2023年9月12日 10:30
紫外線から肌を守る「ウロカニン酸」が減少する原因を発見
バイオインフォマティクス解析:生物学的なデータを、情報科学(統計学やプログラミング手法など)を用いて解析する手法。
図3 ウロカニン酸生成メカニズムの詳細
3. ハマナス葉エキスが紫外線によるCEBPBの発現低下を防ぐ
表皮細胞を用いた実験から、紫外線によってCEBPBの発現量が低下することを発見しました。また、それに伴いHALの発現量も低下することを確認しました(図4)。つまり、肌が紫外線にさらされるとHALの発現量が低下し、ウロカニン酸の産生が不十分になって紫外線を防ぐ力が弱くなり、メラニンが増加しやすくなると推測されます。そこで、紫外線によるCEBPBの発現の低下を防ぐ素材を探索した結果、ハマナスの葉から独自に抽出したエキスに効果を見出しました。また、このハマナス葉エキスがHALの発現量を増加させることも確認されました(図4)。これらのことから、ハマナス葉エキスには、肌のウロカニン酸量を維持し、メラニンが増えにくくシミになりにくい肌状態を保つ効果があると期待されます。
図4 CEBPB、HALに対する紫外線の影響およびハマナス葉エキスの効果
<ハマナス>
日本や朝鮮半島などの東アジア原産のバラ科の植物。