魚のコゲやコレステロールの摂り過ぎを気にする必要はない?
いつまでも健康でいるために、「野菜を多めに摂る」、「甘いものは控える」など、日ごろからの食生活に気をつけている人も多いでしょう。しかし、あまり気にする必要のないこともありそう…。テレビや雑誌などでも活躍中の医師・ジャーナリストである森田豊さんに話をうかがいました。
「魚のコゲでがんになる」は都市伝説だった
ある程度の年齢の人であれば、「魚のコゲを食べ過ぎるとがんになる」という説をご存じのはず。かくいう筆者も親からそういわれて育ったうちのひとり。しかしこれ、気にするだけ無駄だったようです。
「たしかに、食べものの焦げには発がん性があります。魚や肉に含まれる動物性タンパク質(正確にはトリプトファンやチロシンといったアミノ酸)が、焼かれることによって発がん性物質を作り出すのは事実です。
でもそれは体重60kgの人が毎日およそ1t食べた場合と考えられます」(森田さん、以下同)
一般的な焼き魚のコゲをすべて食べたとしても、コゲの摂取量は1kgにも満たないはず。その程度のコゲであれば、仮に毎日食べたとしても、健康に影響が出ることは、まずあり得ないそうです。
ちなみに、「この“都市伝説”は、1976年に大手新聞が一面で、“焼き魚の焦げに発がん性の疑いがある”というニュースを報じたことで広まってしまった情報のようです」