出産前に気になる「会陰切開」のこと。どこをいつ切開するの?助産師が解説!
こんにちは! 助産師のREIKOです。お産を控えているママにとって、“陣痛ってどのくらい痛いの?”という疑問と同じくらいに気がかりなのが「会陰(えいん)切開」のことなのではないでしょうか? 会陰は腟と肛門の間とその周辺の部分を指します。生まれてくる赤ちゃんにとって、ママの外陰部と会陰は最後の難関とも言えます。そこで今回は、「会陰切開」についてお話ししたいと思います。
どうして会陰切開をするの?
お産が進んでくると、陣痛とママのいきみに合わせて、赤ちゃんの頭が見えてきます。しかし、陣痛がおさまるとまた赤ちゃんの頭が見えなくなってしまいます。これを何回か繰り返していくうちに、会陰が伸び、薄くなっていきます。
「陣痛がおさまっても赤ちゃんの頭が常に見える状態」である「発露(はつろ)」を迎え、いよいよ赤ちゃん誕生の瞬間が近付いてきます。
しかし、そのときに、会陰の伸びが悪いと赤ちゃんがなかなか出てこられなかったり、会陰が裂けてしまったりするため、「会陰切開」をしてお産のお手伝いをするんです。
お手伝いなしに、会陰が裂けてしまった場合を「会陰裂傷」と言います。会陰裂傷は、傷の程度によって第1度から第4度に分類されます。第4度にもなると腟だけでなく肛門にまで傷が及んでしまいます。そうすると、感染を起こしたり、排便に支障をきたすこともあります。
会陰は初産婦さんより経産婦さんのほうが伸びがいいため、会陰切開をするのは初産婦さんが多いです。なかには、会陰切開をしないでお産をする初産婦さんもいらっしゃいますし、経産婦さんでも会陰切開をおこなう方もいらっしゃいます。
会陰切開の方法
会陰切開は医療行為なので医師がおこないます。
しかし、正常な経過のお産であれば、お産にかかわっているのは助産師だと思います。もう少し待てばまだ会陰が伸びる余地がある、切れるかどうか微妙なライン……、切開しないと難しいなど、経過を見てきた助産師だからこそわかる部分なんです。
会陰切開が必要と判断されたら、よほど緊急でない限り、切開を入れるところに局所麻酔をおこないます。陣痛がきたタイミングで針を刺すので、痛みを感じない方が多かったです。切開を入れるのも、陣痛がきているタイミングでおこないます。