2019年4月5日 11:00
多くの不定愁訴の原因に!?対象者急増する「舌ストレス」とは
舌の機能が低下すると、将来的に誤嚥を起こしやすくなるという。異物が肺に入り込んで発症する誤嚥性肺炎は、高齢者の主な死因でもある。
舌の状態をチェックしたいところだが、舌は鈍感なため、さまざまなストレスに気づきにくい。
「舌先を1とすると、舌の両脇は15~20倍も鈍感です。歯列が悪く奥歯が内向きに倒れている場合、舌の付け根は、常に奥歯にこすれているのですが、それに気づかないのです。負担が長年続けば、口内炎を繰り返すこともありますし、まれに舌がんとなった状態で発見されることもあります。実際に舌がんを含む、口腔がん、咽頭がんの総数は、’96年の約8,600人から、’16年までの20年間で約2万2,000人と、約2.5倍に増えています。舌がんも同じ傾向にあるとみられており、臨床現場においても、若年化している印象です」
安藤先生が懸念するのは、現代の日本人の9割以上が、舌ストレスを抱える顎の形だということ。
その大きな要因は、咀嚼回数だ。
「食生活が変わった’60年以降に生まれた人(59歳以下)は、要注意です」
成長期にパンやパスタ、ハンバーグが食卓の人気メニューになるなど、食が欧米化。