もう一度おさらい! 母乳育児のメリットについて助産師が教えます!
産後すぐは母乳の量が安定せず、母乳分泌を促すために赤ちゃんが泣いたら母乳を与える頻回授乳が必要となるため、体力的な面で大変です。また、正確な哺乳量もわからないため、足りているのか不安になるママも少なくありません。そのほか、乳腺炎になったり乳首が裂傷したりとトラブルが起こることもあります。
赤ちゃんにとってのデメリットは、母乳性黄疸やビタミンK不足をきたす可能性があります。また、母親がHTLV-1(成人性細胞白血病ウイルス)に感染している場合、母乳を介して赤ちゃんに感染する恐れもあります。そのほか、母乳は鉄の含有量が少ないため、乳児期後期に鉄欠乏性貧血になることもあります。
母乳育児を希望していても、赤ちゃんに十分な母乳を与えられない場合、育児用ミルクを補足する混合栄養という方法がとられます。そしてなんらかの理由で母乳が与えられない、また母親の意思などで人工栄養(ミルク育児)が選択されることもあります。
日本では、数々の乳業会社が母乳の研究を進め、母乳を目指したミルクが開発・販売されています。2018年8月には液体ミルクの制度改正により、日本でも液体ミルクの製造・販売が解禁され、話題となりました。
人工栄養(ミルク育児)は、母乳が足りない母親にとっては、精神的な負担を軽減し、赤ちゃんの成長を助けてくれます。また、授乳室がない場所での授乳など状況に応じた授乳も可能です。さらに、ママ以外の家族が授乳することもできるため、赤ちゃんとの触れ合う機会も増えます。保育園などに預ける場合にも便利です。哺乳瓶を使うことで、赤ちゃんが飲んだミルクの量を正確に把握できるのもメリットといえるでしょう。
その一方で、調乳グッズのお手入れや、消毒など手間がかかる点はデメリットといえます。
特に、夜間の授乳時は大変かもしれません。また、出かける際にも、哺乳瓶や育児用ミルク、お湯の入った水筒など、荷物が増えてしまいます。育児用ミルク代がかかるという点もデメリットといえるでしょう。
※参考:基礎知識(ベビー)「母乳育児のメリットとは? 断乳・卒乳の方法、おっぱいトラブルの対処法について」