9月台風シーズンに患者が急増する「雷雨ぜんそく」の脅威! 健康な人でも突然発症する
「オーストラリアで’16年、強い雷雨が発生し、直後からぜんそく発作で治療を受けた人が、なんと1万3千人に達しました。なかには重症者もいて、最終的に9人の死者が出てしまったんです」
このオーストラリアでの雷雨ぜんそくの大発生は、イネ科の植物の花粉がおもな原因とされたのだという。
「普通、花粉の粒子は大きいので、吸い込んでも目や鼻、喉の粘膜に付着するまで(花粉症の発症)でとどまるのがほとんどです。
しかし雷雨や豪雨などで水分を含むと、花粉は膨張して破裂し、粉々になります。その細かくなった粒子を吸い込んで気管支まで入ってしまうことが、雷雨ぜんそくの一因になるのではないかと考えられます」
この、花粉由来による雷雨ぜんそくが、日本で大発生する可能性はどれくらいあるのだろうか。
「日本で春に大流行するのはスギ花粉による花粉症で、成人の3~4割程度の方にスギ花粉症があると考えられます。
イネ科植物の花粉症の患者はスギ花粉症よりも少ないですが、私が診察してきた肌感覚では、スギ花粉症の10分の1ほどの患者数ではないかと推測しています。
その方々を中心に、今後、日本でも雷雨ぜんそくにかかる方が出る可能性は十分あるでしょう」