「おっぱいを飲めない赤ちゃん」は惨めなのでしょうか?
赤ちゃんが生まれたときの授乳室でのこと、隣の赤ちゃんは幸せそうにゴクゴクと喉を鳴らしておっぱいを飲んでいます。いつかは自分とわが子もそうなれると思って頑張っていたのに。乳首の形が違うのか、きっとおっぱいの出方が違うのかもしれない……と、周りのママたちと自分を比べてしまうことがあるかもしれません。
ミルクがあるのに母乳を飲ませたい
退院後、体重計をレンタルし、飲む前と飲んだ後の体重を測ってみた。「30gしか増えていない! これでは赤ちゃんがかわいそう。おなかを空かせてひもじい思いをしているね。ゴメンね、ママが悪いよね」と、そんなふうに思ってしまう方もいるかもしれません。
周囲からは「なんで出ないおっぱいをいつまでもくわえさせているの?」「さっさとミルクに切り替えれば夜も楽になり、赤ちゃんだって成長して、満足そうに眠るはず。
今はミルクの質もいいし、液体ミルクだってできて調乳の手間も省けるようになるのに」と言われてしまいます。
「母乳を飲ませたい」という思いは自然なこと
でも、「母乳を飲ませたい」というママの気持ちはそんな単純に割り切れるものなのでしょうか。
大変なお産を乗り越え、脳からはオキシトシンという母性愛を育むホルモンが分泌されます。赤ちゃんを産んだ途端に母乳をあきらめるママは少ないと思います。おっぱいを飲ませたいという気持ちは自然な衝動なのです。
誰もが溢れるおっぱいをもっているわけではありません
赤ちゃんもみんな飲みじょうず、くわえじょうずとは限りません。乳首だって「短い」「硬い」「大きすぎる」「小さい」なんてざらなことです。くわえては離し、また吸わせ、ママと赤ちゃんでなんとか折り合いをつけていくのです。
赤ちゃんがおっぱいに吸いついたとしても、ゴクゴク飲むとは限りません。分泌が不十分であれば強い力で吸いつく赤ちゃんもいるかもしれませんし、すぐにあきらめてしまう赤ちゃんであれば、ママがやさしく「もう少し飲んでね」と励ますこともあるでしょう。一方、溢れるおっぱいでは強く飲むとむせ返ったりする赤ちゃんもいますし、難なく飲み終えてママの励ましがいらない赤ちゃんもいるでしょう。
どのようなおっぱいでも吸えばそれだけ顎の力がついてきます。