2020年1月15日 15:50
寒い部屋にはご用心、室温が1度下がると脳は2歳老化する
言い換えれば、室温がほかの人よりも1度低い家で暮らす人は、脳が2歳分も老けているんです」
居間が冷えているだけで、脳が老けていくという衝撃の事実。でも、なぜ部屋が寒いと脳は老化してしまうのか。
「寒い場所にいると、私たちの体は体温の低下を防ぐために血管を収縮させますが、同時に血圧も上昇します。血圧が高くなりすぎると、血管は傷つき、小さな血栓ができたり、細い血管が破れたりするため、脳はダメージを受けると考えられます」
ダメージが蓄積すると、脳は徐々に情報伝達がうまくできなくなる。運動や記憶などをつかさどる脳の機能は低下し、老化が進んでいくというのだ。脳が老いれば、認知症にもなりやすくなる。
「加齢によって脳の機能は悪くなりますが、寒い部屋はそのスピードを加速させる。認知症のリスクをより高めることになります」
また、認知症予防には運動が重要だが、寒い住宅に暮らす人は動くのがおっくうになり、体を動かす時間が減少する。
「断熱改修する前と後で、1日の屋内での活動時間を計測したことがありますが、リフォーム前は約30分も活動時間が短かった。厚生労働省は、65歳以上の人で1日40分の運動をする人は、まったく運動をしない人と比べ、認知症などの発症リスクが21%低くなるとしています。