2019年8月1日 15:50
副作用で事故のリスクも…高齢者に睡眠薬“ムダ処方”の実態
に分類される。
「睡眠が浅く、途中で起きてしまうような人には長時間型。寝つきは悪いけれど、寝つければ朝まで寝られるという人には超短時間型、というふうに、その人の睡眠パターンや症状によって、薬の種類や摂取量を決めています」
しかし、不眠を訴える多くの高齢者にとって、睡眠薬が正しい解決策でなく、“不必要”に処方されていることも少なくないという。
「たとえば、夜中に何度もトイレで起きるのが嫌だから、ぐっすり眠るために睡眠薬が欲しい、という方もいます。そういう人には、睡眠薬よりも尿意をコントロールする薬のほうが適切な場合が多い。女性であれば、膀胱炎によって尿意が近くなっているケースもよく見られます。そんなときはまず、膀胱炎の治療に専念してもらいます」
じっさい、睡眠薬など飲まなくても、“膀胱炎が治ったら寝られるようになったわ”という人もいるそうだ。
「“眠れない”“深夜に目覚めてしまう”という場合、大きな病気が潜んでいる場合もある。
すぐに睡眠薬を処方するのではなく、患者の現状をしっかりと問診することが医師にも求められているんです」
ムダに処方されてしまう睡眠薬を飲むことで懸念されるのは、服用にともなう副作用や、過剰摂取による危険性だ。