カンガルーケアが親子の絆を深め死亡率を下げる!?デメリットもあるの?
カンガルーケアは危険ではないの?(デメリット)
カンガルーケアには、親子のきずなを深めるだけでなく、状況によっては母親と赤ちゃんの双方の健康状態によい効果をもたらすというメリットがあります。その一方で、適切な環境のなかでおこなわれないカンガルーケアでは、母子にとってデメリットが生じることもあります。
カンガルーケアにより懸念されるデメリットには、以下のものがあります。
カンガルーケア中に赤ちゃんの異常が起こることがある
生まれてきたばかりの赤ちゃんは、お母さんのおなかから外の世界へスムーズに順応する時期であり、不安定な時期です。そのため、元気で生まれてきた赤ちゃんでも、呼吸状態が変化するなどの異常が起きる場合があります。
医療機関のなかには分娩台に横になっている母親に赤ちゃんを渡すところもあり、赤ちゃんがうつ伏せの状態になりやすく、呼吸を妨げてしまう恐れがあります。
赤ちゃんの異常への対応が遅れることがある
どの状態の赤ちゃんでも、カンガルーケアをおこなうときは医療従事者が付き添っていることが望ましいとされています。しかし、病院の体制や出産した時間帯によっては、スタッフの不足により、医療従事者が不在のままカンガルーケアを経験することも少なくありません。このような状況では、赤ちゃんの異常が気づかれにくく、対応が遅れてしまう可能性があります。
母親がカンガルーケア中にストレスを感じる場合がある
初めての出産では、出産の疲労に加え、母親が赤ちゃんの扱いに慣れていないため、カンガルーケア中に母親がストレスを感じるケースも。また、低出生体重児の場合も、赤ちゃんの小ささにとまどったり、状態が悪化するのではないかという不安を感じる場合もあるようです。
カンガルーケア・ガイドラインについて
1990年代より、日本でもカンガルーケアが取り入れられるようになりましたが、当時はガイドラインのようなものはなく、それぞれの医療機関で試行錯誤をしている状態が続いていました。そのような背景の中で、実際の医療現場のスタッフ不足も重なり、カンガルーケア中に異常が起きた赤ちゃんへの対応の遅れが問題として挙がっています。
医療が発達している日本では、感染予防など、赤ちゃんの命を救うためのカンガルーケアは必要がありません。