妊娠してからトイレが近い!妊娠初期の頻尿&残尿感が続くとどうなるの?
妊娠中は膀胱炎や腎盂腎炎などを起こしやすい
妊娠によって大きくなり始めた子宮が膀胱を圧迫したり、腎臓と膀胱を結ぶ尿管を通る尿の流れが遅くなることで、細菌が洗い流されにくくなることで、膀胱炎や腎盂腎炎などの尿路感染症を起こしやすくなります。
尿路感染症とは尿を作る腎臓、尿を貯める膀胱、腎臓と膀胱を結ぶ尿管、尿を排泄する尿道口までの間に細菌によって起こる感染症のことです。膀胱炎を放置していると、細菌が尿管から腎臓へ侵入して、腎盂腎炎になる危険性があります。腎盂腎炎は膀胱炎の症状に加えて、発熱、背中や腰の痛みが起こります。
尿の中に細菌が混じっていても、特に自覚症状がない無症候性細菌尿という状態が誰にでも起きる可能性があります。妊娠していない状態では、無症候性細菌尿があっても治療の必要はありませんが、妊婦さんの場合は治療せずにいると、膀胱炎や急性腎盂腎炎を発症して、ときに母体だけでなく赤ちゃんの生命も危険にさらされる危険性があります。
妊娠中に頻尿や残尿感が続く場合、どうしたらいい?
頻尿や残尿感があっても、水分摂取を控えたり、トイレへ行くことを我慢しないように注意しましょう。水分摂取を控えることは、膀胱炎や尿道炎を起こす原因となります。
頻尿や残尿感以外に、尿を出し切った後に下腹部に痛みを感じる排尿後痛、尿が混濁しているなどの症状があれば、早めにかかりつけの産婦人科を受診して相談しましょう。
膀胱炎や腎盂腎炎 妊娠中の治療は?
無症候性細菌尿や膀胱炎の場合は、内服と通院で治療することができます。急性腎盂腎炎の場合は、安静と点滴による治療のため入院する必要があります。いずれの場合も妊娠経過や赤ちゃんに影響の少ない抗菌薬を選んで治療可能です。
重症な腎盂腎炎の場合、各々の病院や地域の連携体制によって多少異なりますが、かかりつけの産婦人科が小規模のクリニックや産院の場合、母体や赤ちゃんが早急に高度な医療を受けられるように、万が一に備えてNICU(新生児集中治療室)が併設された規模の大きい病院などへ転院もしくは母体搬送されることがあります。
まとめ
頻尿や残尿感は妊娠初期に起こりやすい症状ですが、日常生活のなかでどうしてもそれらの症状が気になる、排尿後痛がある、尿が白くにごっている、発熱や腰痛がある場合は、早めに産婦人科を受診しましょう。