止を求める市民発議に140万人が署名するなど『ラウンドアップ』の使用を規制する流れができています。そんななか、日本はグリホサートの規制が緩く、国産大豆の乾燥の手間を減らすため、収穫前に『ラウンドアップ』を大豆に散布しているという事例もあります。乾燥作業が必要な米や小麦などにも今後、拡大していく可能性があります。またグリホサートと同じ成分の除草剤が、ジェネリック品として広く販売されているなど、非常に危惧しています」
モンサントは、今年ドイツの医薬品大手バイエルに買収されている。そこで日本モンサント広報部に聞いてみたところ「グループ全体の意見としてですが」と、ことわりながら、次のように説明する。
「(判決は)800以上にわたる科学的な試験研究と検証の事実により、グリホサートは発がん物質ではなく、ジョンソン氏(※訴えた男性)のがんの原因でもない、という事実を裏付ける米国環境保護局、米国立衛生研究所および世界中の規制当局による安全性に関する結論を覆すものではありません」
モンサントは判決について上訴する方針を明らかにした。