「大人のおねしょ」に健康リスク…「迷わず泌尿器科へ」と専門医
「膀胱や直腸をハンモックのように支えている骨盤底筋群という筋肉は、加齢によってゆるんでいきます。このゆるみが尿漏れにつながるのですが、妊娠・出産で骨盤底筋群にダメージを受けやすい女性はとくに、加齢が原因の夜尿症になることが多いのです」
■便秘や過活動膀胱など
“万病のもと”といわれる便秘は、“夜尿症のもと”でもあると上杉さんは続ける。
「たまった便によって拡張した直腸に膀胱が圧迫されてしまうと、膀胱が蓄えられる尿量が少なくなり、尿漏れを起こしやすくなります。さらに、膀胱が圧迫されつづけると無意識に収縮してしまい、排尿筋が過活動を引き起こすのです」
便秘の人は、頻尿や突然強い尿意を催す過活動膀胱をともなっていることも少なくない。この過活動膀胱も夜尿症の原因のひとつだ。
「伸縮性のある筋肉でできている膀胱には通常250〜350ccの尿を蓄えられ、とくに寝ている間は自律神経が膀胱の緊張をゆるませて1.5倍程度の尿をためられるようになっています。ところが過活動膀胱になると、尿がそれほどたまっていなくても、急に激しい尿意を起こし、漏らしてしまうのです」
■自律神経の乱れ
呼吸器や心拍数など無意識に働く機能をコントロールしている自律神経は、膀胱や尿道もコントロールしている。