2023年9月12日 10:30
紫外線から肌を守る「ウロカニン酸」が減少する原因を発見
を対象に、肌のウロカニン酸の量とメラニン量との関連を調査しました。ウロカニン酸量はテープストリップ法により頬から角質を採取し、定量しました。また、メラニン量の指標としては頬部のメラニンインデックス(※2)を用いました。
その結果、肌のウロカニン酸量とメラニン量は負の相関にあることがわかりました(図2)。つまり、肌のウロカニン酸量が少ないと紫外線の影響を受けやすくなり、メラニンの産生が亢進すると考えられました。
(※2) メラニンインデックス:メラニン量を表す指標。分光測色計で得られた分光反射率をもとに算出した。
図2 ウロカニン酸量とメラニン量との関連
2. 肌のウロカニン酸の生成メカニズム
公共のデータベースを活用したバイオインフォマティクス解析(※3)により、肌の紫外線に対する抵抗力には、ヒスチジンをウロカニン酸へ変換する酵素「ヒスチジンアンモニアリアーゼ(HAL)」と、HALの発現を促す転写因子「CEBPB」が大きく関わっていることが推測されました。
つまり、CEBPBがHALの発現を制御し、紫外線から肌を守るウロカニン酸の量を調整していると考えられます(図3)。
(※3)