離乳食で赤ちゃんに「卵」を与えるときの注意点【医師監修】
離乳食の準備が負担にならないように卵不使用の肉や魚の加工食品、調味料、ホットケーキミックスなどをじょうずに使いましょう。なお、卵に含まれるタンパク質と、鶏肉や魚卵に含まれるタンパク質は異なるため、鶏肉や魚卵を除去する必要はありません。
授乳中の母親が卵を食べることを控える必要はありません
赤ちゃんが卵アレルギーと診断されても、授乳中の母親が卵を食べるのを控えたり、食べないようにする必要はありません。両親や上のお子さんに食物アレルギーがあった場合でも、母親が卵を食べることを制限する必要はありません。赤ちゃんが重症な卵アレルギーだったとしても、母親は卵を含む菓子類やパン類は食べてもかまわないことが多いです。
今のところ、妊娠中や授乳中の母親が特定の飲食物やサプリメントを摂取することで赤ちゃんのアレルギーを予防できる確実な方法はありません。
食物アレルギーを確実に予防できる方法はありません
卵に限らず、食物アレルギーを確実に予防できる方法はありません。乳幼児期に発症した卵・牛乳・小麦などのアレルギーは3歳までに約50%、5−6歳までに約60−70%が治ります。
※参考:食物アレルギー研究会食物アレルギーの診療の手引き2017
食物アレルギーに限らずアレルギーは遺伝と環境によって発症すると考えられています。生まれて間もない時期から赤ちゃんの肌を清潔に保湿して健やかに保つことや、赤ちゃんの肌に食物アレルギーを起こす食品が触れないようにすることで、アレルギー性の湿疹を予防できることがわかっています。離乳食を開始するよりも前から湿疹がある場合は、湿疹の治療を優先しながら離乳食を進めたほうがいいこともあります。湿疹や離乳食の進め方については、小児科医やアレルギー専門医へ相談しましょう。
離乳食を開始して、食物アレルギーかもしれないと思ったときは、すぐに小児科あるいはアレルギー専門医に診てもらいましょう。何をどのくらい食べたのか、どのような症状が出たのかをメモや写真でもいいので持参して受診しましょう。
原因となる食品を除去した方がいいのかなど、どのように離乳食を進めていくかについては、医師の診断が重要です。医師は卵の調理方法によるアレルギー症状の現れやすさを参考に、食べられる範囲を決めていきます。