2023年5月1日 06:00
朝日を浴びる、シャワーより入浴…鎌田實先生がすすめる「脈活」
「日本人はたしかに長寿ですが、どれだけ健康寿命を長くできるかが課題です。私は最近『90歳の壁』を意識するようになり、それを乗り越えるための習慣を実践中です」
こう話す医師の鎌田實先生。現在74歳の鎌田先生は、70代でけがをしない体作りに励み、80代では毎日歩き続けることで、90歳を元気な体で迎えるのが目標だという。特に心がけているのが「脈活」だ。
「日本人の死因の上位には心筋梗塞や脳梗塞といった血管系の疾患がありますが、実に4人に1人が動脈硬化を起因とする血管系疾患で死亡している計算です。血管系疾患の予防のためにも、血管を健康に保つための『脈活』はとても大切です」(鎌田先生、以下同)
脈活のキーワードの一つが、NO(一酸化窒素)という体内で産生される物質だという。
「NOは、’98年にノーベル医学・生理学賞を受賞した3人の化学者によって、血管内皮細胞から分泌されると、血管を拡張させて血圧を下げる働きがあることが発見された物質です。たとえば、手にグッと力を入れて握りこぶしを作り、パッと開くとき、血管内からNOが放出されます。
加圧トレーニングもこの理論を活用したもので、NOを出すことで血流を促進し、血管を若返らせることができるのです」