京丹後市ご長寿の暮らしに密着、手作り料理のメニューに秘密が
(的場教授)
実際に、ご長寿さんはどんな暮らしをしているのか。90代のご夫婦を訪ね、食生活を中心に話をうかがった。
現在、週3回のデイサービスに通う小林昭三さん(92)は、「たまたま長生きしているだけですよ」と謙遜するが、妻・久枝さん(86)の手料理のおかげで、大病したことはないという。
「朝はパンと牛乳、ヨーグルトに果物と軽め。昼はお父さん(昭三さん)はデイサービスの食事、私は昨日の鍋物の残りを食べました。白菜と春菊、それからかしわ(鶏肉)をたくさん入れたので、骨からコラーゲンがしみ出て、肌もツヤツヤです(笑)」(久枝さん)
昭三さんは公務員として定年まで勤め上げ、久枝さんはその間、昭三さんのご両親が営む仕出し店を手伝っていた。今はその店も閉め、2人で穏やかに過ごしているという。家事と、自宅の畑で野菜を育てるのが久枝さんの役割だ。
「食べるのはもちろん、野菜の成長を見ながらお手入れするのが楽しみなんです。これをぬか漬けにしたり、炊いたんにしたり。素材が生きる調理をします。ぬか漬けには乳酸菌がたっぷり含まれるので、それも体にいいんでしょうね。そのほか、5月ごろには、浜でとれるワカメやヒジキを使った海藻料理でしょ。