患者数は推定400万人…発見しづらい「正常眼圧緑内障」
「眼球と脳をつなぐ視神経の束の通り道である『視神経乳頭』という部分が、眼圧によって狭まります。すると視神経が圧迫され、損傷したり切れたりして死んでしまい、徐々に視野が欠けてしまうのです。『正常眼圧緑内障』の場合は、眼圧が異常に高いわけではないのに、視神経乳頭に圧が集中してしまうため、眼圧を測っただけでは発見できないことが多いのです。また緑内障は、“不可逆”な病気。死んでしまった視神経は、元に戻りません。残った視野は、治療によって維持はされますが、改善はされないのです」
では、どうすれば早期発見できるのか。梶田さんいわく、日常生活の中で初期症状を自覚することは難しいと語る。
「“視野が欠ける”という症状はすぐに気づきそうなものですが、人間は視野が多少欠けていたとしても、脳やもう片方の目を使って、視覚情報を補ってしまう。
結局、大幅に視野欠損が進んでからでないと自分では気づけないのです。そのため、意識的にセルフチェックを行うことも有効な手段だと思います」
梶田さんが、簡単にセルフチェックできる方法を教えてくれた。
「方眼紙など、マス目のある紙の中央の一点を片目ずつで見つめると、緑内障であればマス目が欠けたり、ぼやけて見えない部分があるはずです。