夏に気をつけたい感染症は「夏かぜ」「とびひ」「食中毒」 夏かぜに抗菌薬は効果がありません ~大野研究員が、身近な感染症やその予防策について解説を公開~
大きさは1-10μm程度で、細胞膜と細胞壁に包まれた、一つの細胞から成る単細胞生物です。球形、棒状、螺旋状のものなど形もさまざまです。人や動物の細胞に付いたり、入り込んで定着することができます。感染すると細胞の栄養を取り込み、自分の力で分裂して数を増やします。これを繰り返して増殖します。
人の体に侵入して病気を起こす有害な細菌もいれば、人の体の表面や腸の中の環境バランスを整えている細菌(常在菌)もいます。抗菌薬(抗生物質)は細菌を退治するための薬です。
ウイルスは、細菌に比べるとはるかに小さく、直径は約0.1μmで、細菌の10分の1から100分の1ほどの大きさです。
タンパク質でできた殻の中に、遺伝子をもつ粒子です。細菌と違い自分で増殖ができません。ウイルスは人や動物の細胞の中に入り込み、細胞の中の材料を利用して自分のコピーを大量につくります。増えたウイルスは次々と新しい細胞に入って、細胞を壊しながら増えていきます。かぜ(感冒)はさまざまなウイルスが原因となって起こりますがウイルスは構造や増え方などが細菌とは違うので、抗菌薬(抗生物質)はまったく効きません。
図3_ウイルス大きさの比較
■大野 茜子(おおの あかね)