2019年6月12日 16:00
筋肉を失うと脳の細胞も減少――階段を下りて、脳の老化を防ぐ
逆に、歩行が安定しなくなると脊髄の運動ニューロンが減少しているという研究結果もあるように、筋肉を失うことは脳の神経細胞を失うことと同じなのです」
速筋を鍛えるには、布団の上げ下げ、床の雑巾がけ、和式トイレの使用、階段の上り下りなどの動作がよいと白澤先生は言う。どれも日常生活の中でできる動きだ。
「昔ながらの和の生活様式の中では、速筋をフル活動していました。今の住宅・都市構造はバリアフリーで便利になった一方で、私たちの体の機能を退化させてしまっているようです。ベストな動作は山歩きです。山道には規則性がありませんから、次にどこに踏み出そうかと瞬時に判断しなければならず、それが筋肉を鍛え、同時に脳にも刺激を与えるからです」
とはいえ、日々山歩きができるわけでもない私たちには「階段を下りる」動きがよいそうだ。正しい階段の下り方は次のとおり。
1)階段を下りるときは膝がまっすぐ前を向くようにする。
膝が内側や外側を向くのはNG。
2)母指球(親指の付け根のふくらんだ部分)を階段の面にのせてゆっくり足を下ろす。手すりをつかんでいる側と同じ足から下りると体がよろけにくくなり、安定性が高まる。
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