遊ぶ力を伸ばすおもちゃと奪うおもちゃ【保育士おとーちゃんコラム6】
子どもにどんなおもちゃを与えればいいですかとよく相談されます。特に低年齢の子ほど悩んでしまうようです。世の中にはたくさんのおもちゃがあります。木のおもちゃからキャラクター遊具、電池で動いたり、音や光のでるものなどなど。今回はおもちゃを選ぶときのポイントや遊びの原点についてお伝えします。
おもちゃが「遊ぶチカラ」を伸ばすことも奪うこともある
保育士は、子どもには「遊ぶチカラ」というものがあると考えます。そしてこのチカラは、環境や配慮によって大きくもなれば、小さくもなると理解しています。子どもの個性によって、興味を示すおもちゃや遊びはさまざまですが、低年齢のときほどこの遊ぶチカラを奪わずに伸ばしていってあげたいものです。
そうなんです。実は与えるおもちゃによってはその遊ぶチカラを奪ってしまうこともあるのです。ここに気をつけることで、子どもの将来的な姿が変わってくるかもしれません。
おもちゃを選ぶときのポイント
おもちゃを選ぶときのポイントになるのは、刺激の強さです。濃い味に慣れたら、薄味のものをあまりおいしいと感じられなくなりますよね。おもちゃもそれと同じで、小さい頃から刺激の強いものに慣れてしまうと、あまり刺激を発しないたぐいのおもちゃを楽しめなくなることがあります。
そして、刺激というのは慣れによって、だんだんとおもしろさを感じられなくなってくるので、それまで遊んでいたものもだんだんそこに楽しみが見いだせなくなってしまいます。
つまり、絶えず刺激を欲するように、いつのまにか子どもがなっていってしまいかねません。
いま、赤ちゃん向けや乳幼児向けでも、電気的に音や光を発するおもちゃが普通にたくさん売られています。一見、これらは子どもの興味をひきやすいので、よく遊ぶことから一般にはよいおもちゃなのだと思われることもあるようです。しかし、これらは短期的には興味をひいても、遊ぶチカラという観点からはむしろそれを奪ってしまいかねないものともなり得ます。絶えず、より強い目新しい刺激がないと遊ばなくなってしまうことがあるからです。
赤ちゃんにあげる離乳食でも最初は薄味ですよね。おもちゃも同様に、シンプルなものから提供していく方がよいと考えられます。