カンガルーケアが親子の絆を深め死亡率を下げる!?デメリットもあるの?
しかし、カンガルーケアが母子の相互によい効果をもたらすということから、有志の医療従事者を中心にカンガルーケアのガイドラインが作成されました。
なお、ガイドラインに定められた内容は、取り決めとしておこなわれるものではなく、赤ちゃんの誕生にかかわる人の意見を体系的にまとめたものとなっています。カンガルーケアに興味がある人は、一度目を通してみるのもよいでしょう。
カンガルーケアを希望するときの注意点
赤ちゃんとのカンガルーケアをおこなうには、安全におこなわれることが前提になります。カンガルーケアをおこなうときには、次のことを認識しておきましょう。
・カンガルーケアは母子のきずなや健康によい効果が認められている一方で、ケア中は赤ちゃんの健康に変化が現われる可能性があることを認識する。
・カンガルーケアをおこなう際には、医療従事者の付き添いがきちんとあるか、ケアにかかるおよその時間やケア内容を事前に確認する。
・カンガルーケア中は正しいポジショニングをおこない、赤ちゃんの呼吸や肌の色などの変化に気をつける。
・カンガルーケア中は手元にナースコールを置いてもらうなど、ケアを中断したいときや、赤ちゃんの異常が現われたときなど、スタッフを呼べるようにする(※1)。
※1:カンガルーケア中は、医療従事者の付き添いが望ましいとされていますが、現実問題としてスタッフがその場を離れることもあるため。
まとめ
カンガルーケアは、母子のきずなを深めるだけでなく、赤ちゃんの健康にもよい効果を与えるのものです。その一方で、不十分な環境の中でカンガルーケアがおこなわれることで、赤ちゃんに影響を与えることもあります。カンガルーケアを希望するときには、出産予定の医療機関で、よく話し合いをするようにしましょう。
参考:
・ワーキンググループ「根拠と総意に基づくカンガルーケア・ガイドライン」
・日本周産期・新生児医学会ほか「早期母子接触の留意点」
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監修者・著者:助産師 REIKO
医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。