2020年9月21日 11:00
睡眠不足や転倒による骨折も 夜間頻尿がQOLの低下を招く
「寝ぼけまなこで夜中トイレに起きたら、階段でコケてしまいまして……。まだ若かったから骨にヒビが入った程度で済んだのかもしれませんが、もう少し年を取ってから転んだら大事になるから気をつけるように、と病院でもクギを刺されました」
苦笑しながらそう打ち明けるのはB子さん(69)。2階にある寝室から1階のトイレまで、狭い階段の手すりをつたって下りようとしたのはいいが、夜中に階段の電気をつけてしまうと、その後、目が覚めて眠れなくなってしまう。そこで、電気をつけずに階段を下りたところ、踏み外してしまったというのだ。
「夜間頻尿はQOL(生活の質)を損ないます。よくある話のひとつに、夜中にトイレで起きたとき、もうろうとしていて転ぶことがあります。暗い室内や、2階の寝室から1階に下りるときに階段を踏み外して転ぶケースも多いようです。特に高齢者の場合は、大腿骨頸部骨折や脳挫傷など大ケガがきっかけで、その後、要介護状態になるリスクが高まりますので注意が必要です」
そう話すのは、国立長寿医療研究センター副院長で泌尿器科が専門の吉田正貴先生。
また、夜中に何度も起きることで睡眠の質が悪くなり、それに比例して、日中の生活の質も下がってしまうという。