鎌田實先生「コロナ感染拡大で懸念される“巣ごもり老化”」
7月に入って以降、ふたたび猛威を振るい始めた新型コロナウイルスだが、ここにきて、その感染拡大が“想定外の影響”を及ぼしてきているーー。そう警鐘を鳴らすのは、諏訪中央病院名誉院長の鎌田實先生だ。
「コロナの感染拡大が本格化した3月ごろから外出自粛の要請が出された、いわゆる“巣ごもり生活”の時間が増えてきました。それにより、たしかに新型コロナウイルスの感染拡大は抑えられましたが、今度はその巣ごもり生活そのものが、中高年の健康をじわじわとむしばみつつあるのです」(鎌田先生・以下同)
鎌田先生によれば、外出自粛前にはコントロールできていた血圧や血糖値が、巣ごもり生活を経て上昇してしまった、という人が増えているというのだ。ほかにも、足腰の筋力や認知機能の著しい低下など、長引く巣ごもり生活の影響は多岐にわたっているという。
「医療の現場で目の当たりにするこうした患者さんたちは、まさに外出自粛による“巣ごもり老化”の状態だといえるでしょう」
もちろん“巣ごもり老化”という正式な病名があるわけではないが、鎌田先生は次のような兆候を指摘する。
「巣ごもり老化の兆候は、大きく3つに分けられます。