2020年10月22日 18:30
助けて…新生児訪問でがっかり!病気の子は親がつきっきりで育てる前提?
横隔膜ヘルニアという先天性疾患を持って生まれた息子さんを持つママの体験談です。新生児訪問で医療的ケア児の介護に関する支援を訴えたものの、欲しかった支援が受けられず、悔しかった経験について書かれています。
「横隔膜ヘルニア」という先天性疾患を抱えて生まれたお子さんを持つママの体験談をお届けする連載企画です。横隔膜ヘルニアとは、本来胸とおなかの臓器を隔てている横隔膜に生まれつき穴が開いており、その穴からおなかの中の臓器が胸の中に出てきて心臓や肺を圧迫してしまう病気。
おなかの子が横隔膜ヘルニアであると診断された妊娠中から出産までの出来事やママが感じた不安、生まれたお子さんの様子やその後の治療についてご紹介していきます。
先天性横隔膜ヘルニアにより、呼吸の補助が必要な状態で退院した息子。保護者へのケアも手厚かった入院中と違い、退院すると全部私たちの責任になってしまう気がして非常に不安でした。そんなとき、区役所より新生児訪問をしたいとの電話。
医療的ケア児にも詳しい保健師さんがきてくれるとあって期待していたのですが、期待した支援は受けられませんでした……。
息子との暮らしに弱りきっていた私
息子が退院してからというもの、私は人工呼吸器の扱いや上の子がもらってくる病気の感染対策などに疲れきっていました。区役所から新生児訪問の連絡があったのもちょうど息子以外の家族全員が胃腸炎になったあとで、体調も芳しくなかった私は「とにかく助けてほしい。わが家だけでは見きれない」と訴えたのを覚えています。
看護師さんに気軽に相談できた入院中と違い、退院後は相談相手もおらず、いろいろと困っていても調べることもままならなかったので、保健師さんが家にきてくれるのは本当に待ち遠しかったです。
待ちに待った新生児訪問
新生児訪問では「人工呼吸器の移動時間に制限があるため、車を身障者用に停められる利用証が欲しい」「上の子や私たち両親が病気になったとき、息子に移らないようにどこかに預けたい」などさまざまな支援を保健師さんに訴えました。
医療的ケアそのものについては、人工呼吸器のメーカーや病院のサポートで十分だったので、自治体には息子へのケアを少しでも手伝ってもらって、私は上の子たちの心のケアをしたいという思いがありました。