子育て情報『鼻水は何回吸っても大丈夫!良いことだらけです【3児ママ小児科医直伝】』

鼻水は何回吸っても大丈夫!良いことだらけです【3児ママ小児科医直伝】

目次

・風邪薬は「風邪を治す」ものではない
・風邪の鼻水のケアで大事なのは?
・粘膜を傷つけないの?
・鼻水吸引のコツは…?
鼻水は何回吸っても大丈夫!良いことだらけです【3児ママ小児科医直伝】


こんにちは、東京衛生病院小児科の保田典子です。私生活では7歳、5歳、3歳の子育て中です。涼しい日が増えてきて、寒くなってくると風邪の季節です。寒い季節の風邪は、鼻水や咳がメイン。今回は、子どもの鼻水のケアについてお伝えします。 

風邪薬は「風邪を治す」ものではない

病院に行くともらう風邪薬。風邪薬は”風邪を治すもの”ではありません。風邪による鼻水を出しやすくしたり、咳を少し緩和したりする薬です。

ただ、無理やり風邪症状を押さえつけているだけなので、結局は子どもの免疫で風邪のウイルスをやっつけて、症状を良くしていくしかありません。

実際に、咳止めを使うと咳がでる期間が長くなる、という論文もあります。なので、薬を使うときは「症状で眠れないなど生活にかなり支障が出るときに、睡眠など療養生活を少し快適にするためのもの」と考えましょう。少し鼻水が出るくらいなら、薬は使わなくても大丈夫です。

風邪の鼻水のケアで大事なのは?

薬で治すわけではないのなら、どうやって風邪のケアをしてあげればいいのでしょうか。一番は「ウイルスを出すのを手伝ってあげること」「ゆっくり休んで体力を温存してあげること」です。

鼻水や咳には、風邪のウイルスがたくさん含まれています。(風邪をひいて長時間経っていると、もうウイルスがいないことも多いですが)

鼻水や咳をすることにより、風邪のウイルスを体から出そうとしているのです。
そのため、薬で無理に抑えてしまうより、うまく出してあげたほうが良いのです。

鼻の奥には耳につながる耳管もあり、鼻水をためっぱなしにしておくと中耳炎になりやすくなってしまいます。咳と違って、鼻水は出すのを親が手伝ってあげられます。
ぜひ鼻水吸引器などで吸って、鼻水をすっきりさせてください。

粘膜を傷つけないの?

診療でよく「自分で子どもの鼻水を吸うと、粘膜を傷つけませんか?」と聞かれます。ご家庭で鼻水吸引をする場合、器具を鼻の奥まで入れないので、粘膜を傷つける心配はありません。

左右の鼻の穴の間の壁(鼻中隔)には「キーゼルバッハ部位」という、血管が豊富な場所があります。

鼻水は何回吸っても大丈夫!良いことだらけです【3児ママ小児科医直伝】


粘膜を傷つけることが心配であれば、この鼻の真ん中の奥(キーゼルバッハ部位)

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