麻木久仁子さんもすすめる「夏冷えを防ぐ食べる“食べるお灸”」
麻木「確かに、自分でお灸をするのって、けっこう大変ですものね」
栗本「そうなんです。それに、食べることで“体の内側から”温められる利点もあります。クロロフィルやビタミン、ミネラルなど、ヨモギが持つ栄養も摂取できるので、コレステロール値を下げる、有害な物質を排出するなど、さまざまな効果も期待できるほか、香りには自律神経を落ちつかせる作用もあるんですよね」
麻木「薬膳でもヨモギは『艾葉(がいよう)』といって、体、特に婦人科系を芯から温める食薬です。血のめぐりをよくすることでも知られています。効能をみると、月経不順や月経痛、不妊など、まさに女性のための食材なんですよね」
栗本「確か、不正出血を止める作用もありましたよね」
麻木「そう。めぐりをよくするだけでなく、必要に応じて止める働きもある。女性の体の状態を整えてくれるんです。冷えは万病のもとですが、悲しいことに、だんだんとみずから温める力も弱まってくるので、更年期やその後の世代の女性にとって、ヨモギで芯から温めることはとても大切です。
ただ、私たちの世代は温めればそれでいいというわけではなくて、その力が強すぎると乾ききってしまうんですよね。