予定日はまだ先……今赤ちゃんが生まれたらどうなる?【前編】
この時期では、肺サーファクタントの量が十分ではないので、「呼吸窮迫症候群(こきゅうきゅうはくしょうこうぐん)」となり、お薬で肺サーファクタントを補ったり、気管に管を入れ、人工呼吸器で呼吸を助けたりということが必要になります。
出血予防
この時期の赤ちゃんの血管は細くもろいです。加えて血圧コントロールもうまくできないので、脳内出血を起こしやすい状態です。また、肺からも出血する可能性もあります。
感染予防
この時期の赤ちゃんの皮膚はとても弱く、傷付きやすくなっています。免疫力もないので、感染もしやすくなっています。そして、感染すると重症化しやすいのも特徴です。
栄養
この時期の赤ちゃんの腸の機能も未発達です。そのため、新生児壊死性腸炎という病気のリスクが高くなります。必要な栄養や水分は点滴をしたり、口から胃までチューブを入れて、そこから母乳やミルクを注入していきます。ちなみに、私が働いていた病院では、NICUに入院している赤ちゃんがお口から飲めるようなる目安は、保育器から出てからでした。
このほかにも未発達ゆえに、生まれたら閉じるべき血管の穴が閉じていなかったり、血糖値が乱高下したり、黄疸が強く出たりとさまざまな影響が出てきます。
「在胎24週」の赤ちゃんにはどんな治療・ケアをする?
「在胎24週」の赤ちゃんに必要なのは、まずママのおなかの中の環境に近い状態をつくること。ママの体温に近い温度に設定し、加湿した保育器に収容して体温管理をしていきます。それに加えて、保育器内を薄暗くし、赤ちゃんをママのおなかの中にいたときのように姿勢を整えます。
小さな赤ちゃんにとって、光や音は刺激となって悪影響を及ぼすことがあります。そのため、モニターの音、スタッフの話し声など細心の注意を払っているんですよ。赤ちゃんに刺激を与えないように、おこなうケアも必要最小限です。また、赤ちゃん自身が泣くことも呼吸状態が落ち着かなくなったり、出血の要因となったりするので、安静第一。ときにはお薬を使って安静にすることもあります。
そして、呼吸状態などを常時観察するために、心電図モニターや血液中の酸素濃度をモニタリングする器械などを装着しますが、皮膚が弱いので、こちらも細心の注意が必要です。