子育て情報『【医師監修】妊娠中、銭湯に行っても大丈夫?利用する際の注意点を解説』

【医師監修】妊娠中、銭湯に行っても大丈夫?利用する際の注意点を解説

医学的な視点では、アルコールや薬物に対する依存を断ち切るために、体から依存している物質を排出する目的の治療をデトックスといいますが、一般的な健康法で使用される用語のデトックスとは異なります。

サウナや岩盤浴の利用環境から考えると、母体の体温上昇が胎児や妊娠継続に影響する可能性があります。母体の体温が上昇すると、子宮の筋肉の中で、子宮の筋肉を弛緩させる作用があるエピネフリンというホルモンの量が減少するため、子宮収縮が起こり、早産の危険性が高まります。また、おなかの中の赤ちゃんの体温は母体の体温よりも0.5度程高いですが、この温度差が逆になったとき、つまり母体の体温のほうが高くなった場合に、動物実験では中枢神経系の先天異常が発生していることが確認されています。ヒトでの同様の報告はありませんが、妊娠中に危険性がゼロではないと知りながら、あえて高温多湿の状況で過ごすことを選ぶ必要はないでしょう。

薬草風呂や漢方風呂は入浴しても大丈夫?

お風呂に薬草や漢方を入れて、湯に溶け出た成分の効果効能を期待するものですが、薬草や漢方を使用した入浴方法は民間療法で科学的根拠が乏しいため、医学的な視点では、どの妊婦さんにおいても利用しても大丈夫とは言えません。

薬草や漢方の種類によって、妊娠中の肌に刺激が強いことや、嗅覚が敏感になるために湯気と共に立ち上る香りで気分が悪くなることもあるでしょう。自然由来の薬草や漢方というと安全と思いがちですが、量や濃度によっては妊婦や赤ちゃんへ思わぬ影響を及ぼす可能性を否定できません。
薬草や漢方の種類が不明な場合や、妊婦が入浴しても大丈夫な成分かどうか不明な場合は、利用しないほうが無難でしょう。

また、妊娠に気づかず入浴してしまった場合や、妊娠中に気にせず利用した場合に、妊娠や胎児への影響を気にする妊婦さんもいますが、その後の妊娠経過が順調であれば気にする必要はないでしょう。 

妊娠中に銭湯を利用する際に気をつけること

・妊娠中はのぼせ、立ちくらみ、脱水を起こしやすい
妊娠中は血液循環量が増えているため、銭湯や温泉など蒸し暑い場所で過ごすことで、血行がよくなって気分が悪くなったり、のぼせ、立ちくらみなどを起こす危険性があります。また、汗を大量にかくことで、妊娠していない状態よりも脱水症状を引き起こしやすいです。

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