2時間増えると死亡リスク15%増…「座りすぎ」が寿命を縮めるワケ
このとき、血行は滞ります。さらに、足の筋肉が使われない状態が長く続くことで、代謝の低下を招きます。これらが原因となり、高血圧や糖尿病、脂質異常症といった『基礎疾患』といわれる生活習慣病のほか、心臓病、脳卒中などの循環器疾患、さらには『がん』リスクが高まります。結果的に、寿命を縮めることにつながってしまうのです」
これら重い病気のリスクはもちろん、日ごろ多くの人が悩みがちな「腰痛」や「肩こり」などの慢性的な痛みにもつながることがあると小山先生は言う。
さらに、今回の研究で明らかになった恐ろしい事実がもうひとつある。どうしても日中は座っている時間が長くなってしまう人が、対策として定期的な運動を心がけても、座りすぎで上昇した死亡リスクを相殺することはほとんどできない、ということだ。
小山先生は「余暇の運動量」の増減によって、死亡リスクがどれだけ変化するかも調査した。
「もっとも日ごろの運動量が多いケースでも、死亡リスクはわずか『3%』程度しか下がっていませんでした。
つまり、かなり運動をしていたのであっても、座りすぎの死亡リスクを十分抑えるには至らないことがわかったのです」
ウオーキングを日課にしていたり、定期的にスポーツジムに通っていたり、そういった一見健康な生活を送っているように思える人でも、“座りすぎ”が習慣化していては、高い死亡リスクを招いてしまうのだ。