「加湿器肺炎」で肋骨骨折も…“抗生物質が効かない”咳などの症状を医師が解説
■正体はアレルギー性肺炎
そこで吉田先生に、加湿器肺炎のメカニズム、治療法と予防法、そして正しい加湿器の使い方を教えてもらった。
「加湿器肺炎は、専門的には過敏性肺臓炎というアレルギー性肺炎の一種です。肺や気管支がカビなどによるアレルギー反応を起こすことで、加湿器肺炎の原因になると考えられています。’07年には汚れた水を使った加湿器が原因でレジオネラ肺炎を起こして死亡した60代の男性の事例があります」
国立感染症研究所の発表でも、’17年12月から’18年1月までに大分県の高齢者施設で、80代男性2人と90代男性1人が肺炎になり、90代男性が死亡し、加湿器からレジオネラ属菌が検出されたことが報告されている。高齢者以外でも、’00年に新生児2人が加湿器による肺炎にかかったという事例の報告もある。
加湿器肺炎の症状は、発熱、咳、息苦しさなど。これらは風邪や通常の肺炎と同じだが、原因となるのはカビなどによるアレルギー反応だ。そのため、風邪薬や、通常の肺炎の治療薬である抗菌薬(抗生物質)では効果がないという。
「風邪薬を飲んでも治らず、健康のためにと加湿器をそのまま使い続けていると、症状は改善せずに悪化し、重症化する恐れがあります。