「唱えるだけ」でOK。体を緩め、姿勢を正してくれる言葉6
海外の演奏家や芸術家の間でよく知られた言語療法「アレクサンダー・テクニーク」。それをもとに、理学療法士が独自に作成した魔法の言葉を紹介。
「体調不良や病気のほとんどは姿勢が影響しています。しかし、無理に体を動かそうとするのはかえって逆効果。無理をしなくても、言葉を使って体を整えることができます」
こう話すのは、理学療法士の大橋しんさん。大橋さんは、これまで、臨床の現場で、「特命理学療法士」として、言葉を駆使して多くの“難治性”とされる患者さんたちの体調や精神状態を整えてきた。
「私が使っているのは、海外の演奏家や芸術家たちの間ではよく知られたアレクサンダー・テクニークという言語療法です。私自身、20代のときにチェロでドイツに音楽留学をしたときに、この療法で長年悩まされていた背中の痛みが改善された経験があります。
実はこれがきっかけで治療家に転身し、今では理学療法士として現場で活用しています」(大橋さん・以下同)
大橋さんはこれまでの臨床現場での経験から、患者さんにある共通点を見いだしているのだという。
一般的には、緊張をほぐすためにストレッチやマッサージをするという発想になりがちだ。